ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2015年4月1日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2015年3月20日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳 (要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。 英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。 「コセンティクス®」約80%の患者さんが寛解およびほぼ寛解 (PASI90)を達成 ウステキヌマブ(遺伝子組換え)に対し優越性を示した • AAD で発表された CLEAR 試験において、「コセンティクス®」は、ウステキヌマ ブ(遺伝子組み換え)と比較して、皮膚症状の寛解またはほぼ寛解を意味する PASI90 が、投与 16 週時点で 21%以上高く優越性を示した 1 • 「コセンティクス®」は、ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)と比較して、投与 16 週までの PASI100 および効果発現の速さを含む全てのエンドポイントでより高い 改善を示した 1 • PASI90 および PASI100*は、皮膚症状の寛解またはほぼ寛解を意味する乾癬患者さ んにとって治療成功の重要な指標 2,3 • 乾癬を適応とした初めてかつ唯一の IL-17A 阻害剤である「コセンティクス®」は、 広く使われている生物学的製剤であるウステキヌマブ(遺伝子組み換え)およびエ タネルセプト(遺伝子組み換え)に対し優越性を示した 1,4 2015年3月20日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、本日、「コセンティクス®」 (一般名:セクキヌマブ、開発コード:AIN457、以下「コセンティクス」)**が、広く使 用されている生物学的製剤であるウステキヌマブ(遺伝子組み換え)***と比較し、皮膚症 状の寛解またはほぼ寛解2を達成した割合を指標として、優越性を示したCLEAR試験の結 果を発表しました1。本試験の詳細は、米国サンフランシスコで開催されました第73回米国 皮膚科学会議(AAD:American Academy of Dermatology)のレイトブレーキング研究セ ッションで発表されました。「コセンティクス」(1回用量300mg)は、中等症から重症 の成人尋常性乾癬患者さんに対する治療薬として承認された初めてかつ唯一のインターロ イキン-17A(IL-17A)阻害薬です。 この第IIIb相臨床試験で、「コセンティクス」は、ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)と 比較して、主要評価項目である投与16週時の皮膚症状の寛解およびほぼ寛解を示す重症度 の評価基準、Psoriasis Area Severity Index(以下PASI)90の達成において優越性を示しま した(79.0% vs. 57.6%, P<0.0001)1。PASI90を欧州医薬品庁(the European Medicines Agency 、以下EMA)2は、治療成功の重要な指標と見なしており、また患者さんにとって も最適な治療ゴールです3。また「コセンティクス」は、ウステキヌマブ(遺伝子組み換え) に対し、投与16週時に有意に多くの患者さんが皮膚症状の完全な寛解(PASI100)を達成 しました(44.3% vs. 28.4%, P<0.0001)1。 1/4 ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者であるヴァサント・ナラシンハン (Vasant Narasimhan)は次のように述べています。「CLEAR試験の結果は、いかに 『コセンティクス』が乾癬の治療方法を変えうるか、また皮膚症状の寛解を目指せるよう に患者さんを支援できるかを実証しています。世界各国で承認をされた『コセンティクス』 により、乾癬患者さんのQOLの改善に貢献できれば幸いです」 また、「コセンティクス」は、早い効果発現と16週間を通じた高い有効性を示しました。 投与4週時では、ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)の20.6%に対し、「コセンティクス」 は50%の患者さんがPASI75を達成しました(P<0.0001)1。「コセンティクス」の安全性 プロファイルは、ウステキヌマブ(遺伝子組み換え)およびこれまでに報告された「コセ ンティクス」の第III相臨床試験結果と同様でした1,4-6。 CLEAR試験について CLEAR(Comparison to assess Long-term Efficacy, sAfety and toleRability of secukinumab vs. ustekinumab)試験は、52週間、多施設共同、無作為化、二重盲検試験であり、中等症 から重症の尋常性乾癬患者さんを対象に「コセンティクス」を用いて開始し、「コセンテ ィクス」とウステキヌマブの有効性、および長期の安全性と忍容性を比較した第IIIb相直 接比較試験です1。