満洲国演義5 灰塵の暦

満洲国演義5 灰塵の暦
年代
1936
1936
1936
1936
1936
時期
主人公
身分
舞台
登場人物
奉天総領事館参事官
奉天ヤマトホ
テル→参事官
室
河辺慎一(外務省東
亜局人事課長)
古賀哲春(参事官
補)
庸報記者
庸報本社→亜
細亜会館→領
事館警察
越路里志(庸報編集
局長)
萩尾良吉(亜細亜会
館経営者)
香月信彦(同盟通信
社記者)
尾身由伸(領事館警
察)
三郎
関東憲兵隊通
化分屯地→関
関東軍新京憲兵隊大尉 東軍通化駐屯
地→樋口写真
館→麗鈴亭
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
調所公彦(通化分屯
地憲兵隊中尉)
円堂幸一(通化分屯
地歩兵連隊少佐)
樋口吉三郎
項麗鈴(麗鈴亭)
6月下旬 次郎
間島地方・延
奉天特務機関遊撃隊長 吉黄川郷→平
壌大旅荘
森山宗介
李熙礼
綿貫昭之(奉天特務
機関顧問)
奉天総領事館参事官
自宅→堂本誠
二宅
堂本誠二(満鉄経済
調査会)
章貞伯(助手)
越路里志(庸報編集
局長)
戸樫栄一(支那駐屯
軍伍長)
清家敏久(天津特務
機関)
5月18日 太郎
5月下旬 四郎
6月
7月7日
太郎
1936
7月20日 四郎
庸報記者
天津・フラン
ス租界→庸報
本社→桃山街
1936
7月31日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉
ハルビン駅→
平房
落合章介(ハルビン
特務機関少佐)
1936
8月
次郎
奉天特務機関遊撃隊長
農安・豊栄大
飯店
森山宗介
熊谷誠六(満洲国軍
顧問少佐)
1936
9月
太郎
国務院外交部政務司長
新京・官舎→
葛城源吉宅
丁路看
桂子
金承良(専属運転
手)
葛城源吉(満鉄調査
部)
通州駅→通州
城・菊屋バー
→通州飯店
章貞伯(助手)
寺島一輝(菊屋バー
店主)
別府芳樹
安西高志(元協和
会)
1936
9月中旬 四郎
庸報記者
1936
10月初旬 次郎
奉天・清華大
旅荘→奉天特
奉天特務機関遊撃隊長 務機関→清真
餐庁→奉天天
主教教会
綿貫昭之(奉天特務
機関顧問)
ベクル・ネズル
松岡俊次
関東軍新京憲兵隊大尉 自宅
奈津
夏邦祥
熊谷誠六
1936
10月
三郎
1936
10月末
太郎
国務院外交部政務司長 政務司長室
谷津是之(政務司主
任)
香月信彦(同盟通信
社記者)
1936
11月
次郎
奉天特務機関遊撃隊長 トルファン
森山宗介
三波直也
ベクル・ネズル
1936
11月16日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉
綏遠・帰綏飯
店
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
間垣徳蔵(奉天特務
機関中佐)
ニマオトソル
陳品宇(雑貨商)
1936
次郎
奉天特務機関遊撃隊長
奉天・清華大
旅荘→奉天天
主教教会→呉
鶴林宅
松岡俊次(満洲伝道
会)
鴨下広務(当直医)
関東軍新京憲兵隊大尉 綏遠→卓資山
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
間垣徳蔵(奉天特務
機関中佐)
ニマオトソル
陳品宇(雑貨商)
1936
11月18日 三郎
ストーリー
・太郎は奉天ヤマトホテルで河辺慎一と食事
満洲への大量移民計画について 人口増加の4
分の1を満洲で吸収する 岸信介が満洲国実業
部総務司長として招聘される
・河辺慎一は太郎を国務院外交部政務司長に推
薦した
・古賀哲春が現役武官制復活の報を伝える
ファシズムへの予感について
・越路里志は四郎にキャバレー亜細亜会館での
殺人事件の取材を命令
・伊達順之助がキャバレーの女給を誤って撃ち
殺してしまった 香月信彦と領事館警察へ向か
う
・領事館警察では伊達順之助の射撃の腕を確か
め未必の故意はなかったと判断し釈放
・香月信彦が取材に来た 時代の変わり目で必
要とされなくなった人間について
・馬占山が秘密裡に天津に潜入したとの噂
・三郎は設楽草吉と通化の街の整備状況視察に
向かう 次郎について話す
・調所公彦と通化の現状について話す 平穏を
保っているが楊靖宇は戦略上攻撃を控えている
・円堂幸一が皇道派狩りで憲兵隊に嗅ぎ回られ
ているとボヤく
・樋口写真館へ顔を出す 通化の街は急膨張し
ている 日本人会発足へ
・麗鈴亭へ顔を出す
・次郎は遊撃隊を率いて延吉黄川郷に向かう
朝鮮人農民に混じって暮らす東北抗日聯軍朝鮮
人工作員の密殺のため
・李熙礼を買収して手引をさせ標的13人全員を
