第 61 回大会のお知らせ

ISSN 1881-2864
PAニュース
発行:日本生理人類学会
Vol.19, No.4, Jul 2009
www.jspa.net
もくじ
▽大会案内
………………………………………
1
▽研究部会レポート
………………………………………
2
▽若手の会のレポート
………………………………………
4
▽大会報告
………………………………………
5
▽受賞者のことば
………………………………………
5
▽会議録
………………………………………
7
▽from Editors
……………………………………… 9
【大会案内】
究となるものとは思いますが,多くの発表と参
加をお願いいたします.
第 61 回大会のお知らせ
大会長 市丸雄平
(東京家政大学)
日時:2009 年 9 月 26 日(土)~27 日(日)
場所:東京家政大学(東京都板橋区加賀 1-18-1)
JR 埼京線「十条」駅下車・徒歩 10 分
都営三田線「新板橋」駅下車・徒歩 12 分
<第 1 日目> 9 月 26 日(土)
一般口演,ポスター発表,シンポジウムⅠ,
機器展示,懇親会
シンポジウムⅠ:
「人類は何をどの様に食べる
のか」
座長:甲田勝康(近畿大学医学部)
(予定)
<第 2 日目> 9 月 27 日(日)
一般口演,ポスター発表,シンポジウムⅡ,
機器展示
シンポジウムⅡ:
「人類はいつどの様に眠るの
か」
座長:樋口重和(九州大学大学院芸術工学研
究院)
大会案内
医療費が 33 兆円を超え健康寿命の延長に対す
る必要性とその政策が今後とも増加するものと思
われます.健康寿命を維持するものは,良い生活
習慣であり,生活習慣は食・運動・休養・嗜好の
適正化によって構成されます.しかし,適正な生
活習慣とは何か,短時間の生理学的に調査する必
要があるとともに,より長いスパンでは,適応と
いう生理人類学的視野も必要とされます.この視
点より,
「人類は何をどの様にたべるのか」という
テーマで甲田勝康先生に,また「人類はいつどの
様に眠るのか」樋口先生に座長をお願いいたしま
した.
今後とも,さらに新しいプログラムに構成する
予定であります.
第 60 回大会より,約3-4カ月後の開催で,
いままでの研究あるいは,夏休みを返上しての研
※シンポジウムの内容につきましては,現在
検討中につき,順次学会ホームページにて掲
載致します.
参加および一般演題の発表申込方法
発表申込締切:2009 年 7 月 24 日(金)
(最新の情報は大会HPでご確認下さい)
抄録締切:2009 年 8 月 21 日(金)
事前参加申込締切:2009 年 8 月 21 日(金)
- 1 -
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お申込みにあたっては,日本生理人類学会のWeb
サイト(http://www.jspa.net/)に掲載されている
各種書式をダウンロードの上,添付ファイルにて
事務局までお送りください.
事務局E-mail:[email protected]
1)抄録作成要領
日本生理人類学会のWebサイト
(http://www.jspa.net/)に掲載されている作
成要領をご覧下さい.8 月 21 日(金)までに,
wordの添付ファイルにてE-mailにて下記ま
でお送り下さい.
