2004 年 9 月 25 日(土) 日中投資促進機構 嶋原 信治 中国経営管理学会第5回秋季研究集会 中国の自動車産業の現状とトヨタの対応について はじめに 嶋原信治経歴とトヨタ自動車の中国展開 P.2 1. 中国の経済状況 P.3 2. 中国の自動車市場 P.4- 3. 新自動車産業政策の概要 P.10- 4. 自動車産業のビジネスチャンスとリスク P.11- 5. トヨタの中国事業 P.12- (参考資料) P.15 1 はじめに ∼嶋原信治経歴とトヨタ自動車の中国展開∼ ’72 日中共同宣言 ’78 日中平和友好条約を締結 トヨタ入社 香港担当 フィリピン担当 中国香港担当 1回目北京赴任 (完成車販売が主) ’85∼’87 中国香港担当 ’88∼’91 2 回目北京赴任 ’72 ’73 ’74∼’80 ’80∼’81 ’82∼’84 ’80 トヨタ認定修理工場設置(北京) ’82 トヨタ認定修理工場設置(広州) ’91∼’93 インドネシア・フィリピン担当 ’94∼’95 中国担当 ’97∼’00 3 回目北京赴任 ’01∼ 現職 ’88 瀋陽金杯客車と技術支援契約締結 技能工センター設置 天安門事件発生 ’89 完成車販売子会社設立(香港) ’93 自動車産業政策発表 ’94 鄧小平死去、香港返還 ’97 天津トヨタ自動車エンジン有限会社ラインオフ ’98 四川トヨタ自動車有限会社設立 ’99 建国 50 周年 ’00 天津トヨタ自動車有限会社設立 ’01 トヨタ自動車(中国)投資有限会社を設立 WTO 加盟 ’02 第一汽車との包括的提携 VIOS ラインオフ ’03 プラド・ランドクルーザー ラインオフ ’04 新自動車産業政策発表 カローラ ラインオフ 広州汽車とのエンジン合弁、車両合弁 ∼日中投資促進機構のご紹介∼ 投資の成功 ¾転ばぬ先の杖 が究極の投資促進 ¾困ったときの駆け込み寺 ¾本音の話の架け橋 カウンターパーティ 支援 中日投資促進委員会 会長:薄熙来 (商務部部長) 商 務 部(事務局) 各地方の対外経貿合作局 国家発展・改革委員会 国家工商行政管理総局 海関総署 国家税務総局 国家外為管理局 など 日中投資促進機構 会長:豊田章一郎 ホット ライン (トヨタ自動車名誉会長) 職員20名(主要スタッフ は、企業・団体派遣者) 会員企業360社 事務局(千代田区三番町 ) URL:http//www.jcipo.org 北京事務所(建国門外長富宮 ) TEL:8610-6513-9890 2 経済産業省 外 務 省 日中経済協会 1.中国の経済状況 世界からの対中直接投資推移(1993∼2003年) 90,000 1,400 契約額 実行額 件数 83,437 1,200 1,114 契 1,000 約 額 ・ 800 実 行 額 600 / 億 400 ㌦ 80,000 1,151 70,000 903 827 60,000 827 733 47,549 件 50,000 692 数 627 37,011 41,081 40,000 521 510 34,171 30,000 412 26,139 24,556 21,001 22,532 20,000 19,799 16,918 200 10,000 275 338 375 417 453 455 403 408 468 527 535.05 0 0 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 年度 日本からの対中直接投資推移(1993∼2003年) 90 80 契 約 額 ・ 実 行 額 / 億 ㌦ 契約額 実行額 件数 3,488 70 3,018 4,000 2,946 3,500 3,254 3,000 2,745 60 2,500 50 2,003 40 1,742 75.9 2,000 79.6 1,614 1,500 1,402 30 20 1,198 51.3 44.4 34.0 29.6 10 13.2 20.8 31.1 36.8 1,167 53.5 53.0 1,000 36.8 27.0 43.3 31.6 25.9 29.7 500 29.2 45.8 41.9 50.54 0 件 0 数 1993 1994 1995 1996 1997 1998 年度 3 1999 2000 2001 2002 2003 2.