専門試験Ⅰ(鉄道車両) 問題 - 公益財団法人 鉄道総合技術研究所

鉄道設計技士試験
平成 19 年度
専門試験Ⅰ(鉄道車両) 問題
公益財団法人鉄道総合技術研究所
鉄道技術推進センター
鉄道設計技士試験事務局
無断転載を禁じます
問 1 から問 20 までは必須問題です。受験者全員が解答して下さい。
問1
次の文章は、
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」
の解釈基準における客室および旅客用乗降口の構
造について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を下の語群から 1 つ選び、その
記号を解答欄に記入しなさい。
(1) 客室内の強制換気装置の通常時における換気量は、1 人 1 時間あたり( ① )とする。
(2) 予備照明装置を設ける場合は、扉や( ② )の位置等が認識できる程度以上の明るさを確保する。
(3) 客室の通路に面する窓の開口部の下縁の床面からの高さは( ③ )以上とする。
(4) 旅客用乗降口の有効幅は、660[mm]以上、有効高さは 1,800[mm]以上とする。ただし、車いすが乗降す
る乗降口の有効幅は( ④ )以上とする。
(5) 普通鉄道において旅客用乗降口の床面の高さがやむを得ずプラットホームから( ⑤ )を超える車両(空
車状態)においては、踏み段を設ける。
語群: ア 10[m3]、 イ 13[m3]、 ウ 20[m3]、 エ つり革、 オ 荷棚、 カ 戸閉コック、 キ 260[mm]、
ク 300[mm]、 ケ 380[mm]、 コ 600[mm]、 サ 800[mm]、 シ 1,000[mm]、 ス 1,100[mm]、
セ 1,200[mm]、 ソ 1,300[mm]
問2
次の文章は、鉄道車両の設計・保守に関係のある環境規制について述べたものである。( )の中に入れる
べき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または数値が入る
ものとする。
(1) ( ① )指令とは、EU(欧州連合)が 2006 年 7 月 1 日に施行した有害物質規制である。電気電子機器への特
定有害物質の含有を禁止するものであり、規制対象となっているのは、( ② )、水銀、カドミウム、六
価クロム、PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル)の 6 物質である。
(2) 労働安全衛生法施行令により、石綿をその重量の( ③ )%を超えて含有するすべての製品は、平成 18
年 9 月 1 日以降、新たに製造、使用することが禁止されている。
(3) 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(平成 11 年 7 月公布)
は、( ④ )制度と( ⑤ )制度を柱として、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進すること
を目的とした法律である。
・( ④ )制度 : 有害性のある化学物質について、事業所から環境への排出量および廃棄物に含まれて事
業所外へ運び出される量を把握、集計、公表する制度
・( ⑤ )制度 : 指定化学物質やそれを含む製品を他の事業者に譲渡または提供する際に、その相手方に
対して成分や性質、取扱い方法に関する情報を提供することを義務づける制度
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問3
次の文章は、図の両端支持はりに集中荷重がかかっている場合の計算について述べたものである。( )の
中に入れるべき適切な数値または記号を解答欄に記入しなさい。
(1) 支点Aにかかる力は( ① )[N]である。
(2) はりの最大曲げモーメントは、はりの( ② )点に発生する。 ※図の A~C の記号を記入すること。
(3) 最大曲げモーメントは、( ③ )[N・m]である。
(4) はりの断面二次モーメントは、2.25×10-8[m4]であり、断面係数は( ④ )[m3]となる。
(5) はりの最大曲げ応力は( ⑤ )[MPa]である。
問4
次の文章は、車両用冷房装置の仕組みについて述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解
答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
(1) 冷房装置では、コンプレッサで冷媒を圧縮し、高温高圧の( ① )体にして、コンデンサ(凝縮器)に送る。
ここで室外送風機により大量の外気と熱交換を行い、凝縮して高圧の( ② )体となった冷媒はドライヤ
を通って、キャピラリチューブに入る。ここで充分( ③ )され、温度と沸点を下げた冷媒は( ④ )に入
る。室内送風機で車室内の空気と接触させることによって、( ④ )を通過した室内空気は熱を奪われ冷
気となって車室内に放出される。
(2) 近年、鉄道車両用の冷媒は HCFC-22(R-22)から( ⑤ )係数が 0 の HFC-407C(R-407C)などに切り替えら
れている。
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問5
次の文章は、EMC(電磁環境両立性)について述べたものである。下線部が正しい記述には○を、誤った記
述には×を解答欄に記入しなさい。
① EMC の実現にあたっては、発生側での対策とともに、電波雑音の影響を受ける側もある程度のイミュ
ニティをもつことが求められる。
② 主回路制御に半導体を利用して整流したり、チョッピングしたりするようになり、脈流による電磁放射
が多くなった。
③ 電車線からのパンタグラフによる集電では、離線によるアークが発生することがあり、その際に電波障
害が生じる。
④ 車両搭載のリアクトルは密閉形が多く、周囲に電磁界を放射している。
⑤ チョッパや VVVF インバータを使うようになり、軌道回路や車両、他の機器に与える電磁放射の影響
が大きくなったため、チョッピング周波数やスイッチング周波数を低くするなどの対策を行っている。