始末した
・平壌大旅荘に戻る 綿貫昭之が待っていた
次郎は仕事の期限を鹿容英が退院する5ヶ月後
までと宣言した
・太郎は日本人官吏服務心得を読み関東軍が作
成したものだと理解する
・堂本誠二に誘われ隣家へ ヨーロッパの状況
について 辻政信が機能不全に陥っていた協和
会のテコ入れを図る 辻政信の節操のない動き
に苛立つ
・四郎はフランス租界で贋札騒ぎに出会う 馬
占山将軍からの義援金と称して配られていたも
のだった
・越路里志は報告を受けてすぐに庸報の一面
トップにすると決定
・桃山街で酔った戸樫栄一に絡まれる
・清家敏久と馬占山について話す 清家敏久は
贋札に気づかなかったととぼけている
・三郎は間垣徳蔵から受け取った二・二六事件
の処刑者の遺書と尋問調書を読む 怨嗟の声に
満ちている
・落合章介と平房へ向かう 防疫部隊駐屯地設
置予定 細菌戦の研究を行う 司令部の命令で
将来を嘱望される三郎に何が行われるか視察さ
せた
・次郎たちは東北抗日聯軍を始末し終えて農安
に向かう
・豊栄大飯店で熊谷誠六に出会す 国軍の中で
も次郎の活躍は有名になっている
・熊谷誠六は皇道派とみなされ監視されている
・次郎の愛馬風神が死んだ
・太郎は新京に引っ越し国務院外交部政務司長
に赴任した 新たに丁路看という阿媽を雇う
・金承良に葛城源吉宅へ送ってもらう
・葛城源吉と話す 内蒙古で近々第二の満洲国
を創る動きが具体化することについて
・杉原千畝について ロシア語が堪能な能吏
・協和会の変質と甘粕正彦について
・通州で中国中央銀行券の贋札が見つかり四郎
は調査に向かう
・寺島一輝に贋札について聞き取り 別府芳樹
は領事館警察に逮捕されたが釈放
・別府芳樹に聞き取り 偶然出会った男に連れ
られて騙された 間垣徳蔵と特徴が似ている
・安西高志が四郎に話しかける 協和会メン
バーだったが満洲を捨てて北平に移り第二の満
洲国にづくりに動き出す
・次郎は雷神を購入した
・奉天特務機関に綿貫昭之を訪ねる ウイグル
族のベクル・ネズルを紹介される 東トルキス
タン共和国が失敗したのはウイグル族が回教徒
を敵視したから
・ソ連は国民革命軍を牽制するためにウイグル
族に武装蜂起させ武器を供給しようとしている
トルファンでのウイグル族活動家の抹殺を依頼
される
・内蒙古と新彊を合わせた政府を創る構想 実
際には新彊は無理だと踏んでいる
・奉天天主教で鹿容英の容態を確かめる 戴善
継夫妻の死を知る
・三郎に子供百秋が生まれた
・熊谷誠六が三郎を訪ねてくる 次郎との出会
いについて 内蒙古独立工作について
・谷津是之が太郎に報告 皇弟溥傑のお妃が決
まった 二・二六事件一周年にぶつけるように
日程が決定された 帝位継承法で溥儀は猜疑心
にさいなまれるだろう
・香月信彦が太郎を訪ねる 実業部総務司長岸
信介が板垣征四郎参謀長にきっぱりと方針を伝
えた 宮崎正義の満洲産業開発五カ年計画につ
いて
・国民党と工農紅軍について 張学良の哭諌
・次郎たちは対象となるウイグル族7人が会合
をするトルファンの廃墟の回教寺院に地下水路
を通って近づく
・全員を抹殺するも森山宗介が撃たれて死亡
・三郎は設楽草吉ととも綏遠に潜入した 帰綏
飯店で間垣徳蔵と出会う
・間垣徳蔵からニマオトソルと陳品宇を紹介さ
れる 徳王の軍は機械化が遅れているので勝て
ない 大漢義軍も役に立たない
・参謀本部は軍事行動を認めていないが武藤章
は独断専行するだろうと予測
・松岡俊次から次郎に鹿容英の死が伝えられる
奉天天主教教会へ向かう 夜警の呉鶴林に大量
のヘロインを投与されたことが判明
・呉鶴林宅に行き清華大旅荘を訪ねるよう伝言
を頼む
・綏遠事件が始まり三郎は戦況を見守る 大漢
義軍は戦意なく後退した
歴史的事項
参照
・相沢三郎中佐に死刑判決。
・関東軍参謀田中隆吉中佐は内蒙古にもう一つ
の満洲国を創るために徳王に対して資金援助を
開始した。
・陸軍次官梅津美治郎中将の発案で現役武官制
が復活した。真崎甚三郎大将など皇道派の息の
根を止めるため。
岸信介
・川島芳子は日本に送り返された。
・支那駐屯軍が2万人に増員された。
阿部定事件
・武藤章中佐が関東軍情報主任参謀として赴任
する。
・二・二六事件の下士官や兵たちは軍人勅諭に
従っただけなのに逆賊扱いされた問題を顕在化
させないように満洲国軍と国警に吸収すること
になった。
・奉天省から四平省、通化省が分離される。通
化には推定1億トンの鉄鉱埋蔵量がある。
・通化から朝鮮半島への鉄道工事が始まり、梅
花口から通化への鉄道は来年開通し、通化は東
辺道の中心地になる。
・相沢三郎の死刑執行。北一輝と西田税の関与