中国の自動車市場 2.1 世界の自動車生産台数ランキングにおける中国のポジションの推移 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004(予想) 1 アメリカ 12,035 アメリカ 11,902 アメリカ 12,904 アメリカ 12,736 アメリカ 11,426 アメリカ 12,163 アメリカ 12,080 アメリカ 12,100 2 日 本 10,975 日 本 10,050 日 本 9,895 日 本 10,141 日 本 9,777 日 本 10,258 日 本 10,290 日 本 10,300 3 ドイツ 5,023 ドイツ 5,727 ドイツ 5,688 ドイツ 5,527 ドイツ 5,692 ドイツ 5,469 ドイツ 5,510 ドイツ 5,500 4 韓 国 2,818 フランス 2,952 フランス 3,159 フランス 3,323 フランス 3,691 フランス 3,376 中 国 4,440 中 国 5,200? 5 フランス 2,571 カナダ 2,570 カナダ 3,057 韓 国 3,115 スペイン 3,033 中 国 3,251 フランス 3,250 フランス 3,300 6 カナダ 2,570 スペイン 2,562 韓 国 2,843 カナダ 2,962 韓 国 2,947 韓 国 3,148 韓 国 3,180 韓 国 3,200 7 スペイン 2,412 イギリス 1,976 スペイン 2,826 スペイン 2,852 カナダ 2,535 スペイン 2,850 スペイン 3,030 スペイン 3,000 8 イギリス 1,936 韓 国 1,954 イギリス 1,973 中 国 2,068 中 国 2,334 カナダ 2,593 カナダ 2,550 カナダ 2,600 9 ブラジル 1,750 中 国 1,629 中 国 1,832 メキシコ 1,923 メキシコ 1,853 イギリス 1,819 イギリス 1,850 イギリス 1,900 1 0 中 国 1,583 ブラジル 1,544 メキシコ 1,534 イギリス 1,814 ブラジル 1,817 メキシコ 1,812 ブラジル 1,840 ブラジル 1,800 (台数単位:千台) (2000 年からの自動車生産台数推移) 2000 年 2,068 千台 (対前年比 13%増) 2001 年 2,334 (同 13%増) 2002 年 3,251 (同 39%増) 2003 年 4,440 (同 37%増) 2004 年(予測) 5,000∼5,500 千台? 4 2.2 2002∼2003 年の車種別生産台数 2 00 2 年 生産台数 20 0 3 年 生産台数 前年比 (% ) 20 0 2 年 販売台数 20 0 3 年 販売台数 前年比 (% ) トラック 1 ,0 9 6 ,19 7 1 ,2 29 ,6 0 1 1 12 1 ,0 74 ,8 9 2 1 ,2 11 ,4 1 1 113 バス 1 ,0 6 4 ,20 8 1 ,1 95 ,2 1 0 1 12 1 ,0 46 ,4 0 4 1 ,2 07 ,7 9 4 115 商用車 合計 2 ,1 6 0 ,40 5 2 ,4 24 ,8 1 1 1 12 2 ,1 21 ,2 9 6 2 ,4 19 ,2 0 5 114 乗用車 1 ,0 9 0 ,82 0 2 ,0 18 ,8 7 5 1 85 1 ,1 21 ,8 4 6 1 ,9 71 ,6 0 