シンガポール事務所 - CLAIR SINGAPORE

シンガポール事務所
【全世界を図書館にするブック・クロッシング】シンガポール
7月3日、国立図書館は、本をタクシーやカフェといった指定場所(ホットスポット)
で自由に借り出し返却できるシステムを導入したと発表した。
これは「ブック・クロッシング」というシステムで、2001 年3月にアメリカのカンザス
州においてソフトウェア開発会社を経営するロン・ホームベイカー氏により開始されたシ
ステムである。このシステムは、自分の本をウェブ上で登録し、そこで登録ナンバーを与
えられる。ウェブ上からダウンロードした専用のステッカーに登録ナンバーを記入して本
に貼り付け、その後ホットスポットに置くことで「貸出」することができる。
「貸出」され
た本を手に取った人はそこから自由に借りることができ、ウェブ上に登録することによっ
てその本の貸出履歴を残す。読み終わった後は、どこのホットスポットにも返却すること
ができ、その後ウェブ上に返却履歴を残す。このように貸出、返却履歴をウェブサイトに
残すことによってその本がどこから「貸出」されてどのような経緯を辿ってきたかを知る
ことができる。また、本の感想もウェブサイトに登録できるため、読んだ人同士で本の感
想を共有できるという面白さもある。現在、全世界 130 か国以上において 56 万冊の本が
登録されている。
国家としてこのシステムを導入するのはシンガポールが初めてで、国立図書館は、SMRT
社のタクシー(2,000 台)やカフェ「カーテル」(10 か所)などをホットスポットに指定
し、4,000 冊の本の「貸出」をしている。ほとんどの本が小説や伝記物の英語書籍で、ブ
リティッシュ・カウンシル(英国文化振興会)、アメリカ大使館、地元の出版社から寄付さ
れているという。
日本の鉄道駅などに設置されている無料貸出文庫と似ているが、このシステムに拠れば
ナンバーが登録されれば世界中どこへでも本の貸出が可能となり、全世界が大きな一つの
図書館となる。
(4th July 2007 The Straits Times 等参照 )
【イスカンダル開発地域-マレーシア・シンガポール間作業部会設置】マレーシア
マレーシア南部ジョホール州に、第9次マレーシア計画(2006-2010)(注)によって経済
開発を重点的に行う地区として、イスカンダル開発地域(以下「IDR」という)が指定さ
れている。
IDR は、2,217k㎡に及ぶ広大な地区であり、北にセナイ空港、南西にタンジュン・ペ
ラパス港、南東にジョホール港、そして南北にはシンガポールに繋がる高速道路と鉄道を
擁するなど、交通の利便性が高い地区である。また、この地区に進出する外資系企業には
ブミプトラ政策(マレー人優遇政策)の規定を適用せず、10 年間法人税を免除するなどの
優遇措置が用意されている。IDR への優遇措置は今年の3月に発表されたばかりであり、
今後海外からの投資や企業進出が促進されることになるだろう。
マレーシア政府は、近接するシンガポールからの投資を期待しており、同地域の共同開
発を目的として設置されたマレーシア・シンガポール両政府間における閣僚間委員会は7
月 23 日第一回会議を開き、4つの作業部会を設けることで合意した。設置される作業部
会は、①通関手続きの簡素化、②交通手段の利便性向上、③観光協力、④環境協力の4つ
で、今後定期的に会合を開き、意見交換を行う予定である。
また、マレーシア政府は、7月に入ってからラフィダ・アジズ国際通商産業相が日本、
韓国、香港に出向いて講演を行うなど、対日の投資誘致も積極的に行っている。
(注)マレーシア計画とは、1966 年の工業化政策に端を発するもので、第 1 次マレーシア計画(1966-1970)
以来、歴代首相によって発表される経済 5 か年計画である。第9次マレーシア計画では、前回の第8次
計画が財政再建を重視していたのに対し、近年経済成長が軌道に乗り歳入が増加していることから、積極
的な海外投資誘致に重点が置かれているのが特徴である。
(24th July 2007 The Business Times 等参照 )
【8つの地方自治体を新設】インドネシア
17 日、インドネシア国民議会は、6 つの県と 2 つの市を新設する法案を可決した。
インドネシア共和国には 2007 年 7 月現在、33 ある州に 369 県と 90 市の自治体が設置
されており、県・市はその内部組織としての郡と、その下部に町・村を有している。1998