問6
次の文章は、主電動機の動力伝達方式について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解
答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
(1) 動力伝達方式には、つりかけ式、( ① )式、クイル式および直接駆動式(DDM 方式)がある。
(2) つりかけ式は装架構造が簡単で、( ① )式が出現する以前に多く使用された。主電動機の一端を( ② )
で支持し、他端は軸受を介し( ③ )で支持する。主電動機質量の約半分が( ④ )質量となるため、軌道
への衝撃が大きくなり、同時に( ② )、主電動機への振動、衝撃も大きくなる。
(3) 平行( ① )式は主電動機を( ② )に装架し、主電動機と歯車装置の間に可撓継ぎ手を備えた( ① )軸と呼
ばれる動力伝達軸によりトルクを伝える。この方式は主電動機が( ⑤ )質量となり、軌道への衝撃が軽
減できる。
問7
次の文章は、国内のディーゼル車両の動力伝達方式について述べたものである。( )の中に入れるべき適
切な語句を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句
が入るものとする。
(1) 気動車、機関車とも多くの車両の動力伝達方式は( ① )である。また、本線用機関車では( ② )も採用
されている。
(2) ( ① )の気動車の場合、中速度または高速度域になると( ③ )の( ④ )が低下するため、( ③ )を介さな
い( ⑤ )で走行する。
語群: ア ハイブリッド式、 イ トルクコンバータ、 ウ 液体式、 エ 歯車段、 オ 粘性率、
カ クラッチ式、 キ クラッチ、 ク 電気式、 ケ 直結段、 コ 伝達効率、 サ すべり率、
シ 変速段、 ス 水圧式、 セ リターダ、 ソ 空気式
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問8
次の文章は、気動車のディーゼル機関について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には
×を解答欄に記入しなさい。
① 気圧、温度、湿度などの大気の変化に伴い機関出力が変化する。
② オーバーヒートを防止し、かつ熱機関の効率を高めるため、可能な限り機関冷却水入口温度を低くす
る方が良い。
③ 空気圧縮機などの補機を走行用機関で駆動する形態の場合、補機駆動状態によって動輪周引張力が変
化する。
④ 機関回転数が低く負荷率が小さいほど燃料消費率が小さい。
⑤ 運転台の逆転レバーの操作により機関の回転方向が変わる構造の機関を使用するのが一般的である。
問9
次の文章は、
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」における車両構造について述べたものである。正
しい記述には○を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。
① 車両の窓は、十分な強度を有し、かつ、窓を開けた場合において、施設等と接触するおそれ及び旅客が
転落するおそれのないこと。
② 旅客車には、旅客が安全かつ円滑に通行することができる貫通口及び貫通路を設けなければならない。
ただし、専ら車両一両で運転するものにあっては、この限りでない。
③ 車両は、車両限界を超えてはならない。ただし、構造上の理由により車両限界を超えなければ使用する
ことができない装置及び排障器、クレーンその他これに類するものは、車両の安全な走行を確保するこ
とができる範囲において、車両限界を超えることができる。
④ 非常の際に旅客が脱出することが困難な車両には、容易かつ確実に脱出することができ、かつ、乗務員
が開閉状態を容易に確認することができる内開き戸の非常口を設けなければならない。
⑤ 車両の火災対策として、アーク又は光を発生するおそれのある機器は、適切な保護措置が取られたもの
でなければならない。
問 10
次の文章は、国枝の式について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入しな
さい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
(1) 国枝の式とは、横風による空気力や曲線通過時の超過遠心力による鉄道車両の( ① )の危険率を表す式
のことである。この式は、車両に働く外力による車輪・レール接触点周りの( ② )のつり合いから、( ① )
の危険率を求めるものである。
(2) 国枝の式では、車両に働くさまざまな外力のうち、( ① )に大きな影響を及ぼす可能性があるものとし
て、横風による風圧力、曲線通過時の超過遠心力と車体の( ③ )による慣性力を考慮している。車両の
ばね系による影響を、車両の( ④ )高さおよび風圧中心高さを用いて考慮している。
(3) 国枝の式では、( ① )の危険率は( ⑤ )減少率で表される。
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問 11
次の文章は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準における停電時の装置の機能について
述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入し
なさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
電車線からの電源の供給が断たれたとき又は発電機等の故障により電源の供給が断たれた状態において
も、以下に示す装置等を設ける場合については、蓄電池により一定の時間は機能を確保すること。
(1) ブレーキ操作に( ① )を使用しているブレーキ装置
(2) 旅客用乗降口の構造においては、旅客用乗降口の( ② )表示灯
(3) 非常口の構造においては、非常口の所在場所、( ③ )の表示及び( ② )表示灯
(4) 乗務員室の設備においては、( ④ )の現示設備
(5) 車両の附属装置においては、( ⑤ )標識灯
語群: ア 入換、 イ 後部、 ウ 動作、 エ ワンハンドル主幹制御器、 オ 車内信号機、 カ 速度、
キ 形式、 ク 取扱方法、 ケ 行先、 コ 空気弁、 サ 開扉、 シ 優等車両、 ス 検査履歴、
セ 電気回路、 ソ 開扉予告
問 12
次の文章は、車両の運動について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答
欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または数値が入るものとする。
(1) 図の x、y、z は車両運動を解析する場合の基準となる座標軸を示す。車両運動は車体重心を通る各軸に
平行な並進運動と各軸回りの回転運動で表され、車体モデルは( ① )自由度を持つ。
※①には数値を解答すること。
(2) z 軸回りの車両回転運動を( ② )という。
(3) z 軸方向の車両振動のうち、乗り心地に影響を与える振動は 10[Hz]前後の車体の( ③ )に伴う振動であ
る。台車ばね系の設計では、ばね系の( ④ )がこの振動数に近くならないよう配慮が必要である。
(4) 車両 x 軸方向の振動には、連結器緩衝装置のばね作用に起因するものと台車の( ⑤ )に起因するものが
ある。後者を低減するには、現状のボルスタレス台車の前後力伝達装置に見られるように、車体-台車
間の前後支持高さを台車の( ⑤ )の回転中心付近とすれば良い。
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問 13
次の文章は、輪軸の運動特性について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答
欄に記入しなさい。
① 曲線通過時には、アタック角が 0 となっているのが理想的である。
② 輪軸だ行動の波長は、車輪とレールの接触点での共通接線の勾配(等価踏面勾配)が大きいほど長くなる。
③ 輪軸だ行動波長が長いほど台車だ行動波長は長くなる。
④ 輪軸質量の軽量化はだ行動防止に有効である。
⑤ 輪軸だ行動を抑制するには、軸箱支持装置の遊間を拡大するのが有効である。
問 14
次の文章は、車体支持装置に空気ばねを使用する場合について述べたものである。( )の中に入れるべき
適切な語句を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
(1) 空気ばね配管系には 1 台車の左右の空気ばね( ① )を一定値以下に抑える働きをする( ② )が組み込ま
れている。( ② )は設定値以上の空気ばね( ① )があると、配管内の空気を移動させ空気ばね高さが同
じになるよう動作するため、万一、片方の空気ばねがパンクした場合には車体が大きく傾斜することを
防止できる。ただし、設定値を低くし過ぎると、曲線上で満員車両が停止したときなどに車体が内軌側
に傾斜する、いわゆる( ③ )現象を生じる可能性がある。
(2) 空気ばねを用いた車体支持方式の中には、1 車両のうち片方の台車の空気ばね 2 個を連通して自動高さ
調整装置 1 個を配し、他方の台車の空気ばね 2 個にはそれぞれに自動高さ調整装置を備えた空気ばね 3
点支持方式がある。この方式は緩和曲線通過時の走行安全性確保に有効であるが、空気ばね 4 点支持の
車両に対し空気ばねの( ④ )剛性が低下する。従って、これを補うために( ⑤ )装置を装架している場
合が多い。
問 15
次の文章は、最近の電車用駆動装置について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×
を解答欄に記入しなさい。
① 駆動装置の大歯車の歯数を小歯車の歯数で割ったものを歯車比といい、
両歯車のピッチ円直径比と等し
い。
② 高速車両の歯車装置は、
歯車比を小さくして車輪の回転数や車輪に伝達される回転力が大きくなるよう
にしている。
③ 歯車箱には磁石が埋め込まれた特殊栓が取り付けられ、潤滑油中の摩耗粉の除去が行われる。
④ 歯車箱内の大歯車、小歯車および軸受の潤滑は、歯車箱内の油を大歯車でかき上げることにより行う油
浴潤滑が一般的である。
⑤ 歯車箱は十分な強度や剛性をもたせるとともに、軽量化する必要があり、アルミ合金製の歯車箱も実用
化されている。
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問 16
次の文章は、防食設計について述べたものである。下線部が正しい記述には○を、誤った記述には下線部
に入れるべき正しい語句を解答欄に記入しなさい。
① 表面状態が活性化する材料、すなわち材料自体が耐食性を示す材料を選択するのがよい。
② 材料の組合せや接合方法の選択にあたっては、
接触する材料間で発生する隙間腐食や異種金属接触腐食
が生じないよう配慮が必要である。
③ 表面を環境から遮断する方法としては、めっき処理、溶射、クラッドによる金属層での被覆、化成処理、
塗装などによる非金属層での被覆がある。
④ 環境条件を制御する方法としては、腐食を促進する成分の除去、腐食を抑制する成分の添加がある。湿
食では水と窒素の存在が不可欠であるため、これらを避けるべく除湿やガス置換が行われる。
⑤ 電気化学的に制御する方法としては、
防食対象金属よりもイオン化傾向の大きい金属を電気的に接続す
る標準電極の使用や外部からの電位制御がある。
問 17
次の文章は、環境負荷評価について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入
しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
(1) 環境負荷を低減するためには、まず実態を把握し評価することが必要である。その評価手法の一つで
ある( ① )は、対象とする製品やサービスの資源採取、( ② )、運搬、使用そしてリサイクル、( ③ )
にいたる全生涯のプロセスでの環境負荷を定量的に評価する手法である。
(2) ( ① )の標準的な手順は ISO の規格に規定されており、まず目的および調査範囲の設定を行った後、
