藤井脳神経外科病院広報誌 藤の 花 だより 作品は新金沢郵便局にて 12 月 25 日から 1 月 30 日 まで展示しました 2016 新年号 Vol.76 新年のご挨拶 新年おめでとうございます。良い年をお迎えのこととお喜び申し上げます。 今年の四月に診療報酬改定があり、医療界はますます厳しさを増しています。また、 外来・入院医療だけではなく、保健、医療、在宅、介護を含めた包括的な取り組み が必要であり、 『地域包括ケアシステム』の達成が課題になってきます。 今、私たちに求められているのは、病院のリーダーは『新たな価値創造』を行い、 職員と共有化を図る必要があることです。職員一人一人が『私は何をすべきか』を 理解し、同じ方向を向いて行動を起こすことが大切です。同様に各部署との連携を 密に図ることができれば、医療・介護の質の向上と効率化が達成出来るのではない かと考えます。 私は、再生医療の糸口をまず完成させ、この病院全体に私のエネルギーを発信し たいと考えています。 理事長 藤井博之 藤井脳神経外科病院 2 s Doctor′ コラム PRP 療法って何? 再生医療の一種で、自らの血液から抽出した多血小板血漿を 注射する治療法です。多血小板血漿は、抽出された血液を分離器 にかけ、白血球、赤血球、血清、血小板に分離して作り出します。 血小板のみを集めて患部に注入し、組織損傷の修復を促します。 遠心分離 PRP 療法は整形外科的な疾患に関して適応は幅広いと考えます。スポーツ関連では、ランナ ーに多い腸脛靭帯炎、アキレス腱炎、テニス肘やゴルフ肘と呼ばれる肘内側、外側上顆炎、 膝の膝蓋腱炎などに対する治療として、ステロイド剤の患部への注入が主に行われてきまし た。しかし、なかなか治らない難治性の患者さんが、ステロイド剤の頻回の注射により、組 織を損傷、断裂するなどの副作用を起こす例もありました。 最近の治療医学の進歩に伴い、ステロイド剤を全く使用しない安全な治療法として、多血 小板血漿(PRP)が開発されました。この治療により、肘内側、外側上顆炎、膝蓋腱炎、アキ レス腱炎などの腱付着部や腱鞘、なかなか治らない慢性化した陳旧性の肉離れ、筋断裂、腱、 靭帯損傷などの古い傷も治すことができます。この治療法は、海外では 10 年以上の実績があ り、スポーツ選手を中心に行われています。 私は、この PRP 療法を当院でも施行出来るように、手続きも含めて努力してまいります。 理事長 藤井博之 台湾より洪 唯倫先生をお招きして、PRP 療法についての勉強会を行いまし た。 藤井脳神経外科病院 3 ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう について 脊柱管とは背骨に囲まれた管状の空間で、神経が 通っています。この脊柱管が何らかの原因で狭く なり、神経が障害されることで、下肢のしびれや 腰の痛みなどの症状がでます。 こんな症状はありませんか? 安静時には何ともない人が、歩き続けると下肢の痛 みやしびれ、脱力感が強まって歩きにくくなったり、 歩けなくなり、しばらく前かがみになって休むと痛 みやしびれが楽になります。 気になる症状があれば、一度受診下さい。 腰を支える筋肉をバランスよく鍛え、柔軟性を高める ことが大切です。毎日少しずつ続けましょう! 一つの運動を 5~10 回、一日 3 セット行いましょう。 ①へそのぞき 両膝は直角、手を頭の後ろ に組み、おへそをのぞくよ うに上体を起こします。し ばらく保持後、ゆっくり戻 します。 ②ヒップアップ 膝を曲げ仰向けになり、ゆ っくり腰の上げ下げをし ます。腰を反らせないよう に注意しましょう。 藤井脳神経外科病院 4 毎日寒い日が続きますね。気温がグッと下がり、毎年この時期に頻 繁に聞かれるのが、気温が下がると足が冷えてむくむ。辛いので対処 法を教えて欲しいということです。たくさんある対処法の中でも、簡 単な方法をお教えします。ズバリ!『貧乏ゆすり』です!! 貧乏ゆすりをすることで、ふくらはぎ(下腿部)の血流がよくなり、 水分代謝が促され、むくみや硬くなった辛さが和らいでいきます。 時間は一回 5 分、一日に 3 セット程行ってください。ただし、人前で やってしまうとお行儀が悪くなってしまいますので人目につかない ようにするか、ご自宅で行うようお願い致します。 