飛翔1月号-②

学校だより 第18号
平成28年1月18日
味蕾(みらい)は五感を育てる
校 長 和田 文宏
著名な料理人である三國清三 氏の過去の講演会内容に関する記事です。昨年も掲載しまし
たが、「食育」の面でとても参考になるので、今年も抜粋して載せてみました。
豊富な味覚体験で感性が育つ
「本来、12 歳までに甘み、酸味、塩味、苦みの4つの味覚をきちんと教えておかないと、簡単にわ
が子やわが親を殺せるようになってしまう」
。ホテル・ドゥ・ミクニのオーナーシェフである三國清三さ
「地産地消と食育について-味覚は
んは、北海道苫小牧市で行われた「全日中第 65 回研究協議会」で、
心と気持ちを豊かにする」をテーマに記念講演を行い、自らの足取りを振り返るとともに、次代を担う子
どもたちを育てるために味覚の体験がとても大事であることを強調した。
父親が漁師、母親が農業を営む家庭で7人きょうだいの三男として北海道増毛町に生まれた三國シェ
フは、天候が悪く父親が漁に出られなかった翌日など、一緒に浜を歩き、打ち上げられていたホヤをよ
く食べていたという。
「ホヤは海のパイナップルと呼ばれ、甘味、酸味、苦み、塩味の4味のほか、う
まみもあり、食べ物の中で唯一、5味がそろっている食材。今振り返ると、当時ホヤを食べた体験が、
自分の料理人としての基本にあると思う」と、ホヤのおかげで味覚が作られたと語った。
中学校を卒業後は札幌市の米屋に奉公に行き、料理の夜間学校に通いながら働いた。そんな生活の中
で食事としてハンバーグが出たことがあり、まっ黒なソースをはじめは毒だ、と思ったのだが、口に入
れてびっくり。あまりの美味しさにハンバーグを作る料理人になろうと決意した。
そんな時、
「札幌グランドホテルのハンバーグは世界一おいしい」と聞いて、何が何でもそこで働こ
うと決意した。同ホテルのキッチンに飛び込み、偉そうな人を見つけて、
「どうしてもここで働きたい」
と直訴した結果、従業員食堂のまかないにパートでなら、という条件で雇用された。
そこで人一倍働いて 16 歳で正社員になり、夜中に寝る時間も惜しんで練習を重ね、18 歳で料理長と
なった。すると今度は、東京の帝国ホテルには村上信夫という天才的な料理人がいると知り、そこで鍋
洗いとして働き始めた。2年間必死に鍋を洗っていたが芽が出ず、やめようと決心して北海道に帰るつ
もりでいたところ、駐スイス日本大使館の料理長に推薦され、就任。大使館勤務のかたわら、フランス
料理界で有名な「ジラルデ」のフレディ・ジラルデ氏に師事し、フレンチの道を歩くこととなった。
その後は料理人として大きな評価を受けながら着実に歩み続けた。1980 年代後半頃からイタリアで
スローフードの動きが始まり、フランスでも子どもたちに食育に力を入れる動きが出てきた。三國シェ
フ自身も、2000 年から日本で食育に取り組み始め、新潟で米作りをするなど、幼い頃から本物の食の
体験をさせる試みを行っている。
三國さんは、
「子ども時代の食の大切さ」を次のように強調している。
「舌には味蕾(みらい)というつぶつぶがあり、そこで4つの味を感知する。その刺激は脳にも伝えられ、
五感を育てる。つまり、味蕾を刺激しなければ感性も育たなくなる。」
「いじめなどの子どもたちに起こる問題も、朝食を抜きにするからだ。
食生活を整えれば、いじめ問題も解消されるはず。」
「味蕾は8歳から増え始め 12 歳でピークを迎えてその後は減少するので、12 歳までにいろいろな味を
体験させ、感性豊かな人間づくりをしていくことが必要である。」
第 14 回ものづくり教育・学習フォーラム
1月16日(土)
、大田区産業プラザPiO を会場に、ものづくり教育・学習フォーラムが開催されま
した。本校からは、
「舞台発表」に2年生3名が職場体験の報告を行い、
「技能コンテスト」には技術部員
2年女子2名と3年女子生徒3名が参加し、日頃の活動や研究の成果を披露しました。また、技術・家庭
科の作品展もあり、
「ものづくりのまち大田区」らしい、とても意義のあるフォーラムとなりました。
【 参加者 】舞台発表:髙宮春都、西川智也、長谷川海太(2年職場体験発表)
:中谷 優、泊 未来(技術部員)
ものづくり部門(技術科)
2人とも「優秀賞」を受賞しました!