事務局 E-mail:[email protected]
2)大会参加費および懇親会費
大会参加費
事前(8 月 21 日(金)まで)正会員 6000 円,
非会員 8000 円,学生 3000 円
8 月 21 日(金)以降
正会員 7000 円,
非会員 9000 円,学生 4000 円
懇親会費
事前(8 月 21 日(金)まで)正会員 6000 円,
非会員 7000 円,学生 3000 円
8 月 21 日(金)以降
正会員 8000 円,
非会員 9000 円,学生 4000 円
3)郵便振替口座,または銀行口座
<郵便振替> 加入者名:日本生理人類学会
第 61 回大会事務局
口座記号番号:00160-9-546542
<銀
行> ゆうちょ銀行:〇一九(店番
号 019)当座 0546542
4)大会事務局
日本生理人類学会第 61 回大会事務局
〒173-8602 東京都板橋区加賀 1-18―1
東京家政大学 臨床栄養情報研究室
E-mail:[email protected]
TEL/FAX:03-3961-8092(市丸 雄平)
【研究部会レポート】
姿勢研究部会
藤原勝夫
(金沢大学大学院)
姿勢研究部会は,2008 年 3 月に発足いたしまし
た.日本生理人類学会会員をベースに,姿勢に関
係する他の学会関係者や企業の研究所の方などに
もご参加いただき,姿勢に関する広域に渡る研究
の情報・意見交換や交流を考えております.提供
していただく話題には,生理人類学会本会発表紹
介や,既にご発表された内容も含まれております.
参加費は,弁当・お茶代を含めて 1000 円としてい
ます.
第1回研究会は,2008 年 6 月 6 日(金)に大阪
市立大学で開催しました.演題数は 19 題,参加者
は 46 名でした.13 時に開会し,予定を3時間越
える 21 時まで活発な討論がなされました.本研究
部会の設立の趣旨と第1回研究会の演題は,日本
生理人類学会のホームページに掲載されておりま
す.
第2回研究会は,2009 年 5 月 16 日(土)の 10
時から 17 時 30 分まで金沢大学で開催しました.
研究会開催の案内は,日本生理人類学会のホーム
ページに掲載するとともに,2009 年 1 月に学会会
員の方に第1報としてお届けしました.2 月には
姿勢研究部会のホームページを開設しました.演
題・参加申込は,4 月 27 日まで受け付けました.
第2回研究会では,一般演題に加えて,指定演題
として「姿勢保持機能の左右差」を設けました.
下記に示す一般演題 11 題,指定演題 7 題について
活発に討議されました.参加者は 41 名で,充実し
た会となりました.
- 姿勢研究部会第2回研究会
一般演題
1
-
補償性踏み出しにおける利き足と非利き足
の違い
高倉
啓(山形大学 大学院理工学研究科
生体センシング機能工学専攻)
2
以上
前後方向の 4 つの足圧中心位置での片足立
ち保持における足部の支持パターン
村田寛一郎(福井医療短期大学 リハビリ
- 2 -
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テーション学科 理学療法学専攻)
3
2
勾配が同じエスカレータとオートスロープ
片足立位姿勢保持能の左右差
の安全性比較
清田岳臣(札幌国際大学 人文学部 心理
大野央人(財団法人鉄道総合技術研究所
学科 子ども心理専攻)
人間工学研究室)
4
3 歩行中の左右への揺らぎに関する研究;3
アルコール飲酒が脳認知機能と身体バラン
次元動作解析を用いた検討
ス機能に及ぼす影響
高橋隆宜(大阪市立大学 大学院生活科学
栗田俊治(イーストメディック株式会社)
5
研究科)
足底における中足骨骨頭部の最大加圧部位
4
への速度の異なる圧刺激と立位姿勢応答
中
正美(金沢大学 大学院医学系研究科
松村秋芳(防衛医科大学校 生物学教室)
5
滑りやすい床面へ踏み出す時の足の左右優
高齢女性における踵挙上筋力トレーニン
位性について
グが立位での両側上肢屈曲運動時の姿勢
実験-
