添付 - 日本コスト工学会

VEで見る対象分野
日本コスト工学会の3つの柱
1
勉強会、イベント、セミナーを開
催する。
役立つ情報、話題、時世に応じた情報、専門知識
が学べる機会の提供
2
ラング法、モジュール法及び装
置能力指数乗則法を活用す
る。
ラング法、モジュール法及び装置能力指数乗則法
に限らず、資格試験に出で来るのを中心とした見積
積算、コストの考え方、見積もり積算で実際に使え
る計算方法やプログラムの提供
一般、大学生に資格を取らせる
日本コスト工学会は、手始めとして、プロジェクト・コ
スト・マネジメント、建築コスト管理士試験、 PMP
(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル等の資
格の勉強が出来て、試験を斡旋、補助、紹介等、と
いう立場で介入してはどうか。
3
日本コスト工学会として、これら3本を柱として、運営することこそ、発展に繋がると確信する。
夫々は相互の進展に結びつく関係が期待出来るため、社会の発展に寄与出来ると考えられる。
対象分野の設定
2016/9/12
VE手法を用いたソフトVE
日本コスト工学会
1.
始めにVEの定義について考える
VEとは、最低のライフサイクル・コストで必要な機能を確実に達成する
ために、製品やサービスの機能研究に注ぐ組織的努力である。
-1 日本コスト工学会の機能とは、
会則では、次の様に定義されている。
コストエンジニアリング及びプロジェクトエンジニアリングに関する
会誌の発行、研究発表会の開催及び調査研究等を行うことにより、
コストエンジニアリング及びプロジェクトエンジニアリングの進歩及び
産業一般の振興を図り、もって学術文化の向上及び我が国の産業
の発展に寄与することを目的とする。
会則は、主語と活動と目的が示されています。VE的には、シンプルに
機能定義として、名詞と動詞の2語によって、『・・・を・・・する。』と表現する。
1
2
3
4
5
6
7
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリングの会紙を発行する。
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリングの研究発表する。
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリングの調査研究する。
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリングを進歩させる。
産業一般の振興を図る。
学術文化を向上させる。
産業発展に寄与する。
機能の整理により、日本コスト工学会の機能系統図を作成します。
機能定義で一次機能として選択する場合、重要な機能を言い、
その機能を除くと、そのサービスの存在価値が無くなる機能という
観点から、5の産業一般の振興を図る。を選択しました。
これを機能系統図にすると次の様になります。
-2 日本コスト工学会の機能を果たすための手段とは、
1 機関紙及び図書類の発行
2 研究発表会、講演会、及び展示会等の開催
3 調査研究及び情報の蒐集、提供
4 内外の関係機関、団体等との学術、技術の交流及び協力
5 研究の奨励及び研究業績の表彰
6 資格認定
Japan Society of Cost and Project Engineers
VE的質問
それは何か?
コストエンジニアリング及びプロジェクトエンジニアリングに関し、
なぜ、会誌の発行、研究発表会の開催及び調査研究等が必要なのか
なぜ、コストエンジニアリング及びプロジェクトエンジニアリングの進歩及び
産業一般の振興を図る必要があるのか?
なぜ、学術文化の向上及び我が国の産業の発展に寄与するのか?
