工学院大学オープンカレッジ 2013 年 7 月期 版 鉄道講座 曽根 悟 企画監修 シリーズ 鉄道専門家として著名な講師陣による 本格的な鉄道講座 ~講座は、どなたでも受講可能です~ <講師陣> 阿部 等((株)ライトレール) 古関隆章(東京大学) 近藤圭一郎(千葉大学) 須田義大(東京大学生産技術研究所) 曽根 悟(工学院大学) 高木 亮(工学院大学) 富井規雄(千葉工業大学) 中村英夫(日本大学) 水間 毅((独)交通安全環境研究所) 持永芳文((株)ジェイアール総研電気システム) 渡邉朝紀(東京工業大学) [敬称略・五十音順] ※受講料:各テーマ 1 セット(6 回) 一般 12,000 円 学生 3,000 円 ※開講時間:火曜日 19:00~20:30 工学院大学オープンカレッジ 〒163-8677 東京都新宿区西新宿 1-24-2 Tel.03-3340-1457 fax.03-3342-3510 URL:http://www.kogakuinuniv-ext.jp/ ■ 講座概要■ 総論 ※開講期は変更になることもございます。 (開講期:) 2011 年 10 月期から、鉄道専門家として著名な講師陣をお迎えし、新「鉄道講座シリーズ」が始まりました。このシリーズは、 「総論」と「七つのテーマ・・・Ⅰ.鉄道の活躍への期待 Ⅱ.鉄道線路 Ⅲ.鉄道車両(ハード面) 面) Ⅴ.鉄道の運行計画 Ⅵ.鉄道の運行管理 Ⅶ.鉄道の技術開発」で構成されております。 ① 鉄道講座の全体紹介 ② 曽根 悟 ④ 阿部 鉄道線路 ⑤ ③ 鉄道車両 須田 等 鉄道の運行計画と運行管理 高木 曽根 悟 各論 Ⅰ.鉄道の活躍への期待 鉄道の活躍への期待 ⑥ 亮 Ⅳ.鉄道車両(ソフト 義大 鉄道の技術開発 水間 毅 (開講期:2013/1 月期) 日本では鉄道は衰退産業であると誤解されています。そのような要素がある反面で、世界的に環境問題・資源問題・安全対策な どとして鉄道が見直されていて、鉄道は地球規模では明らかに成長産業です。首都圏の通勤に見られる相変わらずの混雑、スイ スなどで体験できる優れたサービスなど、鉄道産業全体を活性化させる必要などについて説明します。 ① 成長産業としての鉄道 2013/1/8(火) 阿部 等 ② 近未来の鉄道建設計画 2013/1/29(火) 阿部 等 ③ 海外における鉄道の最新情勢 2013/2/5(火) 高木 亮 ④ ⑤ 運輸政策のモーダルシフト 2013/3/5(火) 阿部 等 ⑥ スイスに学ぶあるべき姿 2013/3/19(火) 曽根 悟 鉄道利用を促進するサービス 2013/2/19(火) 富井 規雄 Ⅱ.鉄道線路(開講期:2013/4 月期) 鉄道施設の基本は、軌道、駅、信号、動力供給などの広義の線路であり、鉄道事業の基礎です。しかし、これまでは新規の建設 を主体に論じられることが多かったため、近年この分野の重要性が忘れられ、優れたサービスとの関連などがおろそかになりが ちです。需要予測から輸送計画までの鉄道サービスの全体像の中での線路のあり方について説明します。 ① 需要把握から輸送計画まで 2013/4/9(火) 富井 規雄 ② 軌道構造と線路保守 2013/4/23(火) 阿部 等 ③ 路線計画 2013/5/7(火) 阿部 等 ④ ⑤ 電力供給 2013/6/4(火) 持永 芳文 ⑥ 鉄道信号システム 2013/6/18(火) 中村 英夫 線路による運転上の制約 2013/5/21(火) 曽根 悟 Ⅲ.鉄道車両(ハード面)(開講期:2013/7 月期) 身近な鉄道車両の構造・原理・特性などの主としてハード面について説明します。内容的には鉄道の形式、動力や使い方を含め た種類と構成、旅客輸送の中心を担う電車についての機械的構造と性能、電気的構造と性能との関係、駆動システムと制御方式 のやや詳細な説明、都市交通などの新分野に進出する際に知っておくべき新システムとして、DMV、鉄輪式リニアなどの有効 活用について、および世界的に見た代表的な電車について解説します。 ① 鉄道車両の種類と構成 2013/7/9 (火) 渡邉 朝紀 ④ 駆動システムと制御方式 2013/8/6 (火) 近藤圭一郎 ② ⑤ 電車の機械的構造と性能 2013/7/23 (火) 近藤圭一郎 DMV と鉄輪式リニアの有効活用 2013/9/10 (火) 阿部 等 ③ 電車の電気的構造と性能 2013/7/30 (火) 近藤圭一郎 ⑥ 日本と世界の代表的な電車 2013/9/24 (火) 曽根 悟 Ⅳ.