2007年8月 21 日 最高裁判所長官 殿 (広報課) 法務大臣 殿 (刑事局

2007年
2007年8月 21 日
最高裁判所長官
殿
殿
法務大臣
殿
検事総長
日本弁護士連合会会長殿
(広報課)
広報課)
刑事局総務課裁判員制度啓発推進室)
(刑事局総務課裁判員制度啓発推進室
)
総務部企画調査課)
(総務部企画調査課
)
広報課)
(広報課
)
市民が
市民が 裁判員として
裁判員として
裁判に
裁判に参加しやすくするための
参加しやすくするための提言
しやすくするための提言
市民の
市民の裁判員制度めざす
裁判員制度めざす会
めざす会
私たち“市民の裁判員制度めざす会”は 2003年7月に 公平な刑事裁判が行われるため
には、市民が裁判に携わり 司法作用をチェックすることの意義は大きいとの観点から 陪審
員制度の導入を目的に 活動を開始し その後 裁判員制度の導入決定と同時に あらゆる市民
が裁判員として参加できる体制を整えるために また市民の“参加”が 形だけにならない裁
判員制度とは 具体的には どんな内容であるべきかを 市民の立場から研究してきました。
(活動の具体的な内容は http://www.saibanin.jp をご覧下さい)
市民の参加が“形”だけでなく“市民と裁判官の協働”のもとに 実現することで 裁判員制
度は 新しい司法の仕組みとして その趣旨が達成されます。
すなわち、制度が意義あるものとして機能するためには、制度のありかた、運用について、
市民の側から 積極的に意見・提言していくことが重要と考えています。
以下に“市民の裁判員制度めざす会”において議論した、意義ある裁判員制度を実現するた
めの内容を、提言としてまとめました。 当然ながら 運用ルールについても 関係機関では
議論を重ねておられることと思います。しかしこのようなルールは、決定後の公表のみでな
く、議論の途中においても 随時公表され、市民の意見を求めるべきです。もし既にそのよ
うな内容について検討案があれば、速やかに公表することを求めます。
提言1
提言1 「3年後の
年後の見直し
見直し」のための第三者機関
のための第三者機関の
第三者機関の設置
裁判員制度スタートと同時に、3 年後の見直しに向けた、検証と修正検討のための常設の
「第三者機関」を設置するべきであると 考えます。
第三者機関では、個々の裁判での評議終了後 速やかに、裁判員への無記名調査を実施
し、制度について どのような問題があったかを把握し 改定に反映させるデータ収集に
努めるべきです。なお その調査においては、裁判員経験者は求められなくても 意見を
述べることができ、その場合は、守秘義務は免除されるものと考えます。
また第三者機関には、法曹三者から各同数の委員と、同時に裁判員候補者資格のある市
民委員を 同数以上を入れることが、参議院での付帯決議や 法の附則の規定の趣旨に適
うものであると考えます。
提言2
提言2 裁判員選任手続き
裁判員選任手続きにおける 運営方法の
運営方法の 工夫
選任手続きは、選任が公正に行われていることを担保するためにも 当然ながら公開とす
る一方で、個人情報の保護の観点から、場合によっては裁判員候補者に 質問に対する
拒否権を認めるべきです。また、裁判員の時間的拘束を少しでも緩和するため、選任手
続きの進め方には充分な工夫をこらすことが必要です。
裁判所では模擬裁判などを通し、選任手続きについても検討されているようですが、裁
判員候補者の待ち時間のあり方についても 充分な注意を払うべきですし、その為に 技
術的工夫をこらすことも 必要です。
例えば 待ち時間を利用し ビデオを活用した 刑事裁判制度・裁判員制度の説明を行う
ことが 考えられます。また 各種手続きの電子化をはかり、個人申告書や辞退申告書に
ついては、申告書のダウンロードによって 事前作成が可能となることも、効果があると
考えます。交通費・日当などは、原則口座振込とし領収書は不要とすべきです。
提言3
提言3 バリアフリー の実現
裁判所内では、車椅子が自由に移動できるよう、施設の改善をはかることが必要です(ト
イレ、食堂、法廷内、評議室、通路などの移動経路)
。これについては 当会ホームペー
ジに記載した 名古屋地方 裁判所裁判所ウオッ チング報告も参考に なるはずです
(http://www.saibanin.jp/m_info.html )。
また、女性裁判員の参加の障害にならないよう、託児所・授乳室を設けるとともに、個
人別ロッカーの用意 女性用トイレの数についても、注意を払うべきです。 高齢な場合
昼食後の休憩時間に 和室で横になることができれば 参加への心配も 少し薄れます。
提言4
提言4 裁判員サポートセンター
裁判員サポートセンターの
サポートセンターの設立
裁判員候補者となった旨の 連絡を受けた場合 各種の心配や不安がでてくることも 予
想されます。市民の参加を促すためには この心配や不安を 積極的に解消する仕組みが
必要です。そのためには 裁判員サポートセンターを設立し 例えば、車椅子利用の裁判
員については、費用を国が負担することを前提に センターが介助の手配(その際、裁判
員自身の希望する介助者の利用を妨げないこと その場合の費用も国が負担する)し ま
た センターが 女性裁判員の子育てとの両立をサポートすることは いうまでもなく
裁判員の あらゆる質問、相談に答える窓口としても機能することが 必要です。
提言5
提言5 自由な
自由な評議実現のために
評議実現のために
裁判員が 評議において公判の内容を簡単に再確認できるように、公判の模様はDVD
などを利用して 逐一録画し、評議において 随時確認できるようにすべきです。また、
評議のテーブルは丸テーブルとし、裁判長の席以外は くじ引きにより決定すべきです。
さらには、議論促進のために ホワイトボード(黒板)を用意すべきです。
また、飲食・喫煙・トイレなどのため、90分程度ごとに休憩時間を設けるとともに、
喫煙とトイレ以外は、裁判官も裁判員も 評議の部屋で一緒に休憩時間を過ごすべきです。
その結果 裁判員と裁判官の間にある 心理的バリアーが 少しずつ解消され 議論の促進
に役立つはずです。
なお、評議の折 裁判員が記録したメモは、当然ながら裁判員の責任において 持ち帰り、
保管できるものと考えます。
提言6
提言6 死刑判決について
死刑判決について
死刑判決は、被告人にとって 最も重い結果をもたらすものであり、冤罪であった場合
に 取り返しのつかない刑であることを考えると 死刑判決を出すことが可能な事件
の場合は 慎重な議論を確保するため 単純多数決ではなく 制限(特別)採決のルー
ルを検討することが 必要であると考えます。
以上
青山
岩崎
河邉
本提言についての
学
光記
伸泰
渥美 昌康
上野 陽子
桜井志洋子
荒井 幸子
太田貴代美
佐野 澄夫
飯室
大塚
杉浦
水野
2007年8月20日
市民の裁判員制度めざす会
勝彦 伊藤 秀行 入谷 正章
秀雄 笠井千香子 川上 敦子
一孝 園田
理 細井 土夫
泰二 村橋 泰志 山田 幸彦
(50音順)
お問い合わせ先
電話の場合
電子メールの場合
052-524-2216(岩崎法律事務所)
[email protected](上記伊藤のアドレス)