日本コスト工学会機能系統図
Japan Society of Cost and Project Engineers
F111
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリ
ングの機関紙を発行する。
F112
F1121
F11211
調査研究及び情報の蒐集する。
機関紙を編集する。
ホームページ上に発表する。
F112111
F11
F112
F1121
F11211
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニア
リングの機関紙及び図書類を発行する。
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリ
ングの図書類を発行する。
論文集を作成する
調査研究情報を提供する
F1
研究を奨励する。
F1112112
研究業績を表彰する。
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジ
ニアリングを進歩させる。
F12
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニア
リングの研究発表する。
F121
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジニアリ
ングの調査研究する。
F112113
論文を作成する。
F211
F2111
F21111
F211111
リスク管理方法を定義する。
損失回避方法を定義する。
失敗データベースを作成する。
契約内容、設計条件を把握する
F0
F212
F21211
F212111
産業一般の振興を図る。
エスカレーションを把握する
F2121
PCI (プラントコストインデックス)を確認す
る。
PCIの対象品目を確認する。
PCI作成者からの情報を得る。
F213
F2131
F21311
F213111
ローカルレギュレーションを把握する
ローカル情報を収集する。
経験のある情報を収集する。
TPPの内容を把握する。
F214
F2141
F21411
F214111
コスト見積方法を定義する。
実績データを蓄積する。
コストテーブルを作成する。
コスト情報を収集する。
F215
F2151
F21511
F215111
コスト低減方法を紹介する。
VE, IE QCの三大管理技術を習練する。
見積コストの精度を上げる
ラング法、モジュール法を活用する。
F2
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジ
ニアリングの企業の求める情報を提供す
る。
F21
企業の損益を科学する
F215112
装置能力指数乗則法を活用する。
F3
コストエンジニアリング、プロジェクトエンジ
ニアリングの技術を伝承する。
F71
F711
F7111
F71111
学術を定義する。
資格を認定する。
資格の位置付けを保証する
一般、大学生に資格を取らせる
コスト工学 (各種のコスト積算方法、リスク、
見積方法等)
AACI資格試験
F7
F71112
学術文化を向上させる。
ENNにて定期的に宣伝する
F72
内外の関係機関、団体等との学術、技術を交
流、協力する
F721
F7211
F72111
勉強会、イベント、セミナーを開催する。
参加者を募集する
アンケートを回収、分析、反映する
VE実施手順
F72112
<基本ステップ>
<詳細ステップ>
①VE対象の情報収集
機能定義
<VE質問>
ENNにて募集する
それは何か?
②機能の定義
その働きは何か?
F722
F7221
F72211
工場を見学する。
意見を交換会を開催する。
懇親会を実施する
③機能の整理
④機能別コスト分析
機能評価
そのコストはいくらか?
⑤機能の評価
その価値はどうか?
⑥対象分野の選定
⑦アイデア発想
代替案作成
他に同じ働きをするものはないか?
⑧概略評価
⑨具体化
そのコストはいくらか?
⑩詳細評価
それは必要な機能を確実に果たすか?
コピー★添付⑦日本コスト工学会VE手法による機能改善(平井).xlsx
2016/9/12
Ⅰ.VEの必要性
1.企業経営の目的 企業経営の大きな目的は、豊かな社会づくりに貢献すること。そのために
は、社会の求める製品やサービスを継続して供給するとともに社会的責
任も果たすことが必要になる。社会の求める製品やサービスを継続して
供給するために、企業は適正な利益を確保する必要がある。
2.利益の確保とVE
利益を増大させるためには、売上高を増加させ収益を最大にすることと、
製品やサービスのコストを低減させ、費用を最小にすることかが必要にな
る。売上高を増加させるには、売価を上げることと販売数量を増やす方向
が考えられる。そのためには、顧客の要求を正しく把握し、価格以上に満
足を得られるような製品やサービスを提供することが必要になる。また、
コストを低減させるためには、顧客の要求する機能を低コストで達成する
方法を創造することが必要になる。
3.資源の有効活用
製品や建造物を製造、施工し、サービスを供給するためには、人的、物的
な資源を消費する。VEでは、常にインプット(資源の消費量)とアウトプット
(供給される機能)を考慮しながら活動を行う。資源を有効に活用して顧客
からの満足の得られる製品やサービスを供給することを目指しているの
である。
4.VEの生い立ちと普及の経緯
VEは、米国のGE社において1947年に開発された。その開発はアスベスト
のできごとがきっかけであったといわれる。米国国防省は、VEの有効性
を確認して1954年に海軍船舶局がVEを導入し、続いて空軍、陸軍もVEを
導入した。そして軍事調達規定にVE条項を導入し契約業者にVEの実施
を要求しした。連邦政府機関においても、1970年代以降VEが積極的に活
用されるようになった。
5.日本におけるVEの導入と普及
VEは、1955年に日本に紹介されたが、企業が導入し始めたのは1960年
からである。 当初VEは、電気や自動車など量産品の製造業の資材調達
段階で活用された。そして次第に、製品の設計や貸し初などの上流段階
で活用されるようになった。そして、VEの有効性が認識されるとともに、そ
の活用は積極化して起用業種も製造業だけでなく、建設、サービス業な
どに拡大した。建設分野では、当初は民間工事の施工段階で主に適用さ
れていたが、1990年代には公共工事でも活用されてるようになった。
6.VEの定義
VEとは、最低のライフサイクル・コストで必要な機能を確実に達成するた
めに、製品やサービスの機能研究に注ぐ組織的努力である。
7.最低のライフサイクルコストを追求
VEでは、製品やサービスの開発から販売にかかる企業側のコストだけで
なく、顧客(使用者)が製品やサービスを入手し、使用、保守、廃棄するた
めにかかるコストも対象にし、そのコストを最低にするように考える.
8.必要な機能の確実な達成
必要な機能とは、使用者が要求する製品やサービスの果たす機能であ
る。VEでは、顧客(使用者)が要求する機能がなにかを正しく把握し、機能
を思考の原点にして、必要な機能の確実な達成をめざすのである。
9.機能とコストの関係から価値を追求
VEでは、価値を、機能とコストの二つの要素でとらえる。
V (Value)価値 =
VEの手引き書
F ( Function)-必き要な機能を確実に果たす
最低
4/14
V (Value)価値
C (Cost) − 最低のライフサイクルコスト
そして思考過程のすべてを通じて価値追及を徹底する。
10.製品やサービスを対象
VEは、、顧客(使用者)の要求する機能を最小のコストではたすための活
動である。製品に限らず、サービス業務など目的達成のためのシステム
やシステムの構成要素すべてがVEの対象となる。
11.機能的研究法の活用
VEでは、「機能的研究法」と呼ばれる体系的なVE実践手順を活用する。
この手順を確実に実施することにより、VEの特徴である機能本位の思考
を徹底し、価値の高い製品やサービスを生み出すのである。
12.組織的努力の活用
価値の高い製品やサービスを生み出すには、実施手順を守るとともに書
く分野の優れた知識や技術を終結する必要がある。そのために、チーム
デザインによって経験や知識の範囲を拡大し、価値の向上を実現する。
Ⅴ..VEの基本原則
使用者優先の原則
VEでは、製品やサービスの使用者の満足を得ることを目的としている。使
用者にとっては、製品やサービス必要とする機能を確実に果たし、しか
も、それを取得し使用するためのコストが最小となることが望ましい。VE
では、常に顧客(使用者)の立場にたって考えることが基本である。
14.機能本位の原則
顧客(使用者)が製品やサービスに求めているのは、構造や形ではなく、
製品やサービスが果たす機能である。これまでの製品の構造やサービス
の提供方法は、機能を果たすひとつの手段である。機能はひとつでも、そ
の機能を達成する手段は多数考えられる。したがって顧客(使用者)の要
求する機能を思考の原点にすることが重要なのである。
15.創造による変更の原則
必要な機能最小のコストで達成するためには、機能達成の手段について
出来る誰多くのアイデアを発想する必要がある。そのために、創造思考を
活用すべきである。創造とは、過去の経験、知恵の解体、結合である。と
いわれる。習慣や固定概念を打破して、新しい着想を生み出すことが重
要である。
14.5.チームデザインの原則
価値の高い製品やサービスを生み出すためには、多くの分野の情報が
必要となる。必要な情報は、主に技術情報とコスト情報である。最近の技
術情報とコスト情報を結集することにゆって、最善案を決定することがで
きる。しかし、個人の情報量には、限界がある。したがって、多数の分野
の専門家の知識と経験を結集することが必要なのである。
16.価値向上の原則
VEでは、機能とコストの二つの要素で製品やサービスの価値の程度を考
える。価値の向上には、次の形がある。
VEの手引き書
5/14
V (Value)価値 =
F ( Function)-得られた効果の大きさ
C (Cost ) − 支払った費用の大きさ
価値向上の形態
①
②
③
④
→
↑
↑
↑
↓
↓
→
↑
17.VE実施手順
VE実施手順とは、VE対象に機能的研究を適用するときの具体的な手順
である。その基本ステップは、機能定義、機能評価、代替案作成の三段
階で構成されていて、各段階はさらに詳細ステップで構成されている。VE
質問は、この手順を、質問という問いかけ形式で表現している。VEを活用
する場合には、この手順を、着実に実施することが重要である。
VE実施手順
<基本ステップ>
<詳細ステップ>
①VE対象の情報収集
機能定義
<VE質問>
それは何か?
②機能の定義
その働きは何か?
③機能の整理
④機能別コスト分析
機能評価
そのコストはいくらか?
⑤機能の評価
その価値はどうか?
⑥対象分野の選定
⑦アイデア発想
代替案作成
他に同じ働きをするものはないか?
⑧概略評価
⑨具体化
そのコストはいくらか?
⑩詳細評価
それは必要な機能を確実に果たすか?
