インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 2.1 2.1.1 労働市場の状況 過去 3 年間の労働力人口、就業者数、失業者数及び失業率 2009 年前半のインドネシアにおける労働市場は世界金融危機の影響を受けることなく、 おおむね標準的な状況にとどまった。2009 年 2 月における経済活動は国会議員選挙の影 響を受け、多少、労働集約力は上昇した。表 2‐1 は 2007 年 8 月から 2009 年 2 月まで の労働力状況の統計である。 表 2‐1 労働力人口、就業者数、失業者数及び失業率 (単位:万人) 2007 年 8 月 2008 年 2 月 2008 年 8 月 2009 年 2 月 15 歳以上の人口 16,412 16,557 16,664 16,826 労働力人口 10,994 11,148 11,195 11,374 就業者 9,993 10,205 10,255 10,449 失業者 1,001 943 939 926 非経済活動人口 5,418 5,409 5,469 5,452 労働力率(%) 66.99 67.33 67.18 67.60 失業率(%) 9.11 8.46 8.39 8.14 不完全就業者 3,037 3,064 3,109 3,136 非自発的不完全就業者 1,460 1,460 1,492 1,500 自発的不完全就業者 1,547 1,605 1,617 1,636 *出典:Badan Pusat Statistik, “Berita Resmi Statistik”, No.31(2009, May 15). 2.1.2 業種別労働者数 2009 年 2 月における総就業者数は 1 億 449 万人である。その大部分の 41%が農業、 林業、漁業に従事し、12%が製造業、4.4%が建設業、20.4%が貿易業、5.6%が運輸業、 倉庫業、通信業、1.4%が金融業、13%が公共事業、社会サービス業及び個人サービス業、 1.2%が鉱業、電気・ガス・水供給業の主産業を含むその他の事業に従事している。 表 2‐2 産 産業別労働者数 業 2007 年 8 月 農業、林業、狩猟業、漁業 製造業 建設業 貿易業 運輸業、倉庫業、通信業 金融業 公共事業、社会サービス業、個人サ ービス業 その他の事業(鉱業、電気・ガス・ 水道業の主産業を含む) 合 (単位:万人) 計 2008 年 8 月 2009 年 2 月 4,121 1,237 525 2,055 596 140 4,133 1,255 544 2,122 618 146 4,303 1,262 461 2,184 595 148 1,202 1,310 1,361 117 127 135 9,993 10,255 10,449 *出典:Badan Pusat Statistik, “Berita Resmi Statistik”, No.31(2009, May 15). 1 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 2.1.3 新規学卒者の就職状況 2007 年、2008 と比較し、2009 年の仕事に関連する学校教育についての統計は以下の とおりである。小学校(6 年間)の卒業者と中退者は 53%であり、インドネシアにおい てはいまだに主な労働力となっている。「小学校」欄の数字は 6 年課程の修了者及び 6 年間の課程を修了前に中途退学した者を含む就業者の合計である。総労働人口のうち、中 学校卒業者(3 年間)は 18.9%、高等学校卒業者(3 年間)は、14.4%、また、職業専門 高等学校卒業者(3 年間)は 6.8%、短期専門課程卒業者(1 年、2 年又は 3 年コースがあ る)は 2.5%、大学校(学士、修士及び博士課程)に至ってはわずか 4%である。 表 2‐3 学 学歴別就業者数 歴 (単位:万人) 2007 年 8 月 2008 年 8 月 2009 年 2 月 小学校(卒業者及び中退者) 5,637 5,533 5,543 中学校 1,883 1,904 1,985 高等学校 1,275 1,439 1,513 職業専門高等学校 579 676 719 短期専門課程(1 年、2 年又は 3 年コース) 260 266 266 大学校 360 415 422 9,993 10,255 10,449 合 計 *出典:Badan Pusat Statistik, “Berita Resmi Statistik”, No.31(2009, May 15). 表 2‐4 2007 年、2008 年及び 2009 年 2 月における学歴別失業率 学 歴 2007 年 8 月 2008 年 8 月 (単位:%) 2009 年 2 月 4.59 4.57 4.51 中学校 10.73 9.39 9.38 高等学校 16.57 14.31 12.36 職業専門高等学校 21.00 17.26 15.69 短期専門課程(1 年、2 年又は 3 年コース) 13.26 11.21 15.38 大学校 13.61 12.59 12.94 9.11 8.39 8.14 小学校(卒業生及び中退者) 合 計 *出典:Badan Pusat Statistik, “Berita Resmi Statistik”, No.31(2009, May 15). 2 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 職種別技能労働者数 2.1.4 職業別技能労働者数の資料はないが、下記資料は、産業別の高等学校教育以上の就業 者からの統計であり、高卒以上の就業者数はおよそ 24.7%の 2,473 万 1,083 人である。 表 2‐5 産 高等教育以上の産業別就業者数 業 高等学校 (単位:人) 短期大学 大学校 2,895,201 99,858 61,273 191,804 16,758 27,128 3,196,612 197,351 253,805 97,707 12,523 19,235 914,815 66,604 128,541 卸売業、小売業、 レストラン・ホテル業 5,354,865 441,673 347,074 運輸業、倉庫業、通信業 1,552,757 131,296 150,395 金融業、保険業、不動産業、 ビジネスサービス業 582,961 126,019 398,672 公共事業、社会サービス業、 個人サービス業 3,748,963 1,505,511 2,211,682 18,535,685 2,597,593 3,597,805 農業、林業、狩猟業、漁業 鉱業、採石業 製造業 電気・ガス・水道業 建設業 合 計 *出典:Badan Pusat Statistik, http://www.bps.go.id/ 2.2 2.2.1 賃金 法定最低賃金の最近の動向 摂政管区及び都市における最低賃金は、摂政長官及び市長により決定され、州レベル では、知事が決定する。そのいずれの決定も政労使の三者からなる州賃金審議会 (Province Wage Council)の決定に従う。