仲 井 章 - 富山県立中央農業高等学校

富山県立中央農業高等学校
学校長あいさつ
第17代校長
仲 井
章
富山県立中央農業高校ホームページを
ご覧いただきありがとうございます。
中央農業高校(HP)へようこそ
本校は、昭和 33 年4月に富山県立富山通信産業高等学校として開校し、昭和 44 年に文部省より
自営者養成農業高等学校の指定を受けて現在の校名に改称しました。そして平成 15 年4月、本科に
生物生産科、園芸デザイン科、バイオ技術科の3学科を、専攻科に担い手育成コース、庭園コースを
設置して今日に至っています。半世紀を超える歴史を積み重ねる中で、実に多くの卒業生が地域農業
の担い手として活躍し、県内の畜産農家や作物生産に携わる経営者の中でもリーダー的な役割を果た
すなど、本校は富山県の農業教育の正に中心として機能しています。また、農業以外の様々な分野に
も多くの有為な人材を輩出し、地域のニーズに応える学校として発展しています。
本校は、現在、北信越で唯一の文部科学省指定による「農業経営者育成高等学校」として、普通教
育・農業教育・寄宿舎教育を三本の柱とし、豊かな心をもち、人生を切り拓く実践力を身につけた生
徒の健全育成という基本理念のもとに教育活動を行っています。そして、広大な校地や農場等の恵ま
れた教育環境を最大限に活用して、生徒に次の3つの力を育成するように努めているところです。
一つ目は、「未来の健康を支える食・農・環境を考え、実現しようとする力」です。化学肥料や除
草剤による環境汚染、食物アレルギーの増加の要因、外観重視の野菜栽培の持つ危険性、輸入飼料の
危険性など、
「身近な食・農・環境の問題」を理解した上で、
「持続可能な農業の在り方」を学びます。
米ぬか施用による抑草技術、耕作放棄地の再生農業、ヤギを活用した除草などの「環境保全型農業」
、
生ゴミの堆肥化、牛糞の堆肥利用、廃食油の再利用などの「エネルギー低投入循環型農場の確立」
、飼
料イネの活用、校内生産した飼料の活用などの「安全な飼料の活用」など、これからの農業はどうあ
るべきかを実習を通して学んでいきます。こうした学習を通して、生徒は「自然への理解者・共感者」
になるとともに、就農しない者でも、食の安全を志向し、持続可能な農業の発展に寄与する「賢い消
費者」になり、就農する者は「未来の健康と環境を創造していく農業の担い手」となっていくのです。
二つ目は、「生かされている命を大切に、力強く生きようという自覚」です。農業高校は動物、植
物を育て、常に命と向かい合っています。鶏の解体実習、生後 30 ヶ月で出荷され肉牛になっていく
牛の肥育実習、手間暇かけることで立派に成長する作物の栽培実習などを通して、動物や植物の命を
いただいて生かされていることを直に体験しながら、命の大切さや命に感謝する気持ち、決してあき
らめずに力強く生きていくことの大切さを学んでいきます。
三つ目は、
「経験を通して得られた自己肯定感と自己有用感の上に築かれる自信をもって生きる力」
です。農業教育や寄宿舎教育、キャリア教育など、本校の教育活動が無数に与える「出番」の中で、
生徒はそれぞれが主役として輝き、その中で手に入れるのが大きな自信です。この自信を胸にどのよ
うな場面でも堂々と振る舞えるようになっていきます。
本校は、生徒にこれら3つの力を育むことで、農業経営者や「みどり」と「ふるさと」を守り支え
る人材、すなわち、しっかりとした地域農業の担い手と農の心をもった粘り強い地域産業の担い手を
社会に送り出しています。
学校では、今日も校舎、農場、寮などから、生徒たちの明るく溌剌とした声が聞こえてきます。本
校に集う生徒たちが日々充実した学校生活を送り、自信をもって生きる力に、農業高校ならではの「農
の心」を加えて社会に力強く羽ばたいていってくれるよう、教職員一同が心を一つにして努力を重ね
る所存です。
今後ともご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶といたします。