話せるようになるために、 イタリア語だけの環境で学ぶ、 「ダイレクト

話せるようになるために、
イタリア語だけの環境で学ぶ、
「ダイレクト・メソッド」
自宅で応用できる7つの方法とは?
TNS 語学学習ワークス
話せるようになるために、
イタリア語だけの環境で学ぶ、
「ダイレクト・メソッド」を
自宅で応用できる7つの方法とは?
2008 年 7 月某日
TNS 語学学習ワークス
都内、某所、マリーナ先生とのmtgにて
マリーナ先生「イタリア語の教室と、実際に話す場面での最大の違いは、何?」
私たち
「うーん、何だろう?」
・・・マリーナ先生の答えは実にシンプルでした。
答えは、「ストレス」です。
マリーナ先生「・・・実際に話す場面では、
例えば、飛行機や、電車で突然話しかけられたとき、
それは、教室とは違うでしょ?
例えば、
辞書はすぐに見れないし、
単語がすぐ出てこなかったり、思いつかなかったり。
教室と、実際の場面での最大の違いは、
ストレスがあること。
だから、実際の場面で、
スラスラ、イタリア語を話せるようになるには、
その前にストレスに慣れておく必要があるの。
私たち
「・・・うーん、なるほど。。。
じゃあ、ストレスを感じながら、練習すれば
いいってこと?」
マリーナ先生「そう。
だけど、問題は、ストレスが必要だ、
ということを理解していない人が多い、ということ。
つまりストレスを感じることに、
ストレスを感じてしまっている。
私たち
「・・・ん、どういうこと?」
マリーナ先生 「つまり、ストレスは、どんな上級者になっても、
感じることでしょ?
どんな上級者になっても、わからない、聞き取れない、ということは出てくる。
つまり、ストレスは、どんなにうまくなっても、なくならない。
むしろ、ストレスがあることが、当然なこと。
だったら、ストレスがある、ということを前提にした方がいい。
学習をする中で、わからない、というストレスに慣れる、
完璧には理解できない、というストレスに慣れる。
そして、ストレスを感じながらでも、
話せるようになる、
表現をする、という練習をする。
その方が、実際の場面に近いし、
スラスラ話せるようになるためには、必要なこと。
実際、10年教えてきた中での経験から、
このことの効果を実感しているので、
まずは、ストレスに慣れることが必要、
ということを理解して欲しい。」
私たち
「うーん、なるほど。。。
でも、具体的にはどうやって・・・」
マリーナ先生「ダイレクト・メソッド、がいいと思う。」
私たち
「ダイレクト・メソッド?」
マリーナ先生「そう。
つまり、イタリア語だけの環境に身を置く、学習法。
実際、大学や語学学校での教え方は、この方法がスタンダードになりつつ
あるけど、
モデルは、赤ちゃんが、
母国語を学ぶときの環境と同じように、
イタリア語だけで、聞き、話し、考える環境。
それで、学ぶのがダイレクト・メソッド。」
私たち「・・・なるほど・・・。
・・・でも、それって、
イタリアや、語学学校に行かなければ、
中々実践できないよね?」
マリーナ「そんなことはないわ。
具体的には・・・」
・・・この後、マリーナ先生が話したことは、
非常に長くなってしまいますので、以下にまとめました。
自宅でもできる、ダイレクトメソッドを応用した学習法、7つのポイントです。
1.理解することと、話せるようになることは、別の能力であることを理解する。
理解することと、それを話せるようになることは、別のことです。
別のトレーニングによって鍛える必要があります。
このことは、私の経験上もそうですし、
例えば、イタリア語の翻訳はすばらしく上手にできるけれども、話せない翻訳家がいたり、
すばらしく上手にイタリア語を話せるけれども、イタリア語を書くことはできない人がいる、
・・・ということが証拠だと思います。
つまり、
・話す能力は、話すこと鍛える
・聞く能力は、聞くことで鍛える
・読む能力は、読むことで鍛える
・書く能力は、書くことで鍛える
ことがとても大切です。
しかも、話せるようになったな、と思っても、
案外、何かの刺激が加わると、話せないものです。
例えば、ディナーの席で、話そうと立った瞬間に、頭が真っ白になってしまう、
なんてことは、よくあることでしょう。
ですから、机の前に座って練習するだけではなく、
立って、話す、
何かをしながら話す、
鏡の前で話す、
歩きながら話す、等、
自分に、色々な刺激(邪魔)を与えながら、練習してみてください。
具体的な、とても大事な練習法:
「口に出して発音する。声を出して練習する。
ときには、立って、鏡の前に立って、何かをしながら、声を出して練習する。」
2.日本語をなるべく使わないで学習する。
次に、よくある勉強法は、イタリア語の単語の下に、
日本語訳を書き込んでしまうことです。
確かに、イタリア語の下に日本語があれば、
「意味がわからない」というストレスはなくなります。
しかし、これは、近道のように見えて、かえって遠回りになってしまいます。
なぜなら、
せっかくの「わからなかった・・・」というストレスの記憶を消すことになって
しまうからです。
「わからなかった・・・」というストレスの記憶が、かえって、
次回に思い出すことに役立ってくれるのですから。
「何だったっけ?」と、思い出す時間をしっかり使うこと。
わからなければ、何度も辞書を使うこと。
とても大切です。
・具体的なとても大事な練習法:
「日本語訳を、イタリア語のテキストに書き込まない。」
3.記憶は、脳の中の 田舎の小道 である、ということを意識する。
話せるようになるための例えとして、よく 田舎の小道 という例えが使われます。
舗装がされていない、田舎の細い土の小道をイメージしてみてください。
この細い小道は、一回通っただけでは、すぐに雑草が生えてきて、
道が覆われてしまい、ついには、道がどこだったかわからなくなってしまいます。
しかし、何度も通れば、だんだん踏み固められ、
固く、雑草が生えにくい道になっていきます。
イタリア語を話せるようになることも、同じことが言えます。
雑草が生えなくなるまで、何度も反復練習すること。
これがとても大事です。
・具体的なとても大事な練習法:
「一つの構文を、何度も、反復練習すること。」
4.想像力を利用する。
ある単語がわからなかった場合、すぐに辞書や、聞くことによって、
「わからないストレス」を解消してしまおうとします。
しかし、一旦、「この単語はどういう意味だろう?」 と、想像する時間をとってみてください。
この想像し、疑問を持ったことが、
好奇心を刺激し、
脳を刺激し、
「想像しても、やっぱりわからなかったから」と、辞書で調べたときに、
「あっ!こういう意味だったのか!」という、記憶を強化してくれます。
わからなかったときは、一旦、
「どういう意味だろう?」
「どういう意味だったっけ?」
と想像する時間をとってください。
この想像する時間が、
遠回りのように見えて、かえってあなたの記憶を強化してくれます。
・具体的なとても大事な練習法:
「わからない単語があったときは、まず、一旦想像する。」
5.全てを理解できない、というストレスに慣れる。
ときには、全てを理解できていない、というストレスを感じることもあるでしょう。
イタリア語でも、全てを、論理的に説明できない場合があります。
例えば、
なぜ、このときに、不定冠詞になる?定冠詞になる?、ということを、
全て論理的に説明できるわけではありません。
日本語でも、同じようなことがあると思います。
ポイントは、全て理解し切れていない、というストレスに慣れることです。
特に、一度に、全てを理解しようとせず、
少しづつ、理解を増やしていってみてください。
・具体的なとても大事な練習法:
「一度に、全てを理解しようとしない。少しづつ理解していく。ときには、そのまま
暗記する。」
6.自然なイタリア語の単語を増やす。
5番目のポイントとも重なりますが、自然なイタリア語の表現を、増やしましょう。
例えば、 自転車に乗る という表現を、電子辞書で調べようとすると、
普通の日常生活の表現で、イタリア語では使わない 乗る という単語がでてきたり
することがあります。
電子辞書にはこのような弊害がありますので、
自分自身で、自然なイタリア語、を増やして行きましょう。
そのためにとても有効な方法が、自分辞書を作る、という方法です。
辞書は網羅的に意味を載せてしまうため、
どれが日常生活で、イタリア人が良く使う意味か、ということの判断が、
しにくいケースが多いです。
ですから、出てきた表現、学んだ表現を、
自分辞書にストックしていくと、
自然なイタリア単語のストックができてくると思います。
この場合、自分辞書は、日本語から、調べる
「和伊辞典」 を作りましょう。
・具体的なとても大事な練習法:
「自分辞書を作る。」
7.間違えた、というストレスを、記憶に利用する。
これもよくあることですが、
テキストの問題を解く際、
鉛筆で記入をして、間違ったら、消しゴムで消して直す、
というテキストの使い方をする方がいます。
しかし、これも、近道のように見えて、かえって遠回りの学習法です。
間違えた、という記憶が残れば、
次に思い出すときに、
「あ、間違えたあれだな」と思い出しやすくなり、
かえって、記憶を強化してくれるからです。
テキストには、最初から、直接、書き込みましょう。
そして、消すことができない赤ペンで直しましょう。
間違えた、形跡を明白に残しましょう。
さらにもう一つのポイント。
間違えた箇所を何度も繰り返し、練習しましょう。
・具体的なとても大事な練習法:
「消しゴムを使わず、赤ペンで直す。間違えた箇所を、何度も練習する。」
・・・以上が、マリーナ先生からのメッセージです。
ダイレクト・メソッドを、自宅で行う、応用の練習法。
7つの方法、いかがでしたでしょうか?
学習のヒントを得ていただければ幸いです。