1 176 合計 3 ,2 5 1 ,22 5 4 ,4 43 ,6 8 6 1 37 3 ,2 43 ,1 4 2 4 ,3 90 ,8 0 6 135 (単位:台) 2.3 2004 年の車種別生産台数予測 乗用車 240 万台∼ バス 120 万台∼ トラック 140 万台∼ 合計 500 万台以上 2.4 2004 年の車種別生産・販売台数予測一覧表 2nd Q. 1st Q. 3rd Q 1-7計 1月 2月 3月 4月 5月 6月 計 7月 29.97 43.39 56.74 130.11 53.17 42.50 41.90 137.57 35.37 303.04 519.50 乗用車 14.23 18.91 24.67 57.81 24.33 21.03 21.56 66.93 20.15 144.89 248.38 トラック 7.65 13.39 18.58 36.92 15.79 10.22 9.42 35.44 9.73 84.78 145.34 バス 8.09 11.10 13.49 32.68 13.05 11.24 10.91 35.21 5.49 73.37 125.78 30.41 43.01 54.26 127.67 49.79 39.62 38.01 127.42 34.70 289.79 496.78 乗用車 15.56 18.47 22.62 56.64 22.01 17.77 16.73 56.50 20.40 133.55 228.94 トラック 6.36 13.57 17.93 37.86 15.38 11.50 10.71 37.59 9.95 85.40 146.40 バス 8.50 10.96 13.71 33.17 12.40 10.35 10.57 33.33 4.35 70.84 121.44 生産 販売 計 2004年 予測 5 2.5 2004 年 1-7 月の生産台数グラフ 60 13.49 50 40 13.05 11.1 18.58 30 8.09 20 11.24 10.91 バス トラック 乗用車 5.49 15.79 13.39 10.22 9.42 9.73 7.65 10 18.91 14.23 0 1月 2月 24.67 24.33 21.03 21.56 20.15 3月 4月 5月 6月 7月 10.35 10.57 4.35 11.5 10.71 17.77 16.73 5月 6月 2.6 2004 年 1-7 月の販売台数グラフ 60 50 13.71 12.4 40 10.96 17.93 30 8.5 13.57 20 6.36 10 15.55 18.47 1月 2月 0 15.38 22.62 22.01 3月 4月 バス トラック 乗用車 9.95 20.4 7月 2.6 2004 年 1-7 月の販売台数と生産台数の差グラフ 56.74 53.17 43.39 42.5 41.9 29.97 60 35.37 50 40 30 20 10 0 30.41 1月 43.01 2月 54.26 3月 49.79 4月 6 39.62 38.01 34.7 5月 6月 7月 生産 販売 2.7 中国自動車市場の現状 項 目 総台数 乗用車 バ ス トラック 保有台数 2,465∼2,545 830∼870 770∼790 865∼885 需要予測 310∼330 110∼120 105∼110 95∼100 (参考:自動車工業第十次5ヵ年計画) <概要> ○ 2005 年時点の自動車生産台数は 310 万台、うち乗用車は 110 万台を目標(⇒す でに 2002 年で目標達成) ○ 排気量 1300cc 以下で 8 万元前後のエコノミーカーを投入してマイカー市場の拡 大を計画 ○ 上海汽車、第一汽車、東風汽車を中心とする業界再編を加速 ○ 部品産業については、ABS、エアバッグ、三元触媒などのハイテク製品を重点的 に育成 <拡大要因> ① 