淀川学(環境教育)の構築と実践

大阪工業大学
淀川学(環境教育)の構築と実践
● 地域・社会に貢献できるひとづくり
工学部(1949~)・工学研究科(1965~)
環境工学科
(2006~)
都市デザイン工学科
空間デザイン学科
(2006~)
建築学科
生体医工学科
(2006~)
電子情報通信工学科
電気電子システム工学科
機械工学科
応用化学科
技術マネジメント学科
身近な環境から
持続可能な社会を実現する取組
大阪工業大学工学部
「技術者教育の中に環境教育をどう取り込むか」
情報科学部(1996~)
知的財産学部(2003~)
「環境共生意識を備えた技術者をいかにして育てるか」
立地
淀川下流域左岸に隣接(河口より13 km上流)
大阪工業大学工学部淀川環境教育センター
主幹 野村良紀
HESDフォーラム2007
淀川学(環境教育)の構築と実践
2007.12.22
於岩手大学
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淀川学(環境教育)の構築と実践
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2
社会の要請に応える工学(部)
研究レベルでは社会の要請に対して敏感に対応
人間が生きるための自然との闘い
(各分野で環境共生に向けた取組がすでに行われ蓄積もある)
技術
自然(環境)との調和
160
140
技術が科学と融合し強大な力を獲得
120
論文数
100
科学技術
自然(環境)を支配(思いこみ)
⇒循環の破壊
40
20
0
2002
2003
2004
2005
2006
卒業年度
環境を意識した卒業論文数の推移
都市 デザ イン 工学
応用 化学
科学技術の限界を知り
自然に対する謙虚さをもつ
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80
60
人間の生存のために
技術者は自然と対峙し続ける
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研究
環境と技術者に対する認識
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建築
電 子情 報通信
電 気電 子シス テム
経 営工 学
機 械工 学
分野での課題解決に主眼・分野(学科)間に垣根が存在
全体像が見えない
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教育
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淀川学により,深く環境共生意識に根ざした技術者を育てる
環境共生意識は技術者の土台と認識
担当教員は,それぞれ受け持つ講義の中で,環境共生
に向けた教育内容を程度の差はあるが織り込んでいる
これまで
組織的にはなっていない(断片化)
これから
分野ごとに方向性が異なる
深さは様々
工学部として一定の方向性
深く根を張る
身近な自然である淀川を題材にして環境共生に対する
工学部としての共通認識を育む
淀川学
教員の意識を高めるとともに,各分野(学科)が保有
蓄積している教育内容や資料を共有し,横断的・組織
的な教育を進める
淀川学
環境共生という土壌
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1
淀川学の展開
「淀川と人間」シラバス案
回数
1
テーマ
工大と淀川
2
淀川の歴史学(1)
3
淀川の歴史学(2)
回数
テーマ
8
淀川の社会学
9
淀川の経済学(1)
10 淀川の経済学(2)
4
淀川水系の地学
11 淀川を巡る法
5
淀川と現代の生活
12 淀川の倫理学(1)
6
淀川の生物学(1)
13 淀川の倫理学(2)
7
淀川の生物学(2)
14 21世紀の淀川
「淀川と人間」「淀川と環境」2科目を2008年度から開講
全員が履修の予定(教科書を共同で作成中)
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回数
テーマ
1
ガイダンス
テーマ
8
都市生活と地球環境(1)
2
大阪平野の形成と淀川
9
都市生活と地球環境(2)
3
淀川と河川工学
10
エネルギーと地球環境
4
淀川の水質と環境化学
11
リサイクルと地球環境(1)
5
淀川の環境評価
12
リサイクルと地球環境(2)
6
淀川とライフスタイル
13
環境マネジメント
7
淀川の環境から地球規
模の環境へ
14
淀川と私たち
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長さ
流域面積
流域人口
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75 km (三川合流点より下流)
8,240 km2
1,200 万人
琵琶湖
桂川
猪名川
宇治川
三川合流
淀川
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淀川の紹介
「淀川と環境」シラバス案
回数
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淀川大堰
木津川
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古代より流域では多くの人が生活
治水・舟運・農業用水・生活用水
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淀川と大阪工業大学
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教室から淀川を望む(日常的な風景)
左岸
右岸
淀川本川
河口
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城北ワンド群
何も知らなければ単なる心和む風景
淀川の自然景観が,実は,人の手がかかったも
のであることを知った上で眺めると,人と自然
との関わりによる自然の変化が理解できる
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2
1961年当時の淀川
ワンドのなりたち
①
②
③
流れ
水制工
①上流からの土砂で水深が浅くなり舟運に影響
②水制工の敷設 (流れを集中し水深を確保)
明治10年頃から(デ・レーケ)
ワンド
大阪工業大学
1961年
③水制工付近に土砂がたまり,池のようになる
多くの動植物の生息域に
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淀川が抱える問題(1)
新入生をワンドに引率
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外来植物の異常繁茂
水面を覆うボタンウキクサ(ウォーターレタス)
ワンドの歴史についての授業と観察
掬い上げて放置するしか対策がない
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淀川が抱える問題
(2)
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外来魚の増殖
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ボタンウキクサの異常な繁茂
天然記念物イタセンパラ
外来魚の増殖
外来魚
ブラックバス
ブルーギル
の増殖でイタセンパラの
姿が見えなくなった
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解決に向けた取組
かってはワンドでみることが
できたが.......
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外来魚駆除を目的とした釣り大会実施
(2007年度 2回開催)
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淀川が抱える問題 (3)
淀川学
ゴミの投棄
「淀川と人間」・「淀川と環境」から環境と人間と
の関わり合いを知り,持続可能な開発の重要性を感
じ取る
教室の中から淀川を見守り,
教室の外へも出て直に自然に接し活動する
これらを通して各人の環境共生意識の芽生えを促し,
各専門分野で,何ができ,期待されているかの理解
を進める
年2回の清掃活動 (クリーンキャンペーン)
学生団体が主催 大学として支援
地域とも連携
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教育コンテンツを学外へ公開するとともに情報発信
をすすめ,地域との連携を深める
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