1 司会) 本日は大変寒い中ご来場いただき、誠にありがとうございます

司会)
本日は大変寒い中ご来場いただき、誠にありがとうございます。司会進行を務めます武
藤と申します。よろしくお願いいたします。失礼ですが、着席し進行させていただきます。
まず、注意事項をいくつかご案内いたします。カンファレンスは、休憩を挟みながら進
行させていただきますが、休憩の際、喫煙される方は大変申し訳ございませんが正面玄関
を出た向かいに臨時の喫煙場所を設けておりますので、そちらをご利用ください。
携帯電話はマナーモードにご協力をお願いいたします。あと、カンファレンス進行中は
インターネットを介した情報発信についてはご遠慮いただきたいと思います。こちらにつ
いてもご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
本日の内容は、後日アルビレックス新潟のホームページに議事録として掲載をさせてい
ただきますので、あわせてご承知おきください。
本日の会の目的としまして、皆さんと問題や課題を共有させていただきながら、また来
季に向けて皆さんと一緒に共に歩んでいける、そんな建設的な場となればと思っておりま
す。こちらもご協力をお願いいたします。
また、受付の際に皆さんに資料をお配りさせていただいております。こちらにつきまし
ては、このカンファレンスにお申込みをいただいた際にクラブに対する質問や意見を頂戴
しております。それに対し回答できるものはすでに赤字で回答を記載させていただいてお
ります。ただ、選手の移籍に関する部分等、個人の情報に関する部分等は資料上には記載
しておりません。ただ、皆さんからいただいた質問は全て事前に目を通し、本日各担当や
社長を含めて話をさせていただきます。
その他、ポッカサッポロさんからご提供いただいたお茶もお配りさせていただいており
ます。気軽に飲みながら長時間になりますが、皆さんと有意義な時間を過ごせればと思い
ますので、よろしくお願いいたします。
では、早速ではございますが、これよりサポーターカンファレンスを開始させていただ
きます。はじめに社長の田村よりご挨拶させていただきます。
田村)
皆さんこんにちは。今日は晴れていますが、まだ雪が積もっている中、カンファレンス
にご足労いただきましてありがとうございます。毎年、このカンファレンスを開催してお
りますが、今日はちょっと参加者が少ないですね。
皆さんから事前に受け付けているご意見・ご質問は極力お答えできるようにしたいと思
っております。多くは最終戦カシマでの代替試合について。それと選手のシーズン途中で
の移籍についてが主な質問だったように思います。詳しく言えるところと、言えないとこ
ろもありますが、ツイッターとかブログとか色々やられている方もいると思いますが、そ
こは皆さんを信じてお話しします。オフレコの部分もあるので、そういう部分が載ったら
次の時はなかなか話せなくなってしまうので、そこは皆さんご了解いただきたいと思いま
す。
まずは代替試合の件ですが、我々もチームも別の会場で最終戦を開催することになり、
非常に残念な結果になりました。ただ、シーズンを通して応援いただきまして、本当にあ
りがとうございました。後ほど項目ごとに話をしていきますが、まずは皆さんに一年間サ
ポートいただいた御礼ということで、挨拶とさせていただきたいと思います。
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ビッグスワンの中は今も真っ白な雪の世界です。こういう中で試合を開催するというの
は、なかなか難しいことです。新潟も近年、12 月中はそんなに多くの雪が降る状況ではな
かったのですが、今年はこのような状況です。今年の春は甲府も大雪、日本の各地で季節
外れの積雪がある状況です。この前の U-18 の試合も広島で開催でしたが、雪の影響で順延
になりました。降雪地域のチームとしては、シーズンが移行することについては反対して
いきたいと思いますし、ただ 12 月だけを取り上げると「最終戦がこのような状況ではシー
ズンを秋春制に変えて、5 月にした方が良い」と返される可能性もあるので、そこはうまく
議論していきたいと思います。来年早々に降雪地方のチームだけが集まって意見交換をす
る場が設定されております。そういう場でしっかりと話をしていきたいと思います。
もちろん、選手がプレーする面だけではなく、我々はサポーターの皆さんに「より快適
で安全な試合運営」を心掛けていますので、
「雪の降る中試合を観ていただくことが本当に
サッカー観戦に適したシーズンなのか」と疑問に思っております。ヨーロッパも雪は降り
ますが、あまり多く降る所ではないです。気候の変化によって、ヨーロッパは少し暖かく
なっていると聞いていますが、おそらくこのような雪の中では試合はできない。これは多
分、中国や韓国も同じ状況だと思います。
この後、項目を分けて話をしたいと思います。まずは一年間のサポートに対して感謝申
し上げます。ありがとうございました。
司会)
続きまして、本日出席させていただいている強化部長の神田から一言ご挨拶をさせてい
ただきます。
神田)
皆さん、一年間チームをサポートいただきまして、ありがとうございました。チームは
ACL 出場を目指そうという大きな目標を掲げて、そのためにはどうしたら良いのかというこ
とで取り組んでまいりましたが、残念ながら 12 位という結果でした。
まずは、今シーズンの反省・課題を踏まえ、皆さんの大事な意見をいただきながら、来
季にいかしていければと思っております。本日はよろしくお願いいたします。
司会)
続いて営業部長の山本よりご挨拶させていていただきます。
山本)
こんにちは。本日は年末のお忙しい中でまた足元の悪い中、ご参集いただきましてあり
がとうございます。
一年を通じて、サポーターの皆様には熱くチームを後押ししていただきました。本日お
集まりの中には、サポーターの方だけでなく、運営ボランティアの方もいらっしゃいます。
そういう皆様の様々な形でのサポートが、素晴らしいスタジアムづくりや選手のパフォー
マンス発揮の後押しとなることにつながるので、本当に感謝を申し上げます。
本日、出席のクラブ職員・スタッフ、また参加できていない育成普及や強化のスタッフ
も皆様と同じで、日々『アルビレックス新潟』をどうやって支えて、成長させていけば良
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いのかを考え、真剣に取り組んでおります。本日お集まりの皆様とは様々な角度から意見
交換をし、情報共有をしたことが来年につながり、素晴らしい一年となるよう努めて参り
たいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
司会)
クラブスタッフも本日参加させていただいております。簡単に紹介させていただきます。
まずは、協賛や広告・パートナー企業さんとの連携・セールス管理を行っております営
業チームの桑野・池田・武藤駿輔・山本浩二です。その隣はチケットやシーズンパスの販
売・自治会の招待活動を行っております、國井・白川・加茂・村山です。続いて運営チー
ムです。トップチームやレディースチームの試合運営を行っておりますが、私、武藤惇史・
根津・庭野です。その隣がお馴染みだと思いますが広報の栗原です。後方に井伊も参加さ
せていただいております。次が飲食売店やグッズ開発・販売を担当している井上。後方に
山口がおります。続いて後援会のスタッフです。吉留・速水・藤田と 3 名参加しておりま
す。あとは、総務・経理を担当している津野・中島がおります。このメンバーで本日は実
施させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、ここでメディアの方は申し訳ございませんが退室となります。
~メディア退室~
では、ここからは皆さんにお配りしている進行表に従い進めさせていただきます。先ほ
ど、社長からも話をさせていただきましたが、事前に皆様からいただいた質問で多かった
部分をテーマとして取り上げております。
まずは、最終戦カシマでの代替試合について田村よりご説明させていただきます。
田村)
座って報告させていただきます。
12 月 6 日の朝 5 時、6 時ぐらいですね。夜、深々と降る雪ですごく静かだなと思ってい
たら、どっと積もっていた。その中で、運営の武藤を中心にビッグスワンに行ってもらい、
行く途中も除雪がまだ追いついていないので、なかなかたどり着くことも大変だったと思
いますが、とても試合が開催できる状況ではない。皆さん、今日ここに来られる際に、ビ
ッグスワンの屋根の雪が落ちている雪山を見ましたよね。あれがコンコース上に落ちてく
る。5 センチの雪でも溜まって落ちてきますから、相当な重さになって非常に危険です。あ
とは E ゲート前広場も真っ白でしたが、あそこの除雪や駐車場の除雪、交通機関も一部止
まっていたので開催は無理だと判断しました。例えば関東のように、その日降っても次の
日晴れてちょっと雪かきをすれば大丈夫という状況ではなかったですね。予報は次の日も
非常に荒れる。寒波はだいたい一週間周期で来るものですが、ご覧の通り次の週も、また
今週も荒れた状況です。
ビッグスワンは 12 月 13 日、
14 日と陸上の強化研修会ということで使用する予定もあり、
我々が試合をするので空けていただくことも出来ませんので、ビッグスワンで試合を行う
のは非常に難しいだろうと。そう考えながら J リーグと連絡を取り、どこのタイミングで
試合を行うかと。ひとつが一週間後、もうひとつが次の日、日曜日ですね。でも次の日に