乗用車の伸び大 ・小型車、中型車⇒個人ユーザーの比率が伸びている ⇒バイリン=白領といわれる中間層の出現 ・保有台数 2400 万台のうち 1200 万台が個人所有 ② 商用車の伸び⇒統計のマジック ・農用車(トラクター、小型三輪) ・登録替え⇒2001 年商用車登録へ ③ 朱鎔基内閣の「住宅改革」政策(1998 年) ・郊外に移り住む⇒自転車通勤無理 ・中国では、「衣食住」の次に行(楽)の考え方⇒旅行、自動車など ④ 供給サイド ・「3大3小」から「新規参入」へ ・1998 年 「乗用車元年」 ・ホンダ・アコード、GM・ビューイック ⑤ WTO加盟(2001 年 12 月 11 日) ・輸入完成車関税下がる ・価格下落と所得アップ ⇒購買力アップ(手に入りやすくなった) 2001 年乗用車 100 万台規模から激増 ⑥ SARSの「恩恵」(2003 年) ・公共交通機関が敬遠された ・通勤用としてユーザーが「買い」に走った⇒エントリーカーが増加 7 2.8 中国自動車市場の今後の展望 2005 年 輸入数量制限撤廃⇒価格下落 2006 年 輸入完成車の関税⇒25%までに ↓ モーターショー⇒車種増加、価格手頃感⇒ユーザー増 ↓ ●楽観的にみれば、2010 年には 800∼1000 万台 ●外資シェアは50%∼60% ●沿海部はモータリゼーションに突入 ●中部は中規模都市中心に販売増、市場拡大 <懸念材料> ① 2008 年北京オリンピック後の経済成長鈍化⇒自動車販売が踊り場に ② 交通渋滞、駐車場不足⇒保有規制? (解消のための大量輸送機関、地下鉄、鉄道、バスの不足) ③ 供給サイド 過剰生産能力、コスト削減⇒淘汰 台数にどう影響するか ↑ (原因)●国内メーカー乱立 組立メーカー120 社以上(3分の2は眠っている) ⇒合理化、再編 ●単独企業の生産規模最大で 40 万台(上海VW) ⇒規模のメリット享受していない ●外資に依存、合弁がシェア拡大 ⇒地場メーカーの自前技術に課題 EX.吉利(シャレードのまね)、奇瑞(三菱のエンジン) ●部品メーカー 2400社 ⇒どう育てるか、深刻な問題 ⇒外資利用で技術力・生産性のレベルアップ ④ 環境・エネルギー問題 省資源、環境(ヨーロッパ規制)⇒古い車が淘汰される ⑤ 市場・消費環境 金融(ローン)、保険、車検、安全対策⇒健全な発展のキーポイント ⑥ 販売戦略 アフターサービス、中古車⇒新規参入(新車)だけではダメ ↓ ①∼⑥これらの問題解決のために、新産業政策の実行が望まれる 8 2.9 中国の自動車市場概略図 環境/安全 意識の向上 WTO加盟 自国メーカーの 成長 外国メーカーの 個人ユーザー拡大 進出拡大 自 動 車 産 業 発 展 政 策 外貨バランス × 省エネルギー車 集団化推進 ハイブリッド 自社ブランド 強制認証 製品開発能力 国産化比率 輸出比率 保税区放置禁止 販売参入 届出制導入 2社規制 組立50%規制 新規プロジェクト規制 ブランド販売 ローン・リース 中古車 保険 駐車場 民 族 産 業 の 保 護 2.10 中国 WTO 加盟時の自動車関連の主要約束事項 項 目 合意内容 関 Ⅰ.完成車 税 (乗用車) Ⅱ.部品 Ⅰ.100%∼80%(98年時点)の税率を2006年7月までに25% に引下げ Ⅱ.2006年までに平均10%引下げ 輸入数量制限 輸入数量制限は2005年までに廃止。その間、割当数量は 60億ドルから年率15%の割合で拡大 製 Ⅰ.生産モデルの選択 Ⅰ.生産タイプ、モデルの規制は加盟2年後に撤廃 造 Ⅱ.許可金額の制限 Ⅱ.150百万ドルまでの投資は地方政府の認可で可能(従 来は3000万ドル) Ⅲ.エンジン製造 Ⅲ.