東日本大震災犠牲者に捧げる「鎮魂の歌」をエスペラントで世界へ発信! 3/9 氷川丸前 3/13 釜石市盛岩寺本堂からの報告 横浜エスペラント会歌唱グループ代表 牧野三男 「鎮魂の歌」Rekviemoの振出しは、昨年10月6日札幌市での第99回日本エスペラント大会に始まる。久 し振りに再会した群馬エスペラント会の堀泰雄さんから受け取った一枚の楽譜がそれである。岩手県公 立学校退職校長会補作のこの歌詞が余りにも悲し過ぎるので、堀さんはこの歌をEsperanto界に持ち込 むのを躊躇しておられた。10月13日ハマロンド歌唱グループがこの歌を初めて練習した。 その翌日、メンバーから次のメールが届いた。 「鎮魂の歌」は心に沁み入る曲ですね。 歌っていて思わず涙が溢れそうでした。 暗いという見方も あるようですが、私はこの曲を創られた方々が被災地の方であれば当然のように思います。恐らく被災 地以外の人には理解し得ない心の痛みがあるのだと思います。この歌はそのままそっとしておき 元気 の出る歌は他にあれば良いと思いました。 ここでいう元気の出る歌が「ラ・エスペーロ:子供たちの未来のために」である。 このメールを受けて私は、直ぐ小西 岳さんに「鎮魂の歌」エスペラント訳を依頼した。10月17日小 西岳さんより「鎮魂の歌」Esperanto歌詞, Esperanto 楽譜が届いた。「HEIWAの鐘」同様、僅か4日 後の驚くべき作品である。その楽譜を直ぐ堀泰雄さんに転送すると、その日のうちに岩手県の高館千枝 子さんからメールが届いた。そこで「鎮魂の歌」が誕生した経緯、2013年3月11日「鎮魂の歌」を日本 国中で歌う具体的な企画を 初めて知った。 高館さんの真心に打たれて私は、直ぐ友人の島田桂子さん(現横浜少年少女合唱団代表)に協力を要 請した。10月20日(土)歌唱グループで「鎮魂の歌」を収録。全国の音楽仲間たちに協力を呼び掛けた。 それから僅か5か月後には横浜港氷川丸前でハマロンドと横浜少年少女合唱団との「鎮魂の歌」合同演 奏会が実現したのである。「求めよ!さらば与えられん! 叩けよ!さらば開かれん!」 A.<山下公園氷川丸前の音楽集会より> 3月9日(土) 快晴。暖かな山下公園は大勢の人垣に囲まれた。例え聴衆が僅かでも、真心込めた歌声 が横浜の港に響き渡れば、大震災犠牲者への慰霊となり、東北被災地の皆さんに元気を送り届けられる。 百名の美しい歌声は見事に昇華し、会場は黒山の人だかり。小中学生の合唱団員たちが涙をこらえなが ら「鎮魂の歌」を熱唱。続いて「ラ・エスペーロ」を明るい表情で二部合唱した。指揮しながら天使の 歌声から伝わって来たその深い感動を 私は生涯忘れることはない。 当日総合司会の相田弥生さんとご主人を始め、歌唱グループ以外のハマロンド仲間(鈴木恵一郎さ ん・小山武さん・宮川昌子さん・高岡美智子さん・板橋満子さん・広瀬かなえさん、)等思いがけない 方が大勢応援に駆けつけて下さった。桜美林大学准教授(「鎮魂の歌を歌おう」推進委員) 長谷川恵 美さん、EEC唐丹教育支援者の松岡喜美子さん・青山充子さんが参加。(神奈川新聞記者)佐本真里さ んと共に写真・ビデオ記録に奔走した相田清さん、大場満さん、(映像神奈川の仲間)御法川直樹さん、 桐光学園小学校の中島愛先生まで協力してくれた。正に総力を挙げての音楽集会となった。その喜びも 又、今後の活動の大きな支えとなることと思う。当日歌唱グループの一番の立役者は次の8名である。 (今井幸子さん・苅部多代子さん・鳥居房子さん・根岸幸子さん・松野威子さん・村田和代さん・谷川 弘さん・美濃口美智子さん)。 欠席者3名(金津信子さん、笠井満喜子さん、村瀬洋子さん)だった。 B. <岩手県釜石市盛岩寺本堂音楽集会より> 3月13日(水) 被災地でも「鎮魂の歌」音楽集会が開催された。作曲者;太田代政男さんと日本教育公務 員弘済会岩手県支部有志と釜石市合唱協会菊池征毅会長ら会員たちを中心とした総勢40名の法要音楽 集会である。