制御に及ぼす影響
理工学部 建築学専攻)
域医学系)
6
7 「動き」の準備段階としてのベッド上ポジ
ショニングの再考
-高齢者を対象にした歩行
永田久雄(早稲田大学 理工学術院 創造
藤原勝夫(金沢大学 大学院医薬保健研究
一側上肢外転運動時の予測的姿勢制御に対
する視空間的注意の配分の影響の左右差
-「安楽」から「動き
冨田秀仁(豊橋創造大学 保健医療学部
の支援」への転換の試み-
理学療法学科)
新田淳子(特別養護老人ホーム 第2有隣
7
ホーム)
8
動的な姿勢調節機能の左右差:サッカー選
手による分析
環境医科学専攻)
6
静的および動的バランス保持条件における
前庭神経炎患者の Body Tracking Test
(BTT)について
床振動時の姿勢制御の適応に伴う視覚誘発
吉田友英(東邦大学 医療センター 佐倉
電位の変化
病院 耳鼻咽喉科)
伊禮まり子(金沢大学 大学院医学系研究
科 環境医科学専攻)
9
頚背部筋活動に伴う脳賦活作用の神経機構
国田賢治(札幌国際大学 スポーツ人間学
部 スポーツ指導学科)
10
運動準備時間が立位における上肢運動時
における随伴陰性変動と予測的姿勢制御
におよぼす影響
前田
薫(森ノ宮医療大学 保健医療学部
理学療法学科)
11
杖および杖先の形状の違いが不安定板上で
の立位姿勢に及ぼす影響
相馬俊雄(新潟医療福祉大学)
指定演題「姿勢保持機能の左右差」
1
腓腹筋およびヒラメ筋の筋厚の左右差
淺井
仁(金沢大学 大学院医薬保健研究
域 保健学系)
研究会当日の打ち合せ会において,次回の研究
会の開催について検討を行いました.参加者およ
び事前に頂いた先生のご希望をもとに,姿勢研究
部会第3回研究会は 2010 年 5 月 15 日(土)に金
沢大学において開催する予定で,準備を進めてお
ります.
「腰痛症」を指定演題として取り上げ,活
発な討論を行いたいと考えております.
連絡先
部会長:藤原勝夫(金沢大学 医薬保健研究域医
学系 運動生体管理学)
幹事 :外山 寛(金沢大学 医薬保健研究域医
学系 運動生体管理学)
〒920-8640 金沢市宝町 13-1
Tel: 076-265-2227 Fax: 076-234-4219
e-mail: [email protected]
姿勢研究部会ホームページ:
http://kanapos.w3.kanazawa-u.ac.jp/
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前田享史先生や北海道大学学生の皆さんには大会
準備のお忙しいなか多大な御協力をいただきまし
た.この紙面をお借りして御礼申し上げます.
幹事:国田賢治(札幌国際大学 スポーツ人間学
部 スポーツ指導学科)
〒004-8602 札幌市清田区清田 4 条 1 丁目 4-1
Tel: 011-881-9488
e-mail: [email protected]
【若手の会のレポート】
第 13 回若手研究者発表会
若林 斉
(九州大学)
若手の会は,生理人類学の若手研究者同士の交
流を深め,若手の研究の活性化を目的として活動
しています.現在の主な活動は学会大会時に行わ
れます「若手研究者発表会」です.今回は,第 60
回大会の前日に行われました「第 13 回若手研究者
発表会」について御報告いたします.
今回は石橋浩さん(北海道大学大学院生)に「暑
熱曝露時における生理反応とそれを修飾する要因
に関する研究」という題目で,また,西村貴孝さ
ん(九州大学大学院生)に「日本人における遺伝
的多型性と生理心理特性に関する研究」という題
目で御発表いただきました.石橋さんの発表では,
加速度脈波の測定による血管内皮機能の評価方法
や,被験者の最大酸素摂取量との関係から運動に
よる暑熱馴化の血管内皮機能への影響について議
論されました.また,西村さんの発表では,ミト
コンドリア DNA の遺伝子多型により分類したハ
プログループの生理心理特性について紹介され,
ミトコンドリアと代謝機能との関係性が体脂肪に
及ぼす影響について議論されました.