18.VEの適用対象と適用段階
1.VEの適用対象
VEの適用対象とは、VEを適用して価値を向上させようとしている製品や
サービスのことである。製品とは、組織、企業によって製造される品物で
ある。製品は一般的には生産材と消費財とに分けられる。生産材とは、
工作機械や鋼材など部品加工や建物建設のために使用される製品りの
ことであり、消費財とは、家庭用電化製品、家具など個人が直接しようす
る。製品である。また、事務所や工場、住宅、道路公園などの建造物や施
設も製品と見ることが出来る。
VEの手引き書
6/14
サービスとは、組織、企業によって、提供される用益のことである。サービ
スの例としては、輸送、通信、医療、流通、教育などかある。企業におけ
る製造や施工などの作業や管理、間接業務もサービスとみるとこが出来
る。
2.VEの適用段階
VEの適用段階とは、製品やサービスの開発から製造を得て使用・廃棄に
いた課程のなかで、VEを適用する段階のことである。製品やサービスは、
顧客(使用者)の要求に基づいて生みだされ、顧客(使用者)の手に渡って
から使用され廃棄される。こうした課程はいくつかの段階に区分され、そ
のいずれかの段階においてもVEは適用さされる。計画段階では、価値の
高い製品を開発・設計したりサービスを計画するためにVEを適用する。計
画実施段階では、顧客(使用者の立場にたってVEを適用し、その結果を
製品の供給者に提案することになる。
19.VEと情報
1.情報とは
<情報の定義>
・情報とは目的達成に役立つ知識である。・・・・・・・・(ディロン)
・情報とは行動するための知識である。・・・・・・・・・・(有田恭助)
・情報とは、与えられた立場にある特定な人にたいして特定の
__意味を持つ通報である。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(情報管理便覧)
2. VEに必要な情報
●特有情報:特定の場面、または、特定の製品やサービスについて特有の
意味を持つ情報
●一般情報:さまざまな場面、または、多くの製品やサービスに共通して活用
できる情報。
3.情報の原則
1.なにを知るべきかを明確にする。
2.どこから情報を収集するかを計画する。
3.どの程度の情報を収集すべきかを計画する。
4.いつ情報を収集すべきかを計画する。
5.どんな方法で情報を収集するかを計画する。
6.だれが情報を収集するかを計画する。
4.主な情報源
専門業者、競合製品やサービス、 社内外の専門家
専門研究機関、業界紙、研究会、展示会
5.情報収集の主な方法
●面接法:情報源である相手と直接面談して情報を収集する。
●観察法:情報源を直接観察することにより情報を収集する。
●質問紙法:質問に答えることを依頼して情報を収集する。
20.VEチーム・リーダーの役割とメンバーの心構え
VEチーム・リーダーの役割
① 実施手順、日程計画の立案
② 出欠状況の確認と記録
③ チームメンバーへの動機づけと問題の明確化
④ チームメンバーの意思統一
⑤ 各会合の進行と司会
⑥ 各会合における所要時間の記録
⑦ VE実施手順の推進と実施統制
⑧ 進捗状況の確認と遅延対策
⑨ 各会合における所要時間の記録おけるチーム活動のとりまとめ
⑩ チームワークを高めるための努力
VEチーム・メンバーの心構え
① 会社における職制から離れること。
② 会合への欠席。遅刻をしないこと。
③ 目標の達成にむけて努力すること。
④ 必要な情報を時間内に収集すること。
⑤ 自由奔放にアイデアを出すよう努力すること。
⑥ 各種の障害を乗り越えるよう努力すること。
VEの手引き書
7/14
⑦
⑧
⑨
⑩
柔軟な精神をもち積極的に行動すること。
意思決定における態度を変革すること。
チームワークを高めるよう努力すること。
必ず成果をあげるという信念をもつこと。
Ⅱ.VEの実施手順
1.VE対象の情報収集
1.VE対象の情報収集の主な目的
・対象テーマをチーム・メンバーが共通理解する。
2.収集すべき主な情報
製品やサービスのライフサイクル全体にわたる技術的、経済的な情報
(特有情報)を収集する。
3.VE対象の情報収集の手順
1) 収集すべき情報の決定
どのような情報を収集すべきかを決める。
2) 情報収集計画の立案
情報を収集するための計画を立てる。
3) 必要な情報の収集
計画に基づいて情報を収集する。