現在、すべての都市及び州は、毎年、最低賃 金を発表しており、州のいくつかは産業別最低賃金を発表している。産業別最低賃金の統 計は未発表である。2008 年及び 2009 年における各州の最低賃金は下記の表のとおりで ある。最高の上昇率に達したのは、南スラウェシ州の最低賃金であり、22.2%上昇してい る。 3 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 表 2‐6 No 州名 (単位:ルピア 1 ) 州別最低賃金 2008 年最低賃金 2009 年最低賃金 1,000,000 1,200,000 20.0 822,205 800,000 800,000 905,000 880,000 901,600 10.0 10.0 12.7 上昇率(%) 2 3 4 ナングロ、アチェ、 ダルサラム 北スマトラ 西スマトラ リアウ 5 6 7 リアウ諸島 ジャンビ 南スマトラ 833,000 724,000 743,000 892,000 800,000 824,730 7.0 9.1 11.0 8 バンカ、 ブリトゥン 813,000 850,000 5.4 9 ベンクル 690,000 727,950 5.5 10 11 12 ランプン 西ジャワ ジャカルタ 617,000 568,193 972,604 691,000 628,191 1,069,865 11.9 10.5 10.0 13 バンテン 837,000 917,500 9.9 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 中央ジャワ ジョグジャカルタ 東ジャワ バリ 西ヌサテンガラ 東ヌサテンガラ 西カリマンタン 南カリマンタン 中央カリマンタン 東カリマンタン マルク 北マルク ゴロンタロ 北スラウェシ 東南スラウェシ 中央スラウェシ 南スラウェシ 西スラウェシ パプア 西イリアンジャヤ 547,000 586,000 500,000 682,650 730,000 650,000 645,000 825,000 765,868 889,654 700,000 700,000 600,000 845,000 700,000 670,000 740,520 760,500 1,105,500 1,105,500 575,000 700,000 570,000 760,000 832,500 725,000 705,000 930,000 873,089 955,000 775,000 770,000 675,000 929,500 770,000 720,000 905,000 909,400 1,216,100 1,180,000 5.1 19.0 14.0 11.4 14.0 11.5 9.3 12.7 13.9 7.3 10.7 10.0 12.5 8.9 10.0 7.4 22.2 19.5 10.0 6.3 1 *出典:Ministry of Manpower and Transmigration of Republic of Indonesia, “Provincial Minimum Wage”, http://www.nakertrans.go.id/pusdatin.html,14,249,pnaker 1 1,000 インドネシアルピア=9.1413 円(2009 年 7 月 10 日現在) 4 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 2.2.2 賃金もしくは給与の実態調査結果 2007 年、2008 年の産業別及び職業別賃金(又は給与)に関する調査報告書は統計局及 び労働移住省の二者間で協力して作成されるが、未だ発表されていない。 表 2‐7 産業別平均給与(2007 年) 産 業 農業、林業、狩猟業、漁業 鉱業、採石業 製造業 電気・ガス・水道業 建設業 卸売業、小売業、レストラン・ホテル業 運輸業、倉庫業、通信業 金融業、保険業、不動産業、ビジネスサービス業 公共事業、社会福祉業、個人的サービス業 (単位:ルピア) 平均賃金 2,895,201 1,910,804 3,196,612 977,707 914,815 5,354,865 1,515,757 582,961 3,748,963 *出典:Badan Pusat Statistik, http://www.bps.go.id/ 2.2.3 役職別給与体系のサンプル (1) 公務員及び政府職員基本給 公務員及び政府職員の基本給は 4 等級に分かれており、最低レベルは 1 等級‐a、最高 レベルは 4 等級‐e である。 表 2‐8 公務員及び政府職員の俸給表(2009 年) (単位:ルピア) 1 等級 Year 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 a 1,040,000 b c d 1,065,000 1,124,300 1,200,600 1,221,400 1,151,900 1,200,600 1,251,400 1,180,100 1,231,000 1,282,100 1,209,100 1,260,300 1,313,600 1,230,800 1,291,200 1,345,800 1,269,200 1,322,900 1,378,900 1,300,400 1,355,400 1,412,700 1,091,700 1,118,500 1,146,100 1,174,100 1,202,900 1,232,500 5 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 1,262,700 1,332,300 1,388,700 1,447,400 1,365,000 1,422,700 1,482,900 1,398,500 1,457,700 1,519,300 1,432,800 1,493,500 1,556,600 1,468,000 1,531,100 1,594,800 1,504,100 1,567,900 1,010,900 1,293,700 1,325,500 1,358,000 1,391,400 1,425,500 2 等級 Year 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 a 1,320,300 1,336,500 b 1,369,300 1,427,300 1,487,600 1,550,600 1,403,000 1,462,300 1,524,300 1,588,600 1,437,400 1,498,200 1,561,600 1,627,600 1,472,700 1,535,000 1,581,900 1,687,600 1,508,800 1,572,700 1,639,200 1,708,500 1,545,900 1,611,300 1,679,400 1,750,500 1,583,800 1,650,000 1,720,700 1,793,400 1,622,700 1,691,400 1,762,900 1,837,500 1,662,500 1,732,900 