加盟時に外資100%出資が可能 販売金融 (自動車ローン) 加盟時に外資ノンバンク金融機関も自動車金融サービスの 制限を撤廃 流通分野 加盟後3年以内に卸売、小売業については地域制限、店舗 数、外資比率制限を撤廃 2.11 参考図:内資・外資自動車メーカーの提携状況 ● 中国メーカーと海外メーカーの提携状況 ―――― ―――― ―――― 第一 汽車 ―――― ―――― 広州汽車 ―――― ―――― 東風 汽車 ―――― ―――― 上海 汽車 GM VW トヨタ ホンダ 日産 PSA =上海GM(20万台/ ビュイック、他) =上海VW(40万台/パサート、他) =一汽VW(30万台 /ジェッタ、他) =天津一汽トヨタ(5 万台/VIOS、他) =広州トヨタ =広州ホンダ(12万台/アコード、他) =東 風ホン ダ =日産 東風(6.5万台/サニー、他) =東風PSA(10万台/シトロエンZX、他) ―――― JV ( ) 03年の販売台数 9 3.新自動車産業発展政策の概要 ∼2004 年 6 月 1 日中国政府は 10 年ぶりに新自動車政策を発表、即日実施した∼ 3.1 新政策改定の背景 ○ WTO加盟後、1994 年に策定された「自動車工業産業政策」の改訂が望まれて いた ○ 国家発展改革委員会が、関連部門や企業の意見を求めた上で制定(全 13 章 78 条で構成) 3.2 新政策の概要 ① 基本的に 1994 年の産業政策の延長線上にあるものの、WTOにおける約束事項 と合致しない規定を削除 →外貨バランス確保、国産化比率要求、輸出比率確保 ② 外資出資比率50%や外資参入2社規制を堅持し、さらに新規投資について投 資金額などの要件を厳格化 ③ 販売・サービス分野への投資方法や、販売・サービスにおける国産車と輸入車と の独立取扱の要否は、依然不明 3.3 新政策の分野別骨子 政策目標 ●2010 年までに自動車・二輪車・部品の有力ブランドを育てる ●業界再編を促し、企業規模と収益を高め、重複投資を避ける ●国際競争力があり世界トップクラスの大型自動車集団を数社作る 発展方針 ●国内市場占有率が 15%以上の自動車関連企業、または業界売上高 の 15%以上を占める乗用車メーカーを育成する 外資規制 ●外資が合弁できる中国企業は乗用車、商用車それぞれ 2 社迄 ●外資の合弁比率は最大 50%(⇒中国側が 50%以上) ●輸出目的の合弁企業の場合は上記2規定は適用されない ●外資のグループ企業は1社とみなす ●外資合弁は中国企業を吸収買収可 新規参入 ●異業種の自動車事業参入を制限 ●既存工場の能力増強は届け出制 (2004/6/2 日本経済新聞・日経産業新聞記事より抜粋) 10 4.自動車産業のビジネスチャンスとリスク 4.1 自動車関連の政策について ○ 新しい『自動車産業発展政策』は飴と鞭 ○ パイロットケースを追認した規定あり ○ 具体性に欠ける部分もあり ⇒新規の自動車ビジネスモデルがパイロットケースとして認められる余地は十分あり 4.2 ○ ○ ○ 自動車市場について 経済の拡大傾向。但し、拡大の鈍化や落ち込みの可能性あり マクロコントロールの影響を受けやすい 市場の正確・迅速な情報不足 ⇒アンテナの張り巡らし方次第(Ex.政府、取引先、業界団体、コンサルタント) 11 5.トヨタの中国事業 5.1 トヨタは中国で何をやってきたか? 80 00 90 トヨタ生産 方 式 の 技 術 提 供 ▼ 第一汽車への技術指導 ▼ 金 杯 客 車 と の 技 術支 援 契 約(瀋 陽 ) ▼ 技 能 工 セ ン タ ー 設立 グ ル ー プ企 業 進出 80 年 代 プ ロジェ ク ト 生 産プロ ジ ェクト ▼ ▼ 自 動 車 学 校 設立 (北 京 ) 天 津ト ヨタ自動車エ ンジン ▼ 四 川 トヨ タ 自動車 ▼ コ ース ター販売開始 ▼ 天津トヨ タ自 動 車 ▼ VIO S 販売 開 始 ▼ 第一 汽 車 との 提携 ’ 0 3 ▼ プラ ド・ランドクルー ザー 販売開始 ’ 0 4 ▼ カロ ーラ販売開 始 ▼広州汽車とのエ ン ジン 合 弁 ▼広州汽車との車 両 合弁 共同研 究など ▼ 「自動車工業 発 展戦 略 」 ▼ 家庭用 乗用 車 検 討会 ▼ 