( ④ )分析を行う。( ④ )分析では、全生涯にわたり投入される原材料、エネルギーや排出される二酸
化炭素などの量を集計する。この際の集計手法には、各プロセスでの物質収支を収集する( ⑤ )法と、
産業連関表や各種統計を用いる産業連関法がある。
問 18
次の文章は、空気圧縮機について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を下の
語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または数値が入
るものとする。
(1) 鉄道車両用として実用化されている空気圧縮機は、空気圧縮を行う部分の方式により、往復式と( ① )
に大別される。( ① )にはスクリュー式やスクロール式がある。
(2) 往復式空気圧縮機の場合、最大圧力が高いときには、2 段圧縮をしており、低圧段と高圧段の間に( ② )
を配置する。
(3) 往復式空気圧縮機の稼働率は、( ③ )を目安としている。稼働率が高くなると、運転中の空気圧縮機温
度が高くなり、効率や潤滑性能の低下が問題となる。
(4) 除湿装置は、圧縮空気を乾燥する装置であり、水蒸気分圧差で除湿を行う高分子の( ④ )を使用したも
のもある。
(5) スクリュー式空気圧縮機は、吸込、圧縮、吐出行程を連続的に行う空気圧縮機であり、トルク変動や
振動が往復式空気圧縮機に比べ( ⑤ )。
語群: ア 1/5、 イ 1/3、 ウ 1/2、 エ オイルクーラ、 オ 中間冷却器、 カ 吸着剤、 キ 回転式、
ク 非常に小さい、 ケ 非常に大きい、 コ 同程度である、 サ アフタークーラ、
シ 合成ゼオライト、 ス しゅう動式、 セ 中空糸膜、 ソ 乾燥剤
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問 19
次の文章は、空気ブレーキの制御について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄
に記入しなさい。
(1) 制輪子が車輪踏面に接する程度の弱いブレーキを作用させて、車輪と制輪子のすきまに雪が堆積し、
ブレーキ作用が損なわれることを防止するための方式または装置を( ① )という。
(2) 元空気だめ圧力を検知して空気圧縮機を制御するための機器を( ② )という。
(3) 空気だめの圧力が所定圧力以上になって、空気だめなどが破裂しないように( ③ )を設ける。
(4) 車両の積載質量に応じて、ブレーキ力を自動的に加減する弁を( ④ )という。
(5) 自動空気ブレーキに用いられる三圧式制御弁は、ブレーキ管圧力、( ⑤ )圧力、ブレーキシリンダ圧力
の 3 つの圧力のつり合いによって、ブレーキシリンダ圧力を制御する。
問 20
次の文章は、
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準におけるブレーキ装置について述べた
ものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。
(1) 省令に定められた車両のブレーキ装置の種類は常用ブレーキ装置、( ① )ブレーキ装置、保安ブレーキ
装置で、車両の種類に応じて装備する。
(2) ブレーキ率とはブレーキシュー押し付け力の総和と( ② )の割合をいう。
(3) 旅客車における常用ブレーキ装置のブレーキ率は積車状態で( ③ )/100 以上でなければならない。
(4) ブレーキ率は( ④ )制輪子の摩擦係数に換算して計算する。
(5) 常用ブレーキ装置で動力源として空気を用いる場合には、制動力の供給源としての最終の空気タンク
からブレーキシリンダに至る部分までの機器及び空気管は、( ⑤ )の幅の内側に配置することとされて
いる。ただし、相当の強度を有するもので防護されている場合は、この限りでない。
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問 21 から問 40 までは選択問題です。
1 群(問 21 から問 30 まで)から 5 問を選択して下さい。
2 群(問 31 から問 40 まで)から 5 問を選択して下さい。
合計 10 問を選択して、色付きの解答用紙に選択した問題番号を○で囲み、
その欄に解答を記入して下さい。
選択問題1群(問 21 から問 30 まで。この中から 5 問を選択して下さい。
)
問 21
次の文章は、電車のインバータ制御について述べたものである。下線部が正しい記述には○を、誤った記
述には×を解答欄に記入しなさい。
① 誘導電動機に印加する電圧 V、周波数 f と電動機が発生するトルク T の関係は、次の式で近似される。
ここで、K は定数、fs はすべり周波数である。
V
T ≒ K 
f
2

 f s

② インバータが発生する電圧はパルス状であるが、誘導電動機に流れる電流は巻線のインダクタンス分に
よってほぼ正弦波状のものとなる。
③ 低速域では、V/f と fs を一定に保つ定電圧制御を行う。
④ 定電力制御領域では、トルクは周波数 f に比例する。
⑤ 誘導電動機のすべりには上限があり、それを超えると不安定になり、制御できなくなる。
問 22
次の文章は、電子部品の劣化とそれを考慮した電子機器の設計について述べたものである。( )の中に入
れるべき適切な語句または数値を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。
最近の電車には電子部品が随所に使われている。それらの中で、経年による劣化という観点で要管理と
される代表的なものは電解コンデンサとはんだである。
(1) 電解コンデンサは、経年とともに封口ゴム部からの( ① )により静電容量が変化する。電解コンデン
サの劣化の速度は使用温度に依存し、
電気的特性の経時変化による寿命と周囲温度の関係はアーレニ
ウス則と呼ばれる特性式で近似できる。アーレニウス則によれば、周囲温度が 10 度高くなると、ア
ルミ電解コンデンサの寿命は( ② )に低下する。
(2) はんだ接続部には母材との( ③ )の差により応力が生じ、それが繰り返し作用することで最終的にク
ラックが発生し、導通不良に至る。
