8.参考資料

8.参考資料
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8-1 地域資源を活かしたまちづくり事例
■本資料の概要
文献資料、各ホームページなどのオープンデータから、全国のフィールドミュージアム、エコ
ミュージアム等を軸とした地域づくりの先行事例を抽出、整理した。
地域固有の自然資源にのみ立脚するものは除き、山梨市フィールドミュージアム構想と共通性
のある事例について、その概要をまとめた。
■目次
全国フィールドミュージアム・エコミュージアム事例リスト
参考事例・岩手県東和町:イーハ・トーブエコミュ ージアム
・岩手県釜石市:かまいしまるごと博物館
・山形県朝日町:朝日町エコミュージアム
・宮城県山元町・亘理町:やまもと・わたり田園空間博物館
・群馬県桐生市:近代化遺産と町並みづくり
・茨城県古河市:中心市街地活性化基本計画
・東京都墨田区:小さな博物館
・山梨県塩山市:まちづくり事業
・山梨県河口湖町:河口湖フィールドミュージアム
・静岡県富士宮市:歩く博物館
・長野県長野市:松代文化財保存活用計画
・長野県松本市:松本まるごと博物館
・長野県更埴市:姨捨田毎の月保存管理事業
・長野県下諏訪町:まちかど博物館
・富山県上平村:五箇山野外博物館事業
・福井県勝山市:勝山エコミュージアム
・三重県伊勢市:伊勢まちかど博物館
・滋賀県大津市:琵琶湖博物館
・岡山県津山市:津山まるごと博物館
・大分県臼杵市:エコミュージアム
事例現状紹介
参考資料一覧
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■先行事例を主たるテーマの方向性によって種別分類した。
①総合型 :
地域の各種遺産を総合的に捉え、保全し、博物館的な収集・研究・展示・教育を行う。
②自然型 :
自然そのものをあるがままにみせる、自然資源活用型・自然観察学習型の取り組み。
③歴史・文化型 :
伝統的な町並みや文化財・遺跡・伝統芸能や芸術などの保存・復元を中心とする。
④生活・産業型 :
地域の生活や産業技術をテーマとする取り組み。
種別
1 自然
2 総合
都道府県
事業名
北海道 塘路湖エコミュージアム
所在地
標茶町
事業主体
釧路湿原国立公園
森と化石とロマンの里づくり
穂別町
3 自然
中川町自然誌博物館
中川町
中川町総務課
4 自然
洞爺湖周辺地域エコミュージアム構想
壮瞥町
「レイクトピア21」推進協議会
5 総合
秋田県 エコミュージアム
矢島町
矢島町役場
6 総合
岩手県 かまいしまるごと博物館
釜石市
釜石市鉄と自然の博物館推進委員会
7 自然
早地峰エコミュージアム
大迫町
8 自然
北上川中流域エコミュージアム
水沢市
北上川中流域エコミュージアム推進会議
9 総合
イーハトーブ・エコミュージアム 東和町
東和町・空山川総合研究所
10 総合
宮城県 丸森ルネッサンス構想
丸森町
丸森町
岩出山町
伊達な郷まちづくり推進機構
11 歴史・文化
伊達な郷まちづくり
12 自然
やまもと・わたり田園空間博物館 山元町・亘理町 山元町役場産業経済課
13 自然
大月町柏島
黒潮実感センター
山形県 朝日町エコミュージアム
朝日町
朝日町役場
15 生活・産業
昭和ミニ資料館
高畠町
16 歴史・文化
伝統住宅で街並統一全町公園化構想
金山町
14 総合
島がまるごと博物館
17 歴史・文化 群馬県 近代化遺産と町並づくり
金山町役場
桐生市
桐生市教育委員会
18 総合
茨城県 中心市街地活性化基本計画
古河市
古河市市街地活性化推進室
19 総合
栃木県 エコミュージアムあしお
足尾町
足尾町役場企画課
西那須野町・塩原町
西那須町役場
所沢市
埼玉県自然保護課
20 自然
21 自然
那須野ヶ原田園空間博物館
埼玉県 狭山丘陵自然まるごと博物館
22 自然
蝶の里公園
嵐山町
22 自然
志木まるごと博物館・河童つづら 志木市
23 自然
滑川町エコミューゼ
滑川町
24 自然
大滝エコミュージアム
大滝村
東京学芸大学屋外教育施設
千葉市
千葉市文化課
25 自然
千葉県 加曾利貝塚博物館
26 自然
エコミュージアム
三芳村
三芳村役場
27 自然
花の岬エコミュージアム
富浦町
富浦町役場観光企画課
墨田区
墨田区役所地域振興部
28 生活・産業 東京都 小さな博物館
29 生活・産業
新宿ミニ博物館
新宿区
新宿区役所
30 自然
エコミュージアム
清瀬市
環境のための対話研究所
31 自然
神奈川県 多摩川エコミュージアム
川崎市
32 総合
エコミュージアム
城山町
城山町教育委員会
33 総合
三浦半島エコミュージアム
神奈川県
かながわ学術研究交流財団
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種別
都道府県
事業名
34 歴史・文化 静岡県 歩く博物館
35 自然
36 自然
所在地
富士宮市
事業主体
富士宮市教育委員会
みさくぼフィールドミュージアム 水窪町
高根町
(財)キープ協会
37 自然
山梨県 キープ清里サンクチュアリー
早川フィールドミュージアム
早川町
早川町
38 歴史・文化
まちづくり事業
塩山市
塩山市役所企画課
39 自然
河口湖フィールドミュージアム
河口湖町
河口湖町役場企画課
40 総合
まるごと博物館都留
都留市
都留文化大学ムリネモ研究会
41 自然
新潟県 枯木又エコミュージアム
十日町市
枯木又住民有志
42 自然
魅力ある集落づくり事業
山北町
山北町
43 自然
雪国文化村構想
安塚町
安塚町
44 自然
浅間山麓エコミュージアム
北魚沼郡・入広瀬地区
45 自然
長野県 大町山岳博物館
大町市
大町市役所
松本市
松本市
46 総合
松本まるごと博物館
47 総合
松代町文化財保存活用基本計画 松代町
松代町教育委員会
48 歴史・文化
善光寺周辺まちづくり基本構想
善光寺・元善町・大門町
善光寺周辺地域まちづくり協議会
49 自然
姨捨田毎の月保存管理事業
更埴市
更埴市役所
50 自然・歴史・文化
地域素材を活かした村おこし
鬼無里村
街かど博物館
下諏訪町
51 総合
52 自然
富山県 立山博物館
立山町
下諏訪町づくり推進協議会
富山県教育委員会
53 自然
立山カルデラ・砂防総合展示施設 立山町