ものづくり部門(家庭科)
:根岸 亜弓、横山 菜摘、阿久澤 早紀
3人とも「敢闘賞」をいただきました!
地域行事「お正月遊びを楽しむ会」に参加
1月17日(日)に蒲田小学校校庭を会場に、青少年対策蒲田東地区委員会主催の「第2
9回お正月を楽しむ会」が開催されました。本校からボランティアとして21名の生徒が参
加してくれました。毎年恒例の冬の行事ですが、昔の遊びや、お正月らしい遊びがいろいろ
あり、来場した小さい子どもたちを大いに楽しませていました。
「蒲中生はほんとに頼りに
なり、助かっています!」という評判が、あちらこちらで定着しています!
【 ボランティア参加生徒 】
1年生: 櫻井優大、高木温基、髙橋 明、田中博海、沼田直稔
井足未侑、大熊怜弥、田村日向子、森井璃央菜、森本花穂
井川茉菜華、内田佳恵、竹田まり、田嶋萌花、陳 慧慧
2年生: 坂井優、有馬 知勢、臼居将輝、杉本萌唯奈、竹林 樹、渡部桃子
ありがとう! 今年も「地域に貢献する蒲中生」に期待しています!
大田区の小中学校では、3年に一度教育委員会による「指導訪問」を受けることになっていますが、
本校は、1月13日(水)に訪問を受け、菅野指導課長、長塚副参事、田井統括指導主事、木下指導主
事、志賀指導主事、神野教育アドバイザー、平内教育相談員の7名が来校しました。校長による学校
の概要や現状の説明、給食の試食、4・5時間目の授業の様子や校内研修の一環で行っている授業研
究・研究協議会の見学などがあり、指導・支援・助言する立場の視点に立って見ていただきました。
その後の指導・講評の時間では、学校運営やOJT(明日のチーム力づくり)のあり方、授業改善等
について貴重なアドバイスをいただきました。また、蒲中全体の教育環境や雰囲気の良さ、蒲中生の
落ち着いた授業態度や明るさ・活気・礼儀正しさ、ICT機器の積極的な活用状況などについてお誉
めの言葉をいただきました。
「今のこの素晴らしい状況に、とても安心しました。
」
「教職員の皆さんの
日頃のご努力に感謝します。
」
「これからも、こんなに素敵な蒲田中を全面的に応援しますよ!」
「IC
T機器を全ての先生方が活用しているのはとても素晴らしいです」などのお言葉に励まされ、これか
らも「現状に満足することなく、さらにレベルアップを図る蒲田中」を目指す意欲につながりました。
「オーケストラ鑑賞教室」があります。
1月22日(金)10:20~12:00、大田区民ホールアプリコで、オーケストラの演奏を生で聴
くチャンスがあり、毎年1年生が鑑賞します。様々な楽器や演奏方法の紹介、交響曲やオペラ、
映画音楽など多彩な演奏プログラムが用意されています。モーツァルト、ベートーベン、スメ
タナ、ヴェルディ、プッチーニなど、音楽の授業で習う有名な作曲家の作品ばかりです。
日頃ポップスしか聴かない生徒たちにとっては、新鮮でとても良い刺激になります。
「食物は体の糧、読書は心の糧、音楽は感情の糧」 楽しみたいものです!
【演奏:東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団】