男性ホルモン製剤

エネルファ錠10.Q33 07.1.20 17:23 ページ 1
※※2006年12月改訂(第4版、薬事法改正に伴う改訂等)
※2005年1月改訂
日本標準商品分類番号
872462
貯 法:室温保存
使用期限:外箱に表示
規制区分:指定医薬品、※※処方せん医薬品
※※注)−医師等の処方せんにより使用すること
男性ホルモン製剤
®
承認番号
21100AMZ00277000
薬価収載
1999年7月
販売開始
1999年7月
®
日本薬局方 メチルテストステロン錠
【禁忌(次の患者には投与しないこと)
】
アンドロゲン依存性腫瘍(例えば前立腺癌)及びその疑
いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことが
ある。]
肝障害のある患者[代謝能が低下しており肝臓への負担
が増加するため、症状が増悪することがある。
]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産
婦、授乳婦等への投与」の項参照)
※※
【組成・性状】
販売名
エネルファ錠10
成分・含量
(1錠中)
日局メチルテストステロン 10mg
添加物
結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、
乳糖水和物、部分アルファー化デンプン
女性に投与する場合には、変声の可能性のあることを告
げておき、投与に際しては観察を十分に行い、異常が認
められた場合には投与を中止すること。通常、月経異常
が先発する例が多いとの報告がある。
3.相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
抗凝血剤
ワルファリンカ
リウム等
抗凝血作用が増強
することがある。
凝血能の変動に十
分注意しながら投
与すること。
テストステロンが
凝固因子の合成を
抑制あるいは分解
を促進すると考え
られている。
4.副作用
色調・剤型
白色・素錠
表
外形
裏
側面
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて
適切な処置を行うこと。
なお、本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確とな
る調査を実施していないため、発現頻度は不明である。(再
審査対象外)
頻度不明
H18
過
直径6(mm)
識別コード
(包装コード)
重量80(mg)
厚さ2.3
(mm)
H18
(HPC018)
敏
症注1)
肝 臓注2)
内
分 泌注2)
女 性
【効能・効果】
【用法・用量】
効能・効果
用法・用量
男子性腺機能不全
(類宦官症)
メチルテストステロンとして、通常、
成人1日20∼50mgを経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
造精機能障害によ
る男子不妊症
メチルテストステロンとして、通常、
成人1日50mgを無精子症になるまで経
口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
末期女性性器癌の
疼痛緩和、手術不
能の乳癌
メチルテストステロンとして、通常、
成人1日50∼200mgを経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
男 性
消
化
過敏症状
黄疸、肝機能検査値の異常
回復しがたい嗄声・多毛、ざ瘡、色素沈着、
月経異常、陰核肥大、性欲亢進
陰茎肥大、持続性勃起、特に大量継続投与
により精巣萎縮・精子減少・精液減少等の
精巣機能抑制
器
悪心、嘔吐、食欲不振等
精神神経系
多幸症状
皮 膚
脱毛、皮膚色調の変化(紅斑等)等
注1)発現した場合には投与を中止すること。
注2)観察を十分に行い、発現した場合には減量又は投与を中
止するなど適切な処置を行うこと。
5.高齢者への投与
【使用上の注意】
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
前立腺肥大のある患者[前立腺肥大はアンドロゲン依存性
であるため、症状が増悪することがある。
]
心疾患、腎疾患又はその既往歴のある患者[ナトリウムや体
液の貯留により、これらの症状が増悪するおそれがある。
]
癌の骨転移のある患者[高カルシウム血症があらわれる
おそれがある。]
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
思春期前の患者(「7.小児等への投与」の項参照)
2.重要な基本的注意
男性高齢者ではアンドロゲン依存性腫瘍の潜在している可
能性があること、及び一般に高齢者では、生理機能が低下
している(ナトリウムや体液の貯留、高カルシウム血症が
あらわれる)ことがあるので慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこ
と。[女性胎児の男性化を起こすことがある。]
7.小児等への投与
骨端の早期閉鎖、性的早熟をきたすことがあるので、思春
期前の患者に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重
に投与すること。
男性に投与する場合には、定期的に前立腺の検査を行う
こと。
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8.適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して
服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬
い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔
洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。
]
9.その他の注意
蛋白同化・男性ホルモン剤を長期大量に投与された再生不良
性貧血の患者等に肝腫瘍の発生が観察されたとの報告がある。
性 状:白色∼微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほ
とんど溶けない。
融 点:163∼168℃
※
【包 装】
PTP:30錠(10×3)
:100錠(10×10)
【主要文献】
【薬物動態】
※※1.
