11月13日(案) 平成 年 月 日 姶良市長 笹山 義弘 様 姶良市水道事業及び簡易水道等に係る 水道料金等統一に関する検討委員会 委 員 長 肥 後 利 治 水道料金等の統一について(意見) 姶良市上水道及び簡易水道等に係る水道料金・給水負担金の改定案・改定実施期日案 について、姶良市水道事業及び簡易水道事業等に係る水道料金等統一に関する検討委員 会要綱第2条の規定に基づき、当委員会の意見をまとめましたので、下記のとおり意見 書を提出いたします。 記 1.改定案について ①水道料金改定案 別記1-①のとおり ②給水負担金改定案 別記1-②のとおり 2.改定実施期日案について 平成27年10月1日から 年10月1日から 平成27 ※ただし、水道料金については、一部を除き平成27年11月検針分から 3.判断理由と主な論点 市民のライフラインの一つでもある安全で良質の飲料水を安定的に供給すること は水道の使命であり、今後将来に亘り持続可能な事業運営を行うため、基本計画を 基に環境にも配慮した計画的な事業推進が求められるところである。 新たな水源開発、施設等の更新や維持管理、老朽管の布設替え等を行う際の工事 にかかる費用に対し、不足分を企業債の借入で賄うこととなるが、今後多くの収入 が見込まれないのであれば、経費・支出を減らしていかなければならない。借金を 将来に持ち越せば、また近い将来料金改定をしなければならなくなる。経費削減の ために、より一層の経営努力を行い、最小の費用で最大の効果を生むよう常に企業 性を発揮していかなければならない。 更に、企業債利息償還金を極力少なくするために、認められた繰上償還等を積極 的に行い、高利率の企業債残高を減少させるよう努めていかなければならない。 現行料金体系においては、これまでの地域の実情から地域間の格差が大きく、合 併後も旧3町の料金体系のまま現在に至っている。 それぞれの地域住民の思いもあるとは思うが、新生・姶良市としては、地域でば らつきのある料金は、市民の平等性を欠くものであり、合併協議会においても「合 併後5年以内に水道料金等の統一をすること」となっている。 今回の改定は統一に向けた改定であり、地域間で異なる料金の統一を図ることを 目的としており、値上げを目的としたものではない。 また、今回の水道料金の統一により、価格的な格差是正は行われるが、それに見 合うサービスの提供も地域間の格差の無いように努めなければならない。 改定実施期日については、国の中で消費税率10%への改正案が上がっていること から、それに併せ料金統一を行い、何回も改定を行わない方向で実施期日を設定し、 市民のみなさんへの周知期間を設け、広報やホームページへの掲載、チラシの配布 など十分な理解と協力を求めていく必要がある。 各地域における市民生活への影響を考慮し、負担を最小限に抑えるよう、統一料 金を決定するにあたっては、経費節減に努め経営の合理化を図りながら一層の経営 努力をお願いし、不公平感のない適正な料金体系となるような料金設定を採用して いく必要がある。 ※結論に至った経緯及び付帯意見について (1)経営の基本原則 水道事業は、地方公営企業法に基づく地方公営企業として、本来の目的である公 共の福祉の増進を図るとともに、常に効率的な事業運営を行い、企業の経済性を発 揮することが求められている。そして、事業運営に要する経費は料金制の原則と、 水道サービスの提供に要する原価をその受益者に求める受益者負担の原則により、 事業運営を行うものとされている。 また、水道料金に関しては、地方公営企業法でも「公正妥当なもの」かつ「能率 的な経営下における適正な原価を基礎」に「健全な運営を確保することができる」 ものでなければならないとしている。この基本原則に基づき、以下の事項を検討し 水道料金のあり方を考察した。 (2)姶良市の水道の現状と健全経営に向けて ①水道の現状について 姶良市の水道は、3町合併のもとでそれぞれ整備されており、船津浄水場の姶良 市水道事業部を本部として維持管理、運営にあたっている。 旧姶良町では1967年(昭和42年)8月から、旧加治木町では1955年(昭和30年)3月 から、旧蒲生町では1963年(昭和38年)4月からそれぞれ給水が開始された。 現在、どの地域の施設においても老朽化が進んでおり、法定耐用年数を考慮し、 修繕・更新を行い、特に古い施設で老朽化が進んでいる箇所は計画的に修繕・更新 を進めていく必要がある。 