を調べるため。
・フランスでは下院選挙で人民戦線が過半数を
占める。イタリアはアジスアベバを占領し、エ
チオピアを併合した。
・辻政信大尉が関東軍司令部第三課に赴任。
日本人官吏服務心得
・人民戦線政府によって左遷されていたフラン
コ将軍がモロッコで叛乱を起こし、内戦に突
入。
・ベルリン・オリンピックが開催される。
・二・二六事件の皇道派将校15名が死刑執行さ
れた。村中孝治と磯部浅一は1年後に執行予
定。
二・二六事件の処刑者の遺書
と尋問調書
石井四郎中佐
・協和会の発足当時の中心人物はほとんど協和
会から姿を消した。石原莞爾と創りあげた理念
が関東軍の内面指導でねじ曲げられてしまうか
ら。
杉原千畝
・支那駐屯軍は5月に5千人増員された。
・冀東特殊貿易では、国民政府の正規関税の4
分の1の査験料を払えば密貿易も公的に認めら
れる。
・8月11日に帝国政府は北支5省に防共親日地
帯建設を謳う第2次北支処理要項を決定。
・関東軍は徳王を中心とした内蒙古独立に踏み
切った。全体の指揮は武藤章情報主任参謀が執
る。
東トルキスタン共和国
・植田謙吉司令官、関東軍参謀長板垣征四郎少
将は蒙彊政府設立のため内蒙古独立工作を進め
ている。阿片と冀東特殊貿易の収益から600万円
を用意した。
蒙疆独立工作
・徳王は国民政府内蒙古綏遠省主席の溥作義に
内蒙古独立の要求を突きつける。
・徳化特務機関長の田中隆吉中佐は内蒙古の旧
軍閥を集め、大漢義軍を組織した。
・スペインの内戦は激しさを増している。人民
戦線はバスク地方にソ連の援助を得てバスク自
治政府を樹立。フランコをドイツ、イタリアが
支援。
・電力国家管理要綱閣議決定。
・満洲産業開発五カ年計画の予算は25億円。
帝位継承法
・綏東で王英の大漢義軍と第35軍が戦闘開始。
綏遠事件
年代
時期
1936
11月
主人公
身分
舞台
登場人物
ストーリー
歴史的事項
・閻錫山の山西軍が傅作義の第35軍に合流し、
内蒙古軍と大漢義軍を撃破して徳王のいる百霊
廟に迫っている。
・参謀本部第一部戦争指導課長の石原莞爾大佐
が渡満して、綏遠作戦の即時停止を言い渡した
がうやむやになる。辻政信に満洲建国大学設立
案をまとめるように命じて内地に帰った。
太郎
国務院外交部政務司長 政務司長室
孔秀麗
宮内康光(関東軍参
謀部大尉)
・宮内康光が太郎を訪ねる 綏遠事件について
天津や北平に問い合わせないように脅した
・石原莞爾について
1936
次郎
奉天・清華大
奉天特務機関遊撃隊長 旅荘→呉鶴林
宅
何精扁
趙有章
・何精扁が次郎に呉鶴林の死を伝える 趙有章
が何者かによる暗殺現場を目撃していた
1936
12月9日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉
百霊廟・広福
寺
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
床波敬司(徳化特務
機関中尉)
・三郎は設楽草吉と百霊廟の広福寺へ向かう
ラマ僧に扮している床波敬司に会うため
・第35軍の百霊廟攻撃について 田中隆吉徳化
特務機関長の自己顕示欲について
・床波敬司が内蒙古軍で日本人軍事顧問が殺害
されたとの打電を受け取った
・百霊廟は第35軍に占領された。
・大漢義軍の旅団長石玉山が傅作義と組んで叛
乱を起こす。日本人軍事顧問殺害。
・日独防共協定調印。目的はコミンテルンの撲
滅。
12月13日 太郎
関東軍司令部
国務院外交部政務司長
→政務司長室
宮内康光(関東軍参
謀部大尉)
谷津是之(政務司主
任)
瀬古勝久(上海総領
事館参事官)
・太郎はシャラムリン廟で何が起こったのか情
報を入手するために関東軍司令部の宮内康光を
訪ねる 宮内は国民革命軍の流した噂を否定
・谷津是之が西安で兵変があったことを報告
・西安事件勃発。張学良が蒋介石を監禁し、対
日軍事宣戦、満洲の失地回復、容共政策の回復
を要求した。
章貞伯(助手)
安西高志(元協和
会)
木暮志麻子
・四郎は安西高志と瓢簞亭で食事 別府芳樹の
その後について
・西安事件に対する綏遠事件の影響について
第二次国共合作が始まる 小沢開作が河北通信社
を設立した
・男言葉を使う木暮志麻子を紹介される 北支
で満洲建国の理想を再構築する 繆斌(みょうひ
ん) について
・木暮志麻子は四郎に天津大学経済学部教授盧
鈁純と会って紹介して欲しいと依頼
綿貫昭之(奉天特務
機関顧問)
・綿貫昭之を奉天神社に呼び出す 鹿容英を死
なせたことで殺害した
・桂子は国防婦人会の活動に参加している
・谷津是之が太郎に日産コンツェルンの満洲移
