顧客満足度調査の事例紹介 1. - 情報サービス産業協会(JISA)

JISA 報告書(25-J003)概要
情報サービス産業協会 http://www.jisa.or.jp/report/
Copyright, 2014; JISA All Right Reserved
概
要
-平成 25 年度報告書-
顧客満足度調査の事例紹介
1.本調査の趣旨
JISA では、ビジネス基盤強化委員会ビジネス基盤部会において、ユーザとの
円滑なコミュニケーションの推進に資するため、ユーザから受託した業務にお
ける顧客満足度調査の項目(指標)や実施手法に焦点を当て、実際に行われている
取組事例をもとに現状や効果等を検討し、JISA 会員各社に参考として紹介する
こととした。
顧客満足度調査に焦点を当てた本報告書の活用を通じて、ユーザとの取引に
おけるコミュニケーション能力を高め、情報サービスの質的向上と量的拡大に
つなげていくことを目指している。
2.本報告書の構成
本報告書は、第 1 章から第 3 章までの 3 章構成をとっている。第 1 章では、
「本調査の背景と目的」を、第 2 章では「本調査の活用手引き」を記している。
第 3 章では、本部会メンバー企業のうち、5 社の事例を「顧客満足度調査の事例
紹介」として取りまとめたものである。なお、各社の取組事例については、第 2
章第 1 節に記したとおり、以下の項目に沿って整理している。
1. 調査名
2. 調査目的と効果
3. 調査概要
4. 運用フロー
5. 調査方法及び利用方法
6. 個人情報を取り扱う上での配慮事項
7. 当事例をうまく展開するためのポイント
8. 調査票
3.取組事例の考察
(1) 調査の目的と期待される効果
事例掲載企業各社が、顧客満足度調査を実施する目的と期待する効果は、概
ね以下のとおりである。
顧客満足度調査の実施を通じて、顧客とのコミュニケーションの機会を得る
ことにより、自社の弱みや強みと向き合い(現状把握)、今後の事業展開 (課題
解決、顧客課題に則した顧客戦略の立案等) に生かすこと。
JISA 報告書(25-J003)概要
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調査目的の詳細は以下のとおり大別され、各社とも複数の効果を期待して継
続的に調査を実施している。
・品質向上・QMS(品質マネジメントシステム)活動の一環、継続的改善活動
・調査項目(指標)を活用した定期的な調査・分析
・営業活動やプロジェクトの推進に生かすため
・サービスの向上
・顧客のウォレットシェア拡大のための具体策検討
なお、詳細については第 3 章第 2 節「1.調査の目的と効果」を参照されたい。
(2) 取組のポイント
第 3 章第 2 節「7. 当事例をうまく展開するためのポイント」では、JISA
会員各社の取組の一助となるよう、事例掲載企業が顧客満足度調査を実施する
上でポイントと捉えている点を記載した。概ね以下の点が挙げられている。
QMS 活動としての位置づけ
・QMS の品質目標に設定して、全社活動としている。
継続的な調査と分析による傾向把握
・継続的に実施することで経年データを把握し、時系列で傾向を把握する。
コミュニケーションの深化
・顧客とのコミュニケーションを密にすることにより、顧客の真の思いや潜
在している課題等を把握する。
効果的な質問内容の設定
・具体的な品質改善に結びつけるためにはコメント(自由回答)の分析が効果
的である。
・調査の実施時期や調査方法に自由度を持たせ、柔軟な運用ができるように
している。
・調査対象の負担を軽減するため質問事項の絞り込みを実施。
回収率の向上策
・アンケートの回収率を上げるためには営業部門による事前の根回しと、回
収のフォローが必須である。
調査結果の活用
・調査実施に顧客がメリットを感じるよう、アンケート結果のフィードバッ
クや指摘事項の改善を実施する。
・低評価案件に対しては、担当部署が訪問しインタビューを実施している。
・満足度調査の結果を組織・個人・プロジェクトの評価とリンクさせない。
調査の客観性確保
・外部の第三者機関に調査を委託することで、調査の客観性を確保している。