総合司会は主催者:EEC東日本大震災教育支援活動唐丹希望基金2012代表・高館千枝子 さん。追悼の言葉は東北Esperanto連盟を代表して三瓶圭子さん。美しい毛筆で清書された貴重な追悼 の便りだった。 ここでも「鎮魂の歌」は日本語とエスペラントで歌われ、続いて「La Espero」堀泰雄和訳も歌われ た。釜石復興新聞社からの取材も加わり、演奏は荘厳そのもの。カッチ-ニの「Ave Maria」「ふるさ と」の三部合唱が後に続き、日本Esperanto大会とは一味違った混声合唱の美しい響きで、心のこもっ た音楽集会となった。 Esperantoに縁のない2団体が、僅かな練習時間でEsperanto の歌を合唱出来たという初体験は今後 の Esperanto 広 報 活 動 に 静 か な 波 紋 を 呼 び 起 こ す か も 知 れ な い 。 か く し て 小 西 岳 さ ん の 優 れ た Esperanto訳は図らずも「鎮魂の歌」を通して日本から世界へ平和メッセージを発信する事となった。 ハマロンド谷川 弘さんの言葉を借りるなら「Esperanto と音楽と平和への思いは、やはり相性が良い。」 東日本大震災復興の一助にEsperantoが関われたのは実に有難いことである。 最後になりましたが、動画関連ホームページを駆使しYouTubeで「鎮魂の歌」日本語版・エスペラント 版を流し続けた関西エスペラント会の仲間、西川悟さん、林周行さんをご紹介します。この御両名の蔭 のご支援には、小西岳さん同様改めて厚く御礼申し上げ、今回の報告とさせて頂きます。高館さんお疲 れ様でした。 http://youtu.be/I8lVEFlzInE(唐丹町盛岩寺(3/13),星美学園小学校 3 年生(2/18),横浜少年少女合唱団、横浜エスペラ ント会(3/9),シャロームの家チャリテイーコンサート、テノール奥山晋也独唱(2/28)の演奏を YOU TUBE で公開中) 「鎮魂の歌」は更に翼を広げ進みます! ―「鎮魂の歌を歌おう」に祈りと感謝を込めて― 高舘 千枝子 平成 25 年度もスタートし、皆様方のお住まいの学校、職場も新年度を迎え、前に進む足音も弾 み、その活気さを喜んでおられることと思います。 「唐丹希望基金 2013」も、唐丹の子ども達の成長の一助になろうと歩みだしました。 (http://www10.plala.or.jp/yasnoli/eec/main_2013-2014.html) 昨年度は「鎮魂お歌を歌おう」企画に賛同してくださり、東日本大震災被災地に心をお寄せく ださり有難うございました。果たして、私の声はどこまで届くのか?と、不安を抱えての出発で したが、皆様から寄せていただいた気持ちで、その不安も自然に消え、いつの間にか一体感を感 じながら皆様から届いた報告を、喜びながらまとめる自分と出会うことができました。 行事を発案した昨年 9 月頃、私は、無力感に襲われておりました。タイミングよく、岩手県公 立学校退職校長会の制作発表した「鎮魂の歌」にすがる気持ちで、この行事を企画したのでした 同じ県に住みながら何の力も出せない自分が情けなく、悔しく、混沌とした心のやり場を探し ていました。この、辛さを救い、助けてくださった皆様に感謝申し上げます。 4 月から、心新たに「唐丹希望基金 2013」として歩み始めた事をお知らせできる幸せをかみし めております。 「鎮魂の歌」を自由に使う事をご許可くださった、作曲者 太田代政男さん、作詞者 千葉隆男 さんはじめ、岩手県公立学校退職校長会、私の声にいち早く応え、でき得る全ての力を注いでく ださった堀泰雄さん、牧野三男さん、小西岳さん、西川悟さん、林周行さん、各地の演奏者やこ こにお名前 を 記 す る こ と が で き な い ほ ど の 多 く の 協 力 者 の 力 に よ っ て 、 演 奏 団 体 国 内 外 17会場 (http://www10.plala.or.jp/yasnoli/eec/requiem3.htm)、2013 年 3 月末の参加者 2882 名という 成果を残す事ができました。 