転が決まったことを報告 日満鉄鋼5カ年計画
試案に目を通す
・孔秀麗と皇弟の成婚について話す
・河辺慎一と新京ヤマトホテルで食事 軍部の
独走に嫌気が差している 満洲産業開発5か年
計画について
・政治の紛糾は石原莞爾大佐が仕組んだ 世界
最終戦争論に備えるための人事策謀は林銑十郎
に拒否された
1936
1936
12月下旬 四郎
庸報記者
1936
12月31日 次郎
奉天・清華大
奉天特務機関遊撃隊長 旅荘→奉天神
社
1937
2月7日
太郎
鰻屋・瓢簞亭
国務院外交部政務司長
自宅→政務政
務司長室→新
京ヤマトホテ
ル
桂子
谷津是之(政務司主
任)
孔秀麗
河辺慎一(外務省東
亜局調査部)
橋爪達夫(国務院国
道局技師)
柳井浩二(歩兵少
尉)
木暮志麻子
盧鈁純
盧青芳
1937
3月上旬 次郎
馬賊
吉林旅荘→工
事現場
1937
3月中旬 四郎
庸報記者
フランス租
界・盧鈁純宅
1937
太郎
国務院外交部政務司長 自宅
次郎
馬賊
吉林旅荘→小
料理屋・黒門
熊谷誠六
間垣徳蔵(奉天特務
機関中佐)
桂子
1937
4月2日
1937
4月27日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉
関東憲兵隊司
令部→防疫廠
落合章介(ハルビン
特務機関少佐)
垣添明春(中尉)
1937
5月4日
馬賊
八道河子の郷
満洲国軍分隊
黄承柏(郷長)
木暮志麻子
盧青芳
越路里志
清家敏久(天津特務
機関)
塩尻英策(参謀本部
第二部第七課大尉)
次郎
1937
四郎
庸報記者
フランス租界
シャノアール
1937
次郎
馬賊
王家店・九龍
菜館→済興屯
の郷
満洲国軍分隊
黄東樹
太郎
国務院外交部政務司長
政務政務司長
室→自宅
谷津是之(政務司主
任)
丁路看
黒竜江・乾岔
関東軍新京憲兵隊大尉
子島
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
浦添昌良(歩兵第一
連隊第三中隊大尉)
間垣徳蔵(奉天特務
機関中佐)
国務院外務局政務処長 政務処長室
谷津是之(政務処主
任)
河辺慎一(外務省東
亜局調査部)
孔秀麗
香月信彦(同盟通信
社記者)
1937
1937
1937
1937
6月4日
6月29日 三郎
7月8日
太郎
7月12日 四郎
庸報記者
庸報本社→盧
鈁純宅→庸報
本社→東興楼
→庸報本社→
天津ヤマトホ
テル
章貞伯(助手)
越路里志(庸報編集
局長)
木暮志麻子
盧青芳
・吉林は豊満ダム建設で発展した 次郎は雷神
を走らせて工事現場へ 甘粕正彦の大東公司が
工事を請け負っている 橋爪達夫に工事概要を
聞く
・松花江上流で外岡靖春教授達の一隊が東北抗
日聯軍に襲撃され外岡靖春教授は拉致された
司令官は辛雨広と判明
・四郎は盧鈁純と懇意になり木暮志麻子を紹介
する
・青芳が出迎える フランス人とのハーフ 母
は駆け落ちし盧鈁純が世話をしている
・木暮志麻子は盧鈁純に西安事件の見解と日中
連帯の必要性について問う 新民会への参加を
呼びかける
・桂子と太郎の夕食の会話 桂子は国防婦人会
にのめり込み浪費している
・太郎は建国大学設立要綱に目を通す
・熊谷誠六が吉林旅荘に次郎を訪ねる 熊谷は
糖尿病と診断された
・東北抗日聯軍吉林遊撃隊から外岡教授釈放条
件の提示があったが関東軍は飲まない
・次郎は外岡教授の救出を申し出る
・小料理屋黒門で間垣徳蔵と出会う 綿貫昭之
殺害について 無料で引き受けたのは辛雨広が
理由
・三郎は関東軍憲兵隊司令部を訪れた落合章介
を防疫廠へ案内する ヨーロッパ情勢について
ソ連がいつ満洲国境を超えてもおかしくない
・日本医科大細菌学研究室から来た垣添明春中
尉が出迎える
・軍獣育成や細菌の培養研究をしている施設
だった
・次郎は分隊を率いて吉林遊撃隊を追っている
斥候の報告では八道河子の郷は東北抗日聯軍の
支配下にある
・黄承柏から吉林遊撃隊の情報と外岡教授の生
存を聞き出す 通化方面に向かった
・越路里志が四郎に東興楼のオーナーは川島芳
子だと教える
・シャノアールで木暮志麻子と盧青芳に出くわ
す
・清家敏久から塩尻英策を紹介される 贋札騒
ぎは第七課が仕組んだ謀略だった 今後精巧な
贋札をばら撒く布石
・黄承柏からの護符で黄東樹に連絡がとれた
楊靖宇配下に入りたいと騙す
・辛雨広の吉林遊撃隊は賀嶺山にあることを聞
き出す 1か月後に戻ってくる
・谷津是之が太郎に抗日聯軍が普天堡に攻撃を
仕掛けたことを報告
・体調不良で自宅に戻ると丁路看がお金を盗ん
でいるのを目撃した 見られた丁路看は色仕掛
けをする
