こどもの城通信 vol.24 ∼ わ ん だ ぁ ら ん ど 2006 September ∼ 寝苦しい夜から少しずつ開放されてきましたね。 気持ちのいい夜は、家族で夏の思い出をおしゃべりすると良いですね・・・ ドクターおぐちのつぶやき ∼ 富士は日本一の山♪∼ 長かった夏休みも終わりましたが、皆さんはお子さん達と夏の思 青年になって本格的に登山を始め、アルプスの高峰に沢山登りま い出を作りましたか?私は、夏休みを早々に取って、家族離散で したが、当然ながら富士山にも四季を通じて登り、やはり厳冬期 はありましたが、満喫してきました。家内と三男は、長男が留学 の富士山登頂は最もスリルに富んだ経験となりました(でも初冬 しているロンドンへ旅行に行ってきました。その間私は、40 年 の穂高岳の登山に比べると散歩のようなものでした)。そういえ 以上経ったボロボロの山中湖にある亡父が建てた古い山荘を兄 ば私の結婚式も富士の見える河口湖で挙げ、その日は素晴らしい 弟三人で建て替えよう!!と長男として号令を発した手前、10 秋晴れで富士は美しい姿を見せてくれていました。 日間大工として、建て替え請負人の一番下の弟(7 歳下)の仕事 7 月に子育て研究家の志田紀子さんがクリニックを訪問し、子供 を手伝ってきました。兄弟三人もいて小さな山荘一つ建て替えら と一緒に 遊びこむ ことの重要性を力説されました。私はすぐ れないのでは亡くなった父親に申し訳ない、自分達の老後の楽し に彼女から贈られた本 遊びとしつけ を読みましたが、長い間 み、そして我々の 11 人の子ども達への贈り物という気持もあり 模索してきたテーマに出合った思いがしました。乳幼児である子 ました。母屋の横にあるバンガローのような小屋に泊まりこみ、 どもに向き合い、日々無心になって一緒に遊ぶことほど、親子の 夕方には二人でだるまストーブの上で煮炊きをして、ワインを傾 心の絆が強まり、そして子どもの創造力を高めることはないとい けながら久しぶりに兄弟の会話を楽しんできました。そしてつく うことを確信しました。早速、小さなお子さんがいる三人の子持 づく手足を使って働くことの大変さと楽しさを味わいました。弟 ちのクリニックスタッフの女医である伊藤陽子先生が実践を始 の指示の基、壁を作るために終日のこぎりで板を挽き、金槌をふ め、その育児効果?を認識し、現在小児科医としても研究中です。 るって板を打ちつけ、そして夕方には一つの壁が出来上がるとい 近いうちに志田先生の指導の下、お母さん方に遊びの教室を開く う達成感を味わいました。一歩一歩歩んでゆかねば、何事も出来 ことが出来るようになる?と私は期待しています。子供はこの世 ないわけで、家もそうです。基礎をしっかり作り、プレハブとは で最初に出会うお母さんからコミュニケーションを学び、そして 装いが全く違う、まがい物でない樹の家を造っているわけですが 人を信じ愛する事を自然に身につけてゆくのです。そして遊びは (弟曰く 100 年は保つ!と豪語)、これは子育てと共通してい 子供の心の栄養であり、言葉だけでなく知的能力を育て、更に創 るなと思いました。毎日、自転車で山中湖を一周し、近くの山々 造性をも高めてくれるのです。お母さんも、我が子の素晴らしい に登り、富士を眺めつくしてきました。私は甲府の育ちで、朝な 発想に驚き、喜び、我が子と一緒に過ごすのがますます楽しいと 夕なに富士を眺めて育ちました。高校生の頃は、いつも窓際に陣 感じるようになるでしょう。子供がこどもである短い時期を大切 取り、つまらない授業のときは富士をぼんやり眺めながら、別の にして、子供と向き合って遊ぶ事を楽しみましょう。昨今新聞を ことを考えていました。飽きるほど富士に接してきたのに、今回 賑わせている青少年の凶悪犯罪は本当に悲しい現実ですが、幼い も、 頃に母親が子供と向き合って遊ぶことは不良にならない予防注 富士は日本一の山♪ という歌詞の通りだと思いました。 富士は姿も色も季節、そして一日の中で時間と共に変化してゆき 射です。クリニックで 遊びとしつけ に関する簡単なパンフレ ますが、山中湖を隔てて中空に夢のように浮かぶ富士の姿は形容 ットを作成したので、ぜひ手にとってお読み下さい。 のしようもなく、崇高でさえあります。富士を眺めて育った私は、 バンビの活動報告 ∼1 年を振り返って∼ バンビの活動を始めて 1 年と 3 ヶ月が過ぎました。そこで、簡単にこれまでの活動報告と、新しいお知らせをしたいと思います。 2005 年 6 月から「人と人のつながりづくり」を大切に、場の提供と様々なレギュラークラスの開催を中心に活動してきたバンビ。初めは「小口先生に寄 るように言われてきました。」というお母さん方を中心に来訪者はポツリポツリという状況でした。今でも Dr.おぐちの勧誘によって訪れる親子は多いの ですが、中には「HP を見てきました。 」「お友達に紹介されて。」という親子もあり、1 日平均すると 20 名前後の親子が遊びに来てくれるようになりま した。中でも気軽に参加できる、〈お話の会〉や〈ぽれぽれの会〉〈スリング講習会〉は人気の高いレギュラークラスになっています。バンビで友達をつ くったり、 おなじみさん になってくれている親子も増えてきました。こうして人と人のつながりがバンビをきっかけにできていくことこそ、バンビが 存在する意義なので、スタッフ一同本当にうれしく思っています。