開校のご案内

<経営者のための戦略的経営法務研究会講座>
開講のご案内
【目的】日本経済の発展には,地方の同族の中小企業が大きく寄与してきましたが,これまで同族の中小企
業の経営学や後継者教育は重要視されてきませんでした。本講座は同族の中小企業経営者が身につ
けるべき知識を多角的に取り上げ,経営実務を意識した講義を行います。
【概要】本講座は中小企業経営に関するあらゆる分野を網羅しますが,経営の「技術」と「精神」を柱とし
ます。
「技術」に関しては,儲けるための「経営設計」と儲けを損なわないための「危機の管理・排除」
を習得します。また,経営技術を実務に生かす「精神」の鍛練のため,吉田松陰,新渡戸稲造,二
宮尊徳らを通じて「リーダー論」について学びます。
技術
経営設計
危機の回避・排除
リーダー論
精神
【会場】下関市立大学
【回数】全 15 回 (1 年間)
【受講料】¥30,000/1 年
【時間割】 Ⅰ 16 時 00 分~16 時 30 分 リーダー論
Ⅱ 16 時 45 分~17 時 45 分 経営技術
Ⅲ 18 時 00 分~19 時 00 分 経営技術
【講義予定】
第1回
2013 年
7月6日
経営設計①
中小企業総論(弁護士・税理士
杉岡茂)
中小企業経営者が大学で学ぶ意義を確認した上で,会社法や民法の基本的なル
ールを学びながら,中小企業のなかでも「同族」中小企業の特殊性を理解します。
経営設計②
経営のフォーム・中小企業の会計(弁護士・税理士
杉岡茂)
経営も基本フォームがあれば迷ってもそこに戻ることができます。本講義では,
第2回
2013 年
まず中小企業の「社長の仕事」とは何かを理解します。次に,事業計画の重要性
7 月 27 日
を確認し,10 年後・20 年後の自社のグランド・デザインを描き,それから逆算し
て今何をすべきかを考えてゆきます。また中小企業の経営を学ぶうえで前提とな
る,税法・会計学の総論的な知識を習得します。
第3回
第4回
2013 年
8 月 24 日
経営設計③④⑤ 経営理念・経営戦略・経営戦術・経営目標(弁護士・税理士
杉
岡茂)
経営設計は,
「経営理念→経営戦略→経営戦術→経営目標」の順番で検討して
2013 年
ゆきますが,その中でも経営理念は経営設計を貫く重要な位置にあります。そこ
9 月 21 日
で,経営理念として「事業を通じて何がしたいのか?」
,後継者は「なぜ事業を引
き継いだのか?」を考えます。
経営戦略は方向性です。どこを戦場に設定するかを考えます。そして,儲ける
のか,続けるのかといった基本的な考え方,自社の体質(内部)として受注事業
第5回
2013 年
10 月 19 日
と見込事業の違い,事業を取り巻く外部環境として経済やライバル企業の分析に
ついて学びます。
経営戦術は戦場を設定した上で武器(手段)を決めます。自社の特色を「営業
力」「技術力」「企画力」
「組織力」
「財務力」の5つの項目から検討します。
経営目標は,経営理念→経営戦略→経営戦術から導かれるもので,従業員一人
当たりの売上など,自社がこだわるべき独自の数字を決定します
第6回
2013 年
11 月 16 日
危機の回避・排除①②
財務リスク(弁護士
島田直行
税理士
杉本康平 他)
会社法は直接金融と株主有限責任を株式会社の原則としていますが,中小企業
の資金調達はほぼ銀行からの間接金融に頼っています。また,経営者は通常銀行
借入に対して連帯保証や個人資産の担保提供をすることで無限責任を負うことに
第7回
2013 年
なります。そこで,民法を中心に保証・担保の仕組みを理解するとともに資金調
12 月 14 日
達の際の金融機関との付き合い方を研究します。また,財務諸表等から企業の危
険な兆候を見極めるポイントを学びます。
危機の回避・排除③ 会社運営・定款自治(弁護士 島田直行 )
第8回
2014 年
1 月 11 日
中小企業を経営するにあたって,どのような組織を構築すればよいか,新会社
法により飛躍的に裁量が広がった定款自治の下でどのようなルールを作成すべき
か研究します。また,同族中小企業が注意すべき株主総会等の運営方法について
も学びます。
危機の回避・排除④ 人事・労務(弁護士 内田邦彦 )
第9回
2014 年
2 月 15 日
現在の法律・判例では,労働者の権利は手厚く保護される一方,企業経営者(雇
用主)には多くの規制があります。本講義では,経営者に必須の労働法の知識を
習得します。また,従業員の労働時間,賃金体系を軸に会社組織をいかに設計す
べきか研究します。
第 10 回
第 11 回
第 12 回
2014 年
3 月 15 日
2014 年
4 月 19 日
2014 年
5 月 24 日
危機の回避・排除⑤⑥ 国内取引(弁護士 島田直行 )
事業活動は契約の繰り返しの集積であるため,契約の重要性を意識しないと思
いもよらないトラブルに巻き込まれることになりかねません。そこで,まず契約
の基本について学ぶとともに,事業間取引・非事業者との取引の各特性とそれら
にまつわる法規制や債権回収対策について学びます。
危機の回避・排除⑦⑧ 事業承継(弁護士 島田直行 税理士 杉本康平 他)
中小企業経営者が避けて通ることのできない事業承継問題について,事業を誰
に継がせるか(相続法)
,どのように会社支配権を集中させるか(会社法),相続
第 13 回
第 14 回
第 15 回
2014 年
6 月 21 日
2014 年
7 月 26 日
2014 年
8 月 23 日
税・贈与税をどのように支払うか(相続税法)を軸に,創業者と後継者がすべき
対策について学びます。
経営設計⑥⑦ 事業計画作成(弁護士・税理士 杉岡茂 他)
1 年間の講義の集大成として,自社の事業計画を作成します。事業計画作成後は,
ゼミ形式で各自の事業計画を発表し検討します。