・三郎は設楽草吉とともに乾岔子(かんちゃず)島
事件に派遣された
・間垣徳蔵が現れ外交折衝で決着がつくことを
告げる トハチェフスキー元帥処刑から目を逸
らすための事件
・浦添昌良が司令部から外交折衝で決着がつい
た旨の通電を報告
・ソ連軍砲艦から砲撃があり応戦 スターリン
の決定に対するソ連軍の苛立ちから
・盧溝橋事件勃発 谷津是之が太郎に状況報告
支那駐屯軍第一連隊は永定河を渡河し突撃した
・第29軍の大規模抗日戦の噂もある
・河辺慎一から電話 盧溝橋事件を巡る拡大派
と不拡大派に軍中央が割れている 石原莞爾少
将は不拡大派筆頭
・谷津是之から発砲について北平の大使館の分
析報告 支那駐屯軍謀略説 共産党説 藍衣社
説
・香月信彦から電話 宛平県城内での保安隊機
銃掃射 牟田口廉也連隊長の独断専行で動いて
いる 支那との全面戦争に突入する可能性があ
る
・越路里志は四郎に関東軍が事変拡大に協力し
ていることを知らせる 辻政信大尉が牟田口廉
也に拡大を焚きつける。
・盧鈁純に盧溝橋事件に対する見解を聴きに行
くも不在だった
・木暮志麻子から電話 盧鈁純を口説き落と
した 天津ヤマトホテルへ来るように指示され
る
・四郎は木暮志麻子と盧青芳の肉体関係を見せ
つけられた
参照
西安事件報道
西安事件概要
・腹切り問答で廣田内閣が総辞職し、林銑十郎
に大命が下った。宇垣一成内閣は流産した。
・日産コンツェルンが満洲に進出し、満洲重工
業になる。
・満洲の石炭資源は豊富だが、鉄鋼資源は乏し
い。
・満洲の兵力は70万に達した。関東軍の陣容
は、12個駐箚師団、2飛行連隊、騎兵1個旅
団、13個国境守備隊、9個独立守備隊。
・石原莞爾は少将に昇進して参謀本部第一部長
に、板垣征四郎参謀長は広島の第5師団長に、
東條英機中将は関東軍参謀長になる。
腹切り問答
日産コンツェルン
日満鉄鋼5か年計画と地下資
源
世界最終戦争論
浅原健三
・新京の国防婦人会は東條英機の夫人が仕切っ
ている。
・辻政信大尉は建国大学設立要綱をまとめた。
建国大学設立要綱
・ナチスドイツがフランコ将軍を支援するため
に、バスク地方のゲルニカを重爆撃。
・武藤章大佐が参謀本部作戦課長に就任した。
・解散総選挙で社会大衆党躍進。林銑十郎内閣
崩壊、46歳の近衛文麿に組閣の大命が下った。
普天堡の戦い
・普天堡の戦いに端を発した関東軍及び満洲国
軍と朝鮮人民革命軍との激突は続いている
・乾岔子島にソ連国境警備隊が上陸し、苦力た
ちを追い払い占領を開始した。
乾岔子島事件
トハチェフスキー元帥
・7月7日夜、支那駐屯軍の夜間演習中に盧溝
橋で一発の銃声が鳴り響く。
・支那駐屯軍第一連隊長牟田口廉也大佐は北平
との電話線を切断した。
・支那駐屯軍は龍王廟、宛平県城内の第29軍掃
討に取り掛かった。
盧溝橋事件
・天津に特別戒厳令公布。
・陸軍中央が関東軍2個旅団、朝鮮軍1個師
団、内地3個師団の北支派遣決定。
・杉山元陸相は、作戦課長武藤章大佐と軍事課
長田中新一、参謀本部支那課長永津佐比重(さひ 対支一撃論
じゅう)大佐の対支一撃論を採用し、参謀本部第一
部長石原莞爾少将、戦争指導課長河辺虎四郎大
佐、陸軍軍務課長柴山兼四郎大佐の不拡大方針
は敗れ去った。
年代
時期
1937
1937
主人公
次郎
7月27日 太郎
1937
7月27日 四郎
1937
三郎
身分
馬賊
舞台
賀嶺山
国務院外務局政務処長 政務処長室
登場人物
満洲国軍分隊
黄東樹
辛雨広(東北抗日聯
軍)
葛城源吉(満鉄調査
部)
ジョセフ・フリーマ
ン(上海ウィーク
リー・ニュース)
庸報記者
庸報本社→海
光寺→通州城
内→菊屋バー
→保安隊員育
成専門学校
越路里志(庸報編集
局長)
清家敏久(天津特務
機関)
別府芳樹(菊屋バー
経営)
仁科順平(支那駐屯
軍通州守備隊中尉)
関東軍新京憲兵隊大尉
自宅→満鉄医
院
奈津
次郎
木暮志麻子(新民
会)
清家敏久(天津特務
機関)
香月信彦(同盟通信
社記者)
田宮勝彦(豊台兵営
少尉)
ストーリー
・次郎たちは黄東樹の案内で賀嶺山の吉林遊撃
隊基地へ向かう
・満洲国軍分隊が東北抗日聯軍に襲いかかる
11名を殺したが次郎は辛雨広に肩を撃たれる
猪八戒も銃撃され死んだ 辛雨広は満洲国軍に
殺害された
・外岡教授の救出に成功した
・葛城源吉がジョセフ・フリーマンとともに太
郎を訪ねる ジョセフ・フリーマンは対支一撃
論は全面戦争論に変化すると警告 国民革命軍
は上海戦を想定している
・ドイツは日本を裏切り国民革命軍を支援して
いる 今後のユダヤ人迫害に対してユダヤ人難
民の受け入れを要請
・越路里志の指示により四郎は清家敏久と偵察
