グループ2「アルジェリアの文学」

2班
アルジェリアの文学
言語におけるマグレブ諸国の現状
・diglossia
・正則アラビア語とフランス語
・口語アラビア語とベルベル語
☆このような状況下で「フランス語で書く」
(=フランス語で文学活動を行う)ということ
・「武器としてのフランス語」
1.アルジェリア文学の歴史を知る
2.アラビア語とフランス語に着目
→アラブ・フランコフォニーにとって
「フランス語で書く」ということは
どういう行為なのだろうか?
アルジェリア文学史
・19世紀のアラブにおける文学の中心・・・レバノン、エジプト
・アルジェリア・・・アブドゥルカーディルの神秘主義詩
・20世紀
・初の流行作家 ミュゼット「カガユー」・・・混成言語(ロマンス系言語)
・“アルジェリアニスム“・・・ロベール・ランドー、ルイ・ベルトラン
・“アルジェ派”・・・エマニュエル・ロブレス、ジュール・ロワ、アルベール・カミュ
→当時のアルジェリア庶民の生活を情感豊かに描く。
過酷な社会状況に生きる人々についての深い洞察と強い信念。
自伝的フィクション。
アルジェリア文学の転機
・カテブ・ヤシン「ネジュマ」
・ラシード・ブージェドラ「離縁」
→複雑な象徴(近親相姦、血、母と胎児など)に満ちている。
祖国の現状と可能性としての未来を描く。
祖国そのものを根源的な主題として象徴的に映す。
・ブージェドラが活躍した時期(70~80年代)は
アラビア語文学が大きく発展した時期。
アルジェリアにおけるアラビア語
・独立アルジェリアのアラビア語化政策
→人材不足、国外から教師を招かざるを得ない
・アルジェリア国内の教育だけでは文学のためのアラビア語は不十分
レバノンやエジプトで書かれた小説に親しむ必要性
→アブデルハミード・ベンハッドゥー「南風」、タハール・ワッタール「地震」
・独立アルジェリアにおいてアラビア語ができるということはどうとらえられたか
→ザフール・ウニーニーの自伝「凋落」、コーランによる権威付け
アラビア語とフランス語
・70年代のアラビア語文学の出現
→前近代的なアラビア語文脈からの脱却
近代的なアラビア語をアルジェリア社会に根付かせる
・ただしフランス語と隔絶しているわけではない
→この時期の知識人はバイリンガルである
彼らの特徴はフランス語との共存と対抗に関する強烈な意識
→ワッタールのアラビア語文学はアラビア語作品だけでなく
80年代を代表する成熟したフランス語作品に影響を及ぼした
「フランス語で書く」とは
・アラブ・フランコフォニーの社会にはアラビア語とフランス語、
口頭言語と筆記言語、部族と国家など様々な対立軸が存在する
→作家達は文学でそれらを超克しようと試みた
・彼らにとって「フランス語で書く」とはフランス語文学の伝統へ直接介入しながら
口語アラビア語やベルベル語の言語性を移植する行為
→近現代フランス文学が蓄積してきた言語の奥行きを利用しながら
彼ら自身の生からくみ取られた新しい感覚、想念をそこに盛る行為
参考文献
・「アルジェリアを知るための62章」 私市正年、明石書店、2009年4月30日
・「反響する文学」 土屋克彦、風媒社、2011年3月31日