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試合というのはなかなか難しいので、最短で月曜日ということでした。
J リーグアウォーズの関係というだけではなく、チームの希望も聞きました。柳下監督に
確認をしたら「明日試合をするのが一番良い」と。土曜日の試合に向けてコンディション
を上げているので、タイミング的には明日が良いと。「一週間後よりも早い方が良い」とい
う現場のリクエストがあって、J リーグと確認しながら代替会場を探そうということで、サ
ポーターの方が行きやすい関東、それから仙台等、くまなく当たってもらいました。
私もレイソルさんに話をして、本来ホームとアウェイが逆になってしまいますが、皆さ
んの行きやすさとかコンディションを考えると柏サッカー場も候補であると。
「日立の持ち
物なので会場は空いています」ということでしたが、「少し待ってください」という話にな
りました。皆さん、会場が空いてれば簡単に試合が出来ると思っている方も多くいらっし
ゃると思いますが、試合を開催するというのは大規模イベントの開催になりますので、事
前に警察や消防、近隣住民の方に確認が必要です。特に、警察・消防は土日ですからなか
なか動かない場合もあります。近隣住民については、ビッグスワンやカシマのように周り
に住宅が少ないところは可能性があると思いますが、日立柏サッカー場の周りは住宅地、
駅前からサッカー場まで交通規制をしたりする必要があります。半日交渉しましたが、結
局開催はできないということになりました。
関東は全部確認して、「昇格プレーオフの後で同じ会場で」という話もあったのですが、
それもお断りされまして、唯一あったのがカシマ。あったと言うのではなく、無理やりつ
くってもらったのですね。本来、カシマスタジアムでは企業のイベント予定があったよう
ですが、事情を説明して延期してもらい、我々の試合を開催させていただくことになりま
した。
J リーグアウォーズの日程等、色々と言われていますが、まず会場が空いていない。次
に今後の天気の予測、それからチームのコンディションを考えて今回の代替開催になりま
した。
代替試合を受けていただいた鹿島の皆さんは前日の練習もクラブハウスを貸していただ
いて、非常に感謝しています。鹿島は 2011 年に震災があって、その恩返しも含めて対応し
ていただいたということで、サッカーファミリーとしては、我々も震災を受けたチームな
ので非常にうれしかったと思っております。サッカーはそういうところで機動力と言いま
すか、うまく表現はできませんが、温かい部分はあります。杓子行儀ではなく、しっかり
その状況を考えて対応していただき、非常にありがたいことだと改めて感じました。
そういう人たちへの感謝、あとは急遽の試合で中継して下さったスカパー!さん。本当
に急遽の放送ですよね。スタッフやカメラクルーも含めて対応していただき、尚且つメデ
ィアシップで、パブリックビューイングもしていただきました。パブリックビューイング
も「放送が映れば良いだろう」と考えていらっしゃるかも知れないですが、色々な調整、
もちろん新潟日報さんのご尽力もあります。そして、スカパー!さんには本当に感謝して
おります。ビッグスワンでパブリックビューイングも考えましたが、そのような状況でも
なかったので、約 200 人でしたが、メディアシップで開催させていただきました。恐らく
飲食店等、スカパー!が見られる環境で皆さん集まって観た方もいると思います。
皆さんの気持ちも十分理解できますが、そういう状況であったということはご理解して
いただきたいと思いますし、本当に色々な方々の協力・支援があったということをまずは
知っていただきたいと思います。
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もうひとつは、最終戦でしたので 3 万人以上入る想定で開催を計画していました。チケ
ット販売もそのような状況になっていました。その「利益が出るであろう」、「収入が得ら
れるだろう」という部分の補填と言いますか、手当てについては J リーグ側から何らかの
支援があると報告は受けています。
ただ、色々な部分で損失は出ています。飲食売店さんは当日のキャンセルですから食材
や人の手配。シーズンパスの払い戻し。それらについては、J リーグと話をしながらトータ
ルでアルビレックスがどの位マイナスになったのか、通常であればどの位の収入・利益が
出たのかというところの差を埋めてもらうということになると思います。
今申したことを含めて、この代替試合を開催するだけでも相当な労力が掛かっていると
いうことをご理解いただきたいと思います。これについては、先ほど申しましたが 1 月に J
リーグで降雪チームを集めての話がありますので、詳しく話をしたいと思っております。
最終戦のセレモニーについても一部の方からは「新潟に帰ってきて実施して欲しい」と
いう話がありましたが、まずはチームスケジュールを優先しました。ブラジル人選手の帰
国タイミング、もちろんその次の日は J リーグアウォーズがありました。それ以降の契約
交渉スケジュールも含めて、残念ではありましたが、カシマスタジアムで最終戦セレモニ
ーを実施するということにしました。
そのような状況も含めて、今回のカンファレンスはなるべく早いタイミングで実施して、
皆さんにお知らせしたかった。もちろん、皆さんの気持ちの部分は、なかなか晴れる訳で
はないと思いますが、まずはチームの色々なスケジュールを優先させていただいたという
ことでございます。来シーズン始まるときは、ぜひ激励会等で選手に声を掛けていただき
たいと思います。
代替試合の開催経緯と補填について、最終戦セレモニーについては以上でございます。
司会)
この件は本当に多くご質問をいただいておりまして、皆さんにお配りした資料にも記載
させていただいております。それを踏まえて今、社長から話をさせていただきました。
本日もビッグスワンの屋根から落雪が起きていますが、本当に危険な状況です。交通ア
クセスの問題、ピッチ上の問題もそうですし、まずはお客様の安全第一というところを踏
まえ、皆さんのお気持ちは重々分かりますが、カシマで試合をさせていただきました。
実際、我々もほぼ全スタッフがホームゲームですので、カシマに行って試合運営を行い
ました。鹿島アントラーズさんをはじめ、スタジアムさんにも本当に良くしていただきま
した。これは各々社員が感じていると思いますし、中 1 日であれだけの大きなスタジアム
を運営するという大変さも改めて認識しました。クラブハウスを他のチームに貸し出すと
いうこと事態、あまりないと思いますが、そこもご協力いただいて、本当に鹿島さんの協
力なくしてという部分がございます。「平日の夜に・・・」という皆さんの気持ちも分かるの
ですが、そういった経緯もありますので、その点はご理解いただければと思います。
続いて、2014 シーズンの統括、チーム強化やシーズン途中の移籍をテーマに話をさせて
いただきたいと思います。
田村)
先程、神田強化部長から話があった通り、掲げた目標を達成できなかったことに関して
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は、大変申し訳なく思っております。反省すべき部分がたくさんあると思います。そうい
う意味では、
「来年の課題が逆に浮き彫りになった」と神田強化部長と柳下監督と一緒に話
をしているところでございます。
補強ポイント、補強する選手も監督と相談しながら進めております。色々な監督がいま
すが、過去、我々が経験している監督の中では監督と補強ポイントの話をし、もちろん予
算の関係もありますが、強化部が候補を挙げて、その中で協議して選んでいる。第一候補
がダメだったら、第二・第三候補となりますが、そんな形でチームを構築しています。監
督がピンポイントでこの選手という場合もあります。
来シーズンは何と言っても得点力をアップするというところが課題です。シュートの本
数はおそらく上位から 3 番目とか 4 番目位だと思います。ただ、決定力は低い。すごくア
バウトなのですが、シュート数は多いですが、ペナルティーエリア内でのシュート数はそ
んなに多くないと思っています。データはまだ調べていないのですが、要するにペナルテ
ィーエリア外からのシュートは多いでが、ペナルティーエリア内での決定的な場面が少な
かったと思っております。そこを突き詰める必要があると思いますし、クロスは多いでが、
クロスに対しての得点が非常に少ない。それはクロスを上げる側と合わせる側、アルビレ
ッジで練習を見ている方は良く分かると思いますが、相当トレーニングしております。そ
こは柳下監督だけでなくて、これまで反町監督、鈴木淳監督、黒崎監督、みんな同じよう
なトレーニングをしております。でも、昨年はクロスの出し手と受け手がうまく合ってい
たところが、今年はなかなか合っていなかったのではと思っています。ここの部分も改善
点であると思っています。選手の個々の質というよりも、明確な課題の中でどうやって力
を発揮できるというところがテーマになります。
J1 に上がって 10 年以上経ちます。10 年以上経つから目標を高く掲げるということでは
ないのです。それだけの準備ができたということで、我々は捉えています。要するに、た
だ単に年数を重ねただけで安定していないチームづくりをしていれば、いつでも J2 に降格
する可能性もある。それは能力のある選手が揃っていても同じです。そういう意味では、
今シーズンはどういう相手であっても一方的にやられる、手も足も出ないような試合はな