車に乗って通州へ向かう
・戦闘詳報をつけている仁科順平に状況を聞く
・四郎は菊屋バーに向かい別府芳樹と会い状況
を聞く
・天津の飛行隊が鎮圧を知らずに保安隊員育成
専門学校を誤爆 フィルムを仁科順平に取り上
げられる
・三郎と奈津は満鉄医院に次郎を見舞う 次郎
は三郎に背広と靴を買ってくるように頼む 治
安部警務司から満洲中央銀行券1000円の謝礼
・当直の四郎が寝酒に千草に入ったところに木
暮志麻子と偶然鉢合わせる 小沢開作が新民会
を結成
・清家敏久から通州での大規模叛乱の報 通州
へ一緒に向かう 田宮勝彦から戦況報告
・四郎は通州城内を取材 強姦された死体が転
がっている 仁科順平の死体があった 通州苑
では別府芳樹と菊枝の死体もあった
・香月信彦がやって来て被害状況を把握 第二
の尼港事件となる 暴支膺懲の声は沸騰し対支
一撃論に傾く
1937
7月29日 四郎
庸報記者
居酒屋・千草
→庸報本社→
通州城内→通
州苑
1937
8月初旬 次郎
大陸浪人
新京・長春飯
店→大同広場
→木下中古車
販売
・次郎は宿代を清算する 拳銃と馬を支配人に
渡し汚い仕事から足を洗うことにした
・中古ルノー車を購入する
政務処長室→
自宅
谷津是之(政務処主
任)
丁路看
桂子
・谷津是之が日産コンツェルンの受入試案を太
郎に報告 船津工作について
・家に帰り丁路看と情事に及ぶ 丁路看は月に
10円を要求した
・桂子はフランス料理から帰ってきた
・谷津是之から電話 海軍陸戦隊第一中隊長大
山勇夫中尉が支那保安隊に殺害された
チャハル省張
関東軍新京憲兵隊大尉 北城内→張北
飯店→臨平郷
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
川尻富男(混成第1
旅団戦闘詳報担当中
尉)
床波敬司(徳化特務
機関中尉)
間垣徳蔵(奉天特務
機関中佐)
郭源世(臨平郷郷
長)
1937
1937
1937
1937
8月9日
太郎
8月17日 三郎
9月
9月末
国務院外務局政務処長
庸報本社→天
麩羅屋・官兵
衛→庸報本社
四郎
庸報記者
太郎
政務処長室→
国務院外務局政務処長
自宅
1937
10月4日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉
通化駐屯地→
大栗子
1937
10月下旬 四郎
庸報記者
蕎麦屋・信濃
路→天津ヤマ
トホテル→庸
報本社→東興
楼
1937
次郎
大陸浪人
南郷村→新京
ヤマトホテル
1937
11月上旬 四郎
庸報記者
上海・海軍陸
戦隊病舎→医
務局
1937
11月21日 太郎
国務院外務局政務処長 政務処長室
1937
11月29日 四郎
庸報記者
清風荘→キャ
セイホテル
1937
12月4日 次郎
大陸浪人
庸報本社→天
津ヤマトホテ
ル
・三郎と設楽草吉は対支一撃論の破産について
話す 東條英機参謀長は武功を立てていない焦
りから越境したとの見立て
・川尻富男に戦闘詳報を聞く 張北飯店へ
・床波敬司と出会す 将校たちは東條兵団長に
頭にきている
・夜中に間垣徳蔵が訪ねて来た 東條英機の評
判について チャハル作戦は成功する 蒙疆政
権構想について
・石原莞爾と武藤章は軍中央から追放される
・真崎甚三郎大将に対する判決文について 無
罪だが皇道派を完全に破壊するという恫喝
・三郎と設楽草吉は床波敬司に連れられて臨平
郷へ 郭源世に芥子の乳液買い取りを申し出る
・今後の戦費調達のため東條英機は張北に阿片
工場を作る予定 里見甫と阿片取引について
越路里志(庸報編集 ・四郎は越路里志と昼飯へ 上海事変の戦況に
局長)
ついて
河野正成(支那駐屯 ・10元札の贋札試作品を四郎に見せる 技術的
憲兵隊中尉)
に難しく実用段階に至っていない
和田明雄(支那駐屯 ・河野正成と和田明雄が四郎を訪れ戸樫曹長に
憲兵隊曹長)
ついて聞かれる 海光寺の兵営から脱走した
・香月信彦が太郎を訪ねる 近衛文麿内閣は軍
部の言いなりになっている 松井石根大将は南
京を目指す意向 欧米列強が黙っていないだろ
谷津是之(政務処主
う
任)
・谷津是之は第5師団が林彪指揮の八路軍の伏
香月信彦(同盟通信
撃を受けたと報告
社記者)
・葛城夫妻を自宅へ招待 ユダヤ難民受け入れ
葛城源吉(満鉄調査
とアメリカユダヤ投資の意義について 石油消
部)
費規制令について
葛城京子
・満鉄調査部では日本は支那に勝てないという
分析 土地の起伏と辺境に誘い込まれて兵站の
間延び 軍馬の不足
・楊靖宇の東北抗日聯軍が活発化している 三
郎は動向分析のため通化へ
・諏訪牧彦に案内されて中隊長室へ 東北抗日
