11月30日

日本基督教団
関東教区
発行者
事務所
No.137
E メール
2014 年 11 月 30 日
日本基督教団関東教区
総 会 議 長 秋 山 徹
〒330-0844 さいたま市大宮区下町3−39
電 話 048−647−0862
ファックス 048−647−0978
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え、私ですか…
出エジプト記 6 章 28 節〜7 章 6 節
牛久教会牧師
世 界 の ヒ ー ロ ー 『ス ー
パーマン』はモーセの生い
立ちを下敷きにしています。
高度文明を誇ったクリプト
ン星が崩壊する危機に瀕し、
幼い王子をカプセルに乗せ
て地球に送ります。王子は
カンザスに住む夫妻に拾われ、やがてアメリカを
守るヒーローになる。原作者は二人のユダヤ系ア
メリカ人の青年でした。
モーセは王家で育てらますが、エジプト人が自
分の同胞であるイスラエル人を苛めている場面を
目撃し、感情に任せて打ち殺してしまいます。彼
は一転前科者となり、エジプトから逃亡を余儀な
くされます。自分の正義感だけでは人々を解放に
導くことはできません。モーセは遠い地で結婚し
て家族を得て、穏やかな生活を送ります。もうエ
ジプトでの日々など忘れていたかもしれません。
しかし「燃える柴」のエピソードを通じて、神は
モーセをエジプトからの解放に用いようとされま
す。モーセにすればもう勘弁してくれよという思
いだったでしょう。「私はもともと弁の立つ方では
ありません。」だからつい手が出てしまったのかも
しれません。また長くエジプトを離れて暮らして
いたので、エジプト語での会話が不自由になって
いたのかも。いずれにせよ言葉の問題はモーセの
コンプレックスでした。そこで主は兄のアロンを
語り部として共に用いることにしました。「だった
ら最初からアニキに頼めばいいじゃん⁉」
実は使徒パウロも話は上手くなかったようです。
「手紙は重々しく力強いが、実際に会ってみると
弱々しい人で、話もつまらない」(コリント二 10:
10)。このように主は不十分なままで人を用い、さ
らに必要な助け手をも立てられます。牧師は自ら
の働きを向上させるべく努力しますが、一人だけ
で宣教しようとしてはいけません。自分の足らな
金子 敏明
さを感じつつ誰かの助けを得て、祈りに支えられ
て働くものです。しかし同時に神はファラオの心
を頑なにすると宣言されます。なぜ?もしもファ
ラオの心が頑なでなかったら、果たしてイスラエ
ルの民は「今こそ僕らは旅立たねばならない」と
思えたでしょうか。「面倒くさいよ、このまま奴隷
状態でも食えるし。いるかいないかわからない神
よりも、目に見えるエジプトの神様も拝んでいれ
ばいいんだろ?」といま置かれている状況に甘ん
じてしまったでしょう。イスラエルの人々が解放
を目指し、神に礼拝をささげるために、ファラオ
の頑なさもまた神様が用いたのです。実は私たち
も皆、どこかで頑なさゆえに用いられることがあ
るのです。
中学生の時に観ていたスーパーマンのパロディ
ドラマがあります。その名も『アメリカン・ヒー
ロー』。冴えない高校教師ラルフがある日 UFO と遭
遇して「これで悪から地球を守れ」と、見かけも
ダサい真っ赤な変身スーツを渡されます。ところ
がラルフはスーツの取扱説明書を紛失してしまい、
使い方がわからない。空を飛んでも不恰好だし、
目的地まで一回でたどり着けない。スーパーマン
なら分厚い壁も一撃で粉砕するが、ラルフは中途
半端に壁を壊して自分も衝撃で気絶してしまう。
そんな彼を FBI の捜査官ビルやラルフの恋人が助
けたり、小さな子どもが飛び方を教えてくれたり
し て 、な ん と か 任 務 を 遂 行 し ま す 。今 日 の エ ピ
ソードを読むと『アメリカンヒーロー』もまた、
モーセを下敷きにした物語のように見えます。私
たちはイエス様の福音をこの世に分かつために遣
わされます。けれどもイエス様はその取扱説明書
を私たちにはくれません。不恰好に飛び、壁をぶ
ち破れず気絶する。でもそれこそがイエス様が望
まれた信仰者の歩みかもしれないな、と思えるの
です。
(1)
地 区 だ よ り
新潟地区
地区長
手束 信吾
10 月 13 日、3 年に一度の信徒大会が敬和学園高
校を会場に「7・13 水害、10・23 中越地震から 10
年、これからの宣教へ…」というテーマで開催さ
れました。主題講演は兵庫教区被災者生活支援セ
ンター前主事の柴田信也牧師によってなされまし
た。数々の被災支援の現場に関わり、被災地での
出会いを重ねてこられた柴田牧師の言葉を聴きな
がら、教会は自然災害とどう向き合ってゆくのか
を深く考えさせられました。この 10 年間、新潟地
区は常にそのことを問いつつ歩んできました。イ
エス様は「わたしは世の終わりまで、いつもあな
たがたと共にいる」(マタイ 28 章 20 節)と言って、
弟子たちを宣教に遣わされました。私たち教会も、
何ができても、できなくても、痛む人の傍らに立
つことを通して、「あなたはひとりぼっちじゃな
い」ということを伝えられるのだということを教
えらえました。午後からは、ワークショップ形式
で分団協議を行いました。主題講演を受けて、「わ
くわくする教会ってどんな教会ですか?」「そのた
めに、あなたは何をしたいと思いますか?」とい
う問いかけがなされ、参加者それぞれがグループ
ごとに思いを分かち合い、たいへん盛り上がりま
し た 。そ の 後 、敬 和 学 園 高 校 器 楽 部 ジ ャ ズ ホ ー
ネッツによるミニライブ、そして「会津こどもク
ワイヤ&会津マスクワイヤ」によるライブが行わ
れました。子どもたちが、からだ全体を使って喜
び歌う姿に元気をもらいました。また、クワイヤ
と共に、「おうちがゆれた」を歌ったときには、涙
なしに歌うことが出来ませんでした。広い新潟地
区ですが、共に集まり、苦しみも喜びも分かち合
うことで、新しい力を得ることが出来るのだとい
うことを改めて心に刻む時となりました。
群馬地区
書記
����
渡邊 大修
2014 年度、群馬地区では 6 教会が新しい牧師を招
聘され、就任式を執り行われました。牧師就任式
を行ったのは、桐生教会、桐生東部教会、群馬町
伝道所、原市教会、前橋教会、前橋中部教会(五
十音順)の 6 教会です。群馬地区には 21 の教会が
ありますが、その内の 4 分の 1 強が新しい牧師を迎
えたことになります。
今年度に限らず、ここ数年、群馬地区では牧師
の異動が多かったため、地区の歩みは新たな段階
に入ってきたように感じます。新しい牧師を迎え
ることで各個教会が新しくされ、群馬地区も新し
くされ、これまでにも増して群馬地区の諸地域に
福音を宣べ伝えていければと願っています。
さて、とは言いましても、群馬地区内の諸教会
を見回すと、多くの教会で高齢化や教会員数の減
少等が顕著になっています。これは群馬地区だけ
でなく全国の教会が直面している問題でしょう。
今後、教師を招聘できない教会も増えると思いま
す。すでにそういった問題に直面している教会も
あるでしょう。また、収入が減っているのに、教
区や地区の負担金はあまり変わらないため、それ
が重荷となっている教会も少なくありません。そ
の他、挙げていけばキリがありませんが、多くの
ことについて旧態依然と「これまでどおり」やっ
ていくのは難しくなっているように感じます。