かったですし、逆に我々が主導権を握っている試合が多かった。それはひとつの成果だと
思っております。監督と強化部長も同じように考えていますので、そういった意味では前
進していると思います。でも、結果は結果なので、そこは改善していきたいと思います。
2004 年に J1 に入って、反町監督で二年間やりましたが、全く手も足も出ない試合が何試
合あったか数え切れない程ありました。試合をやっていて、点が入りそうにない試合を数々
見ました。反町監督も本来ではあれば 2004 年に退任するという話をしていましたが、2004
年に中越大震災があり、やはりそこで「県民の皆様にもっとサッカーを通じて勇気を与え
たい」ということで、もう一年指揮してもらいました。
2006 年からチームを変革していくということで、鈴木淳監督に代わりました。その時は
ボールが持てる選手、決定力のある選手を獲得する予算もクラブにはありました。後ほど
お金の話をしますが、私が社長になって皆さんが「お金・お金」ばかりだと言いますが、
お金がなかったらやっぱり良い物・良い準備はなかなか難しい世界です。
「お金がない中で
やるからそれが良いのではないか」という人もいると思いますが、それでは長く続かない
です。その時は一瞬輝きを放つことは出来るかも知れませんが、我々が目指すのは、常に
優勝を争えるチームをつくっていくことです。若い選手もベテラン選手も外国人選手もい
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ながら、それを目指していくのにはやはり選手のベースも上げていかなければならない、
環境も整えていかなければならない。だからと言って、すべてお金で解決できるものでは
ありません。色々な部分がありますが、そういうところを我々も皆さんから理解してもら
いながら、クラブを盛り上げていかなければならないと思っております。
後ほど細かい数字は言いますが、2005 年が J1 リーグ二年目で一番ピーク、平均 4 万人入
場していました。J2 から J1 に上がった時にすごく期待感と盛り上がりがあり、今の松本山
雅に近いところはあると思います。今までサッカーを観ていなかった人も興味を持ち始め
た。今のように日本代表の選手がたくさん海外で活躍していることもほとんどなかった。
その時は J リーグに日本代表の選手がたくさんいましたので、ビッグスワンに来れば観ら
れる。2002 年から 2003 年の J2 の頃は、ホームでほとんど負けなかったですね。引き分け
はありましたが、皆さん応援に来ると非常に喜んで帰っていただいた。それが J1 に上がる
と力の差があって、どうしても勝てなくなり、観客も少なくなっていく。そういう状況を
変えなくてはならないということで、その時はまだ移籍金の制度が変わっていなかったの
で、1 億、2 億、3 億と移籍金を払いながら、J1 の名だたる選手を補強しました。それでチ
ームの骨格をつくっていった。
その選手がいなくならないうちに若い可能性のある選手を強化部がスカウトしてきて、
それに次ぐ選手を育成していこうと。そういうチームづくりでした。それがようやく実を
結んで、東口順昭や川又堅碁、鈴木大輔、今新潟にいる選手で言うと大野和成や舞行龍ジ
ェームズ。そういうチームづくりをしてきました。
ただ、そういう選手が最初はプロになりたてなので、だいたい年俸 480 万位からスター
トするのですが、活躍すれば倍になり、1,000 万、2,000 万、それ以上になっていくという
ことですよね。それを会社の収入が同じで選手が同じであれば、1,000 万の選手を 2,000 万
や 3,000 万にすることはできないですよね。今年の収入が例えば 25 億で、選手にかける費
用が 11 億、12 億だったら、来年も同じ 25 億の収入であれば選手のベースをあげることは
できない。だから、我々は頑張って収入を上げるように努力しなければならない。選手を
残すこと、今年は例年以上にそれを強く、皆さんの想いを持ってやっているところでござ
います。
「選手を残すためにいかに良い条件を出せるか、良い提示が出せるか、残ってくれ
る環境がつくれるか」ということになってくるので、あまり私もお金の話はしたくないの
ですが。普通に収入も上積みがあれば、全くこのような話も必要ないです。でもそうでは
ないので、非常に難しいから皆さんに話をするということです。
本当に細かい数字のところは休憩後に話をしますが、チームの来年の課題と目指すべき
ものはやはり高い位置、先ほど申したように J1 に入ったばかりのチームとは違います。上
積みがありますし、安定感が出てきました。だからこそ、上を目指したい。出来ないこと
ではないと思います。今年の鳥栖や二年前の仙台も我々とはあまり変わらないチーム人件
費の中で取り組んでいます。我々の方がおそらく可能性のある選手は多いですし、そうい
う意味では、柳下監督をはじめ選手を信じております。
来年こそタイトルを獲りたいですし、優勝争いもしたいと思っています。今年、天皇杯
で山形が決勝まで行きました。
「アルビが途中で長崎に負けたからこうなった」と言われれ
ばそれまでですが、タイトルが獲れる可能性は十分にあると思います。可能性があるから
そういう目標設定ができるのであって、繰り返しになりますが、2004 年・2005 年の当時は
その時で一生懸命頑張っていたと思いますが、当時のチーム力と比べたら相当変わってい
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ると思いますので、ぜひそういう目でサポーターの皆様も見ていただきたいなと思います。
選手の移籍の話は神田部長にバトンタッチしますが、来シーズンからは 1st ステージ、
2nd ステージ制になります。我々も経験しているので、ある程度対応もできるし、柳下監督
も経験しているので大丈夫だと思っていますが、ひとつ変わるのは移籍ですね。2009 年以
前は、契約が切れてもそのクラブが来季契約する意思があれば、契約が切れる年でも切れ
た段階でも違約金はもらえたのですが、FIFA のルールに合わせるようになった。でも、本
当は合わせなくて良かったのです。FIFA は国内ルールは独自にあって良いと。それによっ
て何が変わるかというと、例えば 1st ステージで成績が思ったより低かったチームは、成
績が高かったチームからあと半年で契約が切れるような選手を引き抜くことができるので
すね。今のルールでは半年経てば違約金が少額になったり、契約が切れれば掛からないか
らこのようなことが頻繁に起こるのでは、と思っております。
新潟の場合は、まだまだ複数年の契約選手が多いので、そういう事態にはならないと思
いますが、もし前半戦調子が良くて、すごいストライカーがいたら抜かれる可能性も十分
にあります。そういう状況の中での 1st、2nd ステージになりますので、見極めないと足元
をすくわれることもあります。ただ優勝のチャンスは二回に増えますので、短期決戦にな
りますがしっかり戦って参ります。昨年の後半戦では一位でしたので、そういう可能性も
十分広がるとプラスに捉えています。移籍についてはそんなことが来年変わってくるので
はと思っています。
神田)
チーム強化・選手移籍ということで、私から話をさせていただきます。
2013 年の戦いを振り返った時に今社長が話をした通り、もし 2 ステージ制であれば後半
戦は一位でした。2014 年に向けて積み重ねという部分と今の現有戦力が残れば可能性は十
分あると思い、それを目指してやってきましたが、二つ、三つの移籍がありました。でも、
それを補う選手が加入してくれたと感じる 2014 年でした。
毎年感じるのですが、積み重ねが大事だということです。その中で選手の移籍について
ですが、皆さん一番気になっているのは川又選手の移籍でしょうか。昨年あれだけ大ブレ
イクした川又が、2014 年になってワールドカップが始まる前の前半戦で、得点がなかなか
決められない。それは川又だけでなくてチーム全体で得点力不足という部分がありました。
夏のキャンプでそこを改善しなければということで、チームと話し合いを進めていきま
したが、そこの改善を図ったキャンプで、そもそもチームのコンセプトがあるのですが、
その部分でなかなか川又が乗れてこない。紅白戦や練習ゲームをしていく中で川又がメン
バーから外れていくのです。そのタイミングと川又の契約更新という部分がたまたま重な
ったという形になります。
皆さん、川又に関して非常に気になったと思いますが、契約上の話ですので、詳しく話
は出来ないのですが、得点力を上げていこうというところで、川又のプレーが「今のまま
であれば新潟で試合に出場するのは厳しいかも知れない」という話と、
「もしメンバーから
外れるのであれば、他のクラブから声が掛かるのではないか」という双方の話でありまし
た。選択に関しては、新潟で川又のプレーが変われば、大事な必要な選手ですので、ぜひ
残って欲しいと。色々なすり合わせをしていった結果が、移籍という形につながったとい
うことでございます。
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田村)
プレーのことは、神田強化部長の申した通りであります。ただ、柳下監督のコメントで
「準備ができてない」という記事が出て、気になっている人もいたと思いますが、それは
心の準備ですね。中断明けの浦和戦に向けて魚津キャンプを一生懸命やって、もう一回追
い込んでチームづくりをしてきたのに、気持ちの部分でやっぱり問題があったと。気持ち
