このパネル載せて大丈夫?EL 画像から見るパネル品格

ITES Technical Information for Solar Panel Evaluation & Testing / Maintenance & Inspection
技術報告
2014/10/29UP
このパネル載せて大丈夫?EL 画像から見るパネル品格 1/2
EL画像検査は、太陽電池モジュール(ソーラーパネル)工場での工程内検査や出荷検査で、セルのク
ラックや発電不良セル(ブラックアウトセル)を検出、排除したりクラス分けする目的で使われています。
そこで、合格品として出荷されたソーラーパネルをもう一度EL画像検査してみました。そのEL画像群を
鳥瞰すると、メーカーによる差が浮かび上がり、各メーカーの製造方針が透けて見えてきます。業界実
質標準機、アイテスのEL画像検査装置PVXが捉えた出荷パネルのガラスの中の現実とは?
■ソーラーパネルは、選別したセルで構成されている
ソーラーパネルの価格は、その出力特性(5または10W刻み)により決定されるため、製品設計として
の出力を想定したセル構成が必要です。そのため、製造した全セルの出力測定を行い、クラス分けを行
います。高出力セルだけを集めればソーラーパネルの単価は高くできますが、一方低出力セルは使い
道が無くなり製造コストが嵩みます。また無秩序にセル構成すれば、ソーラーパネルの出力が読めず、
生産計画が立たなくなります。セル製造の工程管理や品質管理能力が高いメーカーは別にして、セル
品質がばらつくメーカーは、良くないセルも使わざるをえないのが現状でしょうか。表面的には立派な良
品、出力特性だけでは見えてこないソーラーパネル内の個々セルの顔がEL画像で見えてきます。今回
は恣意的に選ばれた海外メーカー2社と、国内メーカーとして販売している大手4社の製品をEL観察し
ました。以下の記述は限られたサンプル数での感想であり出荷品品質を代表するものではありません。
■昔に比べると良くなっているが、多数のクラックを検出
噂話ですが、10年前はEUに出荷した海外大手のソーラーパ
ネルは、約50%が返品されたと聞きました。著者らが太陽光
発電分野に参入した5年前の時点でも、EL画像をみるとセル
クラックどころか、クラック位置から断線しているものが目につ
きました。今回、海外メーカー2社のほぼ新品130パネルをEL
観測したところ、その半数以上にクラック入りのセルが存在し
ていたものの、出力低下が顕著となるクラック位置から断線し
たセルを含むソーラーパネルは見つかりませんでした。しかし
ながら、出力を3分の1失うクラスター断線しているパネルが1
枚、1本のインターコネクターが完全に剥離しているセルがあ
るパネルが8枚見つかりました。海外メーカー製パネルでは、
現時点で発電能力に影響を与えていないが、将来成長して出
力ロスを生む可能性がある因子としてのクラックを持つパネル
が約50%強、出力低下に直接つながる可能性が高いパネル
は全体の約7%という結果です。国内メーカーの大手4社につ
いては、新品を5パネルづつ検査した結果、大きなクラックは1
社の1パネルのみに見られました。サンプル母数は異なりま
すが、国内製パネルのEL画像は良好でした。
5年前
EL画像検査結果(N=130)
クラックなし
クラックあり
現在
欠陥パネル
EL画像(良くなっているがクラックは存在する)
MMvol.13 41029KT
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このパネル載せて大丈夫?EL 画像から見るパネル品格 2/2
■EL画像では、各セルの状態が良くわかる
1社の海外メーカーのパネルでは、低出力セルを2、4段に配置したEL画像を捉えることができました。
EL画像は出力が高いセルが明るく、逆に低出力セルは暗く撮影されます。このようなソーラーパネル
が約80%ほどあり、製造上の意図が推察されます。また、海外メーカーのほかの1社や国産メーカーに
は、このようなセルの配置は見られませんでした。
EL撮像された異なる出力のセルストリングを搭載したパネルのイメージ
■設置前パネルのEL画像検査は必要か?
今回EL画像検査を行ったサンプルパネルは、その設置前に施工現場
に行って撮像したものです。アイテスでは、「パネルを架台に設置する前
に、その品質状況をチェックしておきたい」というお客様の要請を受けて
、PVXを担いで現地に赴くことが多くなりました。海外から現場に運び込
まれたパレットからパネルを抜き出しEL撮像をしてみると、多くのセルク
ラックが観察でき、中には致命的欠陥も見つかります。これらの欠陥は
稼働後の保守点検には
出荷前にあったものか、出荷後輸送時にできたものかは断定すること
多大な労力と費用がかかる
はできません。しかしEL画像を見るとメーカーの製造工程で発生したも
のか、完成後の衝撃等で発生したものかは、ある傾向があり、アイテス
で推測考察をご報告することはできます。割れているとわかっているパ
ネルをそのまま搭載することはためらわれます。設置後にクラック起因
による不具合が発生し、運転を停止、保守点検、診断して特定するには
多大な時間とコストが必要となるからです。今回の輸入パネルのEL画
像検査事例はAランク品でした。今後の施工では、さらなるパネルコスト
低減要求からB,Cランクの採用も増えるかもしれません。設置前のEL
検査で欠陥パネルを排除することにより、設置後の保守点検費用の極
EL画像検査イメージ図
小化、安定稼働を確保することが可能となります。出荷後のパネル欠陥
率を平均値で語ることはあまり意味がありません。これはソーラー発電
システムの電力制御により、個別のパネルによる発電低下が、その何十倍もの発電低下を起こし得る
ためです。現状では、パネルの個体差や品質バラツキはきわめて大きいと思われます。設置前検査結
果はメーカーをはじめ輸送や施工関係者にもフィードバックされ、より源流での改善が図られるようにな
るべきだとアイテスは考えます。その間、この水際作戦は、特にパネル品質に少しでも疑念を持つユー
ザーには有益な品質管理手段になると考えています。
●お断り:今回の特集で取り上げた大部分のEL画像は撮影ご依頼者様に帰属するため公開することができません。
●アイテスでは、2014年10月から期間限定PVX100特別販売キャンペーンを実施しています。PVXによるEL画像 検査のご相談、
ご依頼、 ご質問についてはアイテスにお問い合わせください (TEL: 077-599-5040 e-mail: [email protected])
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