4) 収集した情報の整理
収集した情報内容をまとめる。
4.VE対象の情報収集の留意点
・事実としての情報を収集すること。
・問題点を明確に把握すること。
2.機能の定義
1.機能の定義の主な目的
・構成要素の機能を明確にする。
・アイデア発想の思考を拡大させる。
●機能:製品、サービスやその構成要素が果たす固有の働きのこと。
●定義:概念の意味・内容を他と区別し限定する。
2.機能の定義の方法
簡潔な表現・・・名詞と動詞の二語によって、「~を~する。」と表現する。
もの
機能
電気コード
電気を流す
モノ本位の思考から、機能本位の思考に切り替える。
機能の制約条件・・・・・機能をどの程度果たすべきかを示す条件を設定する
機能の種類
①機能の性質からみて
●使用機能:製品やサービスを、使用者の期待どうりに働かせる機能。
●貴重機能:使用者に魅力を感じさせる機能。
②機能の重要性からみて
●基本機能:製品やサービスが果たしている機能、または、果たすべき
機能の中で、その機能を除くと、その製品やサービスの存在価値が
なくなる機能。
●二次機能:基本性能を補助する機能
③機能の必要性からみて
●必要機能:製品やサービスを使用したり利用する人々にとって
必要な機能。
●不必要機能:製品やサービスを使用したり利用するひとにとって、
必要でない機能。
VEの手引き書
8/14
3.機能の定義の手順
1) 対象テーマの構成要素の分割
対象テーマを構成する要素、例えば副組立品(サブアッセンブリ)、部品な
どに分割するり。
2) 構成要素ごとの機能の定義
個々の構成要素について、その機能を簡潔に定義する。
3) 機能の制約条件の設定
機能についての制約条件を、該当する機能に対応させる。
4) 機能の分類
構成要素の中で、機能を基本機能と二次機能とに分類する。
4.機能の定義の留意点
・意図されている特定の働きを定義すること。
・機能をものの立場にたって定義すること。
Ⅲ.機能の整理
1.機能整理の主な目的
・対象テーマが果たすべき機能を明確にする。
2.機能整理の方法
・構成要素の個々の機能を、「目的-手段」の関係で体系化する。
●機能系統図:定義された個々の機能の相互関係を「目的ー手段」の論
理にもとづいて整理した図表のこと。
●機能分野:機能系統図において、特定の機能を目的とした場合、その
機能に従属する下位の機能のまとまり。
3.機能整理の手順
1)機能のカード化
定義した個々の機能を、1機能1枚のカードに転記する。
2)機能の関連づけ
①機能の中から,ひとつの機能(1枚のカード)を任意にとりだす。
②取り出した機能についてその機能の目的を考える。
③目的に該当する機能を、最初の機能カードの左側に位置づける。
④対象テーマの範囲内で、目的となる機能を順次追及する。
⑤すべての機能について、同じように目的となる機能を追及する。
3.機能系統の確認
機能相互の関連が「目的-手段」となっていることを確認する。
4.制約条件の設定
機能についての制約条件を、機能系統図↑の該当する機能に対応させ
4.機能の整理の留意点
・機能系統図作製の意義を理解すること。
・機能について、チーム内で共通理解できていることを確認する。
Ⅳ.機能別コスト分析
1.機能別コスト分析の目的
・特定の機能を果たすために費やされている現行方法のコストを明確に
2.機能別コスト分析の方法
・機能系統図にもとづいて、個々の機能分野ごとに、現行方法のコストを
把握する。
・構成要素が複数の機能分野に関連している場合には、構成要素のコス
トをそれぞれの分野に配賦する。
・コストの配分方法
①消費による配賦
特定の機能を果たすために、どのような資源がどれだけ消費されたかを
把握する。
②貢献度評価による配賦
個々の構成要素が、機能の達成にどれだけ貢献しているかを分析する。
③均等割による配賦
構成要素のコストを関連する機能に均等に配分する。
3.機能別コスト分析の手順
1) 構成要素別現行コストの把握
現行方法の個々の構成要素のコストを産出する。
2) 構成要素と機能分野の関連の把握
VEの手引き書
9/14
機能系統図にもとづいて個々の構成要素がどの機能分野の機能を果た
しているかを確認する。
3) 機能分野別現行コストの配賦
①構成要素がひとつの機能分野だけに関連している場合には、構成要
素のコスト全額をその機能分野に計上する。
②構成要素が複数の機能分野に関連している場合には、構成要素のコ