の部分がそうだとやはりプレーもうまくいかない。そういう流れの中で、残念ながら自然
とメンバーから外れていった。こういうことは良くありますよね。例えば、
「もっとがむし
ゃらに行けば良いのに」っていつも川口選手なんか思う時もあるのですが、多分そういう
ところが足りないからメンバーから外れてしまって。それでも努力して、後半戦は左サイ
ドバックですごくバチバチ相手に行ってアウェイの FC 東京戦等とても良かったと思います。
先ほど、メンタルの話をしましたが、90 分間フルにやるっていうのは、そういう心の準備
ができていないと J1 では戦えないと思います。色々と考える部分もあったのでしょうが、
「契約を延長しないって言ったから外された」ということでは全くありません。たまたま
タイミングが同じだったということです。
個人的には非常に残念だったですね。新潟でもちろん色々な想いを込めてブラジルに行
かせたり、J2 岡山に行ってもらったり、それで変わってきて、もっとアルビのためにプレ
ーして活躍して欲しかった。一年だけではなく二年、三年と。そして得点王になってもっ
と上を目指して欲しいと僕らも思っていました。
ステップアップする選手はよくいます。酒井高徳もそうですよね。彼の場合は契約が切
れる年でしたが、クラブと契約を延長してドイツに行きました。最初の一年間は買い取り
のオプションを付けてのレンタル移籍でした。
「仮にダメだったらいつでも戻ってきても良
い」と言っているのですね。今、ドイツではレギュラーで、最近は日本代表にもコンスタ
ントに選ばれています。選手もお世話になったチームには、
「自分はステップアップするが
何かを残したい」と、色々な想いを置いていくような選手もいます。
クラブの本心としては、もっとアルビで活躍してもらいたかった。そのために契約を延
長してもらいたかったと思っていますし、非常に残念な気持ちであるというところでござ
います。まだモヤモヤしている部分はあります。
司会)
今程の話の中で、最初の方では得点力アップという話もさせていただきました。続いて
話の流れの中で、2015 年に向けてというところも話をさせていただきました。複数年契約
の話も若干出ましたし、神田強化部長からの話を含めて、シーズン途中での川又選手の移
籍についても説明をさせていただきました。
ここで質問を受け、休憩に入ろうと思います。質問がある方は挙手をお願いいたします。
質問者)
こんにちは。下部組織のことでお伺いしたいのですが、先日 J リーグで A 契約の枠の改
定・規約の改定という話がありまして、下部組織出身の選手は A 契約から外すという話が
ありました。今、新潟でその対象になるのは三人いて、さらに平松選手が戻ってくるとい
うことで四人がその A 契約外になる訳ですが、そうすると下部組織が充実しているチーム
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がすごく有利になるというか、下部組織からどんどん昇格していく選手がいれば、その分、
選手を獲る枠も広がるという考え方もできるかと思います。こうなることで、ユースから
大学に行って戻ってくるのもやりやすくなるのかなとも思いますし、そういう意味で下部
組織の強化についての方針はどのようにお考えでしょうか?
神田)
ありがとうございます。A 契約の対象外というのが三年間だけですので、A 契約になって
から三年ですので、例えば川口が一年目で A 契約になっていますので、そこから三年とい
う数えです。大学生であれば、最初は C 契約からスタートなので平松がどのタイミングで A
契約になるか分かりませんが、そのタイミングから三年でということですので、そこを数
えていかなければならなくなります。
ようやく、大学からアルビに戻ってくる選手が出始めました。残念ながら昨年、泉澤選
手が大宮に加入しましたが、泉澤はもともと関東出身で、平松に関しては新潟出身で新潟
に戻ってくるという気持ちは強いのではと思っていました。このような形が作れればと、
随分と前から想い描いていた部分でございまして、ようやく学生選抜に選ばれたり、そう
いうところに顔を出せるような選手が出てきました。
U-18 の高校生年代は、皆さんから「教育の部分はどうなんだ」とお叱りをいただきなが
ら、それでもプロになるための選手をまず優先して育成させてみようという考えからスタ
ートしていき、プロになれなくてもしっかりと大学に進学させようという考えで取り組ん
で参りました。あとはトップチームとどのように連携してトレーニングをしていくかとい
うのをテーマに掲げております。トップチームのトレーニングに絡める選手がまだまだ少
ないといったところから、今年に関しては 12 名の卒業生がいるのですが、12 名全員がトッ
プチームの練習に参加しました。全員チャンスをもらい、そこでアピールする場があって、
また U-18 に持ち帰る。もしくはプロの厳しさを感じて大学に行き、四年間また頑張ってと
いうのを繰り返していこうと思っています。U-18 の選手に関しては、
「大学に進んでも諦め
ずプロを目指すというのであれば追い掛けていく」と話をして送り出しています。早川史
哉も筑波大学ですが、彼も二年生の時に大学で試合に出られない時があって、刺激を入れ
ようということで、トップチームの練習に参加させようとしたら、大学側が出せないとい
うこともありました。色々な形がある中で、大学に行っても追い続ける部分と、トップチ
ームの練習に継続的に参加させていくこと。多くの U-18 の選手をトップチームの練習に参
加させられることは、アルビにしかできないことですので、非常に良い形ができていると
思っています。U-18 の選手も「何か自分の特徴を持たないとトップに呼ばれない」という
意識を持ち始めていますが、根強く、アルビらしく続けていきたいと思っています。
アカデミーの部分としては、今の意識をさらに強めていきたいですが、本来の学業を疎
かにしていたらプロにはなれないので、その方針を軸に取り組んでいます。厳しいようで
すが、「赤点を取ったら練習には参加できない」と。「どんなに上手い選手でも学業を怠っ
たら練習には参加できない」と、通達して中学から高校に入ってきます。サッカー選手は
プレーだけではなく、そういう部分もしっかりやるというのが、アルビのアカデミーの方
針ですので、そこをまず崩さずに継続していきたいと思います。
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田村)
補足ですが、トップチームの隣で U-18 がトレーニングをしていて、急遽紅白戦に選手が
足りないから U-18 の選手を入れても十分に対応できるレベルまできました。
2004 年や 2005
年の時は、ユースの選手もまだ育っていなかったので簡単に紅白戦に入れられなかったで
すが、最近は入れても遜色ない。試合の翌日の大学生との練習試合に U-18 の選手が何人か
入ってもさほど今は問題にならなくプレーできるようになりました。しかし、その子たち
がプロとしてやれるかというとまだまだ難しいと思います。ずっとやってきて、まず思う
のは 18 歳から 20 歳、21 歳くらいまでは日本人の身体がまだ出来てないのですよね。筋肉
も細かったり、高徳とかハーフの子は別ですよ。体つきがもう一年でグンと変わりますか
らね。例えば、鈴木大輔なんかは入って来た時は本当に細かった。川又も大野もみんな細
かったですね。三年位でやっと身体が出来て活躍し始める。ですから、高卒で相当能力が
高くないと、J1 でなかなか試合に絡めない。そういう意味では小泉は非常に能力が高いと
思います。でも、彼はまだ代表の経験がないのですよね。
要するに日本人の身体が出来るっていうのは少し遅いので、どちらかというと大学で揉
まれて四年間みっちり鍛える。FC 東京の武藤選手が良い例です。トップに上げないで大学
で活躍して、能力が開花し今は日本代表ですよ。この間までは何も代表歴のない選手が、
一気に変わるのですよ。逆に高卒ですぐプロ契約して、試合に絡めなかったらそういう経
験も積めません。ですから、僕らももちろん全員昇格させてあげたい。でも、その選手た
ちのことを考えて大学に行ってもっと経験を積んでもらう。流通経済大学の渡辺新太君も
そうですよね。プロになりたくて、海外のチームのテストを受けたりしましたけども、な
かなか難しいです。四年間一生懸命頑張ったら、おそらく平松君みたいに戻って来られる
選手になるのではないかと。本人たちはどこまで理解して大学に行かせてもらっていると
感じているのか分かりませんが、先ほど強化部長が話をした通り、卒業後もうちのスカウ
トが見ています。これから寺川がスカウトになりますが、そういう選手をずっと追い掛け
て見ている、声を掛けながらサポートした結果、今回平松君も戻ってきた。
U-18 から昇格させることがプロへの近道ではない時もあるのです。今回、FC 東京の武藤
選手が良い例になったと思いますが、彼が高校を卒業してすぐに FC 東京に入り、プロにな
っていたら、おそらく今の活躍は出来ていなかったと思います。
そういうところも強化の一貫であると、そして大学もすべて選手個人の力で進んでいる
訳ではないですからね。クラブもサポートし、色々な力が働いています。ユース年代もそ
うです。全寮制ですからお金が掛かるところをある程度クラブが負担しながら投資してい
る訳です。そういう意味では、本当に我々は投資しながら選手たちを育成しているという
こともご理解いただきたいと思います。
司会)
では、もうひとつだけ質問を受けて休憩に入りたいと思います。先ほど挙手いただいた
方は大丈夫ですか?同じような質問ですか?