流通調査研究交流会 ▼ 電気自動車プロ ジ ェク ト ▼ I TS 技術交流 完成車販売・修理工場展開 ▼ 第 1号修理店設置 (北京) ▼ トレーニングセンター設置 (北京・広州) ▼ 12 販売会社設立(香港) ▼ シルクロードキャラバン 5.2 中国におけるトヨタ事業展開(図) <ランドクルーザー> ・ 第一汽車(長春)への技術援助 ・ 1 万台/年、03 年 10 月 L/O <プリウス(2005 年中に L/O 予定)> 【一汽トヨタ自動車販売会社】 ・ 03 年 11 月∼始動 ・ 現地生産車の販売、アフターサービス ●(長春) ●(北京) ●(天津) <VIOS、カローラ> ・天津一汽トヨタ <コースター・ランドクルーザー> ・ 四川トヨタ ●(四川) <新規事業:クラウン> ・ 天津一汽トヨタ第二工場新設 ・ 5 万台/年、05 年春 L/O <新規事業:カムリ> ・ 広州トヨタ汽車 ・ 10 万台/年、06 年中頃 L/O ●(広州) 13 5.3 トヨタで経験した事例の紹介 【事例Ⅰ:モーターショーのガイドブック】 ・「中華民国の表記」 ・二つの中国の陰謀に加担? ・大使館からのクレーム 【事例Ⅱ:完成車の売り込み】 ・クラウン×セドリック ・装備面での競争力 ・商談の場は宴会 ・中国の人の物の買い方は“現地現物” 【事例Ⅲ:技貿結合】 ・ダイナの購入 ・製造技術の無償譲渡 ・商談から撤退 ・知的財産権問題の源流 【事例Ⅳ:80 年代のプロジェクト検討】 ・「バスに乗り遅れるな!」 ・外貨バランスの問題 ・「約束したことは必ず実行する」 5.4 中国事業の難しさ 1. 中央・地方政府の許認可制度、行政指導 2. 外資50%出資規制(パートナーとの調整が必要) 3. 広い国土をカバーする難しさ(各地域毎に全く異質な部分を持つ中国全土への 対応) 4. 日本や欧米とは異なるビジネス環境への対応 ・WTOルールが遵守されるか ・中古車市場が整備されるか ・模造品などの知的財産権の問題は解決されるか 5.5 中国におけるビジネス課題 1. 現地生産・供給体制の拡充 ▼現地生産のフルラインナップ化、国際レベルの品質とコストの実現、ローカル・ サプライヤーの発掘・育成 2. 販売チャネルの整備 ▼中国企業を活用した販売チャネルの拡大・構築、ブランドイメージの構築とCS NO.1 の実現 3. 現地化の推進 ▼優秀な中国人人材の確保と育成 14 (ご参考資料) ① 変わる中国・変わらない中国 変わる中国 国交正常化(1972) 改革開放政策(1978) 経済体制改革の着手(1984) 天安門事件(1989) 南巡講話(1992) WTO 加盟(2001) 第 16 回共産党大会(2002) 北京オリンピック(2008) 上海万博(2010) 変わらない中国 面子重視 中華思想 上に政策、下に対策 ナショナリズム 鳥を指差し犬を罵る 生れつきの商売人(商人の語源) 「作生意」(=商売するという意味) 共産党 ② 現在の中国 ○ 旗は共産党 ○ 方針は社会主義 ○ 実施方法は資本主義 ○ 受け入れる社会は封建社会 ○ 人治国家から法治国家へ 資本主義 社会 主義 封建社会 ③ 5つの“T”問題 ● Taiwan (台湾) ● Text Book (教科書) ● Territory (領土) ● Trade (通商) ● Tian`anmen (天安門) ④ 中国と日本の比較 中 国 希 望 (明 確 な 目 標 ) ハ ングリー 好 奇 心 ・探 究 心 「真 実 は 複 数 」 日 本 羨 望 (目 標 あ り ? ) ア ン グ リ ー (あ ん ぐ り ? ) 無関心 「真 実 は 一 つ 」 フレキシブル 政 府 より自 立 固定観念に固執 政府依存 「上 に 政 策 あ れ ば 、 下 に 対 策 あ り」 普 段 は 政 府 批 判 、い ざ とい う時 の 政 府 頼 み 15
© Copyright 2024 Paperzz