資料8

「自ら学ぶ力 」(地理歴史・公民)事例1
資料8
小論文の例
1 主戦派側の立場
男子
今の日本は、宋に比べると少しはましだと思う。なぜなら、宋は攻められたらすぐに負
けてしまってしょうがなく毎年プレゼントをあげているが、日本はいろいろと考えて外国
に援護してもらって何とかなっていると思う。だいぶ前の話ですが、日本人がアフガニス
タンの人たちに拉致されて殺されてしまった時に思ったことですが、人質になって殺され
てしまった両親や友達は拉致した人間を殺しに行ってやりたいと絶対に思うはずです。だ
から、国と国との交流の問題じゃなくて、人として国も行動した方がよいと思う。今、北
朝鮮との拉致問題がありますが、北朝鮮に日本はなめられすぎだと思う。だから、「少し
北朝鮮に損害を与えられますよ」的なものがあればいいと思う。武器も何も持たないで、
いかにも戦わない国だと、いろいろな困難があると思いました。
2 和平派側の立場
女子
宋(南宋)は、趙匡胤の時代に戦わない国として文治政治を行い、宋の領土に侵入して
きた周辺の国々に対して毎年プレゼントを贈るという消極的な外交を行い、結局、戦うこ
ともできずに領土を奪われ、それでも文治政治を守ってきました。一方、日本は第二次世
界大戦以降、宋と同様に戦わない国へと変化しました。しかし、最初、アメリカ(GHQ)
により、軍事力を奪われたが、だんだん、その決まりもゆるみ始め、今では自衛隊という
組織が生まれ、平和主義を貫くために作った第9条もなくなりつつあります。確かに、今、
この時代、いつ戦争に巻き込まれるか分からない状態です。日本もいつか周辺の国々と戦
わざるを得ない立場になるかもしれません。ですが、私はやはり戦うことに賛成できませ
んし、せっかく平和主義を守るため、心に刻むために作られた第9条がなくなってしまう
のも悲しいです。一度、自分たちで決めたことなのだから、“戦わない国”を押し通すべ
きだと私は思います。戦いに負けて、領土を奪われても“戦わない国”を貫いた宋(南宋)
のように。
男子
文治主義国として和平派秦檜は、金に対して紹興の和約で、金とは戦わなかった。現在
の日本も戦わない国としている日本は、アメリカや中国と仲良くしている。戦う状態にな
れば、日本は援助金を渡してアメリカに戦わせるだろう。日本は、多くの国から輸入して
いて、自立して生活はできない国である。アメリカや中国などから敵対することになるの
は、大変危険であるだろう。昔の時代では、国の領土を奪う時は必ず戦いで決めようとし
ていた。戦争での決着は2次災害を起こすと私は思っている。北朝鮮の拉致問題などがあ
げられるだろう。今、日本と北朝鮮は拉致問題、核保有などの問題で敵対関係だが、この
決着も戦いではなく、条約を作って終わらせて欲しいと私は思います。私は、宋の文治主
義は良い選択だったと思っています。
「自ら学ぶ力 」(地理歴史・公民)事例1
3 どちらとも言えない立場
女子
今の日本は、宋と同じで「戦わない(戦力を持たない)」代わりに、相手の国(日本な
らアメリカ?)の得となることをしたり、あげたりしている。日米安全保障条約なんかは
その良い例だと思う。でも、本当に「戦わない国」を貫き通していた宋と日本は、少し違
う気がする。
日本は、今、平和主義だから戦力を保持しないとしているけど、実際は自衛隊という戦
力となりうるものを保持しているのではないかと思う。戦わない国だとか、交戦権を認め
ないだとか言ってはいるけど、私は、日本が戦争とかの戦いに巻き込まれたら、絶対国を
守るために戦ってしまうと思う。昔の日本も「やられたらやり返す」で戦争になったわけ
だし、きっと今も変わらないと思う。というか、自衛隊がある時点で戦う気まんまんだと
思うのは私だけでしょうか。
最初から戦う国としているよりは、口先だけでも「戦わない国」としている方が良いと
思う。でも、きれい事だけではやっていけないし・・・そう考えると、宋のように最初か
ら最後まで「戦わない国」は貫けないと思う。私は、戦うのも戦わないのも両方間違いで
はないと思うので、どっちか決めかねるところです。
女子
日本も南宋も同じ戦わない国です。でも、今、日本は北朝鮮との問題があり、いつ北朝
鮮が攻めてくるかわからない状態です。もし、北朝鮮が攻めてくるようなことがあれば、
いくら戦わないとはいえ、自分の国を守るために少しは戦わなくてはならないと思います。
南宋は、お金で平和を保ってきたけど、日本が同じお金で解決しても、先のことを考える
とお金にも限界があるし、難しいことだと思います。日本も南宋も平和主義を貫くのは良
いことだけど、いざというときには平和主義を捨てなければならない時があるかもしれま
せん。
日本と南宋は共通点として平和主義があるけど、違う点もあります。今、戦争が起きた
として、南宋はまたお金で片付けてしまうかもしれない。でも日本はお金がないからそれ
に頼ることはできない。それに、戦ったとしても、今と昔では人も技術も変わってきてい
るので、平和主義が必ず勝つとも言い切れません。南宋も日本も条約を結んだけど、日本
は南宋と違い、お互い損のないよう約束しているので、南宋のように片方だけが得するよ
うにはなっていません。それも違いの一つです。同じ平和主義でも条件や考え方は違って
いるので、日本と南宋は全然別物だと思います。