ストを、関連している機能分野に配賦する。
4) 機能別現行コストの計算
機能分野に配賦された現行コストを機能分野ごとに集計する。
4.機能別コスト分析の留意点
・機能分野の個々の機能と構成要素との関係を明確に把握すること。
・機能分野へのコストの配賦では、消費による配賦方法を優先すること。
Ⅴ.機能の評価
1.機能評価の目的
・特定の機能を果たすためのコスト目標とすべき機能評価値を設定する。
●機能評価値:特定の機能を果たす複数の手段のコストの中で最小のコスト
2.機能の評価の方法
①実績価値標準による評価:
機能を達成するために費やされている実際のコストにもとづく評価
②アイデア想定による評価:
機能を果たすと思われるアイデア想定にもとづく評価
③機能の重要度比較による評価:
顧客(使用者)の立場にたった機能の重要度にもとづく評価。
3.機能評価の手順
①実績価値標準による場合
1)既存品の情報収集
2)既存品の調査
3)既存品のコスト見積
4)実績価値標準の設定
5)機能評価値の決定
②アイデア想定による場合
1)機能分野別制約条件の明確化
2)各機能分野の重要度の評価
3)代替アイデアの想定
4)改善可能性の予測
5)機能評価値の決定
③機能の重要度比較による場合
1)対象テーマのコスト目標の設定
2)各機能分野の重要度の評価
3)各機能分野の重要度比率の算出
4)各機能分野の機能評価値の決定
4.機能の評価の留意点
・機能の達成度をはっきりさせること。
・顧客(使用者)の立場にたって評価すること。
Ⅵ.対象分野の選定
1.対象分野の選定の主な目的
・価値の低い機能分野を選定する。
2.対象分野の選定の方法
・各機能分野ごとに価値の程度とコスト低減余地を比較して、価値改善の
優先順位を決める。
●価値の程度 = 機能評価値/現行コスト
●コスト低減余地 = :現行コスト-機能評価値
3.対象分野の選定の手順
1)価値程度の評価
機能評価と現行コストの比率を計算し、価値の低い機能分野を把握する。
2)コスト低減余地の評価
現行コストと機能評価値の差額を計算し、コスト低減余地の大きい機能分
野を把握する。
3)価値改善の優先順位の決定
VEの手引き書
10/14
各機能分野ごとに価値の程度とコスト低減余地を比較して、優先順位
を決める。
4.対象分野の選定の留意点
・優先順位の決定に迷うときは、コスト低減余地を重視すること。
Ⅶ.アイデア発想
1.アイデア発想の目的
・機能の達成に役立つアイデアを生み出す。
●アイデア:代替案のもとになる思いつきや工夫のこと。
2.アイデア発想の方法
・機能本位の発想
機能系統図を活用し、機能にもとづいてアイデアを生み出す。
・アイデア発想の障害除去
アイデア発想を阻む関所をとりのぞく。
認識の関:問題を誤って捉えることから生じる障害。本当の問題は、
使えない。問題と手段のとり違い。など
文化の関:
文化社会を支える枠がかえって発想の障害となる。
型にはまりやすい、くろしろを早くつけたがる、など。
感情の関:
人間の感情などが発想の障害となる。批判されるのが怖い、
ひとつのことにこだわる、など。
・アイデアの拡大
アイデアの数を増やすことを心がける。
工夫の例・・・・・①アイデア発想機能を下位機能にする。
②アイデア発想のチェックリストを使う。
・発想技法の活用
多くのアイデアを発想するために開発された技法を使う。
・主な発想技法
ブレーン・スト-ミング法
集団の効果を生かして、自由にアイデアを発想させる技法。「4つの規則」
(批判厳禁、自由奔放、量を求む、改善結合)を守ってアイデアを発想する。
チェックリスト法
「考える手がかり」が示されているチェック項目を使ってアイデアを生み
出す技法。
特性列挙法
対象物の特性に注目してアイデアを発想する、「名詞的特性」
「形容詞的特性」「動詞的特性」を活用する。
3.アイデア発想の手順
1)アイデア発想機能の決定
①対象分野の選定で決めた優先順位に従って機能分野を選ぶ。
②機能分野の中で、どのレベルの機能からアイデアを発想するかを決める。
上位機能からの発想:
異質なアイデアが得られるが、具体化に努力が必要となる。
下位機能からの発想:
具体的なアイデアは得られるが、大きな効果は得られない。
2)アイデアの発想
「その機能を果たすには、どうしたらいいか」を考えて、機能の達成に
役立つアイデアを出来るだけ多く生み出す。
3)アイデアの略図化