今回は約 40 名の参加者により会場が満員とな
り大変盛会でした.会後半から若手理事の先生方
も参加され,より活発な質疑応答が行われ,発表
者も今後の研究への有益な示唆が得られたことと
思います.さらに,発表会後の懇親会ではそれぞ
れの研究室の状況や学生生活などを話題に参加者
間の交流が深められ,非常に有意義な会となりま
した.本会の開催に際して,大会長の横山真太郎
先生には会場の利便性をも御配慮いただき,また,
発表会会場
・第 14 回若手研究者発表会
次回は第 61 回日本生理人類学会(東京家政大
学)の前日に開催を予定しております.若手研究
者の発表に加えて,若手の国際化へ向けた企画と
して,今夏に行われる International Conference on
Environmental Ergonomics の参加レポートを予定
しております.国際学会の雰囲気や会場周辺の写
真などを交えて研究報告を行いたいと思います.
なお,第 14 回以降の発表者を随時募集しておりま
す.現在進行中で研究結果がまとまっていないも
のでも,参加者からの意見を聞くことができる貴
重な機会となると思います.若手研究者の皆様の
ご発表とご参加をお待ちしております.また若手
研究者の指導的立場にいらっしゃる先生方におか
れましては,積極的な参加をお勧め下さいますよ
うお願い申し上げます.
上記を含めた若手の会の行事等については,学
会ホームページのほかに,メーリングリストでも
お知らせしております.メーリングリストを含め
上記に関する問い合わせについては,若林斉(九
州大学:[email protected])までお願
いいたします.
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【大会終了報告】
第 60 回大会を終えて
大会長 横山真太郎
(北海道大学大学院)
6 月 6 日(土)・7 日(日)の日本生理人類学会
第 60 回大会へ,173 名の方々に,遠路はるばる
お越し頂きましたことに,実行委員一同心から
のお礼を申し上げます.
北 海 道 で の 日 本 生 理 人 類 学 会 大 会 は , 1981
年 9 月に第 7 回を北大・百年記念館で開催いた
しました.そのときの講演は広重力先生と守和
子先生でした.少人数で密度の濃い内容と記憶
しています.学会形式となりました後の 1993
年 11 月の第 31 回大会を落藤澄大会長のもとで
お世話させていただきました.一般口演数は 55
題でした.また,2004 年 6 月には井上馨大会長
のもとに第 51 回大会を開催いたしました.一
般口演数は 37 題,ポスター発表数は 26 題,計
63 題でした.本 60 回大会では,一般口演数 32
題,ポスター発表数 39 題で,計 71 題となりま
した.その趨勢をみるに,本学会の発展が伺え
ました.
その反面,従来の運営形式では会場も時間も
窮 屈 と 感 じら れ る 方 もお ら れ る かも し れ ま せ
ん.法人化とともに,今後は大会運営方式を見
直す時期にあると感じました.
懇 親 会 では , 伝 統 ある 北 海 道 大学 応 援 団 の
方々のご協力を得て,「都ぞ弥生」の斉唱練習
を企画いたしました.これは,本大会の最終日
である 7 日(日)の終了時刻に,北大祭の最終イ
ベントとして“1万人の「都ぞ弥生」合唱”が
あり,時間の許す先生方に,北大祭を堪能して
い た だ け れば と 秘 か に思 っ て 企 画し た も の で
す.
学術面では,特別講演は別として,2つのシ
ンポジウムを開催することが出来ました.1つ
は,青柳潔先生(長崎大学)の司会による「フ
ィールドワークの方法論を巡って」であります.
2つめは,井上馨先生(北海道大学)の司会に
よる「生活活動を取り巻くヒトの多様性」です.
両方とも,大変有意義なシンポジウムであった
と感じました.これもひとえにシンポジストの
先 生 方 と 司会 の 先 生 方の お 陰 と 感謝 申 し 上 げ
ます.