現状を考慮し、未来を見据えて、地区とは・教
区とは・教団とは何かを改めて考えるときが来て
いるのではないでしょうか。大胆な機構改革が必
要だと感じます。群馬地区も少しずつですが議論
を重ね、変わろうとしているところです。
栃木地区
地区長
竹花 基成
栃木地区は、今まさに時代の節目にあると言え
ます。本年度、5 つの就任式(那須塩原伝道所、上
三川教会、宇都宮東伝道所、塩谷一粒教会、益子
教会)と 2 つの献堂式(宇都宮教会、アジア学院)
が執行され、今後、2 つの就任式と 1 つの献堂式が
予定されています。時代を見据えて偉大なる神が
栃木地区の伝道戦線を整備されているのではない
か。各個教会はそのことを十分認識されています。
栃木地区の働きについても、そのことは言えま
す。地区規則と各部の活動の両面から検証されて
きましたが、地区規則については、種々検討の結
果、緊急課題が目白押しのため、優先順位を変え
(2)
ることにしました。内規から規則に変更されて数
年が経過していますが、もう少し様子を見ること
にしました。各部の活動につきましては、活発に
活動している部門もありますが、低調な部門もあ
り打開のため叡智が求められています。
栃木地区は、教団が次々と打ち出してくる方策
に対しても積極的に対応しています。以前、「日本
基督教団信仰告白の手引き」が発行された時、地
区教師会で研修の場が設定されましたし、今般出
された「日本基督教団教師養成制度の答申書」に
ついても地区教師会で研修の場が設定されました。
栃木地区は、関東 5 地区の中で教勢・財政共に厳
しい現状ですが、与えられた使命に精一杯取り組
んでいます。教区教会互助もしばらく 1 教会であり
ましたが、本年度 1 教会が加わり、次年度 1 教会が
加わる予定です。これは、各個教会が伝道戦線を
強化されている現れであり歓迎すべきことです。
茨城地区
地区長
小林 祥人
今年度の茨城地区の活動は、それぞれの教会伝
道所の新しい出発を感じさせてくれる出会いに満
ちていました。無牧だった石岡教会には大森清一
先生が就任され、東日本大震災で被災した下館教
会も、すっかり新しくなって献堂式が行われまし
た。9 月の教会子ども大会は水海道教会を会場と
し、付属する幼稚園の園庭でカレー作りを楽しみ
ましたが、こちらも認定子ども園への移行に伴い、
園舎の全面改築の計画が進行中です。現在の 園
舎・園庭での地区行事としては最後のものとなり
ましたが、好天にも恵まれ、楽しいひと時となり
ま し た 。地 区 女 性 部 の 修 養 会 は 、昨 年 新 会 堂 と
なった鹿島教会を会場として 10 月に開かれました。
FVIでのお働きで知られる神田英輔先生を講師
にお迎えして、とても啓発的な講義のもと、キリ
スト者の生き方と課題を自らに問いかけるような
学びのひと時でした。
茨城地区の課題としては、地区内には無牧の伝
道所も存在しています。教会員の方々も心細い思
いをしていることでしょう。地区の交わりの中で、
できることを考えているところです。また、被災
地区である私たちには、それぞれの教会伝道所の
復興ということが望まれているのですが、新会堂
の一日も早い竣工が待たれる教会もあります。こ
れらの教会伝道所が落ち着いた環境の中で礼拝が
守れるようになることを願わずにいられません。
茨城地区は次回の地区総会における選挙で地区
長と地区委員が改選となります。また教区総会で
は設営担当です。心をひとつにして、多くの事柄
に取り組んでゆきたいと考えます。
埼玉地区
地区長
𡈽橋 誠
8 月 12〜14 日にかけて埼玉地区「中学生・KKS・
青年キャンプ」が軽井沢の立教学院みすず山荘で
行われました。参加者は 60 名(15 教会)。これから
の埼玉地区を支える若人が集い、良い学びと交わ
りの機会となりました。8 月 15 日には「平和を求め
る 8・15 集会」が開かれました。会場は埼玉和光教
会でした。憲法学者で所沢みくに教会員の稲正樹
氏の講演がありました。現代の日本の政治状況と
平和の問題を考えました。85 名(23 教会)の参加
がありました。
9 月 23 日に第 20 回アーモンドの会の講演会があ
りました。会場は埼玉和光教会でした。全国キリ
スト教障害者団体協議会会長であり本庄教会員の
渋沢久氏の講演がありました。出生前診断の問題
について考え合いました。参加者 64 名(24 教会)
9 月にはうれしいニュースもありました。埼玉地
区の武蔵豊岡教会の献堂式があったことです。
1923 年建築の礼拝堂を敷地内移動し、現在の建築
基準法に合致させてリニュアールしました。礼拝
堂の内部は建築当時のままの姿を今も見ることが
出来ます。また、建物の外壁の色も建築当時の色
を再現したということです。埼玉地区の喜びです。
10 月 4 日には埼玉地区災害対応委員会の主催で
「災害対応講演会」が埼玉新生教会で行われまし
た。講師は磐城教会上竹裕子牧師で講演題は「い
わき・原発から 40 キロの町の今」でした。福島第
一原発事故の放射能汚染にさらされた町の現況が
語られ、今も厳しい状況にあることを改めて確認
しました。
10 月 26 日には浦和東教会の献堂式が行われます。
新会堂で新しい思いをもって宣教の御業が進めら
れていきます。感謝です。
また、10 月から 11 月にかけては 10 月 25 日に「伝
道と賛美の集い」、11 月 3 日に「CS 生徒大会」、11
月 16 日に「壮年部研修会」、また埼玉地区内の各ブ
ロックで婦人研修会も開催されます。
(3)
献 堂
武蔵豊岡教会 島崎 光雄(教会建築委員長)
2014 年 9 月 28 日(日)爽やかな秋晴れの朝、教会
創立 125 周年記念礼拝を守り、午後から新会堂献堂
式と祝会を、石橋秀雄教団総会議長、秋山徹教区
総会議長、飯塚拓也教区宣教部委員長、𡈽橋誠埼
玉地区長を始め諸教会の皆様、田中龍夫入間市長
他地域の関係者、建築工事業者など、275 名の多く
の皆様の出席を頂き、主に祝福されて執り行われ
ました。国道 16 号線の 4 車線化拡幅工事に伴い、
教会学校と旧牧師館、緑豊かな楓や大銀杏に囲ま
れた境内 700㎡が新国道用地として撤収されまし
た。入間市景観 50 選にも選ばれている、献堂 90 年
の歴史ある W.M ヴォーリズ設計の礼拝堂をどの
ように修復して再利用し、次世代へと継承するか、
議論を重ねる度に、想定外の巨額の資金が必要で
あることに絶句したことも度々でした。しかし、
「必要なものを、必要な時に、必要なだけ与えて下
さるインマヌエルの主」が教会建築の幻を実現へ
と向かわせて下さいました。教会内外で紆余曲折
武蔵豊岡教会
がありましたが、老朽箇所の大規模修繕と耐震補
強を施して、国道側に正面玄関を合わせるように
150 度回転して曳家し、移築する事を神の御心と受
けとめて教会建築を行いました。解体を余儀なく
された集会室等は、礼拝堂に隣接してバリアフ
リーを施した鉄骨造の付属棟を新築しました。全
国の諸教会に「教会建築献金のお願い」をお送り
させて頂きましたところ、多くの教会・伝道所と
主にある兄弟姉妹からお祈りと尊い献金をお献げ
頂きました。紙上をお借りして心から感謝と御礼
を申し上げます。
京畿中部老会との交流の報告
韓国基督教長老会京幾中部老会をお迎えして
宣教部委員長
飯塚 拓也
関東教区は、「韓国基督教長老会京幾中部老会」