年のスハルト退陣後の地方分権時代を通じて、各地域で自治意識が高まり、郡・町・村を
自治体である県・市へと格上げすることを求める動きが起きている。政府及び国民議会は
地方行政の効率化と住民福祉の向上を目指し、また、地域発展のポテンシャルを発揮する
のにより効果的な行政区域を設定するために自治体の再編成を進めており、今年に入って
すでに 17 の自治体が設置されている。
この自治体新設の動きについて、国民議会事務局の内政担当者は地域住民の社会福祉の
向上に資すると期待しているが、一方で、国家財政担当者は、「新設された自治体のほと
んどが財政的に自立することはできず、単独で行政経費を支出できない自治体が新設され
ることは結果的に国家財政を圧迫する要因になる」と危惧している。
(参考1)地方自治体の配置分合制度概要
地方行政法(2004 年法律第 32 号)及び関連政令により自治体の配置分合制度が定められている。地
方自治体の設立には地域の経済力・潜在力・文化・人口・行政区域面積・防衛・治安その他に関しての
一定の基準を満たす必要であり、具体的には、地域の一人当たりの GDP や人口当たりの公共的施設数等
を数値化し、地域のポテンシャルの状況が検証される。また、自治体の新設・廃止は法律により、自治
体の廃止を伴わない行政区域の変更、名称の変更、政府所在地の変更等は政令によって定めるとされ、
大統領の諮問機関である地方自治諮問会議が審査し、大統領に対し意見を述べることとされている。
(参考2)インドネシアの自治体数の推移
州
県
市
1996年
27
243
57
1999年
27
268
68
2002年
30
302
89
2005年
33
349
91
2007年
33
369
90
(出展)インドネシア共和国内務省「Data Wilayah Administrasi Pemerintahan」
を元にCLAIR Singapore 作成。2007年の数値についてはTha Jakarta Postの報道に
基づいている。
( 18 July 2007 The Jakarta Post 等 参照)
【大田区支援による集合工場「オオタ・テクノパーク」視察報告】タイ
東京・大田区がタイ東部チョンブリ県のアマタ・ナコーン工業団地内に開設している中
小企業向け工場「オオタ・テクノパーク(以下、「OTP」と言う)」を視察する機会を得た
ので、現地の状況について報告する。
バンコク都から車で約1時間の距離にあるチョンブリ・ラヨン両県を中核として展開す
るイースタンシーボード工業地帯は、タイ政府が重点的に整備を進めている地区であり、
その中にあるアマタ・ナコーン工業団地は、面積約 2,400 ㎢を占めるタイ最大の工業団地
である。進出企業数 459 社(2007 年7月現在)のうち6割以上を日系企業が占め、トヨ
タ、ダイキン、ソニー等の大企業を中心に、自動車、家電、電気、機械、化学、食品等の
幅広い業種の会社が入居している。
2006 年6月、大田区は区内の中小製造業の海外進出を支援することを目的に、ここに
OTP を開設した。従来から大田区は様々な専門的技術を持った中小製造業がひしめき合う
製造業の高度技術地区として全国に名を知られているが、アマタ・ナコーン工業団地を運
営するアマタコーポレーションは、工業団地内のサポーティングインダストリー(現地の
産業を支える裾野産業)の充実による一層の工業団地の発展を期待し、自らが中小企業向
けの貸しテナント棟やオフィス棟を建設し、大田区へ提供した。アマタコーポレーション
が土地(総敷地面積は約 19,200 ㎡)、建物、そしてサービスを用意するのに対して、(財)
大田区産業振興協会(大田区が 100%出資して設立された公益法人)が入居希望の中小企
業を探す他、BOI(タイ国投資委員会)東京事務所への投資奨励申請手続き等、タイ進出
への準備を支援するといった連携がなされている。
OTP では、素材加工、精密部品機器製造といった、ものづくりの基盤技術・技能を持つ
中小企業を対象に、1ユニット 320 ㎡のスペースを8ユニット用意している。共同棟には、
受付、ミーティングルーム、応接室などがあり、法務、税務、労務等様々な手続きについ
て、日本語ができる常駐スタッフがサポートしている。スペース賃貸料も1ユニット1月
あたり約 20 万円と、国内の最低レベルに設定している。
現在、OTP は登記手続き中の企業を含め、第1期工場棟8ユニット全てが契約済みとな
っており、開所1年で順調な滑り出しを見せている。今後は来年初めにも第 2 期造成に着