では皆さん、また来月号でお会いしましょう。 リハビリ 人物 図鑑 藤井脳神経外科病院に入職して 3 年目です。私は、患者様とセ ラピストが同じ目標に向かって共に励むすばらしさに惹かれ、 この理学療法士を目指しました。まだまだ未熟で周りの方々に 支えられながら日々臨床に取り組んでいます。 私も昔、怪我をしてリハビリを受ける経験をしましたが、な かなか思うように効果が現れないときもあります。しかし、患 者様の回復や笑顔が見られたときは大きな喜びや充実感が得ら れ、とてもやりがいがあります。 現在の身体機能を改善するのみではなく、自宅復帰後や今後 の状況も考え、患者様もご家族様も安心した生活を送れるよう、 最善を尽くしてリハビリを実施していきます。 理学療法士 西田 恵理香 今後の目標 ☆ 疾患、症状を診る、ヒトも診ること ☆ しっかり評価を行い、根拠のある建設的な介入を行 う 藤井脳神経外科病院 5 放射線部 ホット 情報 こんな症状ありませんか? ☑ 片側の手や足のしびれ ☑ 脱力感がある ☑ めまいがする ☑ 物が二重に見える ☑ ろれつが回らない ☑ 視野がかける ☑ 言語障害がでる ☑ 激しい頭痛 どんな病気? 脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳の中に出血した 状態をいいます。意識障害、運動麻痺、感覚障害などの 症状が出て、重い場合は死に至ります。 さまざまな原因がありますが、高血圧が原因で起こる 脳出血が最も多く、全体の 70%を占めます。常に血圧を 気にして、適正な血圧値にコントロールすることが大切 です。 頭部 CT 当院で 2014 年 4 月から 2015 年 3 月までの一年間に“頭痛、めまい、手足しびれ、言語障害” などの症状で、頭部 CT、MRI を撮影した患者様の統計です。 脳出血と診断された患者様のデータをまとめました。 脳出血の起こりやすい季節は冬(11~3 月) といわれています。冬の外気温に対して血管 をキュッと縮めることで体温の低下を防ぎ ますが、血管が収縮することで血圧は上昇 し、出血のリスクが高くなります。 当院でも夏場は少ないですが、11 月以降に 脳出血の患者様が増えるという結果でした。 藤井脳神経外科病院 6 平成 27 年 11 月 21 日に新潟リハビリテーション大学副学長で教授の倉智雅子先生をお招きし て講演会を開催いたしました。外部からも多くの参加があり、非常に活気のある講演会となり ました。 摂食嚥下障害の患者様は主に言語聴覚士、歯科衛生士が担当し治療に関わりますが、理学療 法士や作業療法士、看護師など多職種が連携し治療を進めることで、より患者様の状態は良く なるというお話を聞き、職員一同、改めて他部署との連携の重要性を再確認することができま した。 講演会を終えて… すぐにでも明日からの臨床に活かしたいことが盛り沢山の講演会でし た。今回は、基礎の部分をしっかりと教えていただき、まだまだ知識不 足なところがあるなぁと痛感いたしました。大変勉強になり、非常に有 意義な時間を過ごすことが出来ました。 摂食というと、言語聴覚士や歯科衛生士だけが関わる分野だと思って いましたが、医師、理学療法士、作業療法士、看護師など多職種が工夫 を凝らして関わっていかないと、言語聴覚士一人の力ではどうにもなら ないことが分かりました。そのためには、多職種の連携が重要であり、 当院でも自分からもっと積極的にアドバイスをもらいに行ったり、逆に 言語聴覚士 伊藤 栞 言語聴覚士だからこそ知っている情報をもっと発信していかなければな らないと強く思いました。 今回、このような非常に貴重な機会を与えて頂いた理事長、参事に感 謝いたします。 藤井脳神経外科病院 7 平成 28 年 1 月 29 日にデイケア利用者様のお誕生日会を行いました。 1 月にお誕生日を迎えられた利用者様お一人お一人に、藤井参事よりケーキ が 贈られました。 節分御膳 ・助六 太巻き いなり ・鮭の西京焼 サーモン 大葉 漬物 ・炊き合わせ がんも 椎茸 インゲン 人参 ・吸物 花麩 三つ葉 ・デザート いちごムース 苺 オレンジ キウイ 藤井脳神経外科病院 8
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