また,実行委員会の先生方の全面的なご協力
のもと,紙面参加の北海道大学の学生を除くと
いう条件で,発表奨励賞の対象者を選んでいた
だきました.以下の方々に賞状とささやかな記
念品をお贈りし,第 60 回大会の大方の役割を
済ませることができました.発表奨励賞(講演)
は大村亮介君(九州大学),発表奨励賞(ポス
ター)は松尾麻子君(九州大学),発表奨励賞
(外国人)は李修ミン君(千葉大学)で,今後
の研究の発展を願っております.
最後に,未曾有の経済不況の中で,展示,広
告掲載,協賛を通じて大会の開催にご支援を賜
った関係各社に,心からのお礼を申し上げます.
シンポジウム「フィールドワークの方法論
を巡って」
【受賞者のことば】
2008 年度学会各賞の選考が行われ,学会賞,
優秀論文賞,奨励賞の各受賞者が決まり(論文
大賞は該当者なし),第 60 回大会時に開催され
た総会後に授賞式が行われました.受賞された
方々より以下のことばをいただきました.
学会賞受賞にあたって
栃原 裕
(九州大学大学院)
北海道大学で開催された第 60 回日本生理人
類学会において,平成 20 年度の学会賞を受賞
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しました.大変名誉なことであり,選考に係わ
った方々や長年英文誌編集に共に携わった
大中忠勝先生(福岡女子大学)に厚く御礼申し
あげます.
授賞理由として,「長年にわたり本学会の運
営 発 展 に 尽く し た と 共に 理 事 と して 長 年 に わ
たり多大なる貢献をされ,特に英文誌編集委員
長 と し て 本学 会 の 英 文誌 の 発 展 に大 き く 貢 献
しました」と記載されております.
私が,生理人類学の会誌と係わりを持ったの
は,生理人類学懇話会誌第1号(1982 年)から
で,編集委員長を拝命しました.編集委員(当
時の所属)は以下のわずか 9 名の方でした.
大越(千葉大学),大中(昭和大学),勝浦(千
葉大学),澤田(産業医学総合研究所),他谷
(海洋科学技術センタ-),中山(日本女子体
育大学),安河内(産業医学総合研究所),山崎
(九州芸術工科大学),横山(北海道大学).
この会誌はわずか 8 頁のものでしたが,翌年か
らは,本格的な会誌 THE ANNALS OF
PHYSIOLOGICAL ANTHROPOLOGY として年 4 号発刊
される運びになりました.これに伴い編集委員
も 18 名に倍増しました.ANNALS とは,当時の
我々にはなじみがない名称でしたが,佐藤方彦
先生が「アルファべット順の検索だと初めの方
に雑誌が紹介されるので好都合」とのことで決
定された記憶があります.
完全英文誌となり,年6回刊行されるように
なったのは 1995 年からで,その後の英文誌名
の変遷については,PANews(Vol.19,No.2, 2009)
に 書 か せ てい た だ き まし た , ご 覧く だ さ い .
1998 年以降は,英文誌に関与することは少なく
なりましたが,その後,九州大学芸術工学研究
院の研究グル-プが文部科学省の 21 世紀 COE
プログラム「感覚特性に基づく人工環境デザイ
ン研究拠点」が採択され,その成果を英文誌に
特集号として 2 号にわたって 48 報の論文を掲
載させていただきました(2004 年,2005 年).
幾分かでも,英文誌の発展に寄与できたかと思
います.
日本生理人類学会の益々の発展を祈念して,
お礼の言葉とさせていただきます.
優秀論文賞を受賞して
青木幹太
(九州産業大学)
この度は,日本生理人類学会誌 13 巻 1 号に
掲載されました私どもの論文「12 週間の有酸素
運 動 が 運 動習 慣 の な い若 年 者 の 温熱 環 境 下 の
起立性循環調節反応に及ぼす影響」に対し,平
成 20 年度日本生理人類学会優秀論文賞の栄誉
を頂き,心から感謝申し上げます.大変名誉な
ことであり,嬉しく思うとともに身の引き締ま
る思いでいっぱいです.