1,806,200 1,882,600 1,703,400 1,775,400 1,850,500 1,928,800 1,745,200 1,819,000 1,895,900 1,976,100 1,788,000 1,863,700 1,942,500 2,024,700 1,831,900 1,909,400 1,990,200 2,074,400 1,876,900 1,956,300 2,039,000 2,125,300 1,923,000 2,004,300 2,089,100 2,177,500 6 c d インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 33 1,970,200 2,053,500 2,140,000 2,230,900 a 1,655,800 b 1,725,900 c 1,798,900 d 1,875,000 1,696,500 1,768,200 1,843,000 1,921,000 1,738,100 1,811,600 1,888,300 1,968,200 1,780,800 1,856,100 1,934,600 2,016,500 1,824,500 1,901,700 1,982,100 2,066,000 1,869,300 1,948,400 2,030,800 2,116,700 1,915,200 1,996,200 2,080,600 2,168,700 1,962,200 2,045,200 2,131,700 2,221,900 2,010,400 2,095,400 2,184,100 2,278,400 2,059,700 2,146,900 2,237,700 2,332,300 2,110,300 2,199,600 2,292,600 2,389,600 2,162,600 2,253,600 2,348,900 2,448,200 2,215,200 2,308,900 2,406,500 2,508,300 2,269,600 2,365,600 2,465,600 2,569,900 2,325,300 2,423,600 2,526,200 2,633,000 2,382,400 2,483,100 2,588,200 2,697,600 2,440,800 2,544,100 2,651,700 2,763,900 3 等級 Year 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 4 等級 year 0 1 2 3 4 5 6 a 1,954,300 b 2,036,900 c 2,123,100 d 2,212,900 e 2,306,500 2,002,300 2,086,900 2,175,200 2,267,200 2,363,100 2,051,400 2,138,200 2,228,600 2,322,900 2,421,200 2,101,800 2,190,700 2,283,300 2,379,900 2,480,600 7 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 2,153,400 2,244,500 2,339,400 2,438,300 2,541,500 2,206,200 2,299,500 2,396,800 2,498,200 2,621,000 2,260,400 2,356,000 2,455,700 2,559,500 2,667,800 2,315,900 2,413,800 2,515,900 2,622,400 2,733,300 2,372,700 2,473,100 2,577,700 2,686,700 2,800,400 2,431,000 2,533,800 2,641,000 2,752,700 2,869,100 2,490,700 2,596,000 2,705,800 2,820,300 2,939,600 2,551,800 2,659,700 2,772,200 2,889,500 3,011,700 2,614,400 2,725,000 2,840,300 2,960,400 3,085,700 2,678,600 2,791,900 2,910,000 3,033,100 3,161,400 2,744,400 2,860,500 2,981,500 3,107,600 3,239,000 2,811,800 2,930,700 3,054,700 3,183,900 3,318,500 2,880,800 3,002,600 3,219,600 3,262,600 3,400,000 *出典:Government Regulation No. 8, 2009, “The Wage of Government Staff”. *出典:President Regulation No. 12, 2006, “General Allowances for Public Services”. 公務員及び政府職員の基本給は 4 等級に分かれており、基本給に加えて次のような手 当がある。 (a) 一般手当 ・ 4 等級 ······································ 190,000 ルピア ・ 3 等級 ······································ 185,000 ルピア ・ 2 等級 ······································ 180,000 ルピア ・ 1 等級 ······································ 175,000 ルピア (b) 食料(米)手当及び現物給付 (c) 職務手当 (1) 広報業務手当 a) 広報専門職員 ・ 広報機関上級専門職員················· 550,000 ルピア ・ 広報機関中級専門職員················· 330,000 ルピア ・ 広報機関初級専門職員················· 220,000 ルピア 8 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 b) 広報関連技術職員 ・ 広報管理職員 ···························· 264,000 ルピア ・ 広報一般上級職員 ······················ 220,000 ルピア ・ 広報一般職員 ···························· 197,000 ルピア ・ 若手一般職員 ···························· 183,000 ルピア (2) 事務職員及び図書館員(司書職員) a) 事務職員 ・ 主管事務職員 ···························· 550,000 ルピア ・ 中間管理職事務職員 ··················· 413,000 ルピア ・ 若手事務職員 ···························· 303,000 ルピア ・ 