(3) プリント基板を設計するにあたっては、抵抗器や三端子レギュレータなどの発熱部品を基板の( ④ )
に配置するのがよい。また、個々の基板の( ⑤ )を考慮して隣接する基板同士の間隔を確保する必要
がある。
語群: ア 1/4、 イ 1/2、 ウ 3/4、 エ 総重量、 オ 熱膨張係数、 カ 配線ピッチ、 キ 異物の侵入、
ク 電気抵抗、 ケ 密度、 コ 電解液の蒸発、 サ き裂の進展、 シ 鉛直下側、 ス 基板中央部、
セ 鉛直上側、 ソ 消費電力
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問 23
次の文章は、
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準における車両の機関等について述べ
たものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。
① 潤滑油の圧力が低下した場合に機関を停止させる装置を設けること。
② 冷却水の水温が上昇した場合に機関を停止し、又は機関の回転数を極力低下させる装置を設けること。
③ 元空気タンク内の圧力の低下又はブレーキ管の圧力低下により、ブレーキ効果に支障を来すおそれの
あるときは、自動的に機関を最高回転数としてコンプレッサの早込め動作をする装置を設けること。
④ 排気管は客室内に配管されていないこと。ただし、防護板の取付その他の措置が講じられている場合
は、この限りでない。
⑤ 排気ガス等の排出物により、内燃機関車等若しくは積載物品等が発火し、又はブレーキ装置、電気装
置等の装置の機能を阻害するおそれのないものであること。
問 24
次の文章は、気動車のブレーキについて述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解
答欄に記入しなさい。
① 気動車には、
空気ブレーキの補助ブレーキや連続急こう配区間における抑速ブレーキとしてダイナミッ
クブレーキを使用しているものがある。
② コンバータブレーキは、低速域になるとブレーキ力は大きくなる。
③ コンバータブレーキは、コンバータをリターダとして利用したブレーキである。
④ リターダブレーキは、流体の摩擦やかくはん抵抗を利用したもので冷却器が不要である。
⑤ コンバータブレーキは、コンバータ効率の高いところで使用して、運動エネルギーを熱エネルギーに変
換してブレーキ力を得る。
問 25
次の文章は、日本工業規格「通勤電車運転室の設計通則」(JIS E 6003)について述べたものである。( )の中
に入れるべき適切な語句を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。
(1) 通勤電車の運転室を設計する際の共通的な条件の分類は、乗務員保護の条件、運転室の広さ及び居住
性の条件、運転台の条件、( ① )設置の条件である。
(2) 運転室は、( ② )、急停車などの場合、乗務員が負傷しない構造とする。
(3) 運転室側面の扉は、( ③ )に開く構造とする。
(4) 運転室内には( ④ )していない高圧機器を配置しない。
(5) 非常の場合に乗務員が脱出できるよう、運転室には簡単に( ⑤ )できる扉を少なくとも一つは設ける。
語群: ア 側方に脱出、 イ 前方に脱出、 ウ 急加速、 エ 後方に脱出、 オ ヒューズを設置、
カ 室内側、 キ 十分な離隔を確保、 ク 非常用照明、 ケ 室外側、 コ 保護遮へい、
サ 通信設備、 シ 動揺、 ス 消火器、 セ 乗務員の乗降、 ソ 忍び錠
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問 26
次の文章は、トンネル走行時の気圧変化について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を
下の語群から1つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものと
する。
(1) 列車が高速でトンネルに突入し、トンネル内を走行するときに生ずる気圧の変化は、トンネル出口か
らの( ① )の放射や耳つんといった問題をもたらすことがある。
(2) ( ① )の車両側の対策としては、( ② )や( ③ )がある。
(3) 耳つんの対策においては換気などを考慮した( ④ )の対策がある。
(4) 複線トンネル内で対向列車がある場合のトンネル内の気圧変化の大きさは、自列車の突入だけでなく、
対向列車の( ⑤ )の影響も受ける。
語群: ア 切り妻の採用、 イ 全周ホロの設置、 ウ 膨張波、 エ 車体断面積の縮小、
オ 車体断面積の拡大、 カ 突入および退出、 キ 構体強度の向上、 ク 緩衝工、
ケ 気密度の向上、 コ 退出のみ、 サ 気密度の低下、 シ 微気圧波、
ス パンタカバーの設置、 セ 衝撃波、 ソ 先頭形状の先鋭化、 タ 突入のみ
問 27
次の文章は、車両の保守管理について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答
欄に記入しなさい。
① 車軸の検査において、磁粉探傷は、輪軸等を組み合わせた状態のはめあい部分の検査に有効な手法であ
る。
② 「施設及び車両の定期点検に関する告示」(本問において、以下「検査告示」)の解釈基準において、車
軸探傷を行った結果、不良と判定された車軸は、修繕すれば使用できる。
③ 車軸の探傷精度を探傷方法別に比較すると、局部探傷が一番精度が高く、以下磁粉探傷、斜角探傷、垂
直探傷の順番となる。
また、検査告示の解釈基準における「台車枠の検査マニュアル」では、台車枠について以下のとおり検
査を実施することとされている。
④ 台車枠の重点検査箇所については、
各事業者がそれぞれの車両の台車枠構造の特性を考慮して指定する
こと。
⑤ 重点検査箇所における台車枠き裂の検査方法は、基本的に探傷検査により行うこと。ただし、塗装や汚
れを除去することにより目視で確実な確認が可能な箇所や特別な対策が施された台車枠の検査につい
ては、目視による検査を行ってもよい。
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問 28
次の文章は、日本工業規格「鉄道車両-台車-台車枠設計通則」(JIS E 4207)における応力限界図について
述べたものである。この線図は台車枠設計時の計算応力評価、あるいは静荷重試験で得られた合成応力の評
価に用いる。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。
① 台車枠材料の種類にかかわらず、鉄鋼材料の応力限界図の各点の数値は同一の値となる。
② 平均応力を示す横軸 POQ はすべて引張応力である。
③ OR は材料の引張強さ、 OS 、 OQ 、 OP は材料の降伏点である。
④ 母材部の合成応力評価は四辺形 P abQ の範囲内で行う。
⑤ ある部位の合成応力が点 A の位置となった。この部位は仕上げを行っていない溶接部であったので、
グラインダによる仕上げが必要と判定できる。
問 29
次の文章は、ねじ締結について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を下の語
群から1つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または数値が入る
ものとする。
(1) ねじ締結力がなくなる緩みの例として、締結される物体間に塗膜が存在する場合があるが、これは緩
みの形態分類のうち、( ① )緩みの例である。
(2) ( ① )緩みを防止する方法として、初期締結後、塗膜等のへたりが進行した後、( ② )を行うことが有
効である。
(3) ボルトを締め付ける際の締付けトルクは、ねじ山に作用するねじ部トルクと、ボルトの( ③ )に作用す
る( ③ )トルクに分けられる。
(4) 鋼製のボルトで鋼または鋳鉄を締め付ける場合、使用中に外力が作用しないときは、ねじ部の有効断
面積に生じる引張応力が、その降伏点の( ④ )%程度になるように締め付けるのがよいとされている。
(5) ねじ部に繰り返し荷重が作用すると疲労により破壊するケースがあるが、ねじ部の疲労強度はその形
状から来る応力集中のため、材料の有する疲労強度より大幅に減少する。ねじ部の疲労強度を向上さ
せるために一般的に使用されている製造方法に( ⑤ )があり、表面に生じる圧縮の残留応力によって疲
労強度の向上が図られている。
語群: ア 転造、 イ 高周波焼入れ、 ウ かしめ、 エ 切削、 オ 針金巻き、 カ 座面、 キ 幹部、
ク 熱処理、 ケ 50、 コ 70、 サ 90、 シ 戻り回転のある、 ス 戻り回転のない、
セ 増し締め、 ソ 塑性
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問 30
次の文章は、ブレーキ方式の特徴等について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×
を解答欄に記入しなさい。
① 電気指令式空気ブレーキで使用するブレーキ読替装置は、
自動空気ブレーキや電磁直通空気ブレーキの
車両との併結運転ができるようにするための装置である。
② 空気ブレーキと電気ブレーキとの分担方法には、均一ブレーキ制御と遅れ込めブレーキ制御がある。均
一ブレーキ制御は、
付随車の必要とするブレーキ力の一部を電動車の電気ブレーキ力で負担する方法で
ある。
③ 電気指令式空気ブレーキの応答性および電気ブレーキとの協調性は、
電磁直通空気ブレーキよりも優れ
ている。
④ 電磁直通空気ブレーキを採用している電車では、引通し管を 3 本使用しているものもあるが、電気指令
式空気ブレーキを採用した電車の引通し管は 1 本でよい。
⑤ 電磁直通空気ブレーキは、
応答性を良くするため自動空気ブレーキにゆるめ電磁弁とブレーキ電磁弁を
追加した方式である。
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選択問題 2 群(問 31 から問 40 まで。この中から 5 問を選択して下さい。
)
問 31
次の文章は、日本工業規格「鉄道車両部品-振動試験方法」(JIS E 4031)について述べたものである。( )
の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句また
は数値が入るものとする。
(1) 振動試験とは、( ① )試験、振動機能試験及び振動( ② )試験の総称である。
(2) ( ① )試験では、( ① )振動数を確実に捕捉できるよう、最低・最高の振動数の間を 1 往復するのに要
する時間を十分( ③ )くする。
(3) 振動試験の種類は 1 種から( ④ )種まであり、( ④ )種の振動試験は( ⑤ )部分に取り付ける部品に適用
する。
問 32
次の文章は、電車の動力伝達に関する計算について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を
解答欄に記入しなさい。ただし、解答の数値に小数第 1 位以下がある場合は、小数第 1 位を四捨五入して整
数で解答しなさい。また、円周率は 3 とする。
(1) ある主電動機の最高許容回転数を 4,000[min-1]とすれば、歯車比 4.0 で車輪直径が 800[mm]の電車の最高
許容速度は( ① )[km/h]である。
(2) 1 両に 4 台の電動機を積んだ車両がある。
この電動機のトルクは 500[N・m]であり、
動輪直径を 800[mm]、
歯車比を 4.0、動力伝達効率を 95%とすると、この車両の引張力は( ② )[kN]である。
(3) ある電車の速度が 60[km/h]で、1 ユニットの引張力が 60[kN]のとき、この電車の 1 ユニットの出力は
( ③ )[kW]である。
(4) 架線電圧が直流 1,500[V]、主電動機の平均起動電流が 500[A]のとき、並列起動中の電車の 1 ユニットの
入力は( ④ )[kW]である。
(5) 主抵抗器の抵抗値を 7.6[Ω]、架線電圧を直流 1,500[V]とし、電動機 1 台の内部抵抗が 0.05[Ω]のとき、
8 台直列で起動した場合の起動電流は( ⑤ )[A]である。
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問 33