今回の受賞対象となりました論文は,若年総
人 口 の う ち運 動 を 習 慣的 に 行 わ ない 若 年 者 が
多数を占めていることに注目し,運動習慣のな
い 若 年 者 が定 期 的 に 有酸 素 運 動 を行 っ た と き
に,直立二足姿勢をとるヒトにとって重要な抗
重 力 機 能 であ る 起 立 性循 環 調 節 反応 に ど の よ
うな影響を及ぼすかを調べたものです.実験に
用いた有酸素運動は,自転車エルゴメータで運
動負荷量を被験者の 60%最大酸素摂取量水準
の心拍数に設定し,運動群8名について週3回,
1回 30 分,12 週間,定期的に実施しました.
その結果,運動群では仰臥位から体幹傾斜角 60
度への体位変換時に,温熱的中立環境下で心拍
数が有意に低下し,暑熱環境下でも心拍数の低
下 傾 向 や 一回 拍 出 量 の増 加 傾 向 が認 め ら れ ま
した.本研究の結果より,今日,大多数を占め
る 運 動 習 慣の な い ヒ トに 約 3 ヶ 月程 度 の 定 期
的な有酸素運動を実施すると,温熱的中立環境
下 お よ び 暑熱 環 境 下 にお け る 起 立性 循 環 調 節
反応を亢進させ,起立性循環調節反応の機能的
潜 在 性 の 一部 を 顕 在 化さ せ る 可 能性 が 示 唆 さ
れました.
本 研 究 は研 究 期 間 が長 期 に 及 ぶこ と や 大 量
のデータ解析に多大な時間がかかるなど,共同
研究者の先生には多くのご指導・ご協力を頂き
ました.この場をお借りしてお礼を申し上げま
す.また被験者として研究に協力してくれた多
くの学生君達に感謝申し上げます.
最後になりましたが,日本生理人類学会のま
す ま す の ご繁 栄 と 学 会員 皆 様 の ご活 躍 と ご 健
勝をお祈り申し上げ,ご挨拶とさせて頂きます.
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【会議録】
2008 年度第 6 回理事会議事録抄
奨励賞を受賞して
李花子
(千葉大学)
日本生理人類学会誌の 13 巻 2 号に掲載され
ました私共の論文「単波長の光曝露に対する生
理反応」が日本生理人類学会の論文奨励賞を受
賞 す る 栄 誉を 頂 い た こと に 心 か ら感 謝 し て お
ります.
これは指導教員である千葉大学の勝浦哲夫
先生や岩永光一先生,下村義弘先生の存在がな
か っ た ら でき な か っ たこ と で あ ると 思 っ て お
ります.この場をお借りして,先生方に心から
御礼を申し上げます.
今回受賞対象となりました論文は,脳波と瞳
孔 径 の 測 定を 中 心 に 昼間 の ヒ ト の覚 醒 水 準 と
瞳孔の反応に関する光の波長(458,550,670 nm)
の効果を検討したものであります.
458 nm の単波長光曝露は他の波長に比べよ
り高い覚醒水準を誘発し,瞳孔収縮を大きく引
き起こし,曝露中縮瞳を維持することが明らか
となりました.この覚醒と瞳孔の変化は,近年
の 460 nm 付近の短波長光にメラトニン抑制の
ピ ー ク 感 度が あ る と いう 先 行 研 究の 結 果 に 近
く,中枢神経系の覚醒水準に対するピーク感度
は メ ラ ト ニン 抑 制 と 同様 に 青 色 の領 域 に あ る
可能性が示唆されました.
最近,光反応に対する波長の依存性が報告さ
れていますが,これらの研究はほとんど夜間の
メ ラ ト ニ ン抑 制 や 位 相変 化 に 関 する も の で あ
り,昼間の覚醒水準に及ぼす影響を明確に示し
た研究は今までなかったと思います.本論文は
昼 間 の 単 波長 光 曝 露 がヒ ト の 生 理反 応 に 与 え
る 影 響 に 関す る 研 究 の端 緖 と な るも の と 考 え
ております.