と宣教協力を結び、交流の一環として相互交流を
隔年で行っています。2014 年度は韓国より訪問団
を 受 け 入 れ る 年 で し た 。6 月 9 日(月 )か ら 12 日
(木)にかけて、埼玉地区を会場にしたプログラム
を企画して受け入れ準備を進めているさ中に、4 月
16 日に「韓国旅客船セウォル号沈没事故」が発生。
マスコミ報道を通じて伝えられる韓国の様子から、
今年度の訪問は中止せざるを得ないのではと危惧
しました。事実、事故の犠牲者の中には京幾中部
老会の教会員の方が 2 名含まれており、そのうち 1
名は韓国側の交流委員会の書記であるヤン牧師の
牧する安山光明教会の高校生でした。「どうか無理
はなさらないで。交流を 1 年延期しても構いません
から」と何度か連絡を入れ、1 年の延期の覚悟を決
めておりましたが、京幾中部老会は大きな決断を
され、ジョン老会長をはじめとした 11 名の訪問団
を送ってくださいました。ヤン牧師は残念ながら
訪問を断念されました。
初日の 9 日(月)は、成田から上尾に移動し、上
尾合同教会で開会礼拝と歓迎の夕食会を持ちまし
た。翌 10 日(火)は午前中に聖学院大学を訪問し、
礼拝を守り、姜 尚中学長のお話しを聞く機会に恵
まれました。午後には、浅草と東京スカイツリー
を訪れました。そして、3 日目の 11 日(水)は、午
前中に丸木美術館を訪れ、午後には狭山を訪れま
した。狭山では、石川一雄さんご夫妻より直接話
しを聞く機会に恵まれ、現地を訪れて、狭山事件
について学んでいただきました。京幾中部老会の
皆さんは、旅の疲れにも関わらず、大きな関心を
寄せてくださいました。
11 日の夜には、埼玉和光教会で閉会礼拝とお別
れの夕食会を持ちましたが、この閉会礼拝の中で
「追悼祈祷」のときを持ちました。交流の委員長の
ベー牧師が、セウォル号の沈没事故を教会はどの
ように受けとめるべきかを語ってくださいました
が、深い感銘を一同に与えたと思います。
互いの宣教の課題を紹介し、学び、祈りを共に
する中で互いの痛みを覚え合える交流でした。交
流を重ねる中で、関係が深まっていることを感謝
します。
(4)
教 団 問 題 協 議 会 報 告
聖学院教会牧師
東野 尚志
2014 年度の「教団問題協議会」は、「教団の取り
組 む 伝 道 ─『改 訂 宣 教 基 礎 理 論 』『伝 道 推 進 室 』
『伝道資金』」という主題のもと、教区内の 37 の教
会・伝道所から計 64 名の参加者を得て、7 月 12 日
(土)、上尾合同教会において開催された。
教区の常任常置委員である東野尚志牧師(聖学院
教会)の司式・説教による開会礼拝から始まり、教
区の副議長である熊江秀一牧師(新津教会)から、
今回の協議会の主題の一つである「
『改訂宣教基礎理
論』第二次草案」をめぐっての報告を受けた。改訂
作業に携わってきた教団の宣教研究所の委員でもあ
る熊江牧師は、丁寧に準備された資料に基づいて、
1963年の宣教基礎理論を、今、改訂することの意味
とその手順、また改訂基礎理論の骨子についての解
説をしてくださり、課題を共有することができた。
引き続いて、教団総会議長である石橋秀雄牧師
(越谷教会)により、「教団の伝道の三つの取り組
み」についての講演がなされた。教団において、
伝道協力を進めていくためには、信仰の一致によ
る信頼関係を育むことが必要であり、教団信仰告
白によって一つに結ばれた礼拝共同体、聖餐共同
体、伝道共同体としての確立が求められているこ
と、また、アウクスブルク信仰告白に示されてい
るように、福音の説教と聖礼典の正しい執行によ
る最低限の一致を確保することの必要が説かれた。
さらに、伝道理解の一致による伝道協力のために、
宣教基礎理論の改訂によって、伝道する教団の形
成を目指しつつ、伝道局の設置を視野に入れなが
ら、伝道推進室の働きを位置づけていくべきこと、
また伝道資金の目指すところが説かれた。
昼食・休憩を挟んで、午後には、全体での質疑
応答と協議が行われ、最後に、教区議長の秋山徹
牧師(上尾合同教会)から、教団総会への備えと
して、「教区活動連帯金」の廃止の議案と、それに
代わる「伝道資金」の規則制定の議案について、
丁寧な解説を聞いた。これまで拠出と受給がほぼ
同額で、教区内での独自の互助を進めてきた関東
教区が直面することになる新たな課題に理解を深
め、熊江秀一牧師の閉会祈祷をもって散会した。
教 区 青 年 の 集 い 報 告
坂戸いずみ教会
野澤 幸宏
8 月 25 日から 26 日にかけて、新潟地区の新津教
会を主会場として、関東教区五地区の青年の集い
が開催されました。
今年 2014 年は、2004 年に新潟を襲った 2 つの大
災害、7・13 中越水害、10・23 中越地震から 10 年目
の節目である事を覚えて、「大地の脅威、大地の恵
み〜その時、教会はどうしたか?」というテーマ
を掲げて、学びと交わりの時を持つ事が出来ました。
埼玉地区からは川越に集合し、群馬地区からは前
橋に集合して、それぞれ新潟地区、新津教会を目指
しました。新津教会では熊江牧師ご夫妻が暖かくお
迎え下さり、出会いと再会を喜び合いました。
新津教会の礼拝堂での開会礼拝は、東京神学大
学の山野心神学生を通してメッセージを頂きまし
た。東日本大震災に茨城県で被災した山野神学生
は、その揺れの中での祈りが献身のきっかけと
なったお話を語って下さいました。
交流タイムでお互いを知り合い、新潟地区のご
婦人方が用意して下さった夕食をいただいた後は、
中越水害、中越地震、中越沖地震、そして、東日
本大震災が起こったその時、どこで何をしていた
かを思い出し、分かち合うひと時を持ちました。
そして、大地の恵みである、温泉に移動し、旅の
疲れを癒しました。
翌朝は、近くの新潟県立植物園にて、山上の説
教を思い起こさせられるような丘の上で早天礼拝
を守りました。松井田教会の中山歩さんが、教会
と KKS の交わりを通して、幼稚園の教師という夢
を与えられ、自信の無かった自分が明るく変えら
れたという証しを語って下さいました。
そして、10 年前の被災教会の一つである、栃尾
教会をお尋ねしました。新津を出発し、長岡の市
街からさらに山道へ入って視界がひらけると、そ
の素敵な会堂が見えてきました。手束牧師ご夫妻
が、暖かく迎えて下さいました。スライドを使っ
て、10 年前、栃尾を襲った、水害、地震、雪害の
事を分かりやすく説明して頂きました。災害が起
こった時、行って、見て、聞いて、知る事が大切、
という言葉が、心に響きました。
そして、栃尾教会の礼拝堂にて、熊江秀一牧師を
通してメッセージを頂き、閉会礼拝を守りました。
(5)
社 会 活 動 協 議 会 報 告
社会委員会委員長 本間 一秀(川口教会牧師)
9 月 14 日〜15 日教区社会活動協議会が狭山教会
を会場に行われました。今年のテーマは「狭山か
らのメッセージ〜差別・人権・冤罪〜」─見えな
い手錠をはずすまで─、狭山事件の犯人とされ冤
罪を訴える石川一雄さんの活動から学びました。
教区各地から 34 人が参加、第 1 日目は狭山映画
「SAYAMA」の上映とテレビ朝日が放映した狭
山事件を検証したビデオの上映と講演から学びま
した。2 日目は、石川さんが当時捜査当局から強要
されて偽りの自白をさせられた、「犯行現場」とさ
れるコースを歩いたのち、石川一雄さん、早智子
