農 業 資 材 情 勢

農 業 資 材 情 勢
平成 27 年 1 月
ホクレン農業協同組合連合会
1.
被覆資材製造の流れ(概要)
2.
被覆資材情勢
(1) 原油価格
原油価格の世界的指標である WTI 原油価格につきましては、平成 26 年上半期は
100~110 ドル/バレルの間で高止まりしていましたが、平成 26 年下半期は騰勢を弱め、
値下がりに転じました。特に、11 月末の OPEC 総会で減産が見送られたことを受け、さ
らに値下がりが加速し、平成 27 年 1 月 13 日には一時 45 ドル/バレルを割り込み、約
6 年ぶりの安値を記録しました。
今後につきましては、これから冬場の需要期を迎えるものの、OPEC の減産見送りに
より需給の緩みが長引くとの見方が出てきており、当面は弱含みの情勢が続くものと見
られております。
(2) 国産ナフサ価格
石油化学製品の基礎原料となる国産ナフサ価格につきましては、平成 26 年 1~3 月
期は 72,000 円/kl となり、平成 20 年 7 月~9 月期の過去最高値(85,000 円/kl)に
次ぐ水準となりました。
平成 26 年 7~9 月期は 70,900 円/kl(前期比+1.0%)と依然高止まりの状況が続い
ております。平成 26 年 10~12 月期につきましては、原油価格が大きく下落していること
から、65,000 円/kl 前後まで値下がりすると見られております。しかし急激な円安の影
響により、今後の価格動向は不透明な状況にあります。
※1Q:1 月~3 月、2Q:4 月~6 月、3Q:7 月~9 月、4Q:10 月~12 月
(3) 原材料価格動向
ア. 塩ビ樹脂
農業用ビニールの主原料である塩ビ樹脂につきまして、塩ビ樹脂メーカーは、ナ
フサ価格の高騰と円安を理由に平成 26 年 1 月出荷から 10%の値上げを打ち出し
一定程度値上げを浸透させた模様です。
イ. 低密度ポリエチレン樹脂
農業用ポリエチレンフィルムの主原料である低密度ポリエチレン樹脂につきまし
ては、原料メーカーが塩ビ樹脂と同様にナフサ価格の高騰と円安を理由に平成 26
年 1 月出荷分から値上げを打ち出し、一定程度浸透した模様です。
(4) 製品(農ビ・農 PO・農ポリ)価格動向
一部の農業用フィルムメーカーは、原油・ナフサ価格の高騰を背景とした原料樹脂価
格の値上がりを理由に、農ビ・農 PO・農ポリ価格について平成 26 年 4 月出荷より約
10%の値上げを打ち出しております。
3.
農業用パイプ製造の流れ(概要)
4.
農業用パイプ情勢
(1) 原料価格動向
ア. 鉄鉱石
主原料である鉄鉱石価格については、平成 25 年度 7 月以降、中国の景気回復
が鈍く在庫過剰で需要が減少しており、原料価格は値下がり傾向にあります。平成
27 年 1~3 月期の価格は前期比 18%の値下げにて決着しております。
イ. 石炭
主原料である石炭価格については、平成 25 年 7 月以降、中国の景気回復の鈍
化により需要が減少していることから、原料価格は値下がり傾向にあります。平成
27 年 1~3 月期の価格は前期比 1.7%の値下げにて決着しております。
ウ. 鉄鋼価格
高炉メーカー各社は、平成 25 年度前半の鉄鉱石や原料炭等の原燃料価格の高
騰を理由として国内ユーザーに対し、冷延・熱延コイル価格の値上げを打ち出し、一
定程度浸透した模様です。
その後、鋼板価格は前期価格のほぼ横ばいで推移しておりましたが、原燃料価
格の値下がり・主原料が供給過剰にある状況を受け、平成 26 年 4~9 月の車用鋼
板価格について、前期比 3,000 円/tの値下げとなっています。
(2) 農業用パイプ価格・需給動向
平成 25 年度に原料コイル価格の値上げが通達されたことから、農業用鋼管メーカー
は平成 25 年 4 月 1 日出荷分より農業用パイプを含む全製品について約 10%の値上げ
を打ち出し、一定程度浸透した模様です。
また、需給動向については、平成 26 年度に入り、南関東・関東甲信越地区で雪害に
よる約 40,000 棟のハウス被害が出ており、復興需要から需給が逼迫した状態にありま
した。その後復興が進み、現在ではパイプの需給は緩んできています。
以 上