富山県土木部砂防課
54 自然
沢スギ自然館
55 自然
水博物館ー地域まるごと博物館 魚津市
56 総合
五箇山野外博物館整備事業
上平村
57 自然
庄川水系ミュージアム
利賀村・平村・庄川町
利賀村役場住民代表
入善町
上平村役場企画課
58 総合
福井県 勝山市エコミュージアム
勝山市
勝山市エコミュージアム推進協議会
59 総合
三重県 伊勢まちかど博物館
伊勢市
ザ伊勢講
60 自然
宮川流域エコミュージアム
宮川流域ルネッサンスプロジェクト
61 歴史・文化 和歌山県 高野山金剛峰寺周辺地区まちづくり事業 高野町
62 総合
滋賀県 まるごと博物館
63 自然
エコミュ-ジアム構想
64 総合
湖北エコミュージアム
65 自然
県立琵琶湖博物館(野外こそ博物館)
66 総合
奈良県 奈良市博物館
67 総合
68 総合
69 歴史・文化
京都府
高野町役場
五個荘町
伊吹町
伊吹町役場
湖北地域振興局
大津市
滋賀県教育委員会
奈良市
奈良市役所住民参加
熊野フィールドミュージアム
熊野地区
熊野フィールドミュージアム実行委員会
京のアジェンダ21フォーラムエコミュージアムWG
京都市
「源氏物語散策の道」整備事業 宇治市
宇治市
70 生活・産業 大阪府 平野町ぐるみ博物館
大阪市平野区 平野の町づくりを考える会
71 自然
豊岡市
兵庫県教育委員会
兵庫県 コウノトリの郷公園
72 総合
北はりま田園空間博物館
北はりま
北はりま田園空間博物館準備会
73 自然
エコミュージアム
八千代町
兵庫県
74 自然
上山高原エコミュージアム
兵庫県
兵庫県県民生活部環境局
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種別
75 自然
都道府県
事業名
島根県 三瓶山フィールドミュージアム
所在地
事業主体
大田市
島根県整備計画
76 自然
ふるさと体験村
弥栄村
弥栄村役場
77 自然
瑞穂ハンザケミュージアム
瑞穂町
瑞穂町教育委員会
78 総合
79 総合
80 自然
81 自然
82 自然
83 総合
神話とタタラの里エコミュージアム 横田町
岡山県 津山まるごと博物館
高島・旭竜エコミュージアム
広島県 エコミュージアム川根
津山まるごと博物館研究会
岡山市
岡山市
高宮町
高宮町企画課
オークの森林 田園空間博物館 芸北町
徳島県 あさんライブミュージアム
横田町役場
津山市
芸北町役場
板野町・上坂町・土成町
徳島県企画調整部
美郷村
美郷村役場
84 自然
美郷ほたる館
85 歴史・文化
うだつの町並み保存整備事業 脇町
脇町役場
85 生活・産業
阿波こくふ街角博物館
徳島市
国府町商工会
城川町
城川町
86 自然
87 自然
88 総合
89 自然
愛媛県 まちづくり整備事業
面河山岳博物館
高知県 幡多フィールドミュージアム
トンボ自然館・トンボ公園まちづくり構想
面河村
面河村役場
大方町
大方町役場
中村市
中村市役所
90 自然
福岡県 杣の里
矢部村
(財)秘境杣の里
91 総合
長崎県 エコミュゼ外海
外海町
外海町文化企画課
92 自然
熊本県 阿蘇たにびと博物館
白水村
93 総合
大分県 エコミュージアム
臼杵市
臼杵市役所
94 歴史・文化
エコミュージアム
竹田市
竹田市役所
95 自然
「八幡荘園の郷」 田園空間博物館
豊後高田市・大田村 大分県西高地方振興局耕地課
96 総合
空想の森美術館
湯布院町
湯布院町役場
綾町
綾町役場
97 自然
宮崎県 照葉樹林都市「綾」
98 自然
えびのエコミュージアム
えびの市
99 自然
エコミュージアム南那珂
日南市・串間市 宮崎県
100 総合
百済の里づくり
南郷村
101 自然
焼畑・民俗資料エコミュージアム 椎葉村
102 自然
鹿児島 屋久島環境文化村
屋久島
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椎葉村役場
屋久島環境文化財団
事業名
イーハ・トーブエコミュージアム
所在地
岩手県東和町
事業主体
地域の特色
事業開始年度
空・山・川総合研究所
平成6年
岩手県内陸部・ 北上山系の最高峰である早池峰山塊からはじまる北上川最大の
支流猿が石川に沿って開けた地域。 典型的な中山間地域の農村で、 米・牛肉・林
檎を主産物とする農業が基幹産業。都市に隣接し、 都市サービスの享受が可能な
地域。
町は、 人材の養成、有用情報の収集および外部ネット ワーキングのため、 交流事
業を多彩に展開している。
ねらい
概要
「すべての生き物とともに響き会え る「イーハト ーブ・エコミュージア ム」の創造」 を活
動テーマとして、 月例の学習会 を継続的に 開催し、 全国レベ ルのミ ュージア ム
フォーラムにも運営参画。住民の参画とネット ワークと多彩なパートナーシップによ
る、快適で豊かな地域づくりをめざす。
・主体的な学習活動とネットワーキング(住民の学習活動・アプローチ)
・他団体とのネットワーク・調査・研究の受託
・各種の計画作りへの参画(東和町総合開発計画(行政)への参画等)
・まほろば合唱団・書籍の発行・ハイビジョンソフトの作成
・町内での生涯学習のとりくみ(小学校での取組・芸術・文化団体の取組)
・関連行政施策(まちづくり推進委員会・グリーンツーリズムの推進)
外来者に見え にくいエコミュージア ムのビジュア ル化(地図や案内書の作成)や住
民に意識されていないエコミュージア ムの意識化、NPOとの連携アッ プがこれから
の課題とされている。
参考資料
「エコミュージアム−21世紀の地域おこし」 小松光一 1999.11 社団法人家の光協会
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事業名
かまいしまるごと博物館
所在地
岩手県釜石市
事業主体
地域の特色
鉄と自然の博物館推進委員会
事業開始年度
平成12年
県の南東部、陸中海岸国立公園の中心に位置し、 世界三大漁場の一つ三陸漁場
と典型的なリアス式海岸を持つ。また、近代製鉄業発祥の地としての歴史も持ち、
「鉄と魚と観光のまち」として発達した。
しかし、基幹産業である鉄鋼業の相次ぐ合理化や国際漁業規制の強化、魚価の
低迷による水産業の不振などの影響を被り、 かつておよそ9万人を数えた人口も、