それでは休憩を挟みたいと思います。
~休憩~
11
司会)
皆様、これから後半の部分を進めていきたいと思います。これからは前にあるスクリー
ンを使いながらご説明させていただきますので、会場を暗くさせていただきます。
また、このスクリーンに出ている数字に関しては皆さんに資料としてお渡しできない部
分もございます。画面を見ながらご説明させていただきますので、その点ご理解いただけ
ればと思います。
田村)
先ほど、数字の話って言いましたけども、我々クラブスタッフの人数は決して J1 の中で
も多いチームではないのです。少数精鋭で優秀なスタッフが新潟は多いのですが、例えば
親会社を持っているチーム、これは 2013 年の J リーグの情報開示を我々が独自に表にした
ものです。親会社があるクラブは約 10 億から 15 億、親会社や関連会社等から広告料をも
らっていると思われます。すべてではないと思いますが、そういうチームはみんな特別な
営業をしなくて良いのです。なぜかというと、親会社の広告担当、広告代理店で賄える訳
ですよね。そういう所と我々は戦わなければならない。
皆さん、クラブは試合の時にサンクスデー等、色々なことをやっていますよね。趣向を
凝らし、我々は皆さんと一緒になって、お金を出していただくスポンサーの方も一緒にな
って、どうやってアルビレックスを盛り上げていくか、どうやったらお客さんに喜んでも
らえるかということを考えながら取り組んでいます。単に営業回りをしているだけではな
く、時には広告代理店の人と一緒に考えながら営業をしています。そういう意味ではスタ
ッフは仕事量が非常に多くあります。
これは全体的な 2013 年の営業収入です。全体的にいうと一位の浦和が約 57 億で、二位
横浜 F・マリノス、三位名古屋となっていきます。J1 の平均が約 30 億、新潟はこの下、約
25 億ですね。その下に同じ地方クラブである仙台、鳥栖、甲府、大分、湘南となっていき
ます。結局、ここら辺だと順位も結果的に下になっていく。ここにもう 10 億プラスするに
は、地方クラブには相当なパワーがいることなのです。できないことはないけれども、本
当に力がいる。昔、クラブを創る時にあるチームに視察に行った時、その担当者に「親会
社が 10 億から 15 億出す。そんなことを地方クラブができないでしょ」と、こう言い切ら
れました。それくらい依存が大きいクラブもあるのです。
その中で入場料収入はどうかと言うと、昔は約 10 億あったのですが、今はもう 7 億弱で
すね。3 億、4 億くらいは落ちています。平均入場者数は多いですが、これは何回も同じこ
と言っていますが、もちろん招待もあります。でも招待というのは、例えば後援会の招待、
後援会はシーズンパスを割引 1 万円、会費相当分ですね。それを選択しなかった場合は 4
枚の引換券が付いてくる。だいたい 1 万円分。要するにこれはチケットを買っているのと
同じ考えですよね。それを招待として良いのかどうかという問題はありますが。その他に
スポンサーの方に販促チケットとしてチケットを渡し、例えばスーパー等でポイントが貯
まると引き換えられるシステム。
あとは、新潟市内小学校の招待、保護者は優待。今は無料になっているところもありま
すが、それは新潟市が招待しているということでお金を出している訳です。ですから招待
の数を全部含めていくと高くはなりますが、そういうものも全て招待に含まれているとい
うことです。
12
もうひとつは未就学児です。毎試合 3,000 から 4,000 人近く来場しますが、小学校に上
がる前の子どもたちは、椅子を使わなければ無料です。また、高校生も子ども扱いにして
いる。指定席を子ども料金にしているのは多分、アルビだけだと思いますが、他のクラブ
は指定席は年齢に関係なく一律料金ですね。平均入場者数は多いが、色々な招待をしてい
る関係で入場料収入の割合が少ないのが現状です。
「これらを全てやめろ」と言う人も中に
はいますが、そうなるとなったで、新規の方を呼ぶ機会が減ります。ちなみに初めて観戦
された方の 60%以上が招待券での観戦者です。
我々は、この入場料収入をどれだけ上げられるかがポイントになると思っています。皆
さんの頭の中で、昔はこれぐらいあったのだなというとこだけでも覚えておいてもらいた
いと思います。ここが我々の生命線ですよね。
「アルビレックスとは?」と言われると、
「観
客が多くてすごいよね」、「サポーターもすごく熱が入っているよね」というところをやっ
ぱり守りたい。もっともっと、皆さんに支援していただきたい。そういう想いがあります。
J2 に申請する時に、J クラブのモデルケースというものがありました。それは、入場料
収入で選手の人件費を賄えるチームが一番良い。今の J リーグの中ではまだ浦和しかない
と思います。この表が選手の人件費ですね。浦和、名古屋、柏、2013 年優勝した広島も J1
平均以上。2013 年アルビは約 10 億。2014 年はこれ以上に上がっています。なぜかという
と皆さんの期待に応えるために、チーム力を落とさないためにです。レオシルバを残すた
めに頑張りました。残すためにはやっぱり条件を上げる、我々ができる限界をどこまで上
げられるかが勝負なのです。
今は J リーグの中での新潟の位置を見てもらいましたが、次のスライド。J リーグのホー
ムページに開示しているデータが入っています。細かく加工してあるのですが、新潟の営
業収入は約 25 億、営業費用が約 26 億なので、マイナスみたいな感じですが、ここには後
援会の財政支援金が入っていません。1 億ちょっと。決算上は営業外収入になるので、この
欄には入っていません。でもアルビは黒字ですよね。2009 年から 2013 年までは何とか黒字
にしております。
我々は過去の累損を消さなくちゃいけない。過去の累損とは、96 年に会社を創りました。
96 年、97 年、98 年の三年間で 5 億以上使ってしまったのですね。96 年、97 年、98 年はま
だ選手の人件費が高かったです。なぜかというと、93 年に J リーグがスタートして、ラモ
ス、カズ、北澤、武田。みんな 1 億円以上もらっていた。周りの選手もみんな年俸が高か
った。それで、ここで最終的には 5 億、6 億位、過去に赤字になった部分があります。その
うちの 2 億 5 千万程がまだ残っているのです。
2006 年の興業売上が約 10 億で、広告売上が 9 億 6 千万、後援会の財政支援が 1 億、その
他の収入が約 8 億で計 29 億。では、2013 年はどうだったのか。興業収入は約 7 億、広告売
上はピークの時よりも上がって約 10 億。後援会も少しずつ増えている。仮に興業売上が 7
億ではなく、もう 3 億プラスで 2006 年のように 10 億位あればと思っております。願望で
はなく、2006 年に達成しているのですから。皆さんがアルビレックスのためにチケットを
買い、またここに戻したいのですね。
「レオシルバを残します」
、「今いる選手をすべて残します」というのは、かなりお金が
必要なのですね。だからチケット収入が 3 億増えたらどんなに違うか。神田強化部長の苦
労が半分以下に減るかも知れません。もしかして現役のブラジル代表が来るかも知れませ
ん。タイミングですからね、ブラジル人選手の移籍は。2005 年にチケット売上が 10 億以上