さんの講演を聞きました。
映画「SAYAMA」は、石川一雄さんと早智
子さんの日常から冤罪と差別の非人間性を描いた
もので、全国上映が続いている作品です。心温ま
るご夫婦の姿の中にも「冤罪」を訴え、無罪を勝
ち取るという毅然としたものを感じました。何よ
りも石川一雄さんを支える奥様に感動しました。
上映後は教区部落解放推進委員会協力委員をされ
ている安田耕一さんが講演されました。狭山事件
は、部落差別を利用した警察当局他による権力の
犯罪であることを指摘、事件の真実に触れること
により、自からが変わりつづける闘いであると訴
えました。「私の兄弟であるこの最も小さい者の一
人にしたのは、わたしにしてくれたことなのであ
る。」(マタイ 25:40)主イエスが語られた言葉が
浮かびました。「何を為すべきか、自分が変わらな
ければ」との思いを新たにしました。
翌日は、朝 8 時半から石川さんが強制された自白
に沿ったコースを歩きました。事件と石川さんを
結びつける決定的な「証拠」ともならない矛盾を
確認しました。当時のまま復元された石川さんの
家を見学しました。2 回の家宅捜査で発見できな
かった万年筆が 3 回目の家宅捜査で発見された不可
思議な現場を参加者が確認し無実を確信しました。
石川一雄さんは、看守の方との出会いで文字を覚
え無実を訴えることが出来ました。見えない手錠
を外し、ケニヤに野生動物を見に行きたい、夜間
中学で勉強したいと抱負を語りました。
冤罪が晴れる時が一日も早く来るようにとの祈
りを新たに捧げた社会活動協議会でした。
教 師 部 教 師 研 修 会
教師部委員長
三羽 善次(和戸教会牧師)
今年度の教師部研修会は、「過去の罪責と向き合
う教団と教会─関東教区 教団罪責告白と今日の
教会の使命と責任」の主題で、佐藤司郎先生(東
北学院大学教授)を講師として開きました(10 月
20・21 日、栃木那須塩原 出席者 37 名)。
教区から今年 5 月に出されました論集『罪責を告
白する教会—真の合同教会を目ざして』(増補改訂
版)を覚えて、改めて教区で教会に仕える教師が
共に罪責告白を学び、その意図を共有していきた
いと願い、研修会を持ちました。
講師の佐藤先生は、ボンヘッファーの罪責告白
の神学と、教団罪責告白を照らし合わせる形で講
演をされました。ボンヘッファーは戦争の最中、
「唯一の神の使信を明確に宣べ伝えず、憶病になり
逃避し、妥協する罪」を問いました。それはまさ
に戦時中の教団の姿でした。
教会とキリスト者の罪責を問い、具体的に告白
する事を求めるボンヘッファーの視点は次の三点
に集約されます。⑴罪責告白なくして教会の真実
の再生と義認、そして教会形成はない事⑵教会は
悔い改めることによって罪責告白し、それによっ
て真に教会は癒される⑶罪責の告白に眼をふさぐ
教会は、偽りの教会形成を続け癒される事がない。
戦後、教団はキリスト教ブームにあおられて、
「この世の力の前で臆病になり逃避した」戦時中の
罪責を問う事をなおざりにしてきたことが、今日
の教会、信仰者に問われ続けている事を改めて気
付かされました。
その意味で佐藤先生は、教区が罪責告白文を出
したことは、画期的意義があり、このような形で
過 去 の 教 会 の 姿 と 向 き 合 っ た こ と を 「摂 理 」と
言ってもいいのではないかと言われ、教区の働き
に敬意を表したい、と語られました。
研修会の中で、教区罪責告白検討委員会の委員
長であった村田先生によって、これまでの経緯を
説明いただきました。長い検討委員会の告白文作
成に至るご労苦を伺い改めて感謝致しました。
なお 2 日目の講演の前に、「教団罪責告白」を参
加者全員で告白しました。
(6)
追 悼・小 田 原 紀 雄 教 師
羽生伝道所
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宇賀神寿一
小田原さんが亡くなったと
聞き駆けつけると、居間に敷
かれた布団の上に寝かされて
いた。顔はキッパリとしてい
た。これから闘いに出るのだ
という心意気がこもった顔を
して小田原さんはあの世へ出陣していった。生涯闘
い続けていた小田原さんらしく、その顔には怯えも
苦しみも見せてはいなかった。あらたな闘いの場へ
翔けていったのだ。
小田原さんは「僕はアイツが好きなんだよな」
という言い方をよくしていた。情のこもった言い
切りだった。彼がそう言う人は、よく闘っている
人 ば か り だ っ た 。小 田 原 さ ん は 、闘 う 人 が 好 き
だった。情の厚い人であり、情と情とで共感する
人付き合いをしていた。困っている人に手をさし
のべ、その人に寄添ってきた人だった。逃亡者、
つまはじき者などの地に呪われし者の側に常に立
ち続け、一緒に生きていこうとしていた。時には、
そんなつまはじき者を教会や自宅に居候させてい
た。小田原さんはそれらを厭うことなく引き受け
ていた。そのような人たちと付き合う中で、彼ら
彼女らに生き直しをさせていった。生きていく自
信を養わせていった人だった。
私が羽生伝道所に行くようになったのは、小田原
さんの情に共感するものがあったからだ。羽生への
道すがら、さて今日はどんな話をしてくれるだろう
か、と楽しみにしていた。小田原さんは元気な社会
運動づくりを考えながら、もう一方で羽生に子ども
と老人の楽園をつくろうと考えていた。良い意味で
の「夢」である。私はその「夢」に共感し自分も一
緒にやれたらなぁと思った。しかし、もうそんな
「夢」を語り合うこともできなくなってしまった。
お 詫 び
2012 年度から 2013 年度に、長橋晴子教師(日
野原記念上尾栄光教会)、李秀雲教師(埼玉中国
語礼拝伝道所)の現任教師が召天されました。
当委員会の不手際により、お二方の追悼記事を
掲載しなかったことを深くおわび申し上げます。
第 64 総会期教区通信委員会委員長 成田顕靖
第 64 総会期第1回常任常置委員会
第 2 回常置委員会報告
教区書記 栗原 清
○第 1 回常任常置委員会(7 月 15 日開催)
・「新潟県中越地震 10 周年記念」は、教区四役が被
災教会を問安し、祈りを共にする事にしました。
・「集団的自衛権に関する声明」は、教区常任常
置委員会名で、諸教会・伝道所、及び政府機関、
関係機関に郵送する事にしました。
・「教区互助(教師退職金関連)」について協議
し、教師退職金が積み立てられない教会・伝道所
に対して互助構築を進める事にしました。
・「教区ホームページ」の要望が以前からあり、
今後教区のホームページ開設に向けて下準備し
ていくことにしました。
○第 64 総会期 第 2 回常置委員会(9 月 9 日開催)
・「教区事務所移転感謝献金」は、総会で 1,500 万
円が承認されたが、「750 万円を教区事務所維持
会計から支出し、残金の 750 万円を献金目標とす
る」事を決めました。
・「東日本大震災」被災支援に関して、宇都宮上
町教会よりの教団被災支援申請は、以下に承認
しました。 支援希望額 35,000,000 円
借入希望額 32,500,000 円
・法人格を有する活動休止中の教会(直江津教会・
小俣教会)の手続きについて、各所属地区の協力
を経て、様々な可能性を探る事になりました。
・主な各種申請と届け(敬称略)
(1)教師異動
西那須野教会 辞 菅野 勝之(主・正)
辞 菅野百合子(担・正)
