第 58 回国連女性の地位委員会 インターン報告書

BPW UNーCSW
インターン派遣事業
第 58 回国連女性の地位委員会
インターン報告書
2014 年 3 月 10 日~3 月 21 日
特定非営利活動法人
日本BPW連合会
第 1 1 回 CSW イ ン タ ー ン 派 遣 事 業 報 告
第58回国連女性の地位委員会
1. 会期
2014 年3月 10 日(月)から21日(金)
2. 主要議題
ミレニアム開発目標(MDGs)の実施状況検証と今後の
取組
MDGs8項目とは
貧困と飢餓、教育( 初等教育)、ジェンダー平等、乳幼児死亡率、
妊産婦の健康 、AIDs、環境、協力体制
3 . CSW 本会議場で行われたこと
・各国代表の演説 : 151 ヶ国が発言、日本は石原政務官が
・採択された決議 : 4件、日本も災害に関する決議を提出
・合意結論の採択 : 日本も自然災害で提案
・専門家によるパネルディスカッション
4 . 各種イベント
・パラレルイベント =341件
・サイドイベント=131件
5 . 日本のイベント
・サイドイベント=災害の被害削減と女性のエンパワーメント
(BPW を含む NGO 3団体)
・パラレルイベント= 女性のエンパワーメントと日本文化
(BPW 東京クラブ)
ご
挨
拶
特定非営利法人日本 BPW 連合会
理事長
名取
はにわ
2014年3月に開催された国連の第58回女性の地位委員会へ、日
本 BPW 連 合会は、今年も5人 のインターンを伴って出かけた。
国連女性の地位委員会は国連加盟諸国の会議であるため、国連・経済
社会理事会の諮問的地位を占める BPWI といえども、国連本部に入るため
の通行証の取得は非常に限られている。1団体20枚。それを世界中から
参 加 す る BPW の会員が求めるのだから、配分は大変である。
しかしこの時期の NY は、毎年多数のサイド・イベントやパラレル・
イベントが開催され、世界各国から女性問題に関心を持つ女性たちがやっ
てくる。
政府間会議が始まる1日前に NGO のための説明会が開催され、会費
を払うと、会期中の様々なイベントのプログラムを記載したハンドブック
を入手することができる。参加者はこのハンドブックを片手に、好きなイ
ベント会場を回るのだが、 CSW の会期中、ほぼ毎日、国連本部ビル近く
の会場で、時には本会議の議長団からも参加して議事の進行や議論の様子
などについてのブリーフィングが行われる。
かつて、北京会議や CSW の会議に、日本政府代表団の一人として参
加してきたが、今回は NGO の一人としての参加だった。議論の中で、北
京宣言や行動綱領がレガシーだといわれるのを聞くと、すでに19年の歳
月が 経ち 、 そ れ だ け 年 を 取っ た こ と を 実 感 し た。 そ し て 周 り を 見 回す と 、
北京会議の時は若かった女性たちが相応の年齢になって集まっていた。
その中にあって、われわれのインターンたちは実に行動的にそれぞれ
の興味と関心が赴くままに存分に NY を駆け回っていた。
日 本の NGO が日本政府と「災害とジェンダー」についてサイド・イ
ベントを行ったときには、平松昌子コ ーディネーターを助けて大活躍して
くれた。
日 本 BPW 連合会が、歴史上はじめてもったパラレル・イベントにも
参加し、写真を撮るなどの協力をしてくれた。
日本の若い女性たちが、国連女性の地位委員会及びそれを取り巻く
様々なイベントで何を感じ、考えたのか、どうぞ楽しんでこの報告を読ん
でいただきたい。
第11回インターン派遣事業報告書
理 事 長 挨拶
目次
…名取 はにわ
インターン のレポー ト
家田菜穂子
大濱彩花
金村はや
小林千紘
林
乙羽
若者の意識 を調べる …家田菜穂 子
Life in New York ~ 理想と 現実 …林
乙羽
第58回国 連女性の 地位委員会 で議論さ れたこと
日本 BPW 連合会企 画委員長
平松昌子