アイデアをヒントにして、アイデアを略図に表す。
一つのアイデアから複数の略図を書くようにする。
4)アイデアの分類・整理
アイデアの内容が似ている略図をまとめてアイデアグループを作る。
4.アイデア発想の留意点
・機能に基づいて、アイデアを発想すること。
・アイデアについての判断を後回しにすること。
Ⅷ.概略評価
1.概略評価の目的
VEの手引き書
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・個々のアイデアについて価値向上の可能性を探る。
2.概略評価の方法
・技術面とコスト面からアイデアを評価する。
●技術的可能性:
必要な機能化が所定の条件のもとで達成できる可能性があるか
否かを評価する。
●経済的可能性:
コスト目標の達成に貢献できる可能性があるか否かを評価する。
技術性と経済性についての評価結果にもとづいて、具体化の検討をするべき
アイデアを決める。
3.概略評価の手順
1)技術的可能性の評価
個々のアイデアについて、「必要な機能(制約条件を含めて)を現実の
技術で達成出来る可能性があるか」を評価する。
2)経済的可能性の評価
個々のアイデアが、「コスト目標の達成に貢献する可能性があるか」ないし
「現行コストよりも安くなる可能性があるか」を評価する。
3)総合評価
技術的可能性と経済的可能性を評価した結果にもとづいて、アイデアの
採否を決める。
4.概略評価の留意点
・アイデアを育てることを心がける。
・可能性のあるアイデアをできるだけ選択すること。
Ⅸ.具体化
1.具体化の目的
・価値向上が期待できる複数の代替案を作成する。
2.具体化の方法
・機能と戸コストの両面の検討
アイデアについて、機能面とコスト面から検討し、アイデアの欠点を
克服していく。
・収束と発散の思考分離
具体化の課程では、収束思考と発散思考を使い分けることが重要になる。
●収束思考:アイデアについて判断する思考
<例>利点、欠点の分析において使う思考
●発散思考:アイデアを十二発想するための思考
<例>:欠点克服のアイデアを発想するときに使う思考
●具体化のサイクル:利点、欠点の分析、欠点の克服、洗練化といった活
動を繰り返す過程。
3.具体化の手順
1)アイデアの組み合わせ
機能分野の中で、アイデアが組み合わせできるときは、組み合わせたア
イデアを作成する。
2)アイデアの利点と欠点の分析
①組み合わせたアイデアまたは単独のアイデアを略図化する。
②個々のアイデアを実施することを想定して、その利点と欠点を列記する。
3)欠点の克服
①アイデアの欠点を克服するためのアイデアを発想する。
②欠点克服のためのアイデアを評価する。
4)アイデアの洗練化
欠点克服アイデアを、最初のアイデアに追加する。
5)機能別代替案の総合化
それぞれの機能分野について洗練化した代替案を組み合わせて、
全体としての代替案を作成する。
4.具体化の留意点
・アイデアの欠点を見逃さないように心がけること。
・アイデアの欠点を粘り強く克服すること。
Ⅹ.詳細評価
1.詳細評価の主な目的
VEの手引き書
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・複数の代替案の中から価値工場が実現できる代替案を選択する。
2.詳細評価の方法
代替案の価値が向上することを、技術的、経済的な面から評価する。
・技術性の評価:代替案が、必要な機能を確実に果たすかどうか、顧客
(使用者)の要求事項を確実に満たすかどうかを評価し、代替案によっても
たらされる効果を予測し代替案の優先順位を決める。、
・経済性の評価:代替案のコストを詳細に見積もるとともに、現行案と代替
案のコスト差額と代替案を実施するために必要なコストを見積もって、期
待される効果を予測し代替案の優先順位を決める。
総合評価:技術性の評価結果と経済性の費用か結果にもとづいて、個々
の代替案を比較し、提案すべき代替案を決める。
3.詳細評価の手順
1)技術性の評価
①具体的な評価項目を確認する。
②個々の評価項目について評価基準を確認する。
③代替案の技術性を評価し優先順位を決める。
2.経済性の評価
①個々の代替案のコストを見積もる。
②代替案を実現するために必要となる経常外コストを見積もる。
●経常外コスト:代替案を実施するために発生するコスト。
<例>試作。テスト費、型、冶工具、など。