13
あった時にアンデルソン・リマが来ました。今だったらリマなんて元セレソンは獲れない
ですよ。あの時だったから獲れた。あの時だったからお金が出せた。先ほども言いました
が、本来のモデルケースはチケットの収入でチーム人件費を賄えれば良い。でもなかなか
そうはいかない。何でカバーしているかというと、スポンサーだったり、グッズであった
り、選手の移籍金収入もあります。そういう収入でカバーしているのが現状です。
次のグラフは、チケットとシーズンパスの推移です。2004 年約 11 億、2005 年約 12 億。
この時は、バレンシアやボカ・ジュニアーズとプレシーズンマッチも行いましたので、そ
れも入っていて収入が多かった。今はなかなか出来ないですよね、そういうプレシーズン
マッチも。2004 年、2005 年はシーズンパスで 2 万 1 千枚販売されています。スタジアムの
半分がシーズンパスです。ぜひ、こういう時にまた戻したい。平均入場者数も 4 万人です
よ。リーマンショック以降、どんどん下がってシーズンパスは今では 1 万枚を切っており
ます。
ここで皆さんにお願いです。皆さんはもちろんシーズンパスを持っていると思いますが、
もっとシーズンパスを増やしてもらいたいですし、20 試合はちょっと厳しいかなという人
は、一試合でも多くチケットを買ってアルビレックスを支えてもらいたい。できないこと
は言いませんよ。できることだから皆さんに知ってもらいたいし、一緒になって盛り上げ
ていきたいですよね。来年は関係する企業とか、色々なところに社員総出で営業に回るつ
もりでございます。トータルの目標はあと 2 億 5 千万売上を上げる。2 億 5 千万と簡単に言
いますが、難しいですよ。そのために皆さんにも協力してもらいたいですし、我々も選手・
チーム一丸となり頑張りますので、よろしくお願いいたします。
司会)
では、照明を付けさせていただきます。
田村)
繰り返しになっていますが、今年と同じ収入だったら選手を全員残すことはできない。
ある程度入れ替わらないと。だからと言って僕らは積極的に選手を手放している訳ではあ
りません。勘違いしないでくださいね。クラブが移籍をさせていると。そんなことはあり
得ないですから。野球はありますよ。イチローがマリナーズからヤンキースに行った時等、
チーム主導でチーム間でトレードとか移籍をシーズン中にさせるとかありますが、サッカ
ーの場合は必ず選手・代理人の意思、希望が 100%ですから。
サッカーのレンタル移籍はクラブが「この選手は外に出して経験させた方が良い」と思
ったら、それはクラブが働き掛けてチームを探したりします。それはありますが、クラブ
が主導して主力選手の移籍とかはあり得ません。そこだけは誤解しないでいただきたいと
思います。
今回の川又の件も、本人が「ここにいても試合に出れないかも知れない」、
「自分として
はシーズン 10 得点以上、
また得点王争いしたい」
という思いで名古屋に行ったと思います。
そういう思いの方が優先した移籍ですから、そこは勘違いしないようにだけしていただき
たいです。
我々も選手を残すためには、それなりの準備と用意が必要になります。それ以外の部分
もありますよ。雪とかは別にして、新潟は人も温かいですし、ご飯も美味しいですし、サ
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ポーターも多くいますし、練習環境も最高です。田中達也選手が初めて新潟に来た時、寮
に入ってもらったのですが、
「ご飯も美味しいしすぐにトレーニングができる環境はすごい」
と言ってくれました。外から見ている人は分からないのですよね。
「ジュビロの選手が増えている」って皆さん感じていると思いますが、何が原因か分か
りますか?新潟の良さが伝わっているのですよ。「田舎のチームだと思っていたけれども、
環境は最高だね」と。だから来るのです。もちろん柳下監督がよく内情を知っているとい
うのもありますが、ただそれだけでは選手は動きません。それでも新潟に来てくれるって
いうのは、選手が新潟を評価してくれているからなのです。
あとは我々がどれだけ要望に応えられるか。皆さん是非とも協力してください、お願い
します。ここにいる皆さんはもちろんシーズンパスを買っていると思いますので、まわり
の仲間に「シーズンパス買おうよ」と声を掛けていただきたい。
「自分でなかなか行けない
けど買う」という方も本当に多くいらっしゃいます。それは多分、チームに対しての気持
ちなのではないですかね。最終戦カシマでの代替試合 2,104 人。でもチケットは 3,000 枚
位売れているのです。行けないけどもクラブのためにと。
いつもお金の話で最後締めるのは恐縮ですが、それだけやっぱり切実に感じている。優
勝したい。常に上位にいて、いつでも優勝をうかがえるチームにしたいのです。それには
下にいてはダメなのです。下ではなく、上にいるためには、変えていかなければダメなの
です。そういう想いで皆さんには、本当はしたくない話もしているのですが、是非ご協力
をお願いしたいと思います。
では、チケット担当にマイクを渡します。
山本)
チケット担当と言いますか、事業・営業全般を担当しております山本でございます。時
間の関係もありますので、ここは手短にさせていただきます。まずチケットや集客施策等
の質疑応答につきましては、お手元にお配りしている資料にクラブからの回答を述べさせ
ていただいておりますのでご確認ください。後は、かいつまんで全体のお話をさせていた
だきたいと思います。
まず、広告料収入については、先ほど田村から 100 社を超える企業・団体さんからサポ
ートいただいていると申し上げましたが、まだまだ新潟にもたくさんの企業がありますし、
新潟ゆかりの方が全国で会社を興されて、働かれていらっしゃいますので、我々は営業ス
タッフと後援会で全国の新潟ゆかりの方々にどんどん訪問して、クラブの存在意義を説明
し、ご理解とご支援いただけるお仲間を増やしていく所存です。日本一支えていただいて
いるクラブ、そして世界一支えていただいているクラブにしていきたいと思っております。
先ほどプラスの営業目標として 2 億 5 千万円という数字がありました。実は昨日、会社
では取締役会と経営協議会という会議を開かせていただき、今年の決算と来年の話をさせ
ていただいたのですが、収益部門を司る人間としては、かなりプレッシャーで体が固まっ
ていました。正月のお雑煮が食べられるかどうかも分からないぐらいですね!相当なプレ
ッシャーはありますが、
『やれないことはない、やるしかない』という強い気持ちで臨んで
参る所存ですので、先ほど話がありましたが、いろいろな方々のご協力を得て、一緒に成
長していきたいと思います。そして、一番の高み、皆様やチームもスタッフも見てしまう
とそこから離れられないぐらいの“頂き”を一緒に見たいと思いますので、よろしくお願
15
いします。
そして、具体的なところで言うと、スポンサーさんに関しましては、皆様も、お仲間や
ご家族・親戚にもスポンサーさんの商品やサービスを、時には嗜好に合わない部分もある
かもしれませんが、是非ご利用いただければありがたいです。そういった活動が広がれば、
新潟のスポンサーシップはクラブ、サポーターとそれぞれが支え合うすごい構図だという