就 秋山 徹(代・正)
中条教会 辞 高橋 稔(主・正)
(2)23 条申請
大宮教会(都市計画による土地売却譲渡)
見附教会(土地建物売却譲渡)
下館教会(建物除却及び取得、土地譲渡)
足利東教会(土地取得)
(3)隠退届:高橋 稔(正)
(4)死亡届:酒井 透(隠退教師)
小田原紀雄(羽生伝道所担任教師)
(7)
教区事務所だより
社会保険事務だより
主事 金刺 裕美
アドベントの時、今も世界のどこかで紛争が続
き、犠牲者を生み出し、貧困に苦しむ人々が増え
ています。また、自然災害による苦しみ・悲しみ
などの困難の中におられる方々もおられます。人
の心の暗闇に主の光が行き届きますようにと、祈
り求める日々です。
◎教会負担金納入のお願い
今年度の割賦額を確認の上、3 月初旬までの完納
をめざし、ご納入ください。
◎クリスマス献金のお願い
各種献金のお願いを同封いたしました。特に、
今年度から「教区事務所移転感謝献金」が 5 年間の
献金目標額 750 万円で始まります。ご案内も合わせ
てお読みいただき、どうぞ、教区活動と連帯を憶
えてお支え下さい。
◎「教区一覧」正誤表をお届けします。
2014 年度教区一覧追加・訂正・変更等の正誤表
を、今回の教区通信に同封いたしました。
◎教師謝儀互助申請について。
新年度の謝儀互助申請書提出期限は、教区必着
1 月 31 日です。必要書類を整えて、期日までにお送
りください。
◎教区事務所 冬期休業日のお知らせ
期間:12 月 30 日(火)〜1月 7 日(水) (尚、土・日・月は通常の休業日です。)
※緊急時の連絡は、栗原 清 教区書記へ
(武蔵豊岡教会牧師館) 04-2965-4348 F
◎教区事務所へ車で来所の方へ
いよいよ、大宮教会新会堂建築が、2015 年クリ
スマスの完成を目ざして始まりました。駐車場の
確保が難しい為、車の方は近隣のコインパーキン
グを利用するようになります。できるだけ公共の
乗り物でお出で下さい。主の宮が、事故無く、無
事に完成されますように共にお祈りください。
◎新メールアドレスについて
(新)[email protected]
移行期間後の 2015 年 4 月からは、上記の新アド
レスだけとなります。ご注意下さい。
編/集/後/記
保険事務 金刺 裕美
デング熱に戦々兢々となっていた夏が過ぎ、空
気の乾燥と共に風邪やインフルエンザが流行する
季節を迎えています。健康維持に一人一人が気を
付けて、元気で年末・年始をお過ごしください。
◎2 月 3 月の保険料自動払込日に注意!
毎月の引落は、原則として 26 日ですが、年度末
に近づく 2 月・3 月分の引落は 25 日になっていま
す。事前に確実な入金をお願いいたします。また、
12 月分の引落は、賞与保険料も加わりますので、
間違いなく入金をお願いいたします。
◎冬期賞与社会保険料について
・標準賞与額に対する掛金率は、下記の通りです。
(標準賞与額は、支給額の千円未満を切捨て額)
・標準賞与額×掛金率=賞与保険料
(小数点以下は、4捨5入)
・賞与保険料の負担……個人と教会・伝道所で折
半。1円未満の端数は、教会で負担。
・児童手当拠出金……教会・伝道所が負担。
・賞与保険料に対する事務費はありません。
・賞与保険料は、12 月末までにご送金ください。
◎「生活習慣病予防健診」受診申込みはお早めに。
受診希望者は、医療機関の予約後、予約日・医
療機関名を教区事務所へご連絡ください。その後、
保険協会に申込み、受診可否が決定されます。
◎高額療養費制度が来年 1 月より変わります。
自己負担限度額について、標準報酬月額が 3 区分
から 5 区分に細分化されます。関東教区の被保険者
に関係する変更としては、標準報酬月額 26 万円以
下の方の自己負担額が 57,600 円になる点です。ま
た、入院に 際 し高額費用を用意しなくても済む
「健保保険限度額適用認定」がありますので、入院
日が決まった後、事務所までご連絡下さい。
ただいています。
教区通信委員に選出されてというより、伝道所に招か
教区通信に原稿をお送り下さる先生方の文書から、神
れて早くも 6 ヶ月が過ぎました。会社勤めから教会での
さまに仕えることの素晴らしさを感じ取り、召命を受け
生活に変わり、教会に専念できることで、心が軽くな
て、新しい献身者が与えられることを祈っています。
り、毎日、すがすがしい気持ちで、教会に仕えさせてい
(8)
(森田 泰司)
東日本大震災国際会議宣言文について
被災支援委員会委員長 秋山 徹
東日本大震災から 3 年目、2014 年 3 月 11 日〜14 日に、仙台の東北学院大学を会場に国際会議、主題:「原
子力安全神話に抗して─フクシマからの問いかけ」が開かれました。
この会議の開催目的の一つは、日本国内だけでなく世界各国から集められた各国のキリスト教会を代表す
る人々と共に、キリスト者の立場で、また、グローバルの視野で、現代社会のあり方、特に原子力エネル
ギーの使用について、それぞれの見解と取り組みを分かち合うこと、そして、その結果を「国際会議宣言
文」〈ステートメント〉の形にして、世界の教会と社会に対して表明し、意識の喚起を促すことでした。こ
の宣言文の試案の作成から会議最終日の全体会でのステートメントの取りまとめに深く関わりましたので、
宣言文の決意と呼びかけをぜひ読んでいただき、多くの方にも共有していただきたいと願っています。
この宣言文は、前文に続いて「罪の告白」
「祈り」「決意と呼びかけ」の 3 つの部分から構成されています
が、この宣言文は、「神はわたしたちに悔い改めて命に向かうようにと呼びかけておられます」と、罪の認
識と悔い改めをもって、正しく神の呼びかけに応答したいと言う姿勢が明示されています。創世記 3 章に記
されている人間の原罪の出来事、失楽園の物語を土台にして、「このたびの原発事故もまた、この根源的な
罪の現われとして…具体的な罪に陥った結果であるといわなければなりません」と、傲慢、貪欲、偶像礼
拝、隠蔽、怠惰、無責任、責任転嫁の 7 つの罪を明らかにし、告白します。原初の人間の根源的な罪が、現
在の原発事故を通して顕在化している、その具体的な現われを明示し、一つ一つの罪を告白します。その現
実の姿を示し、そこから立ち帰って、「神から与えられた人格性と愛」を回復する道へと歩み出す方向を指
し示し、また、多くの人の自覚を促すことで終わっているのです。
第 3 部の「決意と呼びかけ」は、「わたしたちは、聖霊の導きのもとに以下のことに努めます」という言
葉に続いて、8 つの決意と取り組むべき課題とが述べられています。これらの提言は、会議のグループ・
ディスカッションから出てきた提言をまとめたものです。会議の中で行われた講演や報告を聞き、学び、心
に残ったさまざまな事実、情報、見解に刺激されたことの果実が結集したものとなっています。そこでは、
1)フクシマの事故によって被害を受けた人々の声に耳を傾け、復興の支援をすること、2)放射能測定器
を容易に利用できるように援助し,健康と生活の回復を支援すること、3)経済的利益や政治的・国家的な
利益よりも、命をその価値を大切にすること、4)すべての被造物に対して責任のある管理に努め、将来の
世代の人々への責任を果たすこと、5)「今後のエネルギー源として、また兵器として、核エネルギーを用い
る技術の開発・発展を阻止し…」と立場を明確にし、また、6)核のない世界の実現のために、世界の教会、
