平 平成 成 2277 年 年 77 月 月号 号 ri 労働時間の定義は曖昧であり労使間で争いになる際、労働時間が何時から何時までになるのかということでトラ ブルになることが良く有ります。 タイムカード等を利用して労働時間の管理を行っている場合、民法による労働時間とはその打刻された時間が労 働時間となりますが、労働基準法(以下労基法)では使用者の指揮管理下にある時間が労働時間となります。 簡単に違いを述べると退勤のタイムカードを打刻後、仕事の指示が成され従った場合、労基法では労働時間とな り、民法では労働時間とならない可能性があるということです。 では裁判となった場合、特別法である労基法が優先されるので労基法に従い、上記は労働時間と判断されます。 となるとタイムカードは意味が無いではないかと成りかねませんが、労基法では同時に労働時間の適正な掌握の ために使用者が講ずべき措置に関する基準が定められており、タイムカード等で労働時間を記録する義務がある のでタイムカードに記録された時間=労働時間であるハズなのです。 ところが実際にはタイムカードの時間≠労働時間となっている為、争いになってきます。 労働者の主張としては『始業時刻前に出社して始業時刻前に仕事を始め、タイムカード打刻後も仕事をしている からその分の賃金を支払え。』 事業主の反論として『始業時刻前に仕事を始めなさいとの指示はしていない。業務の終わりにタイムカードを打 刻する決まりになっており未払いは無い。』 すると労働者側は判例を引っ張り出してきてほら○○は労働時間との判例が出てる、だからその分の賃金を支払 え。使用者としては業務終了後だらだらと私語をしている時間は労働時間ではない、他にも業務時間中に私用に 利用している時間がある等、それらを差引いた時間の返金を求める等となり、平行線になってしまい使用者側に 明らかな違法行為が無い限り、過去について話していても裁判しない限り解決することはない。 となるとどこかで妥結させるのが現実的であり、労働時間についてどうやって管理していくべきかを話し合う のがベストになってきます。労働者としても労働組合としてもはっきりとした成果が欲しい為、強硬になりがち ですが妥協するべきところはお互いに妥協すべきでしょう。それよりも今後、労働時間管理をどのように行って いくかの話し合いが重要になってきます。結論から言うと残業を沢山すれば残業代として賃金が増えますが私的 に活動する時間が減ることになる。同じ仕事量で労働時間が短い方が労働者としても会社としても助かるのです。 ウィンウィンの関係を作っていく為には労働時間管理をしっかりと行い、時短目標を明確にし、双方努力し結果 に結び付けることが一番重要なことなのです。 浜辺社労士事務所 代表 浜辺 恭成 http://hamabesyarousijimusyo.web.fc2.com/
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