スタンバイ可用性による 物理サーバーの保護

スタンバイ可用性による
物理サーバーの保護
著者 : Brien M. Posey 氏
データセンターの仮想化が進むほど、物理サーバーで運用する業務の保護には特に考慮が必要で
あることを忘れがちです。バックアップだけでは、物理サーバーを包括的に保護するソリューショ
ンの一部にすぎません。
物理環境では、バックアップを取っておけば、削除してしまったファイルを復元したり、障害が
発生したアプリケーションを障害発生前の状態に戻したり、障害が発生したストレージアレイを
復旧できます。しかし、これですべての障害に対応できる訳ではありません。例えば、落雷で物
理サーバーが破損した場合はどうでしょうか?サーバーのバックアップを取っていたとしても、
バックアップから破損したハードウェアを復元できません。
従来、ハードウェアレベルで発生する障害に対する保護のため フェイルオーバー クラスタリング
を構築しました。クラスターを構築することで、サーバーに障害が発生した場合でも業務を継続
して運用することができます。
言うまでもなく、フェイルオーバー クラスタリングには利点がありますが、弱点もあります。
まずはコスト面です。完全冗長化システムを導入するには費用がかかります。更に、すべての業
務がフェイルオーバー クラスタリングで保護できるわけではありません。例えば、Windows
Server 2012 のフェイルオーバークラスタリング は、役割と機能を追加した場合のみ、フォルトト
レラントを実現できます。
このような問題への解決策としては、業務を仮想マシンに移行することです。それにより、すべ
ての仮想化インフラがフォルトトレラントになります。
もちろん、物理から仮想サーバーへの移行というのは、短絡的な対応策と言えるかもしれません。
特に基幹業務を物理ハードウェアで運用している場合です。物理ハードウェアでサーバー業務を
運用し続けている理由は組織によって様ざまです。バックアップを取ってもハードウェア障害か
ら保護できないような場合、あるいは必ずしもフェイルオーバー クラスタリングを選択する必要
がない場合には、物理サーバーで運用している業務を保護する最善の方法としてはどのようなも
のが考えられるのでしょうか?
この場合のソリューションは、ネットジャパンの vStandby のようなソフトウェアを使って、
物理サーバーのコンテンツを仮想マシンにレプリケート ( 複製)することです。それにより、業務
は物理ハードウェアで運用し、仮想マシンにサーバーのレプリカ(仮想レプリカ)を作成します。
ネットジャパンではこの技術をスタンバイ可用性 と呼んでいます。
通常は、スタンバイ仮想レプリカは停止状態で、業務は物理サーバーで運用します。仮想レプリ
カは、障害発生時に対応するためにのみ存在します。物理サーバーに問題が発生すると、スタン
バイ仮想レプリカが起動し、物理サーバーに発生した問題が修正されるまで業務を続行します。
問題が修正された時点で、業務は物理ハードウェアで運用できます。
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スタンバイ可用性による物理サーバーの保護 ‐NetJapan
この方法は、サーバーレベルで冗長化するだけでなく、バックアッププロセスを単純化できます。
しかし、多くのバックアップソフトでは物理サーバーと仮想サーバーの違いを区別しています。
一部のバックアップソフトでは、物理サーバーと仮想サーバーをそれぞれ管理するため使用する
コンソールが異なります。また、バックアップアプリケーションに共通して言えることは、物理
マシンに対する保護より仮想マシンの保護に重点が置かれていることです。例えば、バックアッ
プアプリケーションの中には仮想マシンに対するリカバリー機能が実装されているものがありま
すが、物理サーバーに対してはリカバリー機能がありません。こうした状況の中で、物理サーバー
で実行されるというよりは、むしろ、バックアップ ( データ ) をスタンバイ仮想マシンに転送でき
るということです。
物理サーバーを使用する企業では、ハードウェアに障害が発生した場合の影響を注意深く判断す
る必要があります。スタンバイ側のハードウェアを新規に用意したとしても、新しいハードウェ
アを使用できるよう準備するには時間がかかります。ネットジャパンの vStandby では、サーバー
のクローンをスタンバイ仮想マシンとして作成しておき、一時的にスタンバイ仮想マシンに業務
を引き継ぐことができます。新規に物理サーバーを準備している間にスタインバイ仮想マシンに
一時的に業務を引き継げるので、ダウンタイムや関連コストを大幅に削減することが可能です。
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スタンバイ可用性による物理サーバーの保護 ‐NetJapan
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