また途中から立ち上げた学習支援部門も、クリニックとの連携の中、今ではスタッフ をひとり増やすほどにまでなりました。まさに”活動は軌道にのってきた”という感じです。初めて会う人でも気軽に声をかけあい、優しく迎え入れる雰 囲気はがバンビにはあると自負しています。そしてこれはスタッフだけの力で出来ることではなく、バンビを訪れる一人一人のママたちのが共に作って くれているものだと思います。皆さんに感謝!!! ただ問題がないわけではありません。現在の運営委員はクリニックでの仕事を兼務しつつ、曜日ご とにバンビを担当しているので、ご相談を受けたときお返事に時間がかかってしまうというようなことがあります。そして現在の活動のほとんどの部分 は講師スタッフ含めボランティアで成り立っています。今後の課題は、安定したより良いサービスを提供しそれを維持していくために、人件費を確保し 専任スタッフを置くことだと考えています。そのためにこれから相模原市と話し合いをしていく予定にしています。地域に根付いた子育て支援になるよ うに・・・・それからお知らせです。縁あって知り合ったグラフィックデザイナーの渡辺さんのご好意により、バンビの新しいロゴを作成していただき ました。これを機会に今まで覚えにくかった カーサ ディ バンビーノ の名前を ふぁみりぃさぽぉと ばんびぃの に変更します。また HP も渡 辺さんの友人の Web デザイナーの方のデザインで 9 月にリニューアルします。通称は今までどおり「バンビ」で、でもたくさんの方々に覚えっていただ けるよう一工夫です。たくさんの人々に支えられている「バンビ」がたくさんの親子のくつろぎの場となれるよう、これからも応援よろしくお願いします。 恵子のたまひよ日記 【第 5 日記】X day がやってきた!! バンビからの 生まれました!!!素敵なお産でした。出産にまつわる話はたくさんあるので、何回かに分けてレポートします。 お知らせ 7 月 6 日、弱い陣痛が始まったと恵子さんからメールが来た。ちょっと早めだが生まれてもおかしくない時期だし、 【その 1】 いよいよか・・・ところがこの陣痛は空振りに終わった。次にメールが来たのが 1 週間後。予定日も過ぎた 7 月 13 Dr.おぐちご推薦の”遊びとし 日。おしるしがあったそうだ。 今日、明日は仕事や子どもの学校もあり行けそうもない。どうか週末までもって∼ つけ”の志田先生の学習会を行 ∼ という私の願いが届いたのかどうかわからないが、X day は 7 月 15 日土曜日にやってきた。 います。参加希望者は、”遊びと 「13:53 陣痛が始まったのでこれから倉島さん(助産師)を呼びます。 」とメール。とりあえず家が遠い我が家は準 しつけ”の本を是非読んで参加 備して恵子さん宅に向かった。「出来るだけ家族で頑張りたい」という恵子さんの意向で、近所のショッピングセン してください。 ターでぶらぶらして次の連絡を待つつもりだった。が、その日は土曜日。道路は渋滞。結構時間かかりそうだな∼と 日程 9 月 9 日 思っていた矢先に、 「来てください」のメールが。5 分後に到着すると、痛みをこらえる恵子さんと、手を握り励ま 15:00∼17:00 すパパ、そしてどうしようかとうろうろするまこぴーとあきっちの姿が。倉島さんはまだ到着していなかった。恵子 参加費 無料 さんの姿から、出産のときがもう間近だとわかる。助産師ではないにしろ、数々のお産を見てきた私は、「もし今生 先着 15 組です。 まれたら私が何とかするしかない!」と緊張の糸がピ∼ンと張った。たぶんパパもドキドキだったに違いない。恵子 【その 2】 さんに「がんばれ∼」と声をかけながらも内心はドキドキである。しかし程なくして倉島さん到着。緊張の糸がふっ 長い間暖めてきた、クリニック と緩んだ。それからはてきぱきと準備がすすむ。更にクリニック助産師のゆっこさんも到着。私はカメラマンに変身。 助産師によるマタニティクラス 「いた∼∼い!!」と叫ぶ恵子さんに、倉島さんは「フッ!フッ!フッ!と声に出して!いきみを逃がして。」と言っ の開港です!! ている。そっかぁ。 フッ!フッ!フッ! だったんだ。私は「いたぁ∼∼い」という恵子さんに「がんばれ∼∼∼」と 日程 ①9 月 29 日【金】 いいつつ一緒にいきんでいた。と反省もしつつお産を見守る。倉島さんの登場によって場の緊張が緩んだおかげか、 ②10 月 13 日【金】 まこぴーとあきっちも近づいてきてお産を見守る。パパは額から汗をぽたぽたたらしながらも、恵子さんの手を離さ 10:00∼12:00 ず握り続ける。隣の部屋ではテレビでサッカー中継をやっている。「頭が見えてきた!」まこぴーは倉島さんからお産 参加費 2 回で 3000 円 の経過の説明を聞き、ちょこっと覗いたコンの頭をさわらせてもらう。目がキラキラ輝いている。あきっちはまだ十 対象 第 2 子を妊娠中のママ 分理解が出来ないせいか、少し遠巻きだったり、パパのそばで心配そうにママを見守っている。 定員 各回10 名 そしてついに 17:07 三女誕生!!!! 体重 2761g 小粒ちゃんだった。 次回へつづく・・・・・
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