初級事務職員 ···························· 202,000 ルピア b) 技術系事務職員 ・ 管理職事務職員 ························· 220,000 ルピア ・ 幹部事務職員 ···························· 202,000 ルピア ・ 一般事務職員 ···························· 197,000 ルピア c) 専門図書館員 ・ 主管司書職員 ···························· 550,000 ルピア ・ 中級司書職員 ···························· 413,000 ルピア ・ 若手司書職員 ···························· 303,000 ルピア ・ 初級司書職員 ···························· 202,000 ルピア d) 技術系司書職員 ・ 管理職司書職員 ························· 220,000 ルピア ・ 中間管理職司書職員 ··················· 202,000 ルピア ・ 幹部司書職員 ···························· 197,000 ルピア (d) 大学教員職務手当 ・ 教授 ········································ 990,000 ルピア ・ 准教授長 ·································· 709,000 ルピア ・ 准教授 ····································· 552,000 ルピア ・ 専門助講師 ······························· 297,000 ルピア 【補助手当】 a) 大学長 ・ 教授 ········································ 4,500,000 ルピア ・ 准教授長 ·································· 4,050,000 ルピア b) 副学長及び施設長 ・ 教授 ········································ 3,500,000 ルピア ・ 准教授 ····································· 3,100,000 ルピア c) 補佐手当(施設長、議長、職業訓練校長、学部長) ・ 教授 ········································ 2,500,000 ルピア ・ 准教授長 ·································· 2,150,000 ルピア 9 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 ・ 准教授 ····································· 1,800,000 ルピア d)副学長 ・ 教授 ········································ 1,500,000 ルピア ・ 准教授長 ·································· 1,300,000 ルピア ・ 准教授 ····································· 1,100,000 ルピア (2) 民間部門における管理監督者を含まない労働者の給与体系のサンプル 表 2‐9 は、ほぼ全業種を網羅する、直近の 5 四半期の平均賃金額表であるが、各々の 業種で、その水準額においても増加額においても大きな違いを示している。例えば、その 他の化学及びゴム産業の平均賃金はレンガ及びタイル産業の平均賃金より 3 倍以上高く、 タバコ産業の平均賃金の伸び率はプラスチック産業の賃金伸び率の 4 分の 1 以下であっ た。 表 2‐9 産業別生産・製造現場の労働者の月額名目賃金 (単位:ルピア) 2007 年 1~3 月 2007 年 4~6 月 2007 年 7~9 月 2007 年 10~12 月 2008 年 1~3 月 1,006,200 1,003,700 1,021,000 1,053,900 1,148,100 ホテル業 966,200 925,600 947,500 1,042,600 1,134,100 石油以外 3,347,800 3,207,000 3,719,900 3,914,900 3,501,300 食品産業 932,200 926,200 938,100 903,200 1,011,000 基本食品産業 1,279,500 1,179,000 1,209,800 1,096,000 1,243,100 加工食品産業 823,200 957,100 875,400 765,800 951,200 タバコ産業 803,100 739,800 778,800 808,200 850,500 1,242,700 1,178,700 1,093,600 1,256,200 971,800 織物・繊維産業 833,700 953,000 891,700 972,200 1,045,200 基本織物・繊維 産業 779,600 846,100 771,300 799,600 956,000 下着繊維産業 862,400 1,018,200 960,600 1,082,100 1,139,100 その他の織物・ 繊維産業 948,600 1,143,500 1,191,000 1,219,000 1,105,600 製材業 1,020,400 918,000 891,700 972,200 1,045,200 加工木材業 1,004,700 930,800 883,400 938,800 1,203,200 家具製造業 1,066,800 865,000 820,600 895,500 882,700 製紙業、印刷業 1,621,600 1,256,500 1,474,300 1,581,500 1,226,800 製紙業 2,982,900 1,052,800 1,710,300 1,725,400 1,379,500 印刷業 1,247,400 1,260,100 1,546,600 1,546,600 998,400 化学・ゴム産業 1,175,300 1,150,700 1,174,400 1,232,600 1,325,500 産 業 製造業 その他の食品産業 10 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 1,119,300 1,120,900 1,264,200 1,191,000 1,194,800 860,000 796,300 764,200 743,800 1,111,000 その他の化学・ ゴム産業 1,349,700 1,385,500 1,266,600 1,640,200 1,729,400 非金属鉱物産業 730,900 708,700 620,300 647,900 963,800 レンガ・タイル 製造業 416,900 435,600 433,000 399,800 480,100 セメ ント・石灰 製 造業 1,051,000 946,700 818,700 713,700 1,266,800 その他の非金属 産業 1,051,000 946,700 818,700 817,000 1,148,900 金属産業 1,075,800 1,154,500 1,259,400 1,235,200 1,861,400 876,300 865,700 803,200 886,100 1,394,300 ゴム産業 プラスチック産業 その他の産業 *出典:Badan Pusat Statistik, “Statistik Upah Wage Statistice 2008”. 