演奏風景の写真も公開しております。 (http://www10.plala.or.jp/yasnoli/eec/20130311/photo.html) これからも、「唐丹希望基金」の継続行事として、参加者 10,000 人を目指して呼びかけていき たいと考えております。再度、「鎮魂の歌」を皆様の団体で歌われる時は、是非、登録いただき たいと願ってます。登録する事で、東日本大震災のために人生が狂い、悲しい想いをしてる方に 心を寄せていただきたいのです。そして、皆様のまわりにこの歌を紹介し、支援の輪を大きくし てくださる事をお願いします。 (参加登録:http://www10.plala.or.jp/yasnoli/eec/continuously.htm) 唐丹小学校から「かもめ通信」が届きました。 【4 月 1 日から 4 月 30 日までの支援者 12 名 通帳記帳通りの表記で記載】 右原君江、伊藤富美子、高舘千枝子、埼玉県匿名、村山代利子、内山武、松沢有奈、高木健一、 松岡喜美子 堀泰雄、堀玉江、町田浩子 【支援金振込み先】◇郵便口座 記号:18390 番号:13087781 高舘千枝子宛 ◇唐丹中学校(4/5) 唐丹小学校(4/9)の入学式に、全児童、生徒、教職員、 来賓に 「紅白餅」を贈りました。 ◇4 月 11 日…今年度初の支援金を唐丹小中学校、山田尊喜ちゃんに送りまし た。 これ以降の募金は、12 月 13 日予定「唐丹サンタルチア」に唐丹 町を訪問するまで積み立てます。被災地唐丹町を忘れず、募金 をお願いします。 ― お 知 ら せ ― ① 唐丹町への支援物資送り先 ★〒026-0121 岩手県釜石市唐丹町花露辺 127-2 下村惠寿(TEL:0193-55-3031) ★〒026-0121 岩手県釜石市唐丹町大石字向 54 大石仮設住宅 1-1 大向惣三(TEL:090 2367 6084) ② 今月の手紙 ☆ レーズン グランマさん(埼玉県春日部在住) 春の嵐が吹き、今年の気候が気がかりです。この度は、EEC 通信 35 号の送付有難うございます。 引き続き「唐丹希望基金 2013」の支援を致したく、後日、送金します。 ちょっとしか離れていない東北の方々の事を「あまりにも忘れてはいませんか!」と思う、こちらの日 常のテレビ放送です。でも、私は忘れてはいませんし、日々、心は寄せています。 盛岡、石割桜の開花はいかがでしょう。当地は八重桜が開花しました。 ☆ 嶋澤 純子さん(京都在住 歌声“コスモス”代表) 私たちはますますこの歌を通して、震災のこと、人々のご苦労を忘れることなく、すごすべきだと考え、2 月にこの歌の大正 琴譜を作って以来、機会あるごとに唄い続けています。 歌声”コスモス”では今後もずっとうたいつつ、みんなにこの歌を広めていただくようお話しております。 どうか今後もこの歌が歌い継がれていきますように、皆様の心が世界中に伝わりますように祈っています。 ☆ メリー ハーツエルさん(カナダ在住) 鎮魂の歌に参加させて頂く事が出来私も大変光栄に思いますし嬉しく思っております。 先週も私は友達が教えているナイアガラ大学の日本語クラスの学生17人に大正琴の演奏をいたしました が、そのときにも鎮魂の歌を紹介させて頂きました。日本語のローマ字入りと、私が訳した英語の歌詞と 一緒に紹介いたしました。英語の方は只日本語を話せない人が、訳が分かって唱ってくれたら良い、と思 い一番だけ翻訳したものですが、楽譜と共にお送りいたします。 「鎮魂の歌」英語歌詞版譜:Address を掲載する EEC 東日本大震災教育支援活動 EEC 通信 36 号 2013 年 4 月 30 日発行
© Copyright 2024 Paperzz