ことがまた全国に広まり、支援の輪が拡大していくと考えています。
後援会は現在約 1 万の個人会員さん、1 千社の法人会員さんから支援をいただいておりま
すが、やはりここを 2 万、3 万にしていきたいと思っております。これは不可能でも無いと
思っています。バルセロナのソシオ制度では日本円で約 3 万円の会費で会員が 15 万人超い
るとのことで、一方、アルビレックス新潟は 1 万数千人。あまり開いてないですよ、バル
セロナとは。人気も実力も違うかもしれませんが、私たちもその域に行きたいという思い
を持って、全社、そして皆様と一緒に仲間を増やしていくことで、タダ券も配らなくてい
い満員のスタジアムでチケットもプレミア化し、クラブの価値も高められるような気がし
ます。そういう価値のある試合を見ていただけるよう、強いチームをつくるためにも後援
会の拡大は重要と考えており、事務局の吉留を中心に色々な企画をさせていただきますの
で、仲間づくりにご協力していただければ幸いです。
グッズについては、メインの収益源はユニフォームになります。実は今年ユニフォーム
のモデルを変えたところ、皆様にも大変なサポート・ご購入をいただきまして、昨年対比、
金額で約 5 千万円上がりました。大変ありがとうございます。ただし、2 年モデルの来季は
2 年目ということで、実は 2 年目の売上がガタンと落ちるのも事実です。そのために、来シ
ーズンはカップ戦用のユニフォームを導入することにしました。デザイン等は発表されて
のお楽しみということと、色々ご意見があるかもしれませんが、是非、ユニフォームをま
とって、アルビレックス新潟を下支えしていただければ幸いです。
飲食につきましても、2008 年ぐらいからセクターフェンス開放に伴ってスタジアムコン
コースをある程度回遊できるようになり、あわせて各飲食出店企業さんも接客やメニュー
の開発・提供に相当努力していただき、サービスが向上しております。ぜひ皆様もスタジ
アムでの飲食、即ち新潟のグルメですとか対戦チームの地元で出店しているアウェイグル
メというのも楽しんでいただき、また新しく連れてこられたお仲間にもどんどんご紹介い
ただけると幸いです。アントラーズさんですとか、マリノスさんのスタジアムがすごいと
報道されていますが、やはり新潟が一番だとは思っていますし、そういう話題を広めてい
きたいと思っております。
「新潟のグルメは日本一すごいぞ!」と言われるように。
以上ですが、こうやってお一人お一人の仲間づくりをさせていただき、是非皆様と一緒
になって強い新潟、楽しいサッカースタジアム、素晴らしい地域をつくっていきたいと考
えております。具体的な施策につきましては、追って発表させていただきますが、皆様か
らも色々なご意見をいただきながら、できる限り実践していきたいと思っております。
司会)
続いて、神田強化部長からレディースの部分も話をしたいということで、少し時間をい
ただき、最後全体的に質問を受けたいと思います。
16
神田)
貴重な時間をいただき、ありがとうございます。
先ほどのアカデミーの話からの続きになるのですが、お金の話から急に現場の話になる
となかなか申し訳なくて。今ここにいるスタッフがお金を稼ぐ部隊と思っていただいて良
いと思います。私のいる強化育成本部がお金を使う部隊で、ここにお金があるかないかで
状況が変わってきますので、スタッフは一生懸命動いてくれていますので、ぜひご協力を
お願いします。
アカデミーの話ですが、男子はトップチームがあって U-18 が高校生の年代、U-15 が中学
生の年代、その下がジュニア、スクールとつながっています。ここは新潟の宝、宝物です。
皆さんのお子さん、親戚、男女ともにここの選手たちがゆくゆくは「新潟の顔」になって
くれればと思っています。
皆さんの知っている子どもたちが大人になる頃には、私はもう 60 歳を越えています。こ
こにいるスタッフもどんどん年齢を重ねていきます。アカデミーというのはそれだけ時間
が掛かるということを認識していただければと思います。スカウトで一年遅れれば、強化・
育成は三年遅れます。この形を大事にしていきたいと思いますので、先ほどの貴重な下部
組織の方針についていただいたご意見は本当に大事だと思っております。
「アカデミーから育成する」というのが基本だと思っています。二日前にレディースが
皇后杯で敗退しましたが、今年はリーグ成績三位、初めて賞金圏内というところまで行き
ました。昨年、皇后杯では決勝まで行き、初のタイトル獲得かと思いました。準優勝で残
念でしたが、皆さんと一緒に仕事をしている選手もいるかも知れませんが、トップもレデ
ィースも引き続きサポートしていただければと思います。
先ほどの収入の話から J リーグとは別にアルビレックスはレディースチームを持ってい
ます。浦和、日テレ、千葉、仙台、J リーグで言えばこのクラブだと思います。先ほどの話
の中でも「レディースを抱えて戦っているのが新潟」というイメージを持っていただけれ
ばと思います。
レディースのアカデミーですが、三年前から U-18 と U-15 に分かれて活動するようにな
りました。三年前の U-18 の選手が三名です。その三名が今年ようやく卒業という年になり
ました。その中の一人が瀬倉選手で今年トップに昇格します。他の二人も大学に進学しま
す。そういう意味ではようやくレディースのアカデミーも意識付けとしては、中学から高
校の部門でも戦えるようになってきたと思っております。
今年の北信越大会で、一位、二位、三位を新潟県勢が占めました。一位が医療福祉大学、
二位が JAPAN サッカーカレッジ、三位がレディース U-18。この三位になった経緯は、一位、
二位は大学生と社会人・専門学生ですね。でも、アルビの U-18 は中学生と高校生の普段出
場機会の少ない選手を中心に戦った結果です。今後、女子も力を入れていきますので、引
き続きご協力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
司会)
では、せっかくの機会ですので全体的にご質問あれば、ここで受けさせていただきたい
と思います。
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質問者)
サポーターカンファレンスですが、ほとんど説明だけで終わってしまっているような感
じがします。せっかくの場なので、もう少し質問時間を伸ばして欲しいと思います。時間
を伸ばすというのは難しいかも知れませんが、考えてもらいたいなというのがひとつです。
また、昨年もこういった資料を出してもらって、質問に対して回答をもらったと思うの
ですが、今年どうなったのか何か結果はありますか?
あと、集客について、昨年も色々と誘ったのですが、みんな来ませんでした。
「何でか?」
と、色々あると思いますが、はっきり言って試合内容についてはここ数年だいぶ良くなっ
ているって見ていて分かるのですが、それだけだとやっぱり呼べないっていうのがあって。
昨年の終わり頃、調子が良くて勝っていたのですけど、それでも伸びなかったじゃないで
すか。結局何かしらやらないと伸びないと思うのですよ。それで今年頑張って、惨憺たる
結果なってしまいましたが。そういう爆発的な案って何か考えていたりするのですかね?
