P R E S S R E L E A S E 2016 年 7 月 13 日、パリ コファス 中欧と東欧の企業倒産パノラマ: 良好な経済条件により、企業倒産件数は減少 中・東欧諸国の昨年の経済条件は良好なものだった。これにより、中・東欧企業にとっての 状況は改善された。2015 年通年での企業倒産件数は 13 カ国中 9 カ国で減少し、GDP 加重平均 で見た地域の企業倒産件数は 14%減少している。中欧・東欧地域の状況はまだら模様であり、 ウクライナとリトアニアでは 2 桁の悪化を示す一方で、ルーマニアとハンガリーでは大幅な 改善が見られる。コファスの予測では、この地域の企業は引き続き有利な条件を活かし、 2016 年には企業倒産件数が 5.3%減少すると思われる。 昨年、世界でも最大規模の新興市場諸国が成長の減速に悩み、あるいはリセッションに陥っ た場合さえあったにもかかわらず、中・東欧諸国は、有利な条件に転じた経済環境の恩恵を 受けた。中・東欧地域の GDP 成長率は、2014 年は平均 2.6%、2015 年は 3.3%となった。輸 出産業は、主要輸出先であるユーロ圏における、緩慢ではあるが着実な回復による恩恵を受 けた。さらに、失業率の一段の低下、賃金上昇、低インフレ、コモディティ価格の抑制、歴 史的な低金利により、民間消費が成長の主な牽引役となった。中・東欧諸国はすでに数年前 から EU の協調融資による投資の恩恵を受けているが、2015 年にはその利用が加速した。2007 年~2013 年について予算化された EU による融資の最終年度に当たるためである。昨年、中・ 東欧諸国が記録した経済成長にとって、これらの投資は大きな貢献を果たした。 多様な顔を見せる中・東欧諸国:域内には明暗さまざまな兆候 企業倒産件数の動向は中・東欧諸国のなかでもバラツキが見られる。約 50%と最も大きな減 少を見せたのはルーマニアであり、大規模な財政出動による追い風を受けた。20.8%と最も 大きく増大したのはウクライナで、これは、ロシアとの紛争の結果、リセッションがさらに 1 年続いたためである。 部門別に見ていくと、家計消費に直接依存している部門は需要の増大が追い風となったが、 商社に関しては、市場の飽和度が高く、競争が激烈で利益率が低いため、引き続き企業倒産 件数は多くなっている。建設部門は、昨年は EU 協調融資によるプロジェクトの恩恵を受けた が、支払い動向は依然として弱く、企業倒産統計においても、いまだに建設会社の事案が見 られる。昨年、中・東欧地域における営業中の企業のうち、倒産したのは約 1%である。 大半の国では、企業倒産の水準はまだ危機以前の 2008 年の水準まで回復していない。2008 年 と比較した企業倒産件数は、チェコ共和国では約 4 倍、ポーランドでは 1.8 倍、スロベニア では 2.2 倍となっている。その一方で、スロバキアとルーマニアの企業倒産件数は、依然と して危機以前の水準を下回っている。 とはいえ、全般的には、2015 年の企業倒産統計によれば、中・東欧諸国の状況はよりポジテ ィブなものとなっている。企業が有利な経済環境を享受し続けることにより、このトレンド P R E S S R E L E A S E は今後も続くはずである。特に、他の新興市場諸国の多くが体験している混乱と比較した場 合、その有利さは顕著である。地域全体での改善はコファスのカントリーリスク評価によっ ても裏付けられており、今年は複数の格上げが含まれている。1 月にはハンガリーの評価が 「A4」に引き上げられ、6 月にはラトビアが「A4」、リトアニアが「A3」、ルーマニアが 「A4」、スロベニアが「A3」にそれぞれ引き上げられた。このように、中・東欧諸国の大半 は、許容可能なリスク水準に移行している。 明るい展望:2016 年のビジネス条件は良好 コファスで中東欧地域担当エコノミストを務める Grzegorz Sielewicz は、次のように語る。 「引き続き良好なビジネス環境が続くでしょうが、昨年ほどではないでしょう 」「2016 年通 年では、企業倒産件数が 5.3%減少すると予測しています」 雇用市場のさらなる改善と信頼 感の上昇が、中・東欧諸国の経済成長の主要要因としての家計消費をさらに強化することに なる。新たな EU 協調融資プロジェクトの立ち上がりが遅れたことから、投資による貢献は昨 年ほどは高くならないだろう。そのため、建設部門その他協調融資プロジェクトに関連する さまざまな産業の拡大は弱まっている。 対外面では、中・東欧諸国は引き続き積極的な輸出国となるだろうが、グローバル貿易の減 速により、これら諸国の野心的な目標は達成しにくくなる可能性がある。中国経済のさらな る急減速など(これは中・東欧諸国にとっての主要な貿易相手国であるドイツに特に影響を 与える)、グローバルな混乱によって輸出の勢いが低下する可能性もある。 連絡先: ジョナタン・ペレズ - Tel. 03 5402 6108 – [email protected] コファスとは 取引信用保険で世界有数の企業であるコファス・グループは、国内及び輸出取引において、取引先の 債務不履行のリスクからお客様を守る為のソリューションを、全世界の企業に提供しています。2015 年には、4,500 名のスタッフのサポートによって、コファス・グループは 14 億 4900 万ユーロの連結売 上高を計上しました。100 か国における直接的及び間接的なプレゼンスによって、コファスは 40,000 を超える企業の 200 ヵ国以上にまたがる取引をカバーしています。コファスでは、企業の決済動向に 関する独自の知見と、660 名のアンダーライターと信用調査のエキスパートの専門知識に基づいた、 160 ヵ国に及ぶカントリー・リスク評価を四半期毎に発表しています。 フランスでは、コファスはフランス政府の輸出保証の管理をしています。 www.coface.com コファスSAはユーロネクスト証券市場のA部にて上場しています。 ISINコード:FR0010667147 /ティッカーシンボル: COFA
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