急激に減少している。
ねらい
釜石全体をひとつの博物館として捉え、 地域や学校をは じめとする人々が、釜石
の恵まれた自然、鉄の歴史、鉄を中心とした産業など、さまざまな地域資源を掘り
起こし、 郷土を再認識・ 再発見する活動である「 釜石学」に取り組む中で、 交流人
口の増加、地域を担う多様な人づくり、 郷土への誇りの醸成などを目指す。
「鉄」と「自然」を前面に出し、 鉄の歴史的な重要性や生活との関連を改めて認識し,
自然に恵まれた環境を生かした「鉄と自然の博物館かまいし」を目指すとともに、
「釜石学」の実践活動を通じた地域づくりを推進。
概要
唐丹公民館をコア施設、地域資源調査や今後継続する調査により発掘する地域
資源をサテライトのそれぞれ候補とし、 保存、復元、 公開を検討。散策ルート をディ
スカバリートレイルとし、コアとサテライト間の交通手段(車、自転車、徒歩など)も想
定し、ルートの検討と周辺整備を推進。
交流活動のイメージとしては、コア施設での展示、サテライト を含むディスカバ
リートレイルの紹介、グリーンツーリズムとの連携。
「鉄」パンフレットの製作、産業遺産市民大学やモデル見学ツアーの開催等が行わ
れている。
<評価-国土交通省・平成13年度:地域づくりモデル事業等活動報告書より>
鉄の歴史」をテーマに各種事業を行ったことにより 、市民の方々に「近代製鉄発祥の地」とし
ての釜石市を再認識してもらう良い機会となった。その結果、西暦2001年が「近代製鉄の
父」大島高任没後100年でもあったことから、市民の間から大島高任の銅像建立の機運が高
まり、1,000万円近い募金によって進められている。また、作成したパンフレット(「鐵を究め
る」)は、たいへん評判が良く、来訪者等に広く活用されている。
今後は、市内全地区で地域資源調査を実施し、パンフレットを作成するとともに、鉄の資源
を中心としたエコツーリズム事業の展開について検討したい。事業の推進にあたっては、い
かに地域住民の協力を得ていくかが大切であり 、住民参加しやすい体制づくりが必要と考
える。
参考資料
釜石市役所:http://www.city.kamaishi.iwate.jp/
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事業名
朝日町エコミュージアム
所在地
山形県朝日町
事業主体
地域の特色
事業開始年度
朝日町役場
平成元年
山形県のほぼ中央に位置する自然豊かな町。周囲を国立公園朝日連峰に囲まれ、
町を2分するように最上川が流れている、。
石器時代、縄文時代の遺跡が町内各地に見られる。
ねらい
「楽しい生活環境観」の具現化
「自然」、「歴史・ 文化」、「人」という3つの「宝」が、それぞれの価値 を保ちながら魅力
を発揮し、互いに高めあい、それをまちづくりや日常生活に有効に活かし、 内外と
の連携や結びつきを深めていくことを目標とする。
概要
1989年、町内に日本で初めてのエコミュージアム研究会が発足したのを契機に、
91年の「朝日町総合開発基本構想・基本計画」にエコミュージア ム を取り込む。95
年にはシンクタンク「エコミュージアム研究機構」 を設置。エコミュージアム の理念を
町づくりに反映させてきた。
“サテライト”とよばれるエコミュージアムの展示物は、ミツバチ の蜂ろうを原料とする
「ろうそく」を製作する「ビーズファーム」をはじめ、自然の中でひたすら“ ぽかん”とで
きる「のんぼかの森」、「世界のリンゴ園」、空気がご神体である「空気神社」、 またカ
ヌーに適した最上川など、その内容は 非常にユニークかつ多様である。
生涯学習の拠点としてのコア施設は、エコミュージアム理念を広める場としても利
用され、地域住民と関係者をつなぎ、 さらなる地域活性化を促進している。
参考資料
「エコミュージアム−21世紀の地域おこし」 小松光一編 1999.11 家の光協会
朝日町:http://www.town.asahi.yamagata.jp/
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事業名
やまもと・わたり田園空間博物館
所在地
宮城県山元町・亘理町
事業主体
山元町役場産業経済課
地域の特色
事業開始年度
平成10年
山から海まで多様な自然に恵まれ、 農業を主な産業とする。 新田開発や土地改良
事業が現在まで盛んに行われた地域である。県都仙台市から南に約40km、福島
県新地町に隣接し、JR常磐線・国道6号(旧陸前浜街道)が海沿いを縦断する。近
年は常磐道の整備が進み、仙台都市圏でも交通の便と住環境のよさで注目され、
いちごは東北一、リンゴは県内一の生産量を誇る。
ねらい
テーマは「水と土」、「稲作文化・新田開発」と「幾多の
風雪に耐えた農家の自給自足の暮らし」。
先人の生産と暮しの歴史や文化を、「収集・保存」、
「調査・研究」、「展示・活用」することによって、次世代
に継承することを目的とする。
概要
大地から空まで、地域にある有形・無形の資源を収蔵物「山元遺産」として認定。
町の歴史、景観、田畑、農業施設や用具、お年寄りたちの知恵と知識、民家、野
山、暮らしの衣・食・住のあり方、生産や行事のすべてを博物館の重要な展示物と
している。
それぞれを常設展示(年中見ることができるもの)、特別展示(季節展示で山元亘理
でしか見ることができないもの)、企画展示などとして位置付け。
企画展示は、地元有志の博物館活動団体「野外ぐるりん友の会」が企画・発掘した
「山元遺産」を使って、先人の生産と暮らしを体験学習できる活動であり、町の風土
を探る「あるモノ探し」、先人の生産と暮らしの知恵と技の伝承、身の丈に合った利
活用活動、自分が楽しめる自発的自立的な企画運営を基本としている 。
博物館の中核施設として、「笠野総合案内所」が平成16年完成予定。世代を越え
た交流の場として位置け、博物館としての「 収集・保存」、「調査・研究」、「展示・活
用」の三つの活動を行う。
山元・亘理地区の生活や歴史、植生などの詳しい情報を持つ人や農林業などの
土と水に関するいろいろな技を持つ人が「 町民楽芸員」となり、企画展示の指導や
各サテライトの施設めぐりガイド、収蔵物の管理などを行う。
参考資料
やまもとわたり田園空間博物館:http://www.h7.dion.ne.jp/~yama-eco/
