地震に負けない家作り(PDF:307KB)

阪神・淡路大震災では、死者の約8割が『家屋の倒壊や、家具の転倒によ
る圧死・窒息死』によるものでした。また、新潟中越地震でも、木造家屋を
中心に多くの家屋が倒壊しています。どんな状況にあっても安全に避難がで
きるように、地震に強い家作りをもう一度見直しましょう。
我が家の安全チェック
地震は忘れた頃にやってきます。突然地震が襲ってきても、慌てたり怪我
をしたりしないように、まずは家の中の危険なところをチェックしましょう。
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家 具 が 少 な い 部 屋 な ど 、逃 げ 場 と し て の 安 全 な 空 間 が な い
お年寄りや子どもの部屋に倒れやすい家具がある
家具の前にベッドを置いたり、布団を敷い たりしている
テレビの上に花瓶などを置いている
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家の中の家具を固定していない
ガラスに飛散防止フィルムを貼っていない
電気などの照明器具を固定していない
玄関や廊下に家具やものを置いている
上の8項目のうち、チェックをした項目が、
★6つ以上…地震が起きた時に怪我をしたり、閉じ込められたりしてし
まう可能性が高いです。今すぐ地震対策を始めましょう。
★3~5つ…地震対策を行っていますが、まだまだ危険な箇所が
あります。
★1~2つ…地震に対しての防災意識はかなり高いでしょう。
結果はいかかでしたか?
地震はいつ襲ってくるかわかりません。いざという時のために、次のページ
を参考に、地震対策についてもう一度確認してみましょう。
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家の中の安全対策
家具の転倒・落下により、ケガをするだけでなく、倒れた家具により、部
屋の出入り口や廊下がふさがれ、避難することが困難になります。日ごろか
ら家具の固定をしたり、配置を考えて地震に備えましょう。
◆ 家の中に、安全な空間をつくる
部屋が複数ある場合は、出入りの少ない部屋に家具をまとめて置き、逃げ
場としての安全な空間を作りましょう。無理な場合は、家具の配置換えをし
て、少しでも安全なスペースができるように工夫しましょう。
◆ 寝室や子供、お年寄りのいる部屋には家具を置かない
就寝中に地震に襲われたとき、倒れやすい家具があると転倒したり、逃げ
遅れたりしてしまう可能性があり大変危険です。寝室や子供、お年寄りのい
る部屋には、なるべく家具を置かないようにしましょう。
※寝室や出入り口付近で家具の固定が難しい場合・・・
・ 就寝位置は、転倒方向と重ならないように、家具の側方が安全です。
・ 家具の前方に就寝する場合は、家具が転倒しても下敷きにならないよう
に家具の高さ以上の十分な距離をとりましょう。
◆ 出入り口や通路には物を置かない
玄関などの出入り口や通路にものを置くと、いざという時に出入り口をふ
さいでしまう可能性があります。安全に避難できるように、出入り口や通路
には、できるだけものを置かないようにしましょう。
◆ 家具の転落や落下を防ぐ
タンスや本棚
・天井との隙間をふさぐ
家具と天井の間につっぱり捧をかませて倒れにくく
します。つっぱり捧は、つける位置によって効果が発揮
されない場合があります。つっぱり棒を前側につけてい
ると、家具は倒れる時、前方が下がるため、隙間が生ま
れてしまいます。そのため、捧が宙に浮きはずれてしま
うのです。でも、後ろ側につければ、家具の後方は浮き
上がるため、しっかり動きを抑えられます。
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・柱や壁に固定する
釘やねじ・ベルトで直接、家具の両端を壁や柱に固定します。普通のL字
金具や棚受けでも十分です。金具は取り付け場所や取り付け方法によって
「固定度」が大きく異なってきます。
※ 芯材のある場所に取り付ける
※ 長い木ねじを使用する
・すきま材をはさむ
家具の下に小さな板などを差し込んで、バランスをとりな
がら壁や柱に寄りかかるように固定します。こうすることで
家具が倒れにくくなります。
食器棚
扉が開かないように、留め金をつけましょう。また、食器の
飛び出しを防ぐために、棚板に滑り止めのふきんを敷いたり、
横棒などを入れたりして、食器が転倒しないようにするとよい
でしょう。
ガラスを使用している食器棚などには、飛散防止フィルムを
貼るようにしましょう。衝撃を受けてガラスが割れても飛び散
るのを防ぐことが出来ます。
テレビ
できるだけ低い位置に置き、柱などにしっかりと固定したり、
転倒防止用に粘着マットなどをつけたりしましょう。
また、テレビの上には水槽や花瓶を置かないようにしましょう。
照明器具落下防止
つり下げ式のものは、チェーンや金具を使って数箇所とめて補強しましょう。
蛍光灯は蛍光管の落下を防止するため、両端を耐熱テープでとめましょう。
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耐震診断
昭和 56 年(1981 年)6月に建築基準法で耐震基準が強化されました。
平成 7 年(1995 年)に起こった阪神淡路大震災では、昭和 56 年(1981
年)以降に建てられた建物の被害が少なかったそうです。いざという時のた
めに、わが家の耐震診断をしてみましょう。
《耐震診断実施の目安》
・ 昭 和 56 年 ( 1981 年 ) 5 月 以 前 に 建 て た
・地震・災害・車の突入事故に見舞われたことがある
・増改築をしたことがある
・軒先が波打っていたり、柱や床が傾い たりしている
昭和 56 年(1981 年)5月以前に建てられた住宅は、耐震性の低い可
能性があります。
● 地震・風水害・災害・車の突入事故などに見舞われたことがある場合、
外見ではわからないダメージを蓄積している可能性があります。
● 増築時に適切な補修・改修が行われているか、必要な手続きをして増築
を行ったかなどを確認しましょう。
● 屋根の棟や軒先が波打っていたり、柱や床が傾いたりしている住宅は老
朽化している可能性があります。また、基礎の部分が腐っていないか、
白蟻の被害を受けていないか確認しましょう。
● 木造住宅では、壁の多い部分は揺れが小さく、壁の少ない部分は揺れが
大きくなります。1階部分に壁が多いかなど、壁のバランスをチェック
しましょう。
以上の項目をチェックして、心配な箇所がある場合には、耐震診断や耐震
工事をするとよいでしょう。横須賀市では、木造個人住宅(昭和 56 年 5
月以前に建築)を対象に、耐震診断・耐震補強工事を行うための費用の一部
を助成しています。詳しい内容は、
横 須 賀 市 役 所 分 館 4階 都 市 部 建 築 指 導 課 (04 6-82 2-8 319 ) へ
お問い合わせ下さい。
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