次の文章は、日本工業規格「鉄道車両の絶縁抵抗及び耐電圧試験方法」(JIS E 4014)における用語の意味と
電気計測器について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を解答欄に記入しなさい。
(1) 特別高電圧回路とは、標準電圧が単相交流( ① )[kV]又は25[kV]の電車線から、その電圧が直接加えら
れる回路をいう。
(2) 高電圧回路とは、次のいずれかの回路をいう。
(a) 標準電圧が( ② )[V]を超える直流回路。
(b) 標準電圧が( ③ )[V]を超える交流回路で、特別高電圧回路以外の回路。
(3) 特別高電圧回路及び高電圧回路の絶縁抵抗を測定する場合は、定格電圧が直流( ④ )[V]の絶縁抵抗計
を使用する。
(4) 低電圧回路の絶縁抵抗を測定する場合は、定格電圧が直流( ⑤ )[V]の絶縁抵抗計を使用する。
問 34
次の表は、機関回転数使用範囲が 1,400[min-1]~2,100[min-1]のディーゼル機関と組み合わせて使用する液体
変速機において、直結段における変速機減速比、機関回転数および動輪速度の関係を示したものである。( )
の中に入れるべき適切な数値を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一数値が入るものとす
る。また、解答の数値に小数第 2 位以下がある場合は、小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで解答しな
さい。
直結 1 段
直結 2 段
直結 3 段
2.7
( ① )
( ② )
変速機減速比
機関回転数[min-1]
1,400
2,100
1,400
2,100
1,400
2,100
動輪速度[km/h]
32
( ③ )
( ③ )
( ④ )
( ④ )
( ⑤ )
問 35
次の文章は、気動車に使用されている流体トルクコンバータについて述べたものである。( )の中に入れ
るべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。
(1) 流体トルクコンバータは、( ① )羽根車、タービン羽根車、案内羽根車の 3 つの要素で構成される。
(2) 流体トルクコンバータの速比が一定の場合、入力軸トルクは入力軸回転数の 2 乗に比例し、入力軸馬
力は入力軸回転数の( ② )乗に比例する。また、出力軸トルクは入力軸回転数の( ③ )乗に比例する。
(3) 車両が起動する時は、流体トルクコンバータの速比が 0 で伝達効率は( ④ )%である。この時のトルク
比を( ⑤ )トルク比という。
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問 36
次の文章は、
「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準における客室内の換気について述べ
たものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。
(1) 客室内の換気方式には、( ① )換気方式と換気ファンによる強制換気方式がある。
(2) 強制換気装置を設ける場合、主たる電源の供給が断たれた場合を考慮し、強制換気装置の機能を一定
時間維持できるようにするか、客室の窓や( ② )等を加えた開口部の( ③ )の総和を、当該車両の客室
の( ④ )の( ⑤ )分の 1 以上とすることとされている。
問 37
次の文章は、台車枠の設計および静荷重試験要領について述べたものである。( )の中に入れるべき適切
な語句または数値を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または数値が入るものとす
る。
(1) 台車枠設計時の応力計算は、台車枠に静荷重および動荷重をかけた場合の応力を荷重の種類ごとに計
算し、平均応力および( ① )応力に区分する。平均応力は荷重の種類ごとに得られた複数の応力の代数
和とし、( ① )応力は荷重の種類ごとの応力の二乗和の平方根とする。片振りとなる動荷重がある場合
にはその荷重による応力の( ② )倍を( ① )応力とみなす。
(2) 台車枠静荷重試験で用いる歪ゲージは、応力計算で判明した高応力部のほか、形状または断面の急変
化部分、溶接ビード( ③ )部など応力集中が予想される個所に貼付する。
(3) 近年、( ④ )力学的手法を用いた溶接ルート部の評価および日本鋼構造協会の疲労設計指針を用いた部
材裏側の溶接部評価を行うことがある。前者は、溶接部近傍の母材部実測応力範囲と当該溶接部の
( ⑤ )深さから応力拡大係数範囲を計算するもので、計算値がしきい値以下であれば( ⑤ )部分からの
き裂は発生しないと判定する。
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問 38
次の文章は、車輪とレール間に作用する力と乗り上がり脱線について述べたものである。( )の中に入れ
るべき適切な語句または数式を解答欄に記入しなさい。
図は車輪がレール上をわずかに乗り上がった状態を示している。 P は輪重、Q は横圧であり、車輪とレ
ールの接触点における共通接線 a-b がレール面となす角度を θ とする。ここで、レール面は水平面とみな
し、車輪とレール間の摩擦係数を μ とする。
車輪が a-b 面の摩擦力に支持されてレールを乗り上がらないための条件、すなわち乗り上がり脱線を生
じない場合には、P、Q、μ および θ を用いて次の不等式が成立つ。
P sinθ > ( ① ) + μ(( ② ) + ( ③ ))
上式の不等号を等号に置き換え、Q / P について整理した式は( ④ )の式と呼ばれ( ⑤ )係数を表す。
a
b
問 39
次の文章は、ブレーキ距離の計算について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を解答欄
に記入しなさい。ただし、解答の数値に小数第 1 位以下がある場合は、小数第 1 位を四捨五入して整数で解