農林水産省・田園空間整備事業:http://www.maff.go.jp/nouson/nouson/denenkuukan/index.htm
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事業名
近代化遺産と町並みづくり
所在地
群馬県桐生市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
桐生市教育委員会
平成4年
三方を山に囲まれ、渡良瀬川、桐生川が流れる山紫水明のまちで、県東部、 栃木
県に接する。 「西の西陣、東の桐生」と称された、織物のまちとして知られる。
日本史を書きかえた岩宿遺跡が本市の西南に隣接し、縄文時代末期の代表的遺
跡である千網谷戸遺跡が市街地西部にある。
ねらい
豊かな自然環境、地域の歴史や文化的な資産を活用し、 市民が自ら誇りを感じ、
来街者にとって何度も訪問し、住みたくなるような魅力あふれるまちづくりを目的と
する。
概要
・天満宮∼有鄰館の間における町並みの保存
(幕末から明治初期における町屋の形態と町並みの景観、それを取り巻く環境物
件が良好な状況で残っている。 )
・歴史的町並みを取り巻く近代化遺産の保存と活用
桐生市における代表的近代化遺産「鋸屋根工場」保存を目的とした、所有者との
連携および構想の構築。
※現存する歴史的建造物については ほとんどが個人の所有物であり、老朽化も著
しいなかで保持しているのが現状。
参考資料
桐生市役所:http://www.city.kiryu.gunma.jp/
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事業名
中心市街地活性化基本計画
所在地
茨城県古河市
事業主体
地域の特色
中心市街地活性化推進室
事業開始年度
平成8年
茨城県の最西端に位置し、埼玉県、 群馬県、栃木県と接する人口約6 万人の地方
都市。市域は 総面積21k㎡と狭く、 東西2.9km南北8.6kmと南北に細長い形状を有
する。
宇都宮線で東京まで約60分。首都圏の通勤圏として、マンションや宅地開発が進
み、県西地区の「商都」として発展してきている。
ねらい
首都圏における広域交流人口増加の仕掛けによる、ミュージア ムの魅力を活かし
た「集客都市」の実現を目的とする。まちなか再生に向けた全市民的まちづくり運
動と人間優先の遊歩サイクルタウンへの発想転換、界隈性と魅力ある街・生活街
の創造とバリアフリーの実現を目指す。
概要
・旧日光街道関連整備
・出城地区をミュージアムタウン古河 のシンボルゾーンとして位置付け
・古河文学館・歴史博物館・郷土関連作家の美術館・街角博物館による文化ネット
ワークの形成と生涯学習機能の付加
・観光客に対するお茶のふるまいサービス等の「 もてなし」と回遊性で、通りの賑わ
いと界隈名所の創造を図る。
参考資料
古河市役所:http://www.city.koga.ibaraki.jp/
中心市街地活性化推進室:http://chushinshigaichi-go.jp/
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事業名
小さな博物館
所在地
東京都墨田区
事業主体
地域の特色
事業開始年度
墨田区地域振興部
昭和61年
下町情緒が色濃く残る商工業の町で、伝統に培われた確かな技術や物が溢れて
おり、歴史と文化に育まれた様々な行事が四季を通じて行われている。
ねらい
産業のまち、中小企業のまちである墨田区を見直し、区内産業と区内生産品が正
当な評価をうけ、さらに高い評価をうけるためのイメージアッ プを目的とし、墨田の
「産業」と「文化」を区内外にひろくPRする。
概要
参考資料
まだまだ知られていない産業製品や資料、文献などを「小さな博物館」として展開。
地域の方々や企業のコレクションを、一般の商家や工房などを開放する形で公開。
現在24館。
墨田区:http://www.city.sumida.tokyo.jp
DoME(ミュージアム・マガジン・ドーム) vol.70 2003.10 日本文教出版
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事業名
まちづくり事業
所在地
山梨県塩山市(現・甲州市)
事業主体
地域の特色
事業開始年度
塩山市役所
平成5年
県の北東部に位置し、 豊かな自然環境に恵まれた田園都市。 首都圏近郊のぶど
う・桃などの果実生産地として知られる。
首都圏との距離的な利便性が高く、基幹産業である果樹栽培を中心とした農業の
担い手確保と土地基盤や集・出荷施設の整備などによる地域振興、新たな雇用の
場の確保、まちの活性化に力を注いでいる。
ねらい
地域住民に地域の魅力を再発見してもらい、地域の活性化をめざすことをねらいと
し、豊かな自然のなかで受け継がれてきた歴史・伝統・文化を理解するため、歴史
文化の保全と整備を進めている。
概要
武田信玄にまつわる寺社等の文化財が多く所在し、豊かな自然遺産とともに散策
ルートの整備が行われている。
国の重要文化財である旧高野家住宅(甘草屋敷)を中心とした区域は 薬用植物の
展示される公園として整備され、文化活動・観光の拠点とされている。
参考資料
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事業名
河口湖フィールドミュージアム
所在地
山梨県河口湖町
事業主体
地域の特色
河口湖町(富士河口湖町)
事業開始年度
平成7年
富士北麓の剣丸尾溶岩流上に位置し、富士山麓に生息する草花や動物が豊富
で、世界的にも貴重な溶岩樹型洞穴(昭和4年国指定天然記念物)などがある。
ゴルフ場などによる、森林・草原観光保養地を形成。近年は、大学の研究室と民間
企業の連携による新規産業の創出等が見込まれている。
ねらい
概要
今後展開される開発行為を適正に誘導し、自然保護や環境保全をすすめるととも
に、町固有の自然環境や文化環境の保全・継承・活用することを目的とする。
富士山と湖を中心に、恵まれた自然とその中から育まれた文化遺産を町内全域で
体験・学習できるよう、町全体 を博物館と見立てて整備。
幅広い層の地域住民の参加によって、 地域コミュニティの活性化や子供たちの校