鉄道車両(ソフト面) (開講期:2013/10 月期) 身近な鉄道車輌についての、用途、使い分け、動力の種類、輸送力とその増強や調整、接客設備とその改善、特に通勤向け車両 の快適性の改善、運転の観点からの補助設備や自動化等を解説して、今後のあるべき姿に近づけるためのさまざまな視点やアイ ディアを提供します。 ① 鉄道電力の種類 ② 持永 芳文 ④ 鉄道車両の魅力 鉄道車両の用途と輸送力 曽根 ⑤ 近藤圭一郎 ③ 悟 運転の補助設備から自動化まで 接客設備とその改善 須田 義大 ⑥ 将来の鉄道車両 須田 義大 中村 英夫 19:00~20:30 Ⅴ.鉄道の運行計画(開講期:2013/1 月期、2014/1 月期) 鉄道の最終製品の品質の重要な位置付けである、列車ダイヤについて、さまざまな観点から大幅な改善に繋がる話をします。ま ず、これまでに知られている列車ダイヤのパターンと需要の質・量との関係を論じ、実際の列車ダイヤの作り方を解説します。 これには、車両の性能・特性や数、乗務員の運用などが制約条件になります。作ったダイヤはさまざまな観点から評価する必要 がありますが、基本的な評価をどのように行うか、そのツールと共に論じます。やや具体的な改善に繋がる話として、満員電車 をなくす運行計画や良いダイヤの実例(国内外)も紹介します。 ① ④ 需要に応じたダイヤパターン 2013/1/15(火) 曽根 悟 列車ダイヤの評価 2013/2/26(火) 高木 亮 ② 列車ダイヤの作り方 2013/1/22(火) 富井 規雄 ③ 車両と乗務員の運用 2013/2/12(火) 富井 規雄 ⑤ 満員電車をなくす運行計画 2013/3/12(火) 阿部 等 ⑥ 良いダイヤの実例 (国内外) 2013/3/26(火) 曽根 悟 Ⅵ.鉄道の運行管理(開講期:2013/4 月期、2014/4 月期) 列車ダイヤは作ってもその通り実行できるとは限りません。いわゆるダイヤの乱れにどう対処するか、近年話題になることが多 いテーマに切り込みます。具体的な内容は、運転整理が必要となる場面、各種の指示をする運輸指令の役割、具体例に基づく運 行実績データの分析とその必要性、運行管理システムと指令員の役割、運転整理の実際上のノウハウ、運行の信頼性を高めるた めの対策などについて説明します。 ① 運転整理が必要となる場面 2013/4/16(火) 富井 規雄 ② 運転実績データの分析 2013/5/14(火) 阿部 等 ④ ⑤ 運行の信頼性を高めるには 2013/6/25(火) 阿部 等 運転整理の実際 2013/6/11(火) 富井 規雄 ③ ⑥ 運行管理システムと指令員 2013/5/28(火) 富井 規雄 運輸指令の役割 2013/7/2(火) 富井 規雄 Ⅶ.鉄道の技術開発(開講期:2013/7 月期、2014/7 月期) 鉄道の技術は日進月歩であり、技術開発を止めればわが国の鉄道産業は滅びます。さらに改善の余地の多い鉄道技術に関して、 鉄道信号システムの近未来像、各種の新しい交通システム,日本の鉄道技術で世界へ貢献する方法、鉄道中心の便利な公共交通 システムの構築、陸上の超高速分野の鉄道である磁気浮上式鉄道についても説明します。 ① 鉄道の未来を拓く技術開発 2013/7/16 (火) 曽根 悟 ④ 日本の鉄道技術で世界へ貢献 2013/9/3 (火) 渡邉 朝紀 ② ⑤ 各種の新しい交通システム 2013/8/20 (火) 水間 毅 鉄道中心の便利な交通システムへ 2013/9/17 (火) 高木 亮 ③ 鉄道システムの近未来像 2013/8/27 (火) 中村 英夫 ⑥超高速磁気浮上式鉄道と鉄道 へのリニアモーター応用技術 2013/10/1 (火) 古関 隆章 コラム 『講師からの一言』 講師の方から講座に対する一言を寄せていただきました。 日本の鉄道は先進国中で最も良く活用され、最も安全で正 確です。しかし、今大都市では相変わらずの通勤地獄が続 いており、地方では鉄道の廃止が続いています。環境・資 源・安全面で最も優れた鉄道が世界的なブームになってい る中で,ひとりわが国だけが取り残されている不幸な状況 から早く脱出したいものです。この講座では、日本の鉄道 関係者が元気になり、よりよい公共交通を享受できるよう にする手助けをします。 曽根 悟 クルマ社会が曲がり角という雰囲気が社会に広まりつつ あります。だからと言って江戸時代には戻れません。