③個々の代替案を実施したときの正味効果額を評価し、優先順位を決める。
●年間正味節約額=(現行方法の単位コスト-代替案の単位コスト)×
年間適用数量-経常外コスト
3.総合評価
技術性と経済性の評価結果に基づいて個々の代替案を比較。検討し、提
案すべき代替案を選択する。
4.詳細評価の留意点
・技術性評価のための評価項目を見落とさないように心がける。
・経済性評価では、現行方法のコストと同じ基準で評価すること。
ⅩⅠ.提案
1.提案の主な目的
代替案の実施にかかわる人々に、代替案の採用を働きかけること。
2.提案の方法
・記述形式による提案
・口頭形式による提案
3.提案の手順
1)提案書の作成
代替案の内容、現行方法と代替案との相違、代替案により期待される効
果などを簡潔に要約する。
2.提案の準備
提案内容、提示すべき資料、時間配分などを決める。
3.提案
提案内容を簡潔に伝え、質問に的確に答える。
・提案すべき主な内容
①対象テーマの概要と選定理由
②設定された目標
③VE代替案の内容
④VE代替案によって、もたらされる効果
⑤VE代替案の作成経緯
4.提案の留意点
・機能とコストの両面について提案すること。
・代替案の内容を判り易く説明すること。
VEの手引き書
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日本コスト工学会 機能分析
日本コスト工学会の機能を果たすための手段と、制約条件の設定
1 機関紙及び図書類の発行
2 研究発表会、講演会、及び展示会等の開催
3 調査研究及び情報の蒐集、提供
4 内外の関係機関、団体等との学術、技術の交流及び協力
5 研究の奨励及び研究業績の表彰
6 資格認定
F11211
ホームページ上に発表する。
濱崎、平井
*2 : 現在の担当者
F112111
*1現在、この機能は使われておりません。
研究を奨励する。
F1112112
*1現在、この機能は使われておりません。
研究業績を表彰する。
F112113
*3 : 関西、関東で、夫々発行されている。
問題は、この論文の内容で概論が多く、
現役会員が、持ち帰っても、実務とほど
遠い内容のため、上司に説明出来ない。
退会者を生む原因となっている。
論文を作成する。
F211111
*1現在、この機能は使われておりません。
契約内容、設計条件を把握する
F212111
*4 : 定期的iにHPへのリンクが出来れば、Good!!
原さんから定期的にコストインデックスの情報を得て、
ホームページに載せられたら、閲覧者が増加し、会員も増加
と考えられる。
PCI作成者からの情報を得る。
F213111
*5 : 誰かやるか未定 TPPの内容を分析、把握
日本の産業への影響評価
TPPの内容を把握する。
F214111
*6 : 大原さんの持つコスト情報や、各現役の持つ
コスト情報を集める。
コスト情報を収集する。
F215111
*7 : 大原さんを中心に各機器のコストを定義し、
グラフ化し、各企業が、見積もりに使える程度
のまとめまで、活用可能レベルのものを作成する。
出来たデータは、HPで結果だけ、公開する。
ラング法、モジュール法を活用する。
F215112
*7 : 同上
装置能力指数乗則法を活用する。
F71111
*8 : 海外団体と提携し、公的資格の活路を見出す必要あり
かなり肝心な部分になる。 過去、出来なかった理由を
分析し、どうしたら実現するのか、確認、協議、対策を
考える。
一般、大学生に資格を取らせる
F71112
ENNにて定期的に宣伝する
関山
*9 : 関山さんから、ENNへ依頼してもらう。資格制度取込み後
F72111
アンケートを回収、分析、反映する
平井、
*10 アンケートは、顧客の声と認識し、顧客満足に答える。
顧客満足が出来れば、自然と会員も増加する。
F72112
ENNにて募集する
関山
*9 : 関山さんから、ENNへ依頼してもらう。資格制度取込み後
F72211
懇親会を実施する
関西、関東
10* : 関西、関東 夫々にて、会合後、実施する。
問題提議
これらの活動を円滑に進めるため、日本コスト工学会のNPO化を提案している。 平井幹事
現在、この機能は使われておりません。の項目を改善するつもりが無いなら、会則が現実とマッチしていないため、要修正。
コピー★添付⑦日本コスト工学会VE手法による機能改善(平井).xlsx
2016/9/12