手し、更に中小企業の進出状況に応じて第4期までの造成を計画していく。
アマタコーポレーションでは、日系中小製造業が集積する第二の OTP が誕生し、工業
団地が更に発展することを望んでいる。
オオタ・テクノパーク
1ユニット(=320 ㎡)
( 2007.7.24 アマタコーポレーションからの聞き取り等)
【新憲法審議終了に向け
国民会議開催】ミャンマー
ミャンマー新憲法の基本原則を審議する国民会議が7月 18 日、ヤンゴン郊外のニャウ
ンナピン会議場で7ヶ月ぶりに再開した。軍事政権はかねて「今回が最後の会期」と発表
しており、93 年1月の設置以来 14 年余りで審議を終えることとなる。
開会式ではテインセイン首相代行が冒頭、
「この会期では選挙、政党、緊急対応、改憲手
続きを審議する。これが最後の会期となる」と演説し、約1カ月半とみられる会期終了後
に新憲法の基本原則が公表される可能性が高い。
ミャンマー軍事政権は国民会議を7段階の民政移管ロードマップ(行程)の第1段階と
位置づけており、基本原則に基づく新憲法の起草作業を年内に開始する方針だが、それに
続く国民投票や総選挙の日程は明らかにされておらず不透明なままだ。
この時期に軍事政権が国民会議を再開したのは、7月下旬にマニラで開かれた東南アジ
ア諸国連合(ASEAN)外相会議で民主化進展をアピールする狙いがあると見られる。40
周年の節目を迎えた ASEAN にとって、ミャンマーの民主化は域内統合に向けた大きな課
題となっている。
なおアメリカ上院は 24 日、軍事政権が支配を続けるミャンマーからの輸入禁止など制
裁措置をさらに 1 年延長することを 93 対 1 の圧倒的賛成多数で可決した。下院は前日に
制裁延長案を全会一致で可決しており、ブッシュ大統領の署名を経て発効する。
日本政府の対応としては、2003 年 5 月にスー・チー女史がミャンマー政府によって拘
束されて以降、新規経済援助案件の実施を見合わせているものの、緊急性が高く、人道的
な案件等については、個別に慎重に吟味した上で順次実施するというスタンスを取ってい
る。
今回の件について7月末現在日本政府側に特段の動きは見られない。
(参考)ミャンマーの民政移管プロセス
※2003 年8月にミャンマー軍事政権が発表したもの
(1)国民会議再招集
(2)民主国家確立に向けた段階的方策の実施
(3)国民会議の指針にのっとった憲法草案の策定
(4)新憲法制定のための国民投票実施
(5)新憲法下での公平公正な総選挙の実施
(6)新憲法で選ばれた代表による議会の招集
(7)議会による国家指導者選出と新政府樹立
18th July, 時事通信他
参照
【東西回廊で初めてトラックの定期便サービスを開始】ラオス
ベトナムのダナン港からラオスのサバンナケート、タイのムクダンを通り、ミヤンマー
のモーラミャインに達する約 1,500 ㎞の幹線道路「東西回廊(注1)」を活用した物流整
備の動きが加速している。
2006 年 12 月、円借款により第2メコン国際橋(注2)が架橋したことで東西回廊がほ
ぼ完成。東西回廊を利用した陸上輸送は、ベトナム・ハノイ~タイ・バンコク間を海上輸
送で要する約2週間を最短3日に短縮すると見込まれる。このため、自動車やその部品メ
ーカーが集積するタイと電子部品メーカーの集積
が急ピッチで進むベトナム間の部品物流ニーズが
中国
ベトナム
活発化すると期待されている。
そんな中、住友商事は7月末にも中国~ベトナ
ミャンマー
ラオス
ム~タイを結ぶトラックの定期便サービスを開始
する。東西経済回廊を利用した定期便はこれが初
東西経済回廊
サバンナケート
めてとなる。住友商事グループの物流会社は、既
に中国華南地方とハノイを結ぶ陸送路は開拓済み
で、日系企業が海外拠点間で部品・原材料のやり
タイ
ムクダン
ダナン
モーラミャイン
取りを増やしているのに対応する構えだ。
カンボジア
また、日本ロジテム(株)も、東西回廊をベト
ナム~ラオス~タイ間の機動的な陸上
輸送サービスの展開を図る手段として
認識し、ラオス進出企業に対する物流
[図:東西経済回廊] (出所)Inthavong, Sonephet [2005], The
Greater Mekong Sub-region’s East-West Economic Corridor
Investment Opportunity- Savan-Seno Special Economic Zone The
Trade & Service Hub of the East-West Economic Corridor.
