EVL(内視鏡的静脈瘤結紮術) - 国立病院機構東京医療センター

EIS(内視鏡的静脈瘤硬化療法)
EVL(内視鏡的静脈瘤結紮術)
説明書第1版
患者様氏名:___________________________
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病名: (1)
(2)
(3)
適応、治療目的:
この治療(内視鏡的静脈瘤硬化療法、内視鏡的静脈瘤結紮術)は食道や胃の静脈瘤に対し
て内視鏡を用いその消失を目的としておこなう方法です。食道や胃に出来た静脈瘤を放置
すると静脈血管からの出血(静脈瘤破裂)を起こす危険が高くなり、最悪の場合出血ショ
ックにより死に至ることもあります。予防的にこの治療を行うことにより出血のリスクを
低下させることが出来ます。また、出血している場合には緊急治療としておこなう場合も
あります。
他の治療の有無、優劣:
食道静脈瘤の治療法としてこの内視鏡を用いた方法以外に手術による治療法も有ります。
しかし、手術は肝臓に与える侵襲が大きく合併症のリスクが高くなるため肝硬変が進んで
いる場合は困難なことが多いです。一方、手術では内視鏡治療に比べ静脈瘤の再発は少な
いといわれています。
予定術式:
内視鏡的静脈瘤硬化療法、内視鏡的静脈瘤結紮術は内視鏡(胃カメラ)を通して緊急時(出
血時)あるいは予防的に静脈瘤を治療する方法です。 前者は静脈瘤の血管内あるいは静脈
瘤周囲に硬化剤を注入することにより、後者は静脈瘤自体を小さな輪ゴムで止めることに
より静脈瘤の血流を遮断し廃絶治療します。通常2−3回にわたり両者を組み合わせて治
療を行います。1回の治療時間は 30 分∼1時間程度ですが症例により異なります。また、
治療間隔は1−2週間となります。治療当日は食事は出ませんが原則として治療翌日から
お食事(流動食)をお出しします。また、治療当日は止血剤などを入れた点滴をし、治療
後より出血を抑える飲み薬をお出しします。
合併症、偶発症、副作用:
EIS,EVL 説明同意書
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使用する薬剤による副作用:治療の際には、のどの局所麻酔や胃腸の緊張をとるための鎮
痙剤の注射をします。また苦痛を和らげるための鎮静剤や鎮痛剤を注射することもありま
す。内視鏡的静脈瘤硬化療法では静脈瘤内あるいは静脈瘤周囲に硬化剤を注入しますが、
この際注入部位を確認するために造影剤や色素を使用することもあります。これらの薬剤
により希に発疹、嘔気などの副作用が起こります。ごく稀にショック(血圧低下)、呼吸困
難、痙攣などの重篤な副作用を起こすこともあります。また、治療終了後もしばらくの間、
眼の焦点があわなかったり眠気が持続することがありますのでご注意ください。
治療手技に伴う偶発症:治療した部位には、通常食道潰瘍ができてきますので、術後胸痛
や発熱、出血がみられることもあります。大量に出血する場合は輸血を行ったり、再度内
視鏡にて止血を試みたり、食道の中にバルーンを入れて一時的に圧迫止血することがあり
ます。また、敗血症(血液の中に細菌が入ること)
、肝不全(肝臓の機能が低下すること)、
腹水の増加が見られることもあります。稀ですが、食道潰瘍から食道穿孔(食道に穴があ
くこと)が起こったり、縦隔炎(食道のまわりの炎症)、肺塞栓(肺の血管が詰まる)、脳
塞栓(脳の血管が詰まる)、門脈血栓症(肝臓の血管が詰まる)などの重篤な偶発症を起こ
すこともあります。更に、遅れて出てくる合併症としては、食道に狭窄を起こすことがあ
ります。静脈瘤治療に伴うこれら偶発症の頻度は 1993 年から 1997 年の日本消化器内視鏡
学会による全国集計では 0.05%と報告されています。また約 10000 例に1件の死亡例も報
告されています。
万一、副作用、偶発症が起きた場合には最善の処置・治療を行います。入院期間の延
長や緊急の処置・輸血・手術などが必要になることがありますが、その際の診療も通常の
保険診療による患者様の負担で行われます。同意が得られない場合はこの治療は行いませ
ん。また同意書を提出された後でもお申し出があれば、治療を中止することができます。
備考および質疑:
説明日時:
平成
年
月
日
説明医師名:______________________
同席者名:______________________
国立病院機構東京医療センター
EIS,EVL 説明同意書
消化器科
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EIS,EVL 同意書
患者氏名:_______________________
生年月日:明治・大正・昭和・平成・西暦
年
月
日
予定治療:内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS)、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)
治療予定日:平成
年
月
□ 貴院の「EIS、EVL 説明書
日
第 1 版」に従いこれから受ける予定の EIS、EVL に関し
___________________医師より説明を受けました。
□ 必要事項を記入した「EIS、EVL 説明書 第 1 版」を受領しました。
□ 説明に際しては質問する機会を与えられ、理解できない点、疑問点等に関しては理解、
納得できる追加説明を受けました。
□ 説明内容を理解した上で上記 EIS、EVL を受けることに同意いたします。
(本人または代理人は上記各項目を確認し□にチェックしてください。)
独立行政法人国立病院機構東京医療センター院長殿
説明年月日:平成
年
月
日
同意年月日:平成
年
月
日
患者署名 :
代理人署名:
(続柄:
)
関係者署名:
(続柄:
)
EIS,EVL 説明同意書
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