姶良市では老朽管が全体の10%以上になっているとのことで、漏水も多く発生し ている。今後は幹線道路の耐震化、経年管路の更新を計画し、道路改良などによる 送・配水管の移設及び新設を行い、併せて耐震化などの災害対策も考えていかなく 。 てはならない。 給水区域についても、現在新興住宅地の開発が進む傾向にあり、今後も状況に応 じて柔軟な拡張工事を行い、未普及地域など小規模水道の上水道からの給水、簡易 水道からの給水などを考慮していかなくてはならない。 水質管理については、指標検査や濁度管理をしっかりと行い、クリプトスポリジ ウムなどの耐塩素性病原生物対策を検討・実施し、安心安全な水の供給に努める必 要がある。 また、浄水水質の状況を注視し、上水道・簡易水道共に先を見据え、既設水源の 劣化や水源悪化を考慮しながら良質な水資源の調査・確保・開発を進めていく必要 がある。 ②水道の健全経営確立に向けて 姶良市水道事業の経営成績は、現段階では利益も出ており順調な経営と言えるが、 節水傾向にあり、今後は給水人口増加による増収もあまり期待できないため、作業 の効率化による生産性の向上を図り、収益を高めていく必要がある。 市民への安全かつ安定した給水を行うためには、健全な経営を持続していくこと が必要である。これからの事業計画は、計画的、効率的に策定し、資金内訳の検討 ・料金水準の見直しなど収支のバランスを踏まえた財政計画を策定する必要がある。 上水道事業3事業、簡易水道6事業及び小規模水道5事業があるが、決算方法も それぞれ異なるため、一様に合算して検討することは難しいが、今後、事業統合を 見据えた検討が必要である。 大規模な建設改良や拡張工事等を行う際、公債や他会計からの繰入れに頼らなけ ればならない状況であるため、既設の経年化による更新準備も十分ではない。更な る効率化を図るには、民間への業務委託や情報管理のシステム化など進めていかな くてはならない。 今後は、厳しい財政状況を踏まえ、他会計からの繰入れや後世市民の負担となる 公債に依存しない、健全で自立した水道事業の運営を目指し、事業の効率化による コスト縮減・効果的かつ効率的な事業計画など、さまざまな観点から総合的に判断 し、安定的な運営を要望したい。 (3)料金体系の検証について ①上水道及び簡易水道等の料金 まず、上水道料金については、事務局側が提案する第1案から第24案でシミュレ ーションを行った結果、現行の水道料金に一番近い第3案を基準に検討を行った。 現行の料金(旧3町)と他18市の料金表を比較すると、第3案は平均値より安い設 定となっているが、増減額の幅で言えば、加治木の増額幅が大きく一般家庭への負 担も大きくなる。加治木の料金が今まで安かった背景には、料金体系をみると一般 家庭では負担が軽く、企業等の水道を大量に使用する利用者がその分を負担すると いった構造になっており、今まで口径の大きなところに一般市民は、支えられてい た部分がある。 また、加治木の料金体系に合せた試算をすると決算額が大きく減少し、経営に支 障をきたす恐れがある。よって、決算額が現状と比較して差異も少なく、増減幅が 余り大きくならない料金案を提案している。 また、加治木地区の大半の料金が上がるとしても、今は市として税金等も統一さ れており、やはり市民は平等であるべきである。また、料金は安いに越したことは ないが、それでは水道事業の運営は破たんしてしまう。そのあたりをみんなが理解 できる提案の仕方を考える必要がある。 安心安全な水道を安定的に供給し、更に平等に提供していくには料金の統一を早 急に行い、その必要性について市民へ解り易く説明し理解を求めていくしかないの ではないか。もちろん企業努力も必要である。 また、段階的な緩和措置の考えもあるが、本来なら合併時に統一されていたはず の料金が、5年間は旧町の料金体系のままであったという経緯からすれば、いわば 改定が猶予されていたことになる。市民への説明としても納得できるのではないか。 以上の結果、今までの料金と最も差異のない第3案を当委員会としての統一案と し、段階的な緩和措置も行わない方向で承認をしたい。 、段階的な緩和措置も行 な 方向 承認を 。 また、市民が直接この資料等を見て話し合いに参加できる訳ではないので、この 検討委員会がその役目を担っている。