表 2‐10 大規模・中規模製造工業の生産・製造現場の労働者の月額名目賃金 (単位:ルピア) 大規模・ 中規模施設 大規模施設 労働者 100 名以下 食品業 織物・繊維業 製紙業、化学産業 非金属鉱物産業、 金属産業 その他の産業 中規模施設 労働者 20~99 名 食品産業 織物・繊維産業 製紙業、化学産業 非金属鉱物産業、 金属産業 その他の産業 2007 年 1~3 月 2007 年 4~6 月 2007 年 7~9 月 2007 年 10~12 月 2008 年 1~3 月 1,046,800 1,037,600 1,057,700 1,078,800 1,210,500 990,100 845,200 1,298,800 963,300 972,400 1,195,000 977,100 911,600 1,272,600 944,300 1,009,200 1,277,400 1,079,800 1,071,700 1,344,300 1,095,700 1,155,600 1,264,800 1,229,100 1,666,100 1,025,800 930,200 872,900 929,500 1,324,300 746,800 767,600 729,300 866,000 853,500 676,800 702,700 1,055,100 743,600 796,200 870,200 727,700 720,200 816,100 694,700 638,300 1,682,400 772,200 824,600 1,071,100 675,600 733,400 685,200 751,200 819,500 866,800 723,800 734,300 864,600 884,800 *出典:Badan Pusat Statistik, “Statistik Upah Wage Statistice 2008”. 11 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 表 2‐11 地域別の生産・製造現場の労働者の月額名目賃金 主な地域 西ジャワ、ジャカ ルタ、バンテン 食品産業 織物・繊維産業 製紙業、化学産業 非金属産業、非金 属鉱物産業 その他の産業 2007 年 1~3 月 2007 年 4~6 月 2007 年 7~9 月 1,862,600 995,100 1,287,800 1,725,900 1,141,400 1,164,200 1,717,100 1,120,800 1,218,900 1,387,100 1,216,000 1,411,800 1,146,800 1,281,800 1,472,100 1,060,100 1,151,100 1,453,800 1,390,300 1,343,000 1,277,400 1,016,300 1,010,800 1,077,100 1,746,700 594,400 739,400 805,800 687,500 782,300 839,900 741,400 687,600 752,500 601,200 720,700 733,700 774,400 795,500 935,200 759,100 714,800 587,800 602,900 656,100 598,600 591,300 582,700 599,500 664,500 873,500 709,500 785,200 857,200 763,800 704,200 884,900 728,900 669,800 927,800 771,900 626,300 876,400 806,400 1,043,000 940,200 852,400 755,500 719,800 1,267,800 706,400 779,600 698,100 770,900 969,800 1,797,800 868,400 1,880,700 1,266,700 941,600 1,758,300 1,135,000 980,800 1,818,600 1,213,200 778,400 1,684,400 1,342,400 1,381,600 1,480,300 1,463,200 1,673,100 1,996,500 1,959,500 1,798,000 1,213,300 1,044,900 1,045,000 1,122,500 1,397,400 中央ジャワ、ジャ カルタ 食品産業 織物・繊維産業 製紙業、化学産業 非金属産業、非金 属鉱物産業 その他の産業 東ジャワ、バリ 食品産業 織物・繊維産業 製紙業、化学産業 非金属産業、鉱物 産業、金属産業 その他の産業 その他のジャワ地 区、バリ 食品産業 織物・繊維産業 製紙業、化学産業 非金属産業、鉱物 産業、金属産業 その他の産業 (単位:ルピア) 2007 年 10~12 月 2008 年 1~3 月 *出典:Badan Pusat Statistik, “Statistik Upah Wage Statistice 2008”. 2.3 労働時間の現状 官庁、民間企業、銀行の労働時間としては、月~金曜(週 5 日制)、午前 8~12 時ま で就業し、1 時間の昼休憩後、午後 1~5 時まで就業するのが一般的である。製造業で三 交代制の場合は、午前の部が午前 6 時~午後 2 時まで、午後の部が午後 2 時から夜 10 時 まで、夜間の部は夜 10 時から翌朝 6 時までとなる。二交代制の場合は、午前 7 時~午後 3 時まで、午後 3 時~夜 11 時までとなる。小都市では、週 6 日制を採用している民間企 12 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 業及び官庁もあるが、労働者の週当たりの労働時間は 40 時間とされている。通常、労働 時間が変更されることはない。しかしながら、労働時間は 35 時間以上となる傾向にある。 2009 年 2 月時点では、週当たりの総労働時間が 35 時間以上の労働者は、フルタイム労 働者と呼ばれており、労働者の約 66.98%、7,312 万人である。労働時間が週 8 時間以下 の労働者は、労働者の約 1.51%で、158 万人であり、減少傾向にある。 