業績連動型報酬

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CNS College
商法・会計
業績連動型報酬
Q.業績連動型報酬の導入を検討しております。それに当たっての留意事項を教えてください。
A.
(1)税務
税務上、業績連動型報酬(税務上は「利益連動給与」
)を損金経理できるのは、以下の要件を満たす場合の
みです。
(法人税法 34 条第 1 項第三号)
※ 税法の規定の上においても不明確な点は多いのですが、現時点の規定のうち主なものは以下のとおり
です。
① 確定額を限度とし、各業務執行役員に対して支給する利益連動給与の算定方法が同様のものであるこ
と(
「確定額」とは、事前に所轄税務署長に届け出ている額を言います)
② 政令で定める日までに、報酬委員会が決定していることその他これに準ずる適正な手続として政令で
定める手続を経ていること(
「報酬委員会」とは委員会設置会社制度を採用した会社において、必須の
委員会のひとつで、取締役・執行役が受ける個人別の報酬の内容を決定する権限を持つことになりま
す。
)
③ 算定方法の内容が決定または手続の終了の日以後遅滞なく有価証券報告書に記載されていること
つまり証券取引法に基づく「有価証券報告書」を提出している会社(主として一般的に言われる上場会社)
であって、かつ個々の役員の業績評価が利益連動給与に反映されていない場合のみ、損金算入が認められる
こととなります。個々の役員の業績を評価し、これに基づいて算定した場合には、損金とはならないので留
意が必要です。
したがいまして取締役・執行役の全員に統一した算定方法を適用されていなければならず、個々の役員の
業績評価に応じた社長裁量等が入る余地がないことが前提となります。
(2)会社法
業績連動型報酬につきましては、平成 14 年の商法改正によって認められております。
また平成 18 年 5 月施行の会社法においても、この点につきましては変更なく、認められております。
(会社法 361 条)
なお「役員報酬」と「役員賞与」とを区分した規定となっておりましたが、今回の会社法におきましては
「職務執行の対価」であるとして一律に規定されております。
(3)会計処理
業績連動型報酬に関する会計処理につきましては、これまで役員賞与として利益処分による処理が慣行と
されておりましたが、発生時の費用(販売費及び一般管理費)として当期の損益に反映させることとなり
ました。
(企業会計基準委員会「役員賞与の会計処理に関する当面の取扱い」
「役員賞与に関する会計基準」
)
常務取締役 山 口 雅 弘
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