宣教団体、NGOそのたの機関が連帯のネットワークを構築すること、7)再生可能エネルギーの利用を押
し進めること、8)若い世代の中からリーダーシップを発揮できるよう教育と訓練に努めることが挙げられ
ています。それぞれの提言と課題は、これを更にどのように具体化し、実践してゆくかの課題が残されてい
ます。これらの課題と提言の中には、わたしたちが自分や教会の中で果たして行かなければならないものが
あります。それとともに、世界の教会に呼びかけて共に、今後、政府や社会を動かしてゆかなければならな
いもの、また既に、一部その働きが始まっていることもあります。グロ−バルなキリスト者連帯のネット
ワークを構築するように努めることの重要さは誰にも認識されるはずですが、どこで、だれが、そのイニシ
アチーブを取るのか、「若い人々の中に、この問題を担ってリーダーシップを発揮できるような教育と訓練
に努める」こともきわめて重要な課題ですが、どのように具体化してゆくのか、これらの課題は、この国際
会議を主催した教団とわたしたちに、とりわけ重い責任があると言わなければなりません。
(9)
第 14 回台湾基督長老教会〈PCT〉と日本キリスト教団との教会協議会
被災支援委員会委員長 秋山 徹
既に教団新報でお読みになった人もいると思いますが、上記の会議が今年 8 月 25〜28 日に北海道クリス
チャンセンターを会場に開かれました。『荒れ野に道を、砂漠に河を』(イザヤ書 43:19)を主題に、台湾から
の宣教師の活動、また、日本キリスト教団から台湾の高雄の日本語基督長老教会を牧会している林田義彦牧
師の宣教報告や、両教会の青年伝道の状況についての情報交換、今後の関係のあり方を確認する共同声明を
作成しました。
この教会協議会を通して教えられたことが多くあります。ディヴァン・スクルマン宣教師は台湾の原住
民・ブヌン族の出身で、自らの生い立ちからアイヌ民族の人権の回復に特別の関心と使命を感じてアイヌの
人々と友達になり、北海教区を始め他のキリスト教会との架け橋となって 9 年間働いてこられました。この
人の存在がキリストの愛を映すものとなっていることがよく分かりました。また、PCTの青年宣教に対す
る取り組みも学ぶべきものでした。PCTは「教会は国家の希望のしるし」と言う標語のもとに正義と平
和、人権問題とも熱心に取り組んでいますが、青年への宣教、また宣教の主力メンバーとして、青年を教
団・教区の各レベルで組織的に活用している状況を知らされました。今年の夏も仙台エマオのボランティア
活動のために 100 名近くの人々が台湾から来られましたが、このような大掛かりな派遣ができるのは、それ
を支える生きた組織が働いているからです。
東日本大震災に際してPCTからの人的・資金的・霊的な支援が海外からの支援のうちで最も強力でした
が、この教会協議会の席でも、この支援を続けることを約束され、アジア学院のチャペル建設に対しても責
任を果たしたいと約束されました。
共同声明では、両教会より派遣されたそれぞれの宣教師の働きを支えること、青年の交流を活性化するこ
と、原子力発電所の開発、維持、放射性廃棄物の処理などの問題性を共有し国際的なネットワークを構築す
ることなど、今後の連帯の方向を確認しました。
第 64 回総会期第 2,3 回東日本大震災被災支援委員会報告
被災支援委員会委員 小池 正造
第 2 回委員会が 7 月 12 日に上尾合同教会において、第 3 回委員会が 9 月 9 日に市民会館おおみや第 4 集会室
において行われました。
筑波学園教会・茨城 YMCA 主催のスマイルキャンプ援助申請が教団対策本部会議で承認されました。
キャンプ報告が第 3 回委員会に提出されました。教区被災地支援ボランティア活動として、安行教会、大宮
教会がキッチンボランティアとして活動されることが報告されました。なお、エマオ仙台では、学生ボラン
ティアが減少する 10 月から 2 月のボランティアを募集していることも合わせて報告されました。会計報告と
して、教団教育部から献げられた 100 万円を、昨年と同様被災乳幼児施設に均等に配分して送金したことが
報告されました。アジア学院新チャペルが完成をし、9 月 15 日献堂式が行われ、教区から秋山議長、飯塚統
括が出席することを確認しました。
被災教会の支援について、宇都宮上町教会は、建築確認申請などがおり、9 月 8 日に着工しました。工事
の進捗状況などを合わせて、教団対策本部に申請書を送ることを決めました。佐野教会について、今後の修
繕計画などを、飯塚統括が佐野教会を訪問して作成することを確認しました。水戸中央教会について、現状
の報告(工程の遅延)がなされ、今後の対応について話し合われました。特に、工事契約(2012 年 12 月設
計監理契約)から、日数が過ぎることによる予算超過をはじめとする支障がきたさないか確認をすることと
なりました。これをふまえて 7 月 29 日に教団対策本部佐久間委員と現地調査を行いました。工程遅延による
予算超過の問題はないことは確認されましたが、資料などの不備があったため、改めて資料の作成と提出を
求めることとなりました。
(10)
日本基督教団関東教区宣教部委員会
No.74
日本基督教団 関東教区宣教部委員会
委 員 長
飯 塚 拓 也
301-0843 龍ヶ崎市羽原町1366-5
Tel.0297(64)3768
http://kantoukyouku.cool.ne.jp/
2014年11月30日
教区の宣教を考える集い主題講演
「ナルドの壺は伝道のツボ」
―ナルドの壺献金の創設とその展望―
原田 史郎(元関東教区議長・現 東京教区南房教会牧師)
1986 年当時の教区互助献金は、なかなか目標に達せ
これからのナルドの壺献金について少し考えてみま
ず、経常会計から立て替えて送金する状況が続いてい
す。幾つかの課題があるのですが、一つは、この献金
ました。このため互助申請額の半分の支援すら難しい
運動を維持可能としていくために何が必要かというこ
状況でした。教区に、教会互助は抜本的対策が必要で
とです。どんなに素晴らしい制度や仕組みも、長年続
あるとの認識が広まってきました。何故、低調だった
けていくうちにマンネリになったり陳腐化するもので
のでしょうか。それは、互助が負担金であったため、 す。そのために、いつも、この運動の原点の精神を確
責任と義務が働いているときはよいのですが、反面、 認し、共有することが大切でしょう。事実、この運動
具体的に関らないので、教区委任主義になってしまう
が継続する過程でも危機のときがありました。でも、
のです。ですから、小教会の困難さが具体的に共有さ
危機のときは、新しい確認と変革のときでもあるのです。
れにくいのです。
更に教会を取り巻く環境として、いま日本は急速に
1985 年 11 月に群馬厚生年金会館で開かれた第 5 回
少子高齢化が進み、2030 年には 3 人に一人が高齢者に
関東教区宣教綜合協議会は、この問題を取り上げ、教
なると予想されます。それはまた、人口の減少と地方
師や教会役員主導の負担金ではなく、当時、大きな働
自治体の財政難と相俟って、過疎化の進行、限界集落
きと効果をおさめていた「隠退教師を支える百円献
の増加、都市部への一極集中といった形で進行するで
金」のように、信徒一人一人が献げる献金運動が提案
しょう。国も地方創成など施策を打ち出しています