表 2‐12 労働時間別労働者数 週当たりの労働時間 2007 年 8 月 1~34 時間 (単位:万人) 2008 年 8 月 2009 年 2 月 3,037 3,064 3,136 1~7 時間 105 123 158 8~14 時間 417 441 497 15~24 時間 1,098 1,109 1,143 25~34 時間 1,417 1,423 1,338 35 時間以上 6,956 7,141 7,312 労働者数 9,993 10,255 10,449 *出典:Badan Pusat Statistik, “Berita Resmi Statistik”, No.31(2009, May 15). 2.4 2.4.1 労使関係の現状 労働組合の現状 インドネシア政府が「結社の自由に関する ILO 協定、第 87 条」を批准し、「労働者組 合(又は労働組合)に関する法令第 21 条(2000 年)」を発表後、地方労働事務所には 92 の労働者組合連合(又は労働組合連合)が登録された。しかしながら、2008 年 5 月の 国家開発庁長官の最新の報告書では、状況は次のとおりである。3 大労働者組合連合(又 は労働組合連合)又はその他の連合あるいは連盟に加入してない組合がある。法規では労 働者 10 人以上で労働組合を結成することができ、同一企業内での複数の組合結成も可能 である。結社が自由であることは、時には組合を弱体化させることもあるが、企業にとっ てはすべての組合との協議を強いられることにもなる。2007 年の総労働者数は 9,993 万 217 人のうち、労働組合加入者数は、総労働者の約 3.25%、340 万 6,022 人である。 (1) 全インドネシア労働組合連合(KSPSI) KSPSI インドネシア最古の連合であり、1981 年から 2003 年まで政府に活動を認可さ れた唯一の連合である。 No. 組合の名称 1 全インドネシア労働者組合 2 3 組合数 組合員数 2,982 287,962 タバコ、飲料、食品労働者組合連盟 546 280,661 金属、電気、自動車労働者組合連盟 408 276,861 13 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 4 繊維、衣料、皮革労働者組合連盟 248 181,681 5 化学、エネルギー、鉱山労働者組合連盟(SPSI) 348 138,048 6 製紙、パルプ労働者組合連盟 307 110,604 7 木材、森林労働者組合連盟 229 82,683 8 輸送労働者組合連盟 701 67,212 9 商業、銀行、保険労働者組合連盟 335 49,129 10 旅行、レストラン労働者組合連盟(SPSI) 269 42,538 11 印刷、マスメディア労働者組合連盟(SPSI) 113 30,698 12 医薬、医療労働者組合連盟(SPSI) 108 24,572 13 KSI 労働者組合連盟 68 14,354 14 建築、建設労働者組合連盟 98 10,107 15 インドネシア金属労働者組合連盟 21 3,587 16 海上輸送労働者組合連盟 - 681 6,779 1,601,378 合 計 *出典: Andi Syahrul, “Director of Industrial Relation Development Report” (2008, May 15). (2) インドネシア労働組合連合(KSPI) KSPI は当初、2003 年 2 月に設立された。 No. 1 2 3 4 5 6 7 組合の名称 教員組合 化学、エネルギー、鉱山及び一般労働者組合連盟 金属、電気、自動車労働者組合連盟 木材、森林、労働者組合連盟 インドネシア労働者協会 医薬、医療労働者組合連盟 旅行、ホテル、レストラン労働者組合 合 計 組合数 68 257 263 155 56 45 29 973 組合員数 126,096 109,518 105,672 82,077 20,586 11,964 2,432 458,345 *出典: Andi Syahrul, “Director of Industrial Relation Development Report” (2008, May 15). (3) インドネシア福祉労働組合連合(KSBSI) No. 1 2 3 4 5 6 7 8 組合の名称 インドネシア福祉労働組合 インドネシア繁栄 FA 労働組合連盟 労働者組合連盟(KUI) 衣料、繊維連盟 化学、医療(SBSI) 労働組合連盟 旅行、ホテル、労働組合連盟 金属、電気労働組合連盟 14 組合数 1,312 80 35 25 30 21 27 7 組合員数 209,931 10,921 7,303 6,780 5,211 4,563 3,474 3,350 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 9 10 11 12 22 1,559 労働組合連盟 商業、金融業、銀行労働組合連盟 鉱業、探鉱連盟 (SBSI) FISDIKARI-SBSI 合 計 3,188 1,701 223 25 337,670 *出典: Andi Syahrul, “Director of Industrial Relation Development Report” (2008, May 15). (4) 連合非加盟の連盟 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 組合の名称 組合数 446 258 321 170 132 56 68 21 42 76 80 63 47 28 19 12 9 11 8 7 1,864 国家労働者組合 BUN 労働者組合連盟 SARBUMUSI FSP BUMN GASBINDO KBKI GASPERMINDO GOBSI SBDSI SBSI 92 PPMI FNPBI SPKP FSPI Reformasi FSPM SPRI GSPM KBM SBMNI ASOKADIKTA 合 計 組合員数 367,032 215,937 96,004 58,547 27,199 16,358 14,035 12,190 12,108 8,708 8,707 7,411 6,140 5,576 5,464 4,859 4,786 4,616 4,051 4,003 883,781 *出典: Andi Syahrul, “Director of Industrial Relation Development Report” (2008, May 15). (5) いかなる連合にも加入してない労働者組合(又は労働組合) No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 組合の名称 組合数 FSBI PBDI SP MERDEKA SPBSI Unity of Struggle Labour SP PANTURA FSBSK KASBI SBJ Perjuangan 93 41 21 10 11 25 20 66 6 15 組合員数 8,445 6,663 6,412 5,936 3,599 3,378 2,435 1,428 1,359 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 10 11 12 13 14 SB JABOTABEK SP PERBUMI SBL SBMI SBSU 合 5 5 5 174 計 850 637 240 236 27 26,537 *出典: Andi Syahrul, “Director of Industrial Relation Development Report” (2008, May 15). (6) 連盟に加入してない企業内労働者組合(又は労働組合) 組合の名称 組合数 437 企業内組合 組合員数 97,924 *出典: Andi Syahrul, “Director of Industrial Relation Development Report” (2008, May 15). 