外学習、地域の生涯学習のための環境づくりを積極的に推進。
フィールドセンターを設置し、常駐する自然観察指導員やインタープリターによる
自然の散策案内・クラフト体験・林業体験などの事業を展開。
参考資料
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事業名
歩く博物館
所在地
静岡県富士宮市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
富士宮市教育委員会
平成元年
平安時代に造営されたといわれる富士山本宮浅間大社の門前町から発展した都
市。古くは豊富な水資源・ 森林を利用した紙・パルプ工業が盛んで、 近年は輸送
用機械関連や化学工業・ 医療用機器などの産業に多角化している。朝霧高原で
の酪農やニジマスの養殖、ワサビの栽培等も盛ん。
ねらい・概要
人々が集い、交流し、まつり、散策、 まちづくりなど、市民が元気に活動するコミュ
ニティの前提として、町の魅力を再発見することを目的とする。
概要
市内に点在する、歴史遺産や自然遺産などを身近にふれ・見・感じてもらうため、
市内に10数ヶ所のコースを設定して紹介。
・湧水と水を活かした産業コース(地域の特色をいかした養鱒業が盛ん)
・石造物をたずねるコース(昔の主要道路周辺。信仰の様相や風俗習慣を感じる)
・富士の巻狩コース(将軍頼朝と鎌倉幕府)
・道者みちを歩くコース(富士山信仰と富士登山の入り口)
・中道往還の旧道をあるくコース(駿河と甲斐を最短距離で結ぶ街道の遺跡)
・風祭りの里を歩くコース(地域の氏神をめぐる)
・飢渇川から潤井川コース(武田信玄にまつわる伝承と水資源活用の歴史)
・旧大宮町をめぐるコース(寺社仏閣と天然記念物・溶岩)
・古墳をたずねるコース・星山のてひきと倭文神社コース
・富士山自然休養林・西臼塚コース・宝永遊歩道コース
・浅間神社を巡るコース・富士五山をめぐるコース
・コース外のみどころ
参考資料
富士宮市歩く博物館 パンフレット:http://www.city.fujinomiya.shizuoka.jp/bunka/juku.htm
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事業名
松代文化財保存活用計画
所在地
長野県長野市松代町
事業主体
地域の特色
事業開始年度
松代町教育委員会
平成12年
長野市松代地区はかつて真田十万石の城下町。市内には、真田ゆかりの町並みや
文化財が数多く残っている。 また、古墳や太平洋戦争時の大本営跡など、歴史文化
遺産が豊富。地域の博物館として年間15万人を集客する真田宝物館があるが、観
光客が施設のみの見学に集中して街を回遊しない、 また地元市民の利用がないな
どの課題を抱えていた。
さらに人口の減少、来街者用駐車場等の都市基盤整備の遅れ、経営者の高齢化・
後継者不足等により、街の空洞化が振興。町並みなどの文化遺産の継承が危ぶま
れるだけでなく、街そのものの活性化が課題となっていた。
ねらい
地域ボランティア等、地域参加型による真田十万石城下町の町並みおよび文化財
等の掘り起こしと保存および歴史と文化を活かしたる観光活性化を基本的なねら
いとし、地域独自の歴史文化に立脚した地域活性化を図る。
概要
真田宝物館等の町内文化施設を管理する松代藩文化施設管理事務所が中心と
なり、地区全体を新しいタイプの知的レクリエーションエリア として捉え、住民、商工
団体、NPO、行政等が協働し、地域の歴史とその魅力を発見していく活動を推進
するとともに、観光客に向けて松代の新鮮な魅力を発信する活動を推進。
真田宝物館では、従来の真田イメージにこだわることなく、善光寺地震という切り口
から真田大名道具に関する企画展示、シンポジウムを開催して好評を得るなど、つ
ねに新しい視点、切り口から松代の歴史に関する情報の発信を行っている。
地域の有志を「市民学芸員」として位置づけ、 ボランティア による地域文化財を調
査・研究、ボランティアガイドによる町内ガイド、市民新聞、有線放送などによる成
果発表を推進。真田宝物館(松代藩文化施設管理事務所)は そのサポート 役として
市民が主役となった活動を支援している。その成果は2002年2月、「ボランティアガ
イドのすすめる松代見て歩き」(松代文化財ボランティアの会編、松代藩文化施設
管理事務所発行)に結実し、出版された。
これらの動きが、地域の町おこしを推進する地元住民との連携を促し、 市民レベル
のさまざまな活動を創出するとともに、 長野市 が行うまちづくり事業へと発展してい
る。
参考資料
松代町文化財保存活用基本計画 報告書 平成12年 乃村工藝社
エコール・ド・まつしろ:http://www.matsushiro-club.jp/index.html
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事業名
松本まるごと博物館
所在地
長野県松本市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
松本市
平成12年
旧城下町に周辺の15ヵ村が合併した、人口約210,000人の長野県中部拠点都市。
中心部はかつて6万石の城下町とし て栄え、その象徴である天守閣は、明治5年
(1872)の保存運動により取り 壊しを免れ、国宝松本城として観光都市松本の中心
的存在となっている。
ねらい
自然環境や文化遺産を現地で保存して活用するとともに、 生活環境や景観、文化、
産業等を一体として捉え、特徴あるまちづくりを目指す。
既存の博物館を活動拠点にして、市民と行政が手を取り合って、発見し、学習し、
創造する、新しい博物館を確立する。
概要
市全域を活動範囲として「まるごと博物館」 を展開。市立博物館を「中核施設」に、
点在する市立博物館の付属施設の一部を「準中核施設」として位置付けている。
国宝松本城を中心に、自然環境や文化・ 産業等の遺産を結びつける動線として、
城下町コースと博物館コースを設定。
観光客への対応や総合学習・生涯学習とも連携し、地域交流・地域活性化を図る。
参考資料
松本まるごと博物館 http://www.city.matsumoto.nagano.jp/www_cbox/html/bunka/kyobunka04.html