血中濃度
健常成人男子20名にメチルテストステロン10mg錠1錠を単
回投与した結果、投与後約1.1時間で最高血漿中濃度に達し、
1)
その後血漿中濃度は緩やかに減少した。
Cmax
AUC0-12
(ng・hr/mL) (ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
エネルファ錠10 78.9±39.8 23.1±12.0
1.1±0.3
2.9±0.5
1)原沢製薬工業株式会社 社内資料
2)Burrill,W.M.et al.:Endocrinology 31,73∼77(1942)
3)Levedahl,B.H.et al.:J.Biol.Chem.186,857∼861(1950)
4)一井昭五:”
臨床薬理学大系;第12巻ホルモン”P120∼131
(中山書店)
1966
5)志田圭三:日本不妊学会雑誌 4(6)
,392∼403
(1959)
6)東條伸平 編:”産婦人科シリーズ;No.2 ホルモン療法のすべて”
P261∼273,P318∼326(南江堂)1972
7)Heckel,N.J.et al.:Fertil.Steril.3(1)
,49∼61(1952)
(Mean±S.D.,n=20)
nN/mL
血
漿
中
メ
チ
ル
テ
ス
ト
ス
テ
ロ
ン
濃
度
8)Charny,C.W.:Fertil.Steril.10(6)
,
557∼570(1959)
35
9)梅原千治 他:”ステロイドホルモン;Ⅰ ステロイドの化学,男性ホル
30
モン”
P101∼102,
P131∼132(南江堂)1966
10)原 義雄:診断と治療 51,2122,2125∼2126(1963)
25
エネルファ錠10
(Mean±S.D.,n=20)
20
※※
【文献請求先】
原沢製薬工業株式会社 開発本部
〒108-0074 東京都港区高輪3丁目19番17号
TEL 03-3441-5191
FAX 03-3445-4779
15
10
5
0
0
2
4
6
8
10
12
時間(hr)
図 エネルファ錠10投与後の血漿中濃度推移
【薬効薬理】
1.
メチルテストステロンは、肝臓で不活化されにくく、経口
投与した場合にもテストステロンとほぼ同程度の男性ホル
モン作用を示す。2),3)
2.
テストステロンは主として精巣で産生・分泌され、その作
用として、男性の第二次性徴の発現と維持、雄性副性器発
4)
育肥大作用、蛋白同化作用がある。
3.
少量のテストステロンは、精細管に直接作用して造精機能
5)
を促進する。
4.
高用量のテストステロンは下垂体に作用し、精子形成を抑
制する。投与を中止することによりrebound現象として投与
前より高い精子濃度が得られる。5)∼8)
5.
テストステロンは、成熟下垂体摘出ラットにおいて睾丸や
5)
副性器の萎縮を改善する。
6.
テストステロンは抗エストロゲン作用により、乳癌患者の
9)
,10)
疼痛、食欲不振等の自覚症状を改善する。
※※
【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:メチルテストステロン(Methyltestosterone)
化学名:17β-Hydroxy-17α-methylandrost-4-en-3-one
分子式:C20H30O2
分子量:302.45
CH3
構造式:
H3C
H3C
H
H
O
OH
H
※※
TP1S6Z④
061213T451