最後になりますが,この度の受賞という結果
により,千葉大学人間生活工学研究室の成果と
し て わ ず かに 寄 付 で きた こ と に 喜び を 感 じ て
おります.もう一度,この場をお借りして本研
究 に 協 力 して く れ た 方々 に 心 か らお 礼 を 申 し
上げます.今回の受賞を励みに,より一層,研
究活動に精進して頑張ろうと思っております.
日
時
:2009 年 3 月 7 日(土)14:00~17:00
場
所
:芝浦工業大学(東京・豊洲)5 階大会議室
出席者
:勝浦哲夫会長,安河内副会長
石橋圭太,井上芳光,岩永光一,岡田明,
草野洋介,工藤奨,古賀俊策,曽根良昭,
恒次祐子,栃原裕,橋本修左,原田一,
樋口重和,福島修一郎,前田享史,宮野道雄,
山崎和彦,横山眞太郎,綿貫茂喜
各理事
(敬称略)
1.報告事項
1)会務報告
(1)総務(岩永・前田):会勢(2008/2/23 時点):正会
員 912 名,海外会員 19 名,賛助会員 14 団体,購読会
員 12 団体,名誉会員 5 名,会友 1 名
(2)財務(石橋):2008 年度決算のスケジュールについ
て
(3)英文誌(安河内:総務代読)
:編集・刊行状況につい
て
(4)和文誌(宮野):編集・刊行状況について
(5)広報誌(岡田):編集・刊行状況について
(6)国際(原田): ICPA2010 について(メインテーマ:
People(s) and Place,会期:2010/8/31(火)~9/3(金),
場所:フリーマントル(パース市))
(7)研究部会(横山・井上芳)
:研究部会の開催予定につ
いて(ものづくり研究部会:2009/3/7 北海道大学,
姿勢研究部会:2009/5/16 金沢大学)
(8)法人化(樋口・福島)
:調査結果について(法人化(一
般社団法人)のデメリット,大会運営・和文誌編集・
研究部会,維持費用,納税など)
(9)共同研究推進(綿貫)
:韓国感性科学会との合同シン
ポジウムについて
2)第 60 回大会について(横山大会長・北海道大学):
準備状況,演題募集,参加費等について
3)役員選挙について(小林選挙管理委員長:総務代読):
評議員選挙の結果,理事選挙の状況について
2.審議事項
1)2008 年度仮決算について(石橋)
2)会員の再入会について(岩永)
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3)理事会交通費支給規則の一部改定について(石橋)
現状報告:最終原稿6編,最終原稿待ち1編,査読補筆
4)法人化について(樋口・福島)
中 11 編,新規投稿2編
5)学会各賞の選考について(工藤):選考結果について
4.第 60 回大会(北海道大学,横山大会長)について
・学会賞:栃原裕氏(九州大学)
(前田)
・論文大賞:該当論文なし
5.第 61 回大会(東京家政大学,市丸大会長)について
・優秀論文賞:
「12 週間の有酸素運動が運動習慣のない
(下村)
若年者の暑熱環境下の起立性循環調節反応に及ぼす
日程:9/26~27(理事会は 9/25),場所:東京家政大学
影響」日本生理人類学会誌 13(1)27-38,2008(青木
幹太,石橋圭太,前田享史,樋口重和,安河内朗)
<審議事項>
・奨励賞:李花子氏(千葉大学)
1.2009-2010 年度
会長の選出について
理事による互選の結果,勝浦哲夫氏が選出された.
2009 年度第 1 回理事会議事録抄
2.2009-2010 年度
副会長の選出について
会長による指名で宮崎良文氏,安河内朗氏が選出された.