松本市:http://www.city.matsumoto.nagano.jp/www_cbox/index.asp
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事業名
姨捨田毎の月保存管理事業
所在地
長野県更埴市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
更埴市(千曲市)
平成11年
北信地域南東部、千曲川をはさむかたちで広がる地域。
傾斜地に広がる棚田は江戸時代中頃から明治時代初期にかけて開田された。
鏡台山からのぼる名月と月影を宿す棚田は、古来より「田毎の月」と呼ばれ人々の
心を慰めたとされる。
ねらい
荒廃がすすむ棚田を整備し、人々の心を慰めてきた美しい景色と、それに伴う文
化を守り、伝承していくことを目的とする。
概要
棚田は現在25ha、2000枚現存。棚田としては全国ではじめて名勝に指定された。
農作業体験の参加者や基金をつのる「棚田課します制度」 により、荒廃 がすすむ
棚田の景観を守っている。
参考資料
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事業名
まちかど博物館
所在地
長野県下諏訪町
事業主体
下諏訪町
事業開始年度
平成2年
地域の特色
美しい高原と湖に囲まれ、古くから諏訪大社の門前町として、 また、 中山道と甲州
道中の合流する温泉宿場町として栄えてきた。明治以降、製糸の町から東洋のス
イスと呼ばれる精密工業の都市として発展し、最近では 電子機器関連産業および
温泉と多くの名所旧跡を持つ観光の町として発展している。
ねらい
下諏訪町の商業、工業、 観光及び文化の振興を図り、 これらに対する町内外認識
を高めることを目的とする。
概要
街かど博物館を設置して一般公開する者に対し、 その展示設備及び運営等に要
する費用の一部を補助することにより、街かど博物館の設置及び円滑な運営を
促進。
地域に伝わる祭りの保存継承や資料館の整備、周遊ルートおよび案内サイン等
の整備を展開。
秋宮周辺:諏訪大社秋宮・諏訪湖オルゴール博物館
奏鳴館・諏訪湖時の科学館儀象堂・下諏訪宿本陣・
歴史民俗資料館・今井邦子文学館・鎌倉街道ロマン
の道ほか
春宮周辺:諏訪大社春宮・万治の石仏・慈雲寺・水月
公園
下諏訪駅周辺:駅前モニュメント・相楽塚
諏訪湖周辺:諏訪湖・諏訪湖博物館・赤彦記念館・柿
陰山房・ハーモ美術館・高木運動公園・ジョギングロー
ド
和田峠周辺:和田峠古戦場・星ヶ塔黒曜石産地
八島高原周辺:八島高原・八島ヶ原湿原・八島ビジ
ターセンターあざみ館・観音沢渓谷
いずみ湖周辺:いずみ湖公園
参考資料
http://www.town.shimosuwa.nagano.jp/ 下諏訪町
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事業名
五箇山野外博物館事業
所在地
富山県 上平村
事業主体
富山県 上平村
地域の特色
事業開始年度
平成8年
庄川の上流、富山県の南端に位置する、自然美に恵まれた山村。周囲を1,500
m級の山岳に囲まれ、 村の中心部を南北に貫流する庄川沿いに集落が点在する。
白山国立公園、五箇山県立自然公園等の自然景勝に恵まれ、温泉、スキー場な
どがある。
ねらい
合掌集落の世界遺産登録にともない、菅沼合掌造り集落を中心に、集落周囲の河
川や自然環境、隣接する「合掌の里」等を取り込んだ一帯を野外博物館 として整備
し、五箇山の生活文化を後世に伝承する。
概要
農村風景を守るために無電柱化を進め、地下共同車庫を利用。
民家を改築した民俗館や生活館にて、集落の暮らしや文化を展示。
また、悲恋物語お小夜の伝説の「民謡の里」として、小道での五箇山民謡演出、水
車がまわる公園や食事処の整備を推進。
参考資料
上平村:http://www.vill.kamitaira.toyama.jp/
五箇山商工会:http://www.shokoren-toyama.or.jp/~gokayama/top.htm
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事業名
勝山エコミュージアム
所在地
福井県勝山市
事業主体
地域の特色
ねらい
概要
勝山エコミュージアム推進協議会
事業開始年度
四方を1000m前後の山々に囲まれた小さな盆地にあり、市の中心に九頭竜川が流
れ、美しい里山の自然と田園風景を形成。 また日本有数の恐竜化石発掘地や中
世宗教都市が復元される白山神社平泉寺などの歴史的遺産、300年の伝統を誇
る左義長まつりや年の市など伝統文化遺産等が数多く存在。繊維王国福井をリー
ドしてきた繊維産業の歴史を彩る様々な産業遺産も残されている。さらには世界で
も屈指の恐竜博物館や勝山城博物館、 越前大仏や西日本最大級のスキー場ス
キージャム勝山を核とする法恩寺山リゾートなど、学術的な施設や観光資源が豊
富。
歴史資料を整理し、資源に関わる様々な人の交流を促進し、伝統を継承するととも
に、地域の活性化を図る。市民参加によって町の資源を再発見し、市民が歴史・
自然・産業に恵まれた勝山市に住んでいることの誇りを持って暮していくことを目
的とする。
・遺産の発掘、物語化
・コア施設・サテライト施設の設定
・コア施設とサテライト施設をつなぎ、街を回遊する動線の設定
・世代間の交流や市内と市外との交流を通じたコミュニティづくり
(総合学習・生涯学習活動、農山村文化とのふれあい推進)
・各地区のまちづくり団体の組織化
参考資料
平成12年
勝山市:http://www.city.katsuyama.fukui.jp/
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事業名
伊勢まちかど博物館
所在地
三重県伊勢市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
ザ伊勢講
平成元年
三重県中央部の人口約101,000人(1999年現在)の都市。伊勢志摩地域の政治経
済、特に商業の中心として長い歴史を持っている。
ねらい
基本テーマは「誰でもちょっとした場所さえ あれば、 自分の好きなものや誇れるもの、