北米、欧州、アジアおよびオーストラリアの24ヵ国が試験に参加し、 679名の患者さんが登録されました1。なお、日本は本試験には参加していません。 主要評価項目は、投与16週時におけるPASI90でした1。PASI90は、乾癬の臨床試験の大半 で用いられている標準的な有効性測定基準と比べて、皮膚症状の寛解の範囲がより明確に 測定できると考えられます。また副次評価項目は、投与4週時に乾癬症状の重症度が75% 以上低下することでした(PASI75)1。投与16週時におけるPASI100は、探索的評価項目の 一つでした1。投与52週時のデータは今後発表予定です。 CLEAR試験は、皮膚症状の寛解における「コセンティクス」のエタネルセプトに対する優 越性が示された主要な第III相直接比較FIXTURE試験に続くものです4。FIXTURE試験の結 果は2013年10月に初めて発表されました。 コセンティクス(一般名:セクキヌマブ)およびインターロイキン-17A(IL-17A) 「コセンティクス」は、IL-17Aを選択的に中和するヒト型抗モノクローナル抗体です7,8。 IL-17Aは、乾癬に罹患した皮膚で高濃度に認められ、治療薬開発のターゲットとされてい ます7-12。「コセンティクス」は、乾癬に罹患した皮膚には高濃度にみられるタンパク質で あるIL-17Aの作用を阻害することで効果を発揮します7-12。セクキヌマブは良好な安全性プ ロファイルが示されており、セクキヌマブ投与群間(300mgおよび150mg)の有害事象の 発現率と重症度は同程度でした1,4-6。 2015年1月に「コセンティクス」(1回用量として300mg)は、全身療法の対象となる中等 症から重症の成人尋常性乾癬の第一選択薬として、ヨーロッパで初めてかつ唯一のインタ ーロイキン17A(以下、IL-17A)阻害薬として承認されました。また米国でも全身療法ま たは光線療法の対象となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さんに対して、同月に 承認されました。EUと米国の他に、コセンティクスは、スイス、チリ、オーストラリア、 カナダそしてシンガポールでも中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として承認されてい ます。日本においては、2014年12月に世界に先駆けて中等症または重症の尋常性乾癬およ び関節症性乾癬の適応で承認され、2015年2月27日に新発売いたしました。 「コセンティクス」は、関節症性乾癬(PsA)および強直性脊椎炎(AS)の第III相開発も 実施されており、これら疾患における海外での「コセンティクス」の承認申請は、2015年 に計画されています。 2/4 乾癬について 乾癬は、プラーク(局面)と呼ばれる厚くて広範囲におよぶ皮膚病変を特徴とする慢性自 己免疫疾患であり、かゆみ、鱗屑のはがれ、および痛みの原因となることが知られており、 身体的・心理的な生活の質の著しい低下を招きます13-15。世界の人口のほぼ3%にあたる約 1億2,500万人超が乾癬に罹患しています16。 一般的で苦痛を伴うこの疾患は、単なる美容上の問題だけでなく、極めて軽症の症状であ っても患者さんの日常生活に影響を及ぼします 13。2003年から2011年にかけてNational Psoriasis Foundation(NPF)が実施した5,600名の患者さんを対象とした調査解析結果から、 軽症から重症な乾癬患者さんの52%が疾患管理について不満を示しました17。調査対象患 者さんの一部が、治療を受けていない(9.4-49.2%)または十分な治療を受けていません (10.2%-55.5%)17。 * PASIは、乾癬の局面型皮疹の発赤、鱗屑のはがれ、肥厚、および各身体部位の罹患面積を反 映します18。治療効果はベースラインからのスコアの減少によって評価します (すなわち、90%の減少はPASI90、100%の減少はPASI100と表されます)。 PASI100は、PASI90と比べて皮膚症状の改善度を示すより高い基準です。 ** CLEAR試験における「コセンティクス ® 」の用量は全例1回300mgでした。なお、日本に おける用法及び用量は、次の通りです。 通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2 週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重に より、1回150mgを投与することができる19。 *** CLEAR試験におけるウステキヌマブ(遺伝子組み換え)の用量は、100kg以下で1回45mg、 100kg以上で1回90mgでした。なお、日本におけるウステキヌマブ(遺伝子組み換え)の用法 及び用量は次の通りです。 通常、成人にはウステキヌマブ(遺伝子組換え)として1回45mgを皮下投与する。 初回投与及びその4週後に投与し、以降12週間隔で投与する。 ただし、効果不十分な場合には1回90mgを投与することができる20。 参考文献 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 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