されました。関連して、このとき、教区の財務上の戦略、 が、特区構想など含んだ成長戦略思考の政策には批判
負担金割賦率の公平性、教区事務所の固定化、互助基
もあり、必ずしも同調出来るものではありません。こ
準の作成など、多岐にわたる問題が協議されました。
の変化の中で、わたしたちは、「暗闇に住む民は大き
かくて 1986 年 5 月、高崎教会と磯部ガーデンで開
な光を見、死の陰の地に住む者に光が射しこんだ」
催された第 36 回教区総会で「教区協力伝道強化の件」 (マタイ 4 章 16 節)という福音の灯をいかに灯し続け、
の一つとして、「ナルドの壺 5 円献金運動」が提案さ
存続するのかが問われています。このことはただ教会
れ議決されたのです。献金運動ですが、その主旨は、 の維持発展だけのことだけではなく、地域、公共の視
教区内の連帯を強め、宣教の使命を共同で担うことを
野を持って考えなければならないものだと思います。
目指していました。そのために、一人一人が一日 5 円
神から託された福音のメッセージを語りつつ、今、
(ご縁)献げて祈ろうという運動です。「関東教区活動
この時代にある人々の真の求めが何であるかを探りつ
方針」は一致、充実、覚醒という三本柱でなっていま
つ(魂のマケティーング)、絶えず御言葉と鋭敏な感
す。ナルド献金運動は、この基本方針を実現しようと
覚によって改革していく(イノベーション)ことがい
いうものでした。
るのではないかと考えます。かつて教団は「宣教基本
関東教区は、伝統や地域性からも様々な教会・伝道
構想」を明らかにし、そこから「伝道圏伝道」を実施
所の集合体です。この集合体の一致の基礎に「日本基
しました。これらの実績や遺産を評価して、諸教会が
督教団信仰告白」や「教区活動方針」があるのは言を
話し合って新しい展望を生み出してほしいと思いま
俟たないのですが、ナルドの津の献金運動は、教区が
す。そして、明治以降、キリスト教は、少数者であっ
「血の交よった」連帯を生み出すための具体的で、誰
たのに、新渡戸稲造、内村鑑三、田中正造、柏井義円
にも見え、理解できるものです。連帯は「相互性」か
といった人たちが、地の塩、世の光として何故、大き
ら生まれます。ナルドの壺献金には、すべての教会・
な影響を人々に与えたのか、ということも再度考察す
伝道所が教区に連なることの幸いと喜びを感じ、また
べきではないでしょうか。地の塩、世の光たりえてい
るのか、という問いをも含みつつ、ナルドの意味と位
決してそれぞれを孤立無援にしないとの素晴らしい
置付けが必要なのかもしれません。
メッセージが含まれているのです。
(1)
2014 年度
教区の宣教を考える集いに参加して
教区の宣教を考える集い発題
鳩山伝道所牧師
藍田 修
鹿島教会
山本 安生
鳩山伝道所は、1991 年 4 月、今は亡き広瀬泉造牧師
今年のテーマは「ナルドの壺は 伝道のツボ」-ナ
の開拓伝道から生まれました。場所は埼玉県比企郡鳩
ルドの壺献金の理念とこれからの展望を考えるー と
山町にある鳩山ニュータウン内の広瀬先生の御自宅で
した。「この地は生涯最後の伝道の締め括りにふさわ
しい開拓伝道の地である」と以前語っておられまし
た。先生は当地に転居され御自宅を会堂とし、開拓伝
道の第一歩を踏み出したのでありました。
そして、1994 年 2 月、東所沢教会(当時、山下萬里
牧師)に親教会になっていただき、教団・教区から
「鳩山伝道所」としての承認を得たのでありました。
1997 年、同じニュータウン内の別の場所に会堂が与え
られましたので、そちらに会堂を移しました。2003 年
1 月、広瀬先生は急逝されました。同年 6 月、後任の
主任担任教師に私、藍田修が以後福音宣教のバトンを
引き継いでいくことになり現在に至っております。
いう題で行なわれ、主題講演の講師はかつて関東教区
総会議長をなさった原田史郎先生(東京教区千葉支
区・南房教会牧師)でした。会場は埼玉新生教会。私
はこの教会にはじめて伺ったのですが、大宮教会と変
わらない規模のすばらしい教会でした。
開会礼拝の後、主題講演では、原田先生が「ナルド
の壺献金」の発端から最近までの様子を―献金を捧げ
る教会と支援を受ける教会の連帯が生み出されている
ことの大切な意味と位置付けを、先生の豊富な知識で
最近の話題を折り込みながらお話くださいました。
最初は、1985 年 11 月の宣教協議会の席で「ナルド
の 壺 献 金 」の 提 案 が あ り (な ん と 来 年 で 30 年 で
さて、私どもの伝道所は地域への働きかけとして
す!)、翌年の常置委員会、教区総会で決定されて教
『こころの友』を毎月 200 部を鳩山町約 5 千戸にロー
区全体の取組みとなったとのこと。その時も教会互助
テーションで戸別配布しています。「福音は…全世界
の意味から、「ご縁がありますように」と 5 円/日で
に宣べ伝えられる。それから、終わりが来る」(マタ
との意見があったが、底をつきそうだった教区互助資
イ 24:4)とありますので、「福音よ届け」との思いで
金の次の一手として、10 円/日=300 円/月で呼び掛
各信徒が配布しています。とはいえ、主日礼拝の出席
者数を見ますと一層さらなる働きが求められておりま
す。ただ今はそのことをふまえつつも、今年度から教
会規則の成立のために皆で学び合い、伝道所のしくみ
を整えようともしているところです。
このような状況の中で、私どもはナルドの壺献金よ
り教師謝儀互助の給付をいただかせておりますことを
感謝申しあげます。
私どもの伝道所は、次の目標を掲げてきておりま
す。
①礼拝を守ること ②主に在って交わりを深めるこ
と ③諸教会・伝道所との交流を図ること ④地域に
奉仕すること ⑤CSを大切にすること ⑥会堂建築
をめざすこと ⑦献金に励むこと
なかなか内実は伴いませんが、これからも諸教会・
伝道所のお支えに感謝しつつ主の御用のために倦まず
けることになったのでした。
「これからに向けて」-ある制度、運動にとって、
維持可能なものとなるためには-必要なことは、①理
念の徹底。②マーケッテイング だと。そして、一例
として、3 年ほど前に話題にもなり、TVドラマ化も
された「もし高校野球の〜ドラッガーの『マネジメン
ト』を読んだら」(岩崎夏海著、ダイヤモンド社 2011
年)を例として引用されたのは、私としては判り易
かったし、面白かったと思います。
この後、昼食を兼ねて、分団協議が行なわれまし
た。また、秋山教区議長からは、「ナルドの壺献金」
の役割の説明をうけ、その後で、ナルド献金から支援
を受けている 2 教会からの伝道活動報告があり、懸命
に伝道活動されている姿に、感銘と励ましを頂いたの
でした。
弛まず働いて行く所存です。
(2)
子どもたちを取りまく暴力を考える
― いじめ、DV、性的虐待、ハラスメントなどの影
響と自己肯定力(自尊感情)を取り戻す大切さ ―
伝道委員長会議報告
宣教部伝道委員
木村 太郎
委員長
教団の主催する「第 38 総会期教区伝道委員長会議」
横山由美子
2014 年 7 月 30 日(水)、高崎教会を会場に、第 21
が、去る 6 月 23 日(月)〜24 日(火)に、奈良市に
回女性と男性が共に宣教を担うための地区連絡会が表
ある大和キリスト教会を会場にして行われた。丁度、
記のテーマのもとにもたれた。参加者は 33 名。