業務の提供体制を構築した。
その他、オランダ TNT や日本通運等も参入を検討しており、今後は物流会社同士の競
争が激化しそうである。
日本経済産業省では、国境地点の貨物の積み替えや通関手続き、輸送コストといった具
体的な課題を検証するため、日本の自動車部品メーカーや現地のトラック事業者と共同で、
電子タグや全地球測位システム(GPS)を使った貨物追跡などの実証試験を9月に実施予
定である。ベトナム、ラオス、タイの税関当局にも参加してもらい、通関や入国管理にか
かる業務を一つの窓口で行えるワンストップ化など輸送時間短縮に向けた具体策を各国政
府に提言したいとの意向だ。
ラオス政府は、ベトナム政府と共同して国境(ダンサバイン-ラオバオ)における貨物
検査のワンストップ化を 2005 年から始めており、タイ政府との間でも、既に覚書に調印
している。また、これらの動きと平行して、タイとの国境の町サバンナケートには工業団
地の造成(注3)も進めており、東西回廊を活用した交通・運輸の促進により、今後、ラ
オスもインドシナ半島内陸部の重要拠点となるべく努力している。
(注1)ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーそして中国雲南省のメコン流域 6 か国・地域を1
つの投資・生産市場として有機的なつながりを形成できれば、総面積約 230 万 k ㎡、人口 2 億 5,000 万
人、名目 GDP 約 1,900 億ドルの市場規模(アジア開発銀行[2001])となる。
(注2)東西回廊の一環として、タイとラオス国境のメコン河に国際橋梁(全長約 1,600 メートル、幅 12 メ
ートルの二車線)を建設。2004 年 3 月起工、2006 年 12 月完工。
(注3)輸出加工区と自由貿易区と特恵サービス・物流センターの機能をもたせる 2 地区からなり、第 2 メ
コン国際架橋に隣接するサイト A(305ha)には、トレードセンター、ホテル、工場、国境管理施設、住居
の機能を集中させ、国道 13 号線と 9 号線の交差するサイト B(20ha)には工場、倉庫、カーゴターミナル、
税関を誘致する計画である。
(Jun-July 2007 時事通信、 NNA、大使館、 ASEAN-JAPAN CENTRE 等参照 )
【伸び続ける外国人訪問客数】カンボジア
カンボジアのトン・コン観光相は 7 月 16 日、2007 年上半期に同国を訪問した外国人が
対前年同期比 19.4%増の 97 万 5,349 人であったことを発表した。
同国の外国人訪問客数は、2005 年が 142 万 1,615 人、2006 年が 170 万 41 人と毎年 20%
近く増加しており、2007 年は 200 万人を超える勢いである。
2007 年上半期の外国人訪問客の上位 5 カ国は、以下のとおりである。
韓国
199,419 人(前年同期比 34.13%増)
日本
76,442 人(前年同期比 7.85%増)
アメリカ
68,379 人(前年同期比 13.41%増)
台湾
62,306 人(前年同期比 78.39%増)
ベトナム
58,866 人(前年同期比 63.00%増)
韓国からの訪問客数が全体の 2 割を占めている。これは、韓国人に費用の安い東南アジ
アが旅行先として人気があることと、韓国・ソウルからカンボジア・プノンペンに週 15
便(うち 7 便は中国・香港経由)、世界遺産アンコールワットを擁するシエムリアップに
週 25 便(うち 7 便はベトナム・ホーチミン経由)、韓国・プサンからシエムリアップに週
2 便という航空路線の利便性も大いに寄与している。日本からはカンボジアに入る直行便
はなく、ベトナム・ハノイ、タイ・バンコク、中国・香港あるいは上述したソウル、プサ
ン等を経由することになる。
このような状況の中、去る 6 月 25 日にシエムリアップからカンボジア・シアヌークビ
ルに向かっていたカンボジア国籍 PMT 航空所属のチャーター機が途中墜落し、韓国人乗
客 13 人を含む搭乗者 22 人全員が死亡するという事故が発生しており、韓国内ではカンボ
ジア旅行のキャンセルが出るなど、既に事故の影響が出始めている。
26th JIJI-web 他参照
【初の女性大統領選出】インド
インドで国会議員及び州議会議員の間接選挙による大統領選挙が行われ、国民会議派な
ど連立与党と左翼政党などが擁立したプラティバ・パティル前ラジャスタン州知事が、有
効票数の 65.82%を獲得し、野党連合側候補のシェカワット副大統領を大差で破って第 13
代大統領(任期 5 年)に選出された。パティル氏はインド初の女性大統領となる。
大統領はインドの国家元首であり、国会下院の第一党に組閣を要請したり、政治混乱が
生じた州に直接統治を導入したりするなど一定の権限を持つものの、実質的な政治権限は
ほとんどない名誉職である。そのため過去の選挙では与野党の統一候補が多かったが、今
回は 2009 年に任期満了となる下院選挙をにらんで与野党が独自に候補を擁立し、大統領
選挙にしては珍しく対立候補の過去の疑惑を暴露しあう中傷合戦となった。
パティル氏自身は西部マハラシュトラ州の生まれで、クシャトリア(軍人カースト)出
身。1972 年に州議会議員に当選して以来、州政府閣僚を歴任し、国会上院議員、下院議員
を経て 2004 年に西部ラジャスタン州知事に就任したが、全国的な知名度は高くない。イ
ンドではしばしば、時の政権が自陣営に都合のよい大統領を擁立してきた歴史があり、パ
ティル氏も国会第一党の国民会議派ソニア・ガンジー党首らとの深い関係が指摘されてい
る。
一方、対立候補のシェカワット氏は、現職としては初めて大統領選挙で敗北を喫した副
大統領となった。
( 22 July 2007 Hindustan Times 他 参照)