2009 年度 コンクリート構造工学 再試験 (2009/Dec/25)

2009 年度
コンクリート構造工学
再試験
(2009/Dec/25)
問題1
下図に示す単鉄筋コンクリート長方形断面がある。各問に答えよ。
コンクリートの圧縮強度
:
fc’=30N/mm2
コンクリートの曲げ強度
:
fb=4.5N/mm2
鉄筋の降伏強度
fy=400N/mm2
:
コンクリートのヤング係数
鉄筋のヤング係数
:
:
Es=200kN/mm2
コンクリートの圧縮破壊ひずみ
軸方向鉄筋の断面積
(1)
:
Ec=25kN/mm2
:
εcu’=0.0035
As=600mm2
この断面の曲げひび割れ発生モーメント Mcr(kN・m)を求めよ。ただし、軸方向鉄筋の影響
は無視してよい。
(2)
軸方向鉄筋が降伏する際のモーメント My(kN・m)を求めよ。ただし、圧縮を受けるコンク
リートは弾性体とし、コンクリートの引張抵抗は無視する。
(3)
この断面の曲げ破壊モーメント Mu(kN・m)を求めよ。ただし、圧縮合力の計算には 0.85fc’
×0.8x の等価応力ブロックを用いること。圧縮縁のコンクリートひずみが破壊ひずみεcu’に達
した状態を破壊と考える。なお、鉄筋が降伏していることを確認すること。
(4)
鉄筋の断面積が As=2400mm2 に増加したとき、断面の曲げ破壊モーメント Mu(kN・m)を求
めよ。ただし、0.85fc’×0.8x の等価応力ブロックを用いること。
単鉄筋コンクリート長方形断面
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コンクリート構造工学
再試験
(2009/Dec/25)
問題2
図 2 に示す複鉄筋コンクリート長方形断面が曲げと軸圧縮力の組合せ荷重を受けて、つり合い破壊し
た。このときの耐荷力 Mu と Nu’を求めよ。ただし、コンクリートの圧縮強度は fc’=30N/mm2、鉄筋の
降伏強度は圧縮・引張とも fy=400N/mm2、鉄筋のヤング係数は Es=200kN/mm2 である。コンクリート
の圧縮ひずみが 0.0035 となったときを破壊と定義する。曲げ圧縮力の計算には 0.85fc’×0.8x の等価応
力ブロックを使用してよい。
複鉄筋コンクリート長方形断面
相互作用図
問題3
図3に示すようなせん断力を受ける鉄筋コンクリートはりを考える。以下の各問に答えよ。
(1)図3は斜めひび割れ発生後の鉄筋コンクリートはりのフリーボディを示している。力の釣り合い
を考慮し、トラス理論に基づいて、スターラップによるせん断抵抗力 Vs を求める式を誘導せよ。
(2)θ=45°としたとき、Vs はどのようになるか示せ。
(3)θ=35°のとき、スターラップによるせん断抵抗力 Vs は、θ=45°のときの何倍となるか。
図3
斜めひび割れ発生後の RC はりのフリーボディ
2009 年度
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(2009/Dec/25)
問題4
図4に示すように鉄筋コンクリートはりが荷重 P を受けている。断面の諸元は図4に示すとおりであ
る。以下の各問に答えよ。
(1) 配 置 さ れ て い る 軸 方 向 鉄 筋 の 断 面 積 は As=800mm2 で あ っ た 。 こ の 鉄 筋 は ヤ ン グ 係 数
Es=200kN/mm2、降伏強度 fy=400N/mm2 の完全弾塑性体である。作用荷重が P=50kN であっ
たときの等モーメント区間における鉄筋の平均応力σs(N/mm2)を求めよ。ただし、コンクリ
ートの圧縮強度 fc’=30N/mm2 で、圧縮に対してはヤング係数 Ec=25kN/mm2 の弾性体であり、
曲げひび割れがすでに発生していて引張抵抗は無視してよいとする。
(2) 等モーメント区間におけるひび割れ間隔が l = 5.4c と与えられたとき、 l (mm)を求めよ。た
だし、cは図 7 に示されるコンクリートのかぶりである。
(3) 鉄筋の平均ひずみとひび割れ間隔の積として、ひび割れ幅 w(mm)の近似値を計算せよ。
(4) このときの許容ひび割れ幅が wa=0.005c であったとする。この場合、ひび割れに対する使用性
は満足されているか。
図6
曲げを受ける鉄筋コンクリートはり