楽しみをもとに博物館の一つくらいは 作れる」。伊勢神宮に訪れる観光客に、古く
から息づく文化を紹介するとともに、地域の交流と活性化を目指す。
概要
内宮・参宮街道・勢田川・二見浦の四地区で、仕事場の一角や個人の商家などを
開放した資料館が現在30館公開されている。
・コレクション 個人が長年かけて収集したもの
(非営利のもの・一貫性のあるもの)
・建物 伊勢独自の建築様式を有し、内部が見学できるもの
(昔ながらのしつらえを残しているもの)
・伝統工芸(地場産業) 伊勢の地域に根ざし、 歴史、 伝統、 文化性の高いもの、
製造過程の見られるもの
・人物 その地域(町)の歴史、文化に精通し、ガイドができる人
・モデルショップ 伊勢の伝統に根ざし、珍しいもの、貴重なものを展示しているとこ
ろ(販売可)
参考資料
伊勢まちかど博物館:http://isekou.hp.infoseek.co.jp/machikado.html
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事業名
琵琶湖博物館
所在地
滋賀県大津市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
滋賀県教育委員会
平成7年
県の南西部、 琵琶湖と比良・ 比叡の山並みを臨み、 古代には 大津京が置かれた
自然と歴史のまち。 戦災を免れた都市であるため、 歴史的建造物が多く残され、 市
街地も昔ながらの面影を残す。京阪のベッドタウンとして人口は増加傾向にある。
ねらい
琵琶湖の環境保全が切実な課題となる中で、琵琶湖について総合的に学習する
ための拠点として展開。
琵琶湖に対する総合的な理解を深め、琵琶湖(自然)と人間がどのようにつきあって
いけばよいのかを考えて行く入口となることを目的とする。
概要
琵琶湖全体をフィールドミュージアムとし、博物館はそのコアセンターとして位置付
けられている。
琵琶湖博物館では、幅広いテーマによる研究・調査の成果を展示や交流活動に
展開しており、研究・調査活動に地域の人たちが広くかかわれるような研究体制と、
長期的かつ総合的視野で横断的な研究 を企画・立案・実践できるような体制の実
現を目指している。
また、誰でも参加・交流できる様々なプログラムを用意。知的な楽しみを提供する
場として、屋外展示も含めて、自然や生き物、歴史や生活文化を対象とした観察
会や見学会を積極的に開催している。
参考資料
琵琶湖博物館:http://www.lbm.go.jp/
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事業名
津山まるごと博物館
所在地
岡山県津山市
事業主体
地域の特色
津山まるごと博物館研究会
事業開始年度
平成8年
岡山県の北に位置し、周囲を中国山地に囲まれた人口9万の小都市。 昔より城下
町として発展し、豊かな自然景観と歴史景観を今日にまで伝えている。
城下町を構成した城跡、武家屋敷、町家、寺町の4つの要素がすべて残っている
のは全国的にも希。細工町、紺屋町、 鍛治町、吹屋町、船頭町、鉄砲町など昔な
がらの地名も数多く残り、 提灯、畳、仏具など昔ながらの手仕事を中心とした生業
も息づいている。
ねらい
「暮らしが活きるまちなみ博物館」
津山市の旧城下町エリアを1つの博物館として見立て、町並みや暮しを紹介する、
都市型のエコミュージアム。
概要
平成8年城西地区で取り組みが始まり、 毎年秋には「津山・城西まるごと博物館フェ
ア」を開催。現在では、城西地区から津山の旧城下町地区に範囲を広げて、城東・
町中心・城西・西寺町・里山エリアに分かれ、それぞれに息づく町並みを紹介。
コアミュージアムは、旧銀行の建物を活用して地元作州地方の工芸品の展示を行
う「作州民芸館」。サテライトミュージアムには 地区の町並みやお寺、地域に根づく
手仕事を生業とするお店を位置付けている。さらに、デス カバリートレイルとして、
地区を東西に貫く出雲街道や路地を位置付けている。
参考資料
http://www.lucksnet.or.jp/tsuyama-jyosai 津山エコミュージアム
http://www.lucksnet.or.jp/tsuyama/ 津山市
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事業名
エコミュージアム
所在地
大分県臼杵市
事業主体
地域の特色
事業開始年度
臼杵市役所
昭和63年
大分県の東南部に位置する、人口38,000人弱の都市。 平安末期から鎌倉時代に
製作されたといわれる「臼杵磨崖仏(臼杵石仏)」 に代表される仏教文化と、15世紀
のキリシタン大名大友宗麟が築城した丹生島城(現臼杵城跡)を中心に栄えた南蛮
文化の影響を残す城下町である。
ねらい
概要
ボランティアで観光案内を行う「 うすきかたりべの会」が住民組織として昭和62年に
発足。平成3年には町並み案内書「うすきみちしるべ」 を発刊するなどの活動を行っ
ている。
商工会議青年部会では、市内に残るお寺や武家屋敷などでジャズやクラシック、
落語などを行う「史跡コンサート」を昭和62年から毎年開催。
さらに、臼杵のまちづくりのトータルデザインを考え る「臼杵デザイン会議」 を開催。
臼杵の市街地に残る「蔵」の調査を行い、 蔵を活用したまちづくりを目指した「蔵の
街構想」の策定に向け、現在調査、研究を行っている。
「町並みを観光にも」という動きの中で、施設(ハード)を活かす官民一体となった組
織作りであり、観光のネットワークづくりが課題とされている。
このため、組織を動かす人材を育て上げるとともに、組織を運営する仕組みを作
り上げることを当面の目標に掲げる。
参考資料
http://www.city.usuki.oita.jp/ 臼杵市
http://www.ashita.or.jp ふるさとづくりネットワーク 事業例
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■事例の現状について
テ ーマ
プロジェクト名称
所在地
生活
いわて地元学
文化
岩手県
現状
県推進の、地域の人々が地域の資源に「気づき」、それを活用する生涯
学習として、県域全体を対象とした「 いわて地元学」を推進。地域住民