田村)
質問の時間は長くできれば良いと思うのですが、それを省略するために、事前に質問を
受け付けて、それに添う形でお答えし、出来るだけお応えするために資料の中で回答して
いる部分があるので、ご了承いただきたいと思います。
個別の質問事項の対応できていること、できていないところについては、すべて対応で
きる訳ではないといつも言っておりますので、できるところは少しずつ改善しております。
爆発的な案って、どうですかね?フォルラン呼びますか?ということですよね。要する
に、フォルランのような選手を呼んでも結果は結果で、うまくいけばひとつの事例になっ
たと思うのですが。ただ、そういう方法は我々のようなクラブが考えることではないかも
知れない。要するに、お金のあるチームがスター選手を連れてきて、その影響で他のチー
ムもサッカーが盛り上がっていくと、昔の J リーグが多分そうだったと思います。ただ、
それができるクラブとできないクラブがありまして、そういう考え方を少し J リーグ全体
ですり合わせていく必要があるのではと感じております。
我々は本当に堅実に育成もスカウトも含めて、良い選手、原石を見つけながら監督に磨
いてもらって、活躍する選手をつくりたいと思います。
「アルビからいつも選手が抜かれる」
って皆さん言いますが、それだけ良い選手がいるということですよね。昨年も話しました
が、相手チームの戦力を削ぐ方法として選手を引き抜くというのもありますので、そうな
らない対応という意味で、先ほどお話しましたが、複数年契約が多いのは新潟なのです。
これは強化部の交渉の上手さだと思いますが、ある程度対策を立てて、もし抜かれたとし
てもちゃんと違約金がクラブに残って、次の投資ができるように考えています。
爆発的な選手が加入する。果たしてそういうことが起爆剤になるのか、そういう選手が
仮にいなくなったらまた元通りになるようではダメだと思います。ですので、今は地元の
子どもたちがプロになって活躍して、日の丸をつけるようになる。そうすればその家族、
同級生、町内の人がサポーターになってくれますので、それがチームの半分以上になれば、
サポーターも自ずとその選手プラスチームを応援してくれるので、アカデミーも含めて、
新潟の選手をしっかり育成していきたいと思います。
最終戦の柏戦は、新潟出身の選手が三名先発で出ていました。最終戦はやっぱり落とし
たくないし、相手も落とせない試合だったと思いますが、そういう緊迫した中の試合で新
18
潟出身の選手が三名スタメンで出ていたというのは、すごく素晴らしいことだと思います
し、こういう選手をどんどん増やしていきたいと思っています。時間は掛かるかも知れま
せんが、地域を盛り上げていく、クラブを育てていく上で、地道に努力する必要があるの
ではと思います。
人気があるブンデスリーガでは、もちろんそこにはスター選手もいっぱいいて、その影
響もあると思いますが、成績が下位でも毎回 6 万人近く観客が入る。そのためには、やは
り長きに渡り多くの人たちにクラブを理解して、支援してもらえるチームづくりが必要で
あると思っています。起爆剤に頼らないようなクラブをつくっていきたいと思っておりま
す。答えになっているかどうか分かりませんが、よろしくお願いします。
司会)
続いて何かご質問ある方、挙手をお願いします。
質問者)
一点目が最近ビッグスワンの階段でちょっとガタつく所があります。傾斜がかなりある
スタジアムなので少し怖いです。修繕等、アルビレックスに言って良いのか分かりません
が、それが一点目。
それともう一点は今回最終戦が開催できなくて、やっぱりモヤモヤが残っているのです
が、サポーターとの触れ合い等、冬に持ってきてもらうことはできないでしょうか?
山本)
ガタついているという所はどこら辺ですか?私たちもいろいろ調査しておりまして、す
でに修繕が入っているところもあるのですが、もしよろしければ教えていただけません
か?
司会)
そうですね。後ほど、個別に場所を教えてください。
質問者)
はい。ありがとうございます。
田村)
クラブは指定管理も行っているので、後ほど細かく教えていただければありがたいです。
前にも言ったと思いますが、椅子の上に乗って応援されると、椅子が壊れたりします。そ
れは使用者であるクラブで直さなくてはならないので。そういうところから施設に歪みが
出てくる可能性もありますので、ぜひよろしくお願いいたします。
山本)
サポーターの皆さんと選手の交流についてですが、今シーズンはこういう結果になって
しまって、皆様の前でご挨拶ができなかったことには本当に残念で申し訳なく思います。
それから先日、シーズン終了後でしたが、蔦屋書店さんにご協力いただき、舞行龍ジェー
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ムズ選手にイベントに参加してもらいました。本当に急遽な計画から告知ご案内が行き届
かず申し訳ありませんでしたが、来季のシーズンオフもそういうことができたら、色々な
形で交流していきたいと思います。
司会)
では、続いて質問のある方、挙手をお願いします。
質問者)
アルビレックス新潟というクラブはいろんな関係から成り立っていると私は思っていま
して、ファンとかチーム、あとスポンサー企業とかボランティアとか、色々な関係を深め
ていくことがすごく大切だなと思います。
提案なのですが、スポーツは交流ができるっていうのがひとつの価値だと思うので、交
流を掲げた大きなスポーツプロモーションみたいな、アルビレックスのプロモーションが
できれば、すごく良いなと思います。
山本)
ありがとうございます。例えば何かご提案はありますか?
質問者)
子どもがこれからは大切だと思いますので、選手がシーズン中に学校訪問をしたりとか
すると、すごく喜んで目標ができたりすると思います。スポーツの教材にもなると思うの
で。
山本)
ありがとうございます。本当にそういう心と心の交流はとても大事だと思っています。
先ほども申し上げましたが、アルビレックス新潟もチームの限られた時間の中で、アピタ
さん、イオンさん、蔦屋書店さんやビックカメラさんなどスポンサーさんの選手出演イベ
ントやその他色々なイベントを実施させていただいております。そして、シーズン中でも
できる限り選手が手分けをして、小学校訪問を 3 年位継続しております。
(追記:実際は 2009
年から 6 年間継続実施し、ここ 3 年は数多く訪問)
ちなみに 12 月 9 日にも小学校訪問をさせていただく予定でしたが、今回の代替試合の関
係で選手の行動スケジュールがかなり変わってしまって、残念ながら小学校訪問も延期と
なってしまいました。やはり、クラブとしても地域の子どもたちとの交流は重要と考えて
います。家に帰ったお子さんが、お父さん・お母さんに「今日選手が来て、
『今度は僕たち
を応援に来てね!』って言われたから見に行きたい!」ということも言ってくれたり、触
れ合った選手のことを将来にわたって応援してくれたりと、そういう環境になるかと思い
ますので、学校訪問等もしっかりと継続してやっていく予定です。また、サマーフェスタ
を中心とした交流イベントはより多く、できる限り仕掛けていきたいなと考えております。
司会)
既に時間をオーバーしており、大変申し訳ございません。皆さんから事前に質問を受け
20
付け、この場ですべて回答できれば良いのですが、そういう訳にもいかず、ペーパーをお
配りしまして一部回答をさせていただいている部分もございます。会の進め方についてご
意見もいただきましたが、この場ですべてお話ができれば最高だと思いますが、これだけ
でも 30 分オーバーしている現状もございますので、その点はご理解いただきたいと思いま
す。
また、クラブに対してご意見やご質問があれば、ぜひ気軽にお声掛けいただいて、皆さ
んと共により良いクラブつくって参りたいと思いますので、ご協力をお願いいたします。
最後になりますが、田村社長から挨拶をさせていただきまして、カンファレンス終了と
させていただきます。
田村)
皆さん、ありがとうございました。ひとつだけお話させてください。
今年のアウェイ広島戦でチームが負けてしまいました。何人かのサポーターがチームバ
スを止めて、監督や私に抗議したことがありました。そのためチームバスが出るまでにす
ごく時間が掛かったのですね。チームは中 2 日でホーム浦和戦がありましたから、そのま
ま福岡に行って、次の日の朝に新潟に帰る予定でした。その時に我々はそういうふうには
感じなかったですが、選手の代表から「ちょっとがっかりしています」と言われました。
要するに、選手は負けた試合を切り換えて、次の試合に向けて体を休めるのも仕事なので、
そういう状況で「まさか新潟のサポーターがそんなことをするとは思わなかった」と言わ
れました。何年もいる中心的な選手が、ポロっと言ったのですね。それに対して非常に申
し訳なかったという気持ちとともに、我々は最後まで選手・監督を信じてサポートする立
場であると再認識しました。
代替試合の件もそうです。やはり選手・監督を、サポーターの方も我々もしっかりサポ
ートしていきたいと。気持ち良く力を発揮するためには、プレイヤーズファーストと言い
ますか、そういうことを優先的に考えながらやっていかなければならないと。そこが少し
狂ってしまうと、選手も「あれ?」と思ってしまいますし、ぜひシーズン中に色々なこと
があると思いますが、チーム・スタッフ・監督を信じてもらえればと思います。
蛇足しましたが、選手からそのように言われたことがありましたので、お話させていた
だきました。本日はどうもありがとうございました。
司会)
では、これでカンファレンスは終了とさせていただきます。最初にご案内しました通り、
議事録を後日ホームページに掲載させていただきますので、よろしくお願いいたします。
駐車場までも足元悪いと思いますので、お気をつけてお帰りいただければと思いますし、
お忘れ物のないようにご注意いただきながら、会場を後にしていただければと思います。
本日は長時間に渡り、サポーターカンファレンスにご参加いただきまして、誠にありが
とうございました。また来シーズンも皆様とお会いできることを楽しみにしておりますの
で、ぜひ一人でも多くの方をお誘いいただいて、ビッグスワンにお越しいただければと思
います。本日は誠にありがとうございました。
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