2.4.2 労働争議の現状 2004 年 1 月 14 日に産業関連紛争の解決に関する法令第 2 号は公布され、2006 年 1 月 14 日に施行された。労働争議の解決方法には、(a)調停、仲裁、斡旋(b)労働裁判所 を通じた裁定の 2 つの方法がある。労働争議には、権利に関する争議、利害に関する争 議、解雇に関する争議、組合間の紛争に関する争議の 4 種類がある。 産業関連の争議が生じた場合、使用者と労働者の二者間で、30 日程度で争議を解決す る。交渉で話し合いがつく場合は、相互協定を結び、両者が署名することになる。両者が 合意に至らない場合は、その争議は地方労働事務所に持ち込まれ、斡旋又は調停により解 決が図られる。両者が調停又は仲裁を選択しない場合は、仲裁人に問題の解決を依頼し、 仲裁人は両者に提案を行う。両者もしくは一方が、その提案を拒否した場合は、一方の当 事者はその職場の所在地にある地方裁判所の産業関係裁判所(労働裁判所)に提訴するこ とができる。 2006 年から 22 の州に産業関係裁判所が置かれている。現在、バンダ・アチェ、北ス マトラ、西スマトラ、ペカンバル・リュウ、タンジュン・ピナン・リュウ諸島、ジャンビ、 ランプン、ベンクル、南スマトラ、ジャカルタ、バンテン、西ジャワ、ジョグジャカルタ、 東ジャワ、中央スラウェシ、スラウェシ、北スラウェシ、南東スラウェシ、西スラウェシ、 ゴロンタロ、バリ、北マルク、マルク、西パプアである。労働者の多くは低学歴であるた め、未だ産業関係裁判所の手続きを認知するに至っていない。 西スマトラの NGO パダン、西スマトラのデータでは、2008 年に 34 件、23 の企業の 1,208 人の労働者が関わった労働争議が発生した。これらの争議は、大半が解雇に関する 19 件であり、賃金に関する 6 件、宗教祝日の手当に関する 1 件、社会保障に関する 1 件、 退職給付金に関する 1 件、労働者の地位に関する 5 件、職場環境に関する 1 件であった。 西ジャワのバンドンの産業関連争議裁判所の運営管理官によれば、2006 年 3 月 27 日 から 2007 年 2 月 14 日までに 275 件の訴訟が登録され、そのうち 222 件が労働者側から 申し立てられ、28 件が雇用者側から申し立てられた。これらの訴訟のうち、解雇に関す 16 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 る争議が 241 件、権利に関するものが 6 件、利害に関するものが 22 件、組合間の訴訟に 関するものが 1 件であった。 表 2‐13 労働争議件数(2007 年度) 月 件 数 1月 4 2月 20 3月 25 4月 10 5月 22 6月 22 7月 16 8月 10 9月 5 10 月 7 11 月 16 12 月 33 合 190 計 *出典:Ministry of Manpower and Transmigration of Republic of Indonesia, “Number of Industrial Relation Cases, 2007”, http://www.nakertrans.go.id/pusdatin.html,17,237,pnaker 2.5 2.5.1 募集、採用、雇用、解雇の現状 就業規則の例等 (1) 募集、採用 【採用時の労働協約の例】 最低年齢は 18 歳で、企業側の条件が記載されている応募書類に記入し、企業側が行う 試験に合格しなければならない。また企業側が指定する医師の健康診断書が必要である。 候補の労働者は、企業が行うオリエンテーションに出席する必要がある。2003 年労働法 第 13 号には、労働者の最低年齢は 15 歳とある。 本採用候補者は 3 か月の試用期間を終了しなければならない。 (2) 雇用契約の終了 雇用契約は、以下の理由の場合に終了することができる。 a. 辞職 b. 死亡 17 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 c. 解雇 d. 試用期間中で事前に書面で条件付けられている場合 e. 無規律な行動 f. 事業の廃止 表 2‐14 解雇件数(2007 年) 月 件 数 労働者数 1月 41 104 2月 6 789 3月 10 4,546 4月 6 9,641 5月 498 2,758 6月 387 2,572 7月 713 1,596 8月 423 1,287 9月 384 977 10 月 512 3,109 11 月 77 108 12 月 195 830 合計 3,252 28,317 *出典:Ministry of Manpower and Transmigration of Republic of Indonesia, “Number of Striked Wokrkers, 2007”, http://www.nakertrans.go.id/pusdatin.html,17,238,pnaker 2.6 転職の現状 多くの企業が労働者を一度解雇の上、契約社員として再雇用するか、又は派遣労働者 として雇用する傾向がある。国営企業で新規採用する場合、2 年間の契約社員として雇用 した後に正社員として雇用する場合が多い。2003 年労働法第 13 号では、特定期間の契 約は一定の条件下に限定されているが、企業によっては、新規採用時に特定期間の契約を する雇用形態を利用しており、この脱法行為がみられる。 いくつかのデータによれば、全労働者の 60~70%が契約社員であるといわれている。 2003 年労働法第 13 号の公布により派遣労働者制度が合法化されて以来、契約社員及び 派遣労働者制度を利用した雇用形態が急増している。しかしながら、産業が成長するにつ れ、より高度な専門性を必要とする職業については募集が多い傾向にあり、労働市場にお ける需要と供給の不均衡が生じている。その他の転職状況として、下着生産のような大規 模製造工場が、ジャカルタ、ベカシ、タンゲランといった都市よりも最低賃金額の低い都 市に生産拠点を移動する傾向がみられる。 18 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 2.7 2.7.1 その他の雇用慣行 企業の慣行 (1) 南スラウェシにあるニッケル採掘業の 2006~2008 年労働協約 ・ 生活手当 企業は、非正規労働者に生活手当を 1 カ月当たり最大 150 万ルピア支給する。 