答しなさい。
実ブレーキ減速度が 4.5[km/h/s]、空走時間が 2.0 秒である場合、平坦線において初速度 90[km/h]でブレ
ーキをかけたとき、
(1) 空走距離は( ① )[m]である。
(2) 停止までの実ブレーキ時間は( ② )秒である。
(3) 停止までの全ブレーキ距離は( ③ )[m]である。
(4) 72[km/h]に減速するまでの全ブレーキ時間は( ④ )秒である。
(5) 72[km/h]に減速するまでの実ブレーキ距離は( ⑤ )[m]である。
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問 40
次の文章は、滑走制御について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入しな
さい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。
(1) 滑走制御は、ブレーキをかけた場合に車輪がレールに対してすべりを起こしたときに、これを検知し、ブレ
ーキ力を( ① )させ、再粘着を促進する。
(2) 車輪の滑走を検知する方法には、以下のような方式がある。
・基準軸速度と各軸の速度を比較し、( ② )がある値以上になったとき滑走と判断する( ② )検知
・滑走軸の( ③ )がある値以上になったとき滑走と判断する( ③ )検知
・基準軸速度に対して、滑走軸の速度低下の比率がある値以上になったときに滑走と判断する( ④ )検知
(3) 滑走制御は、一般に台車単位または( ⑤ )単位で行われる。
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鉄道設計技士試験
平成 19 年度
専門試験Ⅰ(鉄道車両) 解答例
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平成 19 年度 鉄道設計技士試験 専門試験Ⅰ(鉄道車両) 解答例
問 1 ① イ、 ② カ、 ③ セ、 ④ サ、 ⑤ ケ
問 2 ① RoHS、 ② 鉛、 ③ 0.1、 ④ PRTR、 ⑤ MSDS
問 3 ① 300、 ② C、 ③ 150、 ④ 1.5×10-6、 ⑤ 100
問 4 ① 気、 ② 液、 ③ 減圧、 ④ エバポレータ、 ⑤ オゾン破壊
問 5 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ×
問 6 ① カルダン、 ② 台車枠、 ③ 車軸、 ④ ばね下、 ⑤ ばね上(ばね間)
問 7 ① ウ、 ② ク、 ③ イ、 ④ コ、 ⑤ ケ
問 8 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ×
問 9 ① ○、 ② ○、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ×
問 10 ① 転覆、 ② モーメント、 ③ 振動、 ④ 重心、 ⑤ 輪重
問 11 ① セ、 ② サ、 ③ ク、 ④ オ、 ⑤ イ
問 12 ① 6、 ② ヨーイング、 ③ 一次曲げ、 ④ 固有振動数、 ⑤ ピッチング
問 13 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ○、 ⑤ ×
問 14 ① 圧力差、 ② 差圧弁、 ③ カント負け、 ④ ローリング、 ⑤ アンチロール
問 15 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ○、 ⑤ ○
問 16 ① 安定、 ② ○、 ③ ○、 ④ 酸素、 ⑤ 犠牲
問 17 ① LCA、 ② 製造、 ③ 廃棄、 ④ インベントリ、 ⑤ 積上げ
問 18 ① キ、 ② オ、 ③ イ、 ④ セ、 ⑤ ク
問 19 ① 耐雪ブレーキ、 ② 調圧器、 ③ 安全弁、 ④ 応荷重弁、 ⑤ 定圧空気だめ
問 20 ① 留置、 ② 車両重量、 ③ 70、 ④ 鋳鉄、 ⑤ 台車
問 21 ① ○、 ② ○、 ③ ×、 ④ ×、 ⑤ ○
問 22 ① コ、 ② イ、 ③ オ、 ④ セ、 ⑤ ソ
問 23 ① ○、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ○
問 24 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ×
問 25 ① ス、 ② シ、 ③ カ、 ④ コ、 ⑤ エ
問 26 ① シ、 ② エ、 ③ ソ、 ④ ケ、 ⑤ カ ※②、③は順不同
問 27 ① ×、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ○
問 28 ① ×、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ○
問 29 ① ス、 ② セ、 ③ カ、 ④ コ、 ⑤ ア
問 30 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ○、 ⑤ ×
問 31 ① 共振、 ② 耐久、 ③ 長、 ④ 6、 ⑤ ばね下
問 32 ① 144、 ② 19、 ③ 1,000、 ④ 1,500、 ⑤ 188
問 33 ① 20、 ② 750、 ③ 600、 ④ 1,000、 ⑤ 500
問 34 ① 1.8、 ② 1.2、 ③ 48、 ④ 72、 ⑤ 108
問 35 ① ポンプ、 ② 3、 ③ 2、 ④ 0、 ⑤ ストール
問 36 ① 自然、 ② 側引戸、 ③ 面積、 ④ 床面積、 ⑤ 20
問 37 ① 変動、 ② 1/2、 ③ 止端、 ④ 破壊、 ⑤ 溶込み不良
問 38 ① Qcosθ、 ② Pcosθ、 ③ Qsinθ、 ④ ナダル、 ⑤ 限界脱線 ※②と③は順不同
問 39 ① 50、 ② 20、 ③ 300、 ④ 6、 ⑤ 90
問 40 ① 低減、 ② 速度差、 ③ 減速度、 ④ すべり率、 ⑤ 軸
(注) 語句記述式問題については、上記以外にも正解のある場合があります。
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