諏訪牧彦(通化警察
聯軍の動静について 諏訪牧彦は意図せず二・
公署警尉補)
二六に加わり満洲国警に吸収された
岡地豊和(歩兵第49
・諏訪牧彦と大栗子へ向かう 昔四郎を助けた
連隊長少佐)
ことについて 楊靖宇は抗日拠点の辺区で農民
池永洋介(満洲国軍
を遊撃隊員に鍛え上げるように司令を受けてい
上尉)
る
・池永洋介が東北抗日聯軍は三日に一度の間隔
で大栗子に偵察に来ていることを報告
・四郎は安西高志と信濃路で会う 治安維持会
は雲散霧消 中華民国臨時政府樹立の動きにつ
安西高志(新民会) いて
越路里志(庸報編集 ・天津ヤマトホテルで間垣徳蔵と木暮志麻子と
局長)
青芳が一緒にいるところに出くわす
間垣徳蔵(奉天特務 ・四郎は越路里志に呼び出されて東興楼へ向か
機関中佐)
う 間垣徳蔵から大本営が設置されると聞かさ
れる 支那派遣軍は苦戦中で政府が肚を決めた
・上海に行くことを要請される
・次郎は旅行途中に宮城県南郷村からの移民の
館林真次(村長)
村に立ち寄った 対ソ戦に備える満蒙開拓青少
パラス・ジャフル
年義勇軍について
(亜州友誼洋行公司
・新京ヤマトホテルでパラス・ジャフルと出会
経営)
う 上海へ来るように誘われる
・海軍陸戦隊病舎で四郎は北田吉克に取材する
北田吉克(第101師団
も精神に異常を来たしていた
二等兵)
・医務局で瀬尾展人と戦争神経症について こ
瀬尾展人(陸軍省医
のまま南京に進み強姦や殺戮が起こるだろうと
務局中佐)
予想
谷津是之(政務処主
・谷津是之が太郎に国民政府の重慶遷都を報告
任)
・瀬古勝久と電話 重慶遷都について 中華民
孔秀麗
瀬古勝久(上海総領 国臨時政府の状況と石原莞爾について
事館参事官)
・四郎はイギリス管轄区に向かう途中で間垣徳
蔵の車に拾われる 中支那方面軍は南京に向
間垣徳蔵(奉天特務
かっている
機関中佐)
・キャセイホテルでジョセフ・フリーマンと出
ジョセフ・フリーマ
会う 第10軍の残虐行為の報告が入っているこ
ン(上海ウィーク
とを危惧している 日独伊防共協定によって国
リー・ニュース)
家社会主義対自由主義の構図に発展しユダヤ資
本が選択を迫られている
・次郎は庸報本社で越路里志と四郎について話
越路里志(庸報編集
す
局長)
・天津ヤマトホテルに戻ると木暮志麻子がやっ
木暮志麻子(新民
て来た 新民会について 川島芳子の殺害を持
会)
ちかけられるが追い出す
歴史的事項
・近衛文麿首相は不拡大方針を表明した。宮崎
竜介を密使として派遣しようとするも、憲兵隊
に逮捕された。
・新聞は暴支膺懲の論陣を張り、帝国議会も対
支一撃論を支持。
・ドイツは日本と防共協定を結びながら、国民
革命軍を強化し、武器も輸出している。
参照
最後の関頭演説
廊坊事件
・冀東防共自治政府の保安隊が通州で寝返り、
邦人を虐殺。広安門事件も勃発。
・叛乱を起こした教導総隊は第29軍第37師団第
通州事件発端
220団長李大鉄の使嗾によるもの。李大鉄の実弟
が宛平県城内で支那駐屯軍の誤射により死んだ
ことが教導総隊の叛乱につながったとの噂。
・冀東防共自治政府の保安隊の叛乱で通州特務
機関長細木繁中佐ほか14名戦死。民間人200名以
上殺害。
・支那駐屯軍は保安隊を制圧し、北平占領。北
平治安維持会が発足。
・上海では抗日運動が再燃。内地では暴支膺懲
の世論が燃え盛っている。
・廣田弘毅外相は元上海総領事の船津辰一郎を
通じて和平交渉の途を探る。
・関東軍参謀長東條英機は参謀本部の承認なし
に独立守備隊歩兵16大隊をチャハル省に向けて
侵攻させた。
・上海では海軍陸戦隊4500名に対し、国民革命
軍は3個師団3万の兵力で戦闘が続いている。
国民革命軍はフランス租界、共同租界を爆撃し
千数百名の死者。
・近衛文麿首相は断固たる措置をとると政府声
明を出し、上海派遣軍を編成。司令官は松井石
根大将。
・板垣征四郎中将指揮下の第5師団も北上し張
家口を目指す。
・8月14日に二・二六事件の判決。北一輝、西
田税は死刑。
第二次国共合作
蒙疆政権構想
里見甫と阿片取引
・支那との全面戦争を支那事変と称する。戦争
と言わないのはアメリカの中立法に対応して対
外的釈明のため。
・東條兵団が山西省の大同占領。
・支那駐屯軍が北支那方面軍に改称。義和団事
件に際して決められた国際駐屯部隊の一つ。
・石原莞爾が関東軍参謀副長として着任。後任
の第一部長は下村定少将で対支戦争拡大派。
・上海での戦闘は膠着状態。
・北支那方面軍は寺内寿一司令官のもと、総兵
力20万で保定へ向かい、国民革命軍23万人を包
囲する予定。太原作戦。
・通化は吉林省から分離され通化省となった。