が、地域の暮らし、文化を見つめ、再発見し、それらを育てながら、地
域のあり方を見つけていく取組みとして、各地で地元主催による幅広
いテーマの体験会やセミナー・講習会が行われている。
「活動の紹介と支援」、「交流」というコンセプトの季刊誌「ORYZ A」 を発
行。地元住民が主体となり、「いわて地元学」の実践者を紹介している。
2006年度の完成を目指して、岩手県立博物館を「 いわて地元学情報
センター」としてリニューアル予定。
歴史
松代文化財
保存活用計画
長野県長野市
市民の活動が長野市による「信州松代まるごと博物館構想(平成13年)」
に結実。市民有志のNPO法人「夢空間松代のまち と心を育てる会」 が
平成14年設立される。観光資源を活用したイベント や見学会、町づくり
を考える「松代学」の開講など、市民による文化活動の拠点づくりが進
行。
2004年度より観光課の事業として「エコール・ ド・まつしろ」 事業を開始。
文化財をさまざまな生涯学習や、茶道、華道、俳句な ど伝統的な趣味、
絵画や映像などの表現活動の舞台として活用し、全国からあつまる人
と交流する事業が予定される。
さらに松代城が整備される2004年を松代イヤーとして、 行政と地域が
一体となった運動を展開。松代の観光産業の活性につながりつつある。
田園
風景
やまもとわたり
田園空間博物館
宮城県
山元町・亘理町
やまもとわたり田園空間博物館づくりを進める「野外ぐるりん友の会」の
メンバーは現在約55名。さまざまなグループが活動を進めていて、年
間では数10回もの行事や打ち合わせ会が開催され、各地から視察が
相次いでいる。
【主な業務】インターンシップ受入/田んぼの楽校への入学紹介/町民
楽芸員登録/研修へのお誘い/山元遺産の登録と紹介/関係資料の販
売紹介/語り部の紹介/畑づくりアドバイス/広報誌紹介
コア施設「笠野学堂」平成15年12月18日上棟式
「マイスター」運動と「工房ショップ」運動とあわせて3M運動を展開。特
定の伝統工芸・コレクションに興味がある人や「 まちづくり」に興味があ
る人、下町のまちあるき自体を楽しむ人などが訪れ、最近は体験学習
などの小・中学生グループが多い。
産業
小さな博物館
東京都墨田区
また3M運動につぐイメージアップ運動として「墨田を売ろう。墨田で売
ろう」をスローガンに「イチ から始める」 運動を開始。現在、 年に二回の
ガラス市を開催し、ガラス製造メーカー等10数社がオリジナ ル商品を販
売している。
西吾嬬小学校を活用した「すみだ産学官連携プラザ」 を拠点にし、早
稲田大学との産学官連携による「イノベーシ ョン・ ルーム事業」 や「産業
人材の育成」などを実施。
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参考資料一覧
■ホームページ
・国土交通省「生活空間戦略プラン」
「まちづくり総合支援事業」
・環境省「自然公園・国定公園の活用」「野生動物・鳥獣保護」
・農林水産省「グリーンツーリズム」
「田園空間整備事業」
・文化庁「伝統的建造物群保存地区」
・内閣府・NPO関連「ふるさとづくりネットワーク」(財)あしたの日本をつくる協会
・関係8省庁「中心市街地活性化推進室」
・各県市区町村公式ホームページ
・全国市区町村における生涯学習による地域づくり
−事業の推進方策に関する調査研究報告書1999
生涯学習と地域づくり研究会
■文献資料
・エコミュージアムへの旅
・実践
大原一興
1999.12
鹿島出版会
エコミュージアム入門
新井重三編著
1995.3
牧野出版
・エコミュージアム理念と活動
新井重三編著
1997.3
牧野出版
・エコミュージアムー21世紀の地域おこし
・文化財政策概論
河村恒明監修・著
・文化遺産の社会学
荻野昌弘編著
・観光と環境の社会学
・新しい観光振興
2002.9
新曜社
古河彰・松田素二編
2003.8
長谷政弘編著
2003.6
同文館出版
西村幸夫+町並み研究会編著
日本観光協会
家の光協会
新曜社
三井情報開発株式会社総合研究所
・新・町並み時代−まちづくりへの提案
・月刊観光
1999.11
東海大学出版会
2002.2
・いちから見直そう!地域資源
・日本の風景計画
小松光一編著
2003.6
学芸出版社
全国町並み保存連盟編著
2001-2003
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編著
1999.10
学芸出版社
8-2 山梨市フィールドミュージアム構想検討委員会委員
氏
名
備
考
顧問
中村
照人
市長
委員長
森屋
誠啓
市ボランティア観光ガイド
副委員長
岡
久
牧丘町中牧公民館長
委員
丸山
とみ子
八幡公民館長
委員
藤原
一仁
市文化協会副会長
委員
雨宮
武彦
市青年会議所理事長
委員
村田
浩
朝市・ちどりネット主催
委員
武井
力
元町文化財審議委員
委員
古明地
委員
日原
公守
市観光協会長
委員
雨宮
壽彦
三富上柚木区長
事務局長
芦澤
武
生涯学習課課長
登吉
牧丘郷土資料館長
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8-3 山梨市フィールドミュージアム構想検討委員会日程
z 山梨市フィールドミュージアム構想検討委員会
平成 18 年
委員委嘱式
10 月 31 日
第1回検討委員会
設置要綱について
z 山梨市フィールドミュージアム構想について
z 構想策定スケジュールについて
z ワークショップ∼山梨市の地域資源について
z 構想の検討について
11 月 29 日
第2回検討委員会
z 旧山梨市フィールドミュージアム構想について
平成 19 年
1 月 23 日
z 地域資源の整理
第3回検討委員会
z 構想全体に係わる課題について
z 地域資源の整理およびモデル事業について
z 新構想(案)について
2 月 15 日
第4回検討委員会
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山梨市フィールドミュージアム構想 基本構想
平成 19 年 3 月
[編集・発行]
山梨市・山梨市フィールドミュージアム構想検討委員会
[委託先]
株式会社
乃村工藝社
東京都港区芝浦 4-6-4
- 87 -
TEL (03)3455-1171