関東教区新任教師オリエンテーションと日程が重な
り、教区伝道部委員として参加させていただいた。
女性と男性が共に宣教を担うための地区連絡会議
では、教会におけるセクシュアル・ハラスメントを取
今回の会議では、「伝道推進室の働き〜青年伝道を
り上げてきた。セクシュアル・ハラスメントは性差別
巡って〜」という主題が掲げられた。教区から 12 名
が根底に流れる重大な人権侵害であり、被害は心身と
(12 教区)、教団伝道委員 6 名、そして伝道推進室から
もに深く長く及ぶ。社会や組織が内包するヒエラル
6 名、計 24 名の出席者であった。
キーやジェンダー・ギャップなどによりセクシュア
1日目は、小林克哉伝道委員長による開会礼拝から
始まった。
ル・ハラスメントが引き起こされやすいことも学んで
きた。教会も例外ではなく、その予防と早期発見、被
引き続き、石橋秀雄伝道推進室室長による基調講演
害者や周囲が相談できるようにとの願いを込めてリー
(「伝道に熱くなる」)があり、その後、岩田昌路伝道
フレットを作成し配布してきたが、関心は薄いようで
推進室委員会書記による伝道推進室報告がなされた。
ある。実行委員会では、セクシュアル・ハラスメント
伝道推進室設置の経緯から、推進室の使命、具体的な
を含めた暴力がいかに日常に潜んでいるかを知ること
活動について、詳細な説明があった。
で関心を高め、弱くされている人に寄り添える教会を
夕方から夜にかけては、教区報告の時間であった。
目指すためにも、今回は子どもたちを取りまく暴力に
事前に伝道委員会から各教区にアンケートが配布され
ついて考える機会とした。講師は、ウィメンズ・カウ
ており、そのアンケートへ回答を基に、教区、地区、
ンセリング名古屋 YWCA フェミニスト・カウンセ
そして教会の様々な取り組みが報告され、多岐にわた
ラーの増井さとみさん。
る課題を共に分かち合う時となった。
子どもたちへの暴力は様々な場面・関係性の中で起
2 日目は、大和キリスト教会における伝道への取り
組みが報告された。
こり、場合によってはトラウマとなり、①安心してい
られない②自信が持てない③自由に過ごせない心理状
市川忠彦牧師が、教会の最初の歩みから現在に至る
態になる。影響は、身体的症状が出たり、自尊感情が
歩みを、様々な資料を通して丁寧にお話してくださっ
低くなることも知らされた。回復に向けて特効薬はな
た。伝道への取り組みの中心に、教会形成があるこ
く、私たちにできることは「私に起きた暴力被害は理
と、そしてその教会形成に中心に、御言葉の説教と聖
不尽な事―つまり私に責任はないし暴力を受けていい
礼典の執行を中心とした礼拝があることを、それぞれ
存在などない。大切な私」と思えるように、あなたは
強調された。
大切な存在であると尊重していくこと―互いを尊重し
その後、全体協議が行われ、特に伝道推進室の現在
合える関係作りが、暴力のない社会の実現につながる
の、そして将来に向けて働きについて活発な議論がな
のではないかとの増井さんの言葉が印象的であった。
された。
参加者は、聴くワークショップの中で、ほめられる経
全体協議後、「教会中高生・青年大会 2014」につい
験をし、新たな気付きを得た。
て、その趣旨、準備状況などが報告された。そして、
閉会礼拝をもって、1 泊 2 日の第 38 総会期教区伝道委
員長会議が終了した。
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■社会活動協議会動協議会報告
(2014 年 7 月〜8 月の辺野古報告)
真実に触れる勇気を
-社会活動協議会を狭山で学習-
「今、辺野古で起きていること」
小西 文江(新潟教会員)
辺野古新基地建設のためのボーリング調査が、今強
安田 耕一(太田八幡教会員)
教区社会活動協議会のとりくみが9月 14〜15 日の
行されています。沖縄県民の 80 パーセント以上が建
日程でおこなわれた。今年のテーマは狭山事件。「狭
設に反対しているのにも拘らず。8 月 23 日のキャン
山からのメッセージ〜差別・人権・冤罪〜」と題し
プ・シュワブゲート前には、3600 人が集まり抗議の声
て、狭山教会を会場にとりくまれた。教区各地から 34
をあげました。さらに 9 月 20 日の辺野古浜には 5500
人が参加、第1日目は狭山映画「SAYAMA」の上
人が集まりました。連日キャンプ・シュワブゲート前
映とテレビ朝日が放映した狭山事件を検証したビデオ
の座り込み、カヌー隊と船による海上での阻止行動が
の上映。2日目は、ウソの自白コースを歩いたのち、
行われています。辺野古を訪れた人は、誰もが目の前
石川一雄さん、早智子さんからのアピールを聞いた。
に広がるきれいな景色・透明な海に魅了されるはずで
映画「SAYAMA」は、石川一雄さんと早智子さ
す。「このきれいな海を埋め立てないで!」「ジュゴン
んの日常から冤罪と差別の非人間性を描いたもので、
が藻を食べにくる海を破壊しないで!」「これ以上沖
全国上映が続いている作品。上映後は教区部落解放推
縄に基地を押し付けないで!」しかし、これらの願い
進委員会協力委員をしている安田耕一さんが講演。狭
と訴えの声を安倍政権は全く聞こうとせずに無視して
山事件は、部落差別を利用した権力犯罪であることを
います。
指摘、事件の真実に触れることで自からが変わりつづ
ける闘いだ、と訴えた。
私は、10 年前から定期的に辺野古に通っています。
最近では、7 月 14 日〜19 日と 8 月 23 日〜28 日の 2
翌日は、朝 8 時半から石川さんが強制された自白に
度、阻止行動に参加してきました。キャンプ・シュワ
沿ったコースを矛盾を確認しながら歩いた。石川さん
ブゲート前での物々しい警備体制。最前列に一般警備
の家は大きな家ではない。2 回の家宅捜査で発見でき
会社の職員が並び、警察、機動隊、一番奥には防衛施
なかった万年筆が 3 回目の家宅捜査で発見された不可
設局職員がビデオカメラをこちらに向けて立っていま
思議な現場を参加者が確認、一雄さんの無実を確信し
す。阻止行動を徹底的に排除するために、ゲート入口
た。また、現地調査終了後の一雄さんの訴えでは、看
にはギザギザの鉄板が敷き詰められています。海上で
守との出会いがあって文字を覚え無実を訴えることが
は、立ち入り禁止区域を示すためにオレンジ色のブイ
出来た。見えない手錠を外し、ケニヤに野生動物を見
が広大な範囲を取り囲んでおり、さらに海上保安庁の
に行きたい、夜間中学で勉強したいとのべた。
ゴムボートが、ブイの周りに群れを成して立ちはだ
かっています。カヌー隊や船を排除するためにです。
異様な光景です。8 月 26 日、船上で海上保安庁の隊員
がゴムボートからカヌーめがけて体当たりするのを目
の当たりにしました。このようなやり方を海上保安庁
海上保安庁のボートに拘束されたカヌー隊のメンバー
側は「安全指導」のためと言っていますが、暴力その
ものです。さらにカヌー隊のメン
バーを拘束して、尋問しています。
けが人も出ています。指示している
のは政府です。何が何でも基地をつ
くろうとする安倍政権のやり方で
す。沖縄の人たちに基地を押し付け
てきた私たちの責任をしっかりと自
覚して、「NO BASE!」の声をもっ
ともっと広げていきましょう。
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