大栗子で大規模鉄鋼鉱脈が発見された。
・蒙古連盟自治政府を樹立させた。副主席の徳
王が実質的代表。
・上海派遣軍は第10軍と合流し、中支那方面軍
に改編された。
・日独伊防共協定がローマで成立。
日独伊防共協定
・大本営陸軍部参謀次長多田駿は不拡大派だっ
たが、下村定第一部長に説き伏せられた。中支
那方面軍の作戦地の制令線を突破した。
南京進軍
年代
時期
主人公
1937
三郎
1937
12月12日 太郎
身分
関東軍新京憲兵隊大尉
舞台
関東軍将校官
舎
国務院外務局政務処長 政務処長室
南京城・国際
安全区→下関
1937
12月14日 四郎
庸報記者
1937
12月15日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉 仮兵舎
1937
12月16日 四郎
庸報記者
1937
12月17日 三郎
関東軍新京憲兵隊大尉 下関
太郎
次郎
三郎
四郎
15
15
14
15
南京城・国際
安全区→処刑
場
登場人物
ストーリー
奈津
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
幸田文政(関東憲兵
隊中尉)
・三郎は中支那方面軍の憲兵不足による不祥事
を軽減させるために派遣される
・航空搬送中に幸田文政と中支那方面軍につい
て
谷津是之(政務処主
任)
河辺慎一(外務省東
亜局調査部)
・谷津是之が太郎に日産コンツェルンの資料を
届ける 蒋介石が飲めない対支交渉案について
・パネー号事件の報告
・河辺慎一に電話をしてパネー号事件について
話す 大本営が外務省に処理を押し付けてきた
加山幸二(満鉄大連
社員)
戸樫栄一(上海派遣
軍補助憲兵)
ジョセフ・フリーマ
ン(上海ウィーク
リー・ニュース)
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
河井武夫(歩兵第7
連隊第3中隊一等
兵)
加山幸二(満鉄大連
社員)
戸樫栄一(上海派遣
軍補助憲兵)
三郎
設楽草吉(新京憲兵
隊准尉)
香月信彦(同盟通信
社記者)
・四郎は加山幸二の運転で南京に向かう 道中
及び城内には夥しい死体が転がっている
・戸樫栄一と偶然出会す 中支那方面軍に潜り
込んでいた 戦場で多くの中国人をレイプした
四郎は戸樫栄一を詰る
・ジョセフ・フリーマンは首都保衛軍が軍服を
脱ぎ捨て略奪行為を行い逃げ惑う中で掃討戦が
行われるのを見た 中支那方面軍は一般人にも
暴行殺戮を行った
・ジョセフ・フリーマンと下関へ向かう 武装
解除した兵士たちを違法に処刑していた
・三郎は眠ることができず設楽草吉と南京の惨
状について話す
・第9師団歩兵第7連隊第3中隊長からの命令
で河井武夫が三郎にメモを見せる 17日の司令
官入城に向けて16日に国際安全区で全面掃討に
取り掛かる内容だった
・四郎は国際安全区で便衣兵の嫌疑をかけられ
連行された者達を追いかける 問答無用の処刑
の様子を目撃した
・戸樫栄一に処刑を強要されるが四郎は断った
ため殴りつけられる そこに三郎が現れ戸樫を
殴り飛ばし蹴り上げ銃を口に突っ込み怒鳴りつ
ける
・三郎は下関で設楽草吉とともに処刑され焼か
れた黒煙を見続けている
・香月信彦が現れる 東京では祝勝提灯行列100
万人が靖国神社へ向かった 支那との戦争が終
わったと考えている
・南京事件は蒋介石に必ず利用される
・香月信彦は松井石根大将が慟哭していたのを
見た 天皇陛下の威光を穢したことに対して
歴史的事項
・武藤章大佐が中支那方面軍参謀副長として赴
任している。
・上海戦で第10軍の死者はゼロ。上海派遣軍は
9千名超。
・大本営陸軍部は南京攻略を下命した。第10軍
司令官柳川平助中将の命令で俘虜をすべて処刑
した。
・松井石根司令官は略奪行為などを厳しく戒め
ていたが、第10軍や第16師団の略奪、虐殺行
為、輪姦は明らかだった。
・奉天特務機関から上海特務機関に転出した塩
沢清宣大佐はトラウトマン工作潰しの人事だっ
た。
・海軍機がパネー号を誤爆し撃沈。隔離演説に
対する反論、反戦運動で窮地に陥っていたルー
ズベルト大統領の立場をひっくり返すほどの衝
撃。
参照
第10軍の南京進撃
南京攻略戦の残虐行為
パネー号事件と隔離演説
・パネー号事件でアメリカ世論は対日制裁に傾
いている。
城内の避難民
南京事件詳細
・上海派遣軍司令官は皇族の朝香宮鳩彦。
南京事件詳細2
長勇中佐の指示
・南京での暴虐は通州事件への復讐、膠着化し
た上海戦からの焦り、兵站の不徹底、憲兵の圧
倒的な不足など複合的な要因が絡んでいる。
・同日、3人の司令官が入城した。