ここで出た結論が第3案であり、市民の立場 に立って提案理由・内容を更に構築し、議会に提出していただきたい。 次に簡易水道等の料金については、今まで加治木と蒲生地区においては上水道と 同じ料金体系のため、ここでは姶良地区のみの協議となる。 上水道と同じ第3案を基準に考えると、一番使用される料金帯においては、1.5 ~2倍を超える改定となる。更に水量が上がるところについては、3倍程の上がり 幅となる。段階的に引上げを行うべきかも含めて協議を行った。 経営状況については、事業費に対し使用料による収入は見込めず、実質赤字運用 を行っているのが現状で、不足分は一般会計からの繰入れで賄っており、上水道地 区に比べ給水戸数も少なく、若干意味合いが異なる状況であることを念頭に考えな ければならない。今後も使用料による増収も見込めず、施設や水道管も年々老朽化 し、維持管理も厳しい状況となってきている。今後は上水道への統合計画も視野に 入れ、安心安全な水道を安定的に供給し、更に平等に提供していくには、将来に亘 って水道がどうあるべきかを考えていかなくてはならない時期にきている。 姶良地区の簡易水道にしても安心・安全な水道水を提供し、その対価としての料 金を受けることは上水道と何ら変わるものではなく、一般財源からの補てんで運営 するといった前提ではなく、独立採算でやって行けるように、経営基盤の確立を図 らなければならない。 その為には、今の段階で上水道と同じ料金体系での料金統一を行い、安定した経 営の基、持続可能な水道水の供給を確保出来るよう、上水道への統合を早急に検討 していく必要がある。 しかし、姶良の成美地区においては、昭和30~40年代、水道を引く際に地域住民 が行政と一緒になって労力を提供し、管を入れた経緯がある。市民として平等性や 社会の流れから、なぜそこだけ安いのかという意見もあるが、一方的に上げてもい いものか、上げるなら段階的にするのかについても協議を行った。 また、白浜地区においては、国道10号線の整備計画に併せ、新たな重富水道への 切り替え計画があるため、上水道への統合となる見込みであることを視野に入れて 協議を行った。 一般家庭においては、改定に対して差程抵抗はないように思うが、3倍になるよ うな畜産業を営む家庭等にとっては現地での十分な説明が必要である。 また、恩恵の裏には、不便な一面もある。料金の統一を図るのであれば、料金に 見合ったサービスの提供を同じ様に求め、不便な点の改善等も要望していきたい。 料金が上がったら困るのは当然だが、山間部等は限界集落に近いようなところも ある中で、これからは赤字も解消していかなくてはならない。ある程度の値上げは しょうがないと思う。また、ある程度の自助努力も必要かと思う。 以上の結果、平等性の観点から上水道と同じ第3案で、段階的な緩和措置も行わ ない方向で料金の統一を行うことを承認したい。 しかし、住民の理解を求めるには、事前に丁寧な説明をしていただく必要がある ことを付け加えたい。 ②給水負担金 現行の姶良・加治木・蒲生地域の各負担金については、県内14市の給水負担金と 比較した場合、口径13mmにおいて姶良は4番目で若干高く、加治木が平均程度で、 蒲生はだいぶ低い設定となっている。 改定案としては、口径13mm・20mmについては、加治木の現行金額とし、口径25mm 以上についても姶良と加治木の現行金額にすることで若干低い料金帯になり、県内 でも平均程度の設定となるので、この改定案で出席者全員承認をしたい。 ③改定実施期日 国の中で消費税率10%への改正案が上がっていることから、それに併せ料金統一 を行い、何度も改定を行わない方向で実施期日を設定し、市民のみなさんへの周知 期間を設け、広報やホームページへの掲載、チラシの配布など十分な理解と協力を 求めていく必要がある。 特に姶良地区の簡易水道等の料金については、過去の経緯における地域住民の思 や市民 活 影響 大きく 懸念 れ 、事前( 月議会前) いや市民生活への影響が大きくなることが懸念されるため、事前(3月議会前)に 地域住民に対し十分な説明を行い、理解と協力を得ておく必要がある。 協議の結果、議会議決後、半年間程度の準備期間が必要となるため、改定実施期 日案での「平成27年10月1日から」で出席者全員承認をしたい。 (4)付帯意見について ・事業費の中の動力費、つまり電気代は数年前に新電力会社の自由化があったが、 どういった事業者を選定するかで経費節減につながるのではないか。 ・委託業者が多く、費用が高額になっているのではないか。また、どのような形 で委託業者を決定しているのか。 ・企業では、フードディフェンスを非常に厳しく求められるが、水源地などの施 設の安全対策については、どのような意識を持って維持管理を行っているのか。 ・白浜地区は簡易水道だが、生活用水が不足するので、今は消防訓練も出来ない 状況である。いざという時には海水を汲み上げて使用する消火施設も造ったが、 結局使わずに撤去された。火災等が起きた場合は、生活用水が不足しても消火活 動を優先的に行わなければならない。なるべく早くこの問題を解決してほしい。 ・国道10号線の4車線化に伴い、白浜地区へ本管を引くような計画はあるのか。 ・一般会計から繰り入れをしている簡易水道等を上水道に統合した場合、現在の 料金では、経営の維持は出来ないのではないか。 ・第3案に改定となった場合、何年度までこの料金で持続できるのか。 ・近隣市町との料金差はどの程度になるのか。 ・料金改定に向けて、検討委員会が設置され、しっかり検討を行っていることを 市民に対し早い段階でPRをすることが大事である。 別記1 *消費税抜き ①水道料金改定案(第3案) 地 域 別 姶良現行 一般用・臨時用 上水道 口径別 ( 基 本 料 金 ) 口 径 別 姶良現行 姶良市改定案 簡易水道・飲料水供給施設 上水道・簡易水道等 蒲生現行 上水道・簡易水道 上水道・簡易水道 料金(円) 料金(円) 13mm 420 540 410 全量 20mm 770 940 720 ― ― 800 25mm 1,030 1,900 1,030 ― ― 1,200 30mm 1,380 1,440 ― ― 1,500 40mm 2,200 5,200 2,160 ― ― 2,700 50mm 4,400 7,700 3,600 ― ― 5,000 75mm 8,000 18,700 5,760 ― ― 10,000 100mm 12,000 31,100 10,300 ― ― 15,000 単価(円) 単価(円) 単価(円) 使用水量 単価(円) 1~5㎥ 75 70 100 0~6㎥ 0 85 6~10㎥ 125 70 100 7㎥以上 50 85 11~20㎥ 125 105 120 130 21~30㎥ 135 125 125 ※7㎥以上は 130 31~50㎥ 135 145 145 一般用:1㎥につき単価50円 140 51㎥以上 150 150 150 公衆用:1㎥につき単価40円 150 250 320 ― 90 ― 1,000 ― 320 ― 工事用水 共用栓 ― ― 私設消火栓 600 船舶給水 ― 使用水量 料金(円) 料金(円) 使用水量 従 量 料 金 加治木現行 料金(円) 600 450 単価(円) ※ 私設消火栓は、演習用1栓につき使用時間5分ごとについて ※ 船舶給水の基本料金は、口径40mmと同額とする。 ※ 水道料金は、基本料金と従量料金との合計額に消費税率を乗じて得た額(その額に1円未満の 端数があるときは、その端数を切り捨てた額)とする。 *消費税抜き ②給水負担金改定案 地 域 別 姶良現行 メーターの口径別 金額(円) 加治木現行 蒲生現行 姶良市改定案 金額(円) 金額(円) 金額(円) φ13mm 40,000 30,000 28,571 30,000 φ20mm 80,000 60,000 42,857 60,000 φ25mm 112,000 112,000 57,143 112,000 φ30mm ― ― 85,715 ― φ40mm 340,000 340,000 114,285 340,000 φ50mm 660,000 660,000 185,715 660,000 φ75mm 1,920,000 1,920,000 371,429 1,920,000 φ100mm 3,800,000 3,800,000 728,571 3,800,000 φ150mm 11,200,000 管理者が別に定める 管理者が別に定める 管理者が別に定める
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