中 国・インド・アフリカの人たちも豊かな生活をできるべき です。ならクルマに代わる空間・エネルギー利用が効率的 で、環境負荷が小さく、安全で、誰でも使え、まちを活性 化する交通システムが求められます。皆様、力を合わせて、 満員電車や不便なローカル線や高コストなLRTを、もっ と便利で低コストなものに改めましょう。 阿部 全体としては、将来に悲観的なムードが強い日本におい て、新幹線に代表される旅客鉄道やその技術はもはや国の 象徴と呼んでもよいほどの存在です。しかし、我々はそれ を維持・発展させるために何が必要かを認識し、それを着 実に実行に移しているといえるでしょうか。一連の講座 が、そうした問題を考えるうえでよい材料となるよう、祈 っています。 高木 亮 「鉄道ブーム」だそうです。しかし、鉄道の仕組み、例え ば、安全な鉄道・便利な鉄道は、どういう人がどういう事 を考えて実現されているのかなどについては、まだまだ世 の中に知られていないように感じます。この講座では、列 車ダイヤの作り方、列車の運行管理、特に、ダイヤ乱れ時 の対応(運転整理)について、その難しさ、背景にある事 情、現状の取り組み、今後のあり方などをわかりやすく説 明したいと思っています。 等 富井 規雄 2011 年 5 月末に国土交通省交通政策審議会鉄道部会の中央 新幹線に関する国土交通大臣への答申が出されました。この 環境やエネルギーに対する問題が地球規模で議論されてい る今日、鉄道システムの果たし得る役割は大きい。欧州や 米国では、鉄道システムの再興が期待されている。一方我 が国では、地方鉄道が厳しい経営状態にあるものの、展望 が見いだせていない。本講義では、鉄道の安全・安心や列 車制御をキーワードにし、その原理から今後の在り方につ いて述べる。その中で、在来鉄道の再生に資する方向性に ついて熱く議論したいと考えている。 講座では、従来の車輪の機能を電磁力応用の手段として磁気 浮上とリニアモータで代替することの利点と問題点、その技 術的な方式の分類と各国における歴史的な開発経緯、関係技 術の適用分野、公共交通のための新技術としての可能性と難 しさに関する個人的見解、中央新幹線のための技術としての 最近の開発の動向と展望について、可能な限り平易にお話し ます。 古関 隆章 鉄道は環境にやさしい交通機関として注目されており、そ の特長を延ばし、少しでも輸送シェアを増やすことが、地 球環境保護につながると考え、関連する研究に従事してい ます。今回は受講者の皆さんに、鉄道の、特車両のあり方 を考えるための基盤となる知識をお伝えできればと考え ております。また、一方で、鉄道はシステム工学の好例と も位置づけられますので、鉄道システムの中の車両という 視野も取り入れた講座をしたいと思います。 近藤圭一郎 今、地球環境問題について国民の意識が高まっています。 鉄道は、交通機関として環境にやさしく安全性や定時性に も優れています。公共交通機関として鉄道の果たす役割 は、今後とも重要であると確信しています。そのためには 都市鉄道や新幹線の必要な路線整備が計画的に実施され、 健全に運営される仕組みが重要です。講座が、鉄道の路線 が計画され建設から開業に至るまでの現状について一緒 に考える良い機会になることを願っています。 湯山 和利 中村 英夫 日本は、新幹線、幹線による鉄道のネットワーク化が整備 されているが、それを補完し、地域の実情にあった新しい 交通システムの開発も行われてきた。新交通システム・都 市モノレールに始まり、リニア地下鉄、リニモ、スカイレ ール等が開発され、実用に供している。さらに、現在でも 各種の新しい交通システムの開発がなされている。本講座 では、こうした新しい交通システムに用いられてきた技術 を中心に説明するとともに、交通システムの体系について 解説する。 水間 毅 快適な電車が走っていることが、私たちには当たり前にな っています。ところで、電車は電気で走っていますが、電 気はどのようにして電車へ届けられるかご存知ですか?電 気は、電力会社から鉄道会社の変電所で受電して、電車線 を通して電車へ送られています。この安定した電力供給(き 電)が快適な電車の走行を確保しています。公開講座では、 この様な地上電気設備について紹介したいと考えていま す。 持永 芳文
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