日
時
:2009 年 5 月 9 日(土)13:00~15:10
3.2009-2010 年度
会長推薦理事の選出について
場
所
:芝浦工業大学(東京・豊洲)交流棟4階 401 室
(1)会長による推薦で,青柳潔,安納住子,市丸雄平,
出席者
:石橋圭太,岩永光一,勝浦哲夫,草野洋介,
井上芳光,岡田明,甲田勝康,小谷賢太郎,
工藤奨,古賀俊策,小林宏光,下村義弘,
仲村匡司,橋本修左,福島修一郎,山崎和彦(敬称略)
中村晴信,原田一,樋口重和,前田享史,
の 11 名が選出された.
宮崎良文,安河内朗,綿貫茂喜
各理事
(2)小谷氏が会長推薦理事に選出されたのを受けて,監
(敬称略)
事候補として信田聡氏が選出された.
(3)上記,会長推薦理事,監事の就任について,小林選
<報告事項>
挙管理委員長が諾否の確認を行うこととなった.
1.会勢報告(岩永)
4.2009-2010 年度
各担当について
・4/30 現在(カッコ内は 2/23 時点)
:正会員 867 名(912),
①総務:安納住子,石橋圭太,岩永光一
海外会員 19 名(19),賛助会員 13 団体(14),購読会員
②企画・法人化:工藤奨,中村晴信,樋口重和
12 団体(12),名誉会員 5 名(5),会友 1 名(1)
③財務:甲田勝康,前田享史
2.役員選挙報告(小林選挙管理委員長)
④英文誌:安河内朗
1)評議員選挙
⑤和文誌:宮野道雄
正会員 806 名に投票用紙送付(1/8,締切 1/23).投票数
⑥会報:岡田明,福島修一郎
159 通(有効投票数 151,無効7,棄権1).5 票以上獲
⑦国際:恒次祐子,原田一
得した 124 名を選出.121 名が確定(辞退 3 名).
⑧研究助成:古賀俊策,小谷賢太郎,小林宏光
2)理事・監事選挙
⑨研究部会:井上芳光,横山真太郎
評議員 121 名に投票用紙送付(2/20,締切 3/1).投票数
⑩HP:下村義弘,仲村匡司
70 通(有効投票数 66,無効 4).
⑪共同研究推進・PA デザイン:曽根良昭,綿貫茂喜,
(1)理事:以下の通り,得票数上位の 20 名を選出した.
宮崎良文
石橋圭太,岩永光一,勝浦哲夫,草野洋介,工藤奨,
⑫資格認定:橋本修左,山崎和彦
古賀俊策,小林宏光,下村義弘,曽根良昭,恒次祐子,
⑬倫理:青柳潔,市丸雄平
栃原裕,中村晴信,原田一,樋口重和,前田享史,
⑭教科推進:草野洋介,栃原裕
宮崎良文,宮野道雄,安河内朗,横山真太郎,
綿貫茂喜(敬称略).
(2)監事:最多得票者が理事に選出されたため,得票数
2 位および 3 位を繰り上げ当選とし,森川岳,
小谷賢太郎(敬称略)が候補者として選出された.
3.和文誌(総務代読)
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from Editors
次号(9月末発行)の原稿締切は9月1日(火)
▽今回のVol.19, No.4(7月号)からPANewsの担当
者が新たな組み合わせになりました.これまで
の編集内容を継承しつつ,徐々に新しい企画を
盛り込んでいきたいと思います.
これからもよろしくお願い申し上げます.
会報担当理事:岡田 明(大阪市立大学大学院)
福島修一郎(大阪大学大学院)
PANews編集事務局:
〒558-8585 大阪市住吉区杉本3-3-138
大阪市立大学大学院生活科学研究科
居住環境学講座 岡田明
e-mail [email protected]
〒560-8531 豊中市待兼山町1-3
大阪大学大学院基礎工学研究科
生体計測学講座 福島修一郎
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