ただし、この手当は家計を補助する意味合いのもので、出勤率に連動して増減し、 給与の構成要素ではないことと、恒常的に毎月払われるものでないことを前提と している。 ・ 職務手当 労働者が上の地位(上級)の職務を 1 日 8 時間以上担当した場合、企業は担当 者(当該労働者)に対してその上の地位(上級)の最低賃金を支払う。 ・ 交代勤務手当 交代勤務の場合、企業は労働者に対して夕方の交代の場合は、基本給の 7.5%、 夜間の交代の場合は基本給の 15%の割増賃金を支払う。ただし、午前(中)の交 代の場合は交代手当はない。 ・ 日曜勤務の割増賃金 日曜勤務の場合、労働者は勤務当たり 7,500 ルピアの手当が支給される。 ・ 追加食事手当 夜間勤務の場合は、労働者は 1 晩当たり 1 万 5,000 ルピアの手当が支給される。 ・ 年次休暇手当 労働者は年次休暇につき、基本給の 1 カ月分の年次休暇手当が支給される。 ・ 利益配分 四半期ごとに健康、安全の観点から計算し、利益配分が行われる。3 か月間、勤 務不能となる障害事故が発生しない場合は、定額の 120%として計算される。死者 がでる事故があった場合は、定額の 80%として計算される。 ・ 勤続手当 6 年以上勤務の場合、企業は 1 年ごとに 1,500 ルピアが支給され、毎年累積され る。 ・ 住宅手当 住宅を所有する 3 年以上勤務の正社員に対して、8 万ルピアを補助する。 ・ 出張 企業は出張の場合、往復の旅費等必要経費を払う。 ・ その他 労働者及びその家族のための健康保険、生命保険、障害保険、年金プログラム 等がある。 19 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 (2) デポックにある自動車内装品工場の 2006~2008 年労働協約 ・ 報奨金 欠勤のない労働者に対して皆勤手当が支給される。「シフト 1」、「シフト 2」 の労働者に対して交代手当を支給する。役職員への役職手当を支給する。過去 3 カ月間無事故の運転手に対して安全運転手当を支給する。4.5 時間以上休日勤務す る労働者に休日手当として 2,000 ルピアを支給する。 ・ 食料手当(米手当) 企業は正社員に対して、米 20kg の現物支給を行う。現金では、お米に 6 万 8,000 ルピア、その他の食料に食事代として 7 万ルピアを支払う。 ・ 通勤手当 1 日の出勤当たり、恒久的に 7,000 ルピアを労働者に支給する。 ・ 食事の支給 企業は、健康に配慮して「シフト 1」及び「シフト 3」の労働者に対して追加の 食料(飲み物と軽食)を提供する。 ・ 住宅取得に対する補助はない。 ・ 宗教上の休祭日(クリスマス、ラマダン最終日)手当 企業は年に 1 度、固定給 1 か月の手当を支給する。 ・ スポーツ施設の提供 (3) デポックにある電池工場の労働協約 ・ 年末ボーナス 企業は労働者に対して基本給の 55%の年末ボーナスを支給する。 ・ 通勤手当 出勤日数に応じ企業は通勤手当として月 11 万 5,000 ルピアを支給する。 ・ 住宅手当 企業は住宅手当として 7 万 5,000 ルピアを支給する。 ・ 埋葬補助金 従業員もしくは従業員の配偶者が死亡の場合、250 万ルピアを支給する。子供が 死亡の場合、125 万ルピアを支給する。親又は義理の親が死亡の場合、企業は 75 万ルピアを支給する。 ・ 宗教上の休祭日(クリスマス、ラマダン最終日)手当 企業は年に 1 度、固定給の 1.5 カ月分を支給する。 ・ 皆勤手当 企業は月間無欠勤者に月毎 4 万ルピアを支給する。 ・ 勤続手当 勤続 10 年以上は 3.5g、15 年以上は7g、20 年以上は9g、25 年以上は 11g、 30 年以上は 16g、35 年以上は 20g の金をそれぞれ支給する。 ・ 年金プログラム 正社員全員に年金プログラムがある。 20 インドネシア(調査大項目 2:雇用労働事情) 作成年月日:2009 年 7 月 10 日 (4) 化学企業現地法人の労働協約 ・ 宗教上の休祭日(クリスマス・ラマダン最終日)手当 1 年以上勤務のものに対し、企業は年1回、固定給の1か月分を支給する。 ・ 企業は指定の場所から工場まで労働者の送迎を行う。 ・ 企業は労働者に対して住宅手当を支給する。支給額は、職種によって異なる。 ・ 交代手当としてシフト労働者に対し基本給の 10%を支給する。 ・ 労働者及びその家族に対し健康管理のための施設等の提供。 ・ 生命保険及び傷害保険の提供。 【参考文献】 1. Antra News. (n.d.). http://www.antaranews.com/ 2. Badan Pusat Statistik. (2009, May 15). Berita Resmi Statistik, No.31. 3. Badan Pusat Statistik. (2009). Statistik upah wage statistice 2008. 4. Government Regulation No. 8, 2009. (2009, January 16). Regarding the wage of government staff. 5. Kompas.com. (n.d.) http://www.kompas.co.id 6. Ministry of Manpower and Transmigration of Republic of Indonesia, Provincial minimum wage. http://www.nakertrans.go.id/pusdatin.html,14,249,pnaker 7. President Regulation No. 12, 2006. (2006, MAY 11) Concerning general allowances for public services. 8. P.T.E インドネシア及び SP KEP PT.E インドネシア労働組合間の労働協約(2008 ~2010 年) 9. TURC チーム、労働裁判所訴訟手続き、労働組合のためのガイダンス(ジャカルタ 2007 年) 10. インドネシア経済産業省局長報告(2008 年 5 月 15 日発) 11. 公務員の賃金に関する政府通達第8号(2009 年1月 16 日発) 12. 公務員の一般手当に関する大統領令第 12 号(2006 年5月 11 日発) 13. 職務手当に関する財務局長規約第 SE-58/PB/2006 号(2006 年 8 月 10 日発) 14. 負担に応じた食料(米)手当に関する財務局長規約第 PER-50/PB/2006 号(2006 年 9 月 21 日発) 15. 事務員及び図書館員(司書職員)職務手当に関する財務局長規約第 SE-76/PB/2006 号(2006 年 8 月 10 日発) 16. 大学講師職務手当に関する財務局長規約第 SE-93/PB/2006 号(2006 年 8 月 10 日 発) 21
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