第11回イ ンターン 派遣事業に ついて
日本 BPW 連合会国 際委員長
編集後記
花崎正子
[email protected]
第 11 期 CSW 派 遣 イ ン タ ー ン 報 告 書
このたびは、ニューヨーク 国連本部での女性の地位委員会 派遣メンバーに選出
く だ さ り あ り が と う ご ざ い ま し た 。 3 月 9 日 ( 金 ) の NGO CSW Forum
CONSULTATION DAY を 皮 切 り に 3 月 21 日( 金 )の 閉 会 ま で の 間 、お か げ さ ま で
充実した日々を過ごすことができました。貴重な機会を頂戴しましたこと、一同大
変嬉しく思っております。簡単ではございますが、下記、報告書とさせていただき
ますのでご一読いただければ光栄です。
約 2 週 間 の 滞 在 中 、国 連 本 部 内 で の 活 動 、日 本 政 府 代 表 部 に よ る 公 式 説 明 会 へ の
参 加 、 BPW イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル 夕 食 会 と 、 本 事 業 以 外 で は 経 験 す る こ と が で き な
い場で経験を積み、メンバーそれぞれが今後の糧となる国際的な感覚、知見に恵ま
れ 、 生 き 方 を 見 直 す 契 機 を 手 に し ま し た 。 な に よ り 、 BPW に つ い て 学 び を 深 め 、
引率くださった諸先輩方と時間、問題意識を共有できたことが、私達にとってかけ
がえのない財産です。暖かく見守ってくださる皆様のもと、少しでも社会に貢献で
き る よ う 、 引 き 続 き ヤ ン グ BPW の メ ン バ ー と し て 研 鑽 を 重 ね て 参 り ま す の で 、 ご
指導のほど頂戴できれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
UN CSW58 イ ン タ ー ン 一 同
参加者一覧(計 5 名)
家田 菜穂子 :
名古屋大学大学院 生命農学研究科
大濵 彩花
:
ORDERMADE LIFE DESIGN
金村 はや
:
ロンドン大学ゴールドスミス大学院卒
小林 千紘
:
津 田 塾 大 学 学 芸 学 部 国 際 関 係 学 科 3年
林 乙羽
:
Lush Oxford Sales Assistant / Enishi Japan 代 表
代表
レポート概要
〇プロフィール 〇参加目的・背景 〇全体の感想 〇特に興味を持ったイベント
〇今後の抱負
名 古 屋 大 学 大 学 院 生 命 農 学 研 究 科 家田 菜穂子
学部時代にブリストル大学(イギリス)へ 1 年間の交換留学し、
卒業後に大学院へ進学。哺乳類の繁殖を制御する脳内メカニズム
を研究する傍ら、タイ、カンボジア、ベトナムなど東南アジアで
の調査を通じて発展途上国の農業・農村開発への貢献を目指している。現在博士課
程 2 年。
参加目的・背景
私 は 将 来 、国 際 機 関 で 働 き た い と 考 え て い る た め 、今 回 の イ ン タ ー ン シ ッ プ の 存 在
を知ってすぐに応募させていただきました。
「 国 連 」と い う 言 葉 に 馴 染 み は あ っ て も 、
例 え ば MDGs の よ う な 課 題 設 定 に お け る 国 連 の 役 割 に つ い て の 具 体 的 な イ メ ー ジ
は 全 く 湧 か な か っ た の で 、国 連 の 機 能 を も っ と 良 く 勉 強 し た い と 思 い が あ り ま し た 。
ま た 、 世 界 各 国 か ら 集 ま る NGO が 女 性 問 題 に つ い て 議 論 す る 場 で あ る CSW フ ォ
ー ラ ム で 、よ り 広 い 視 野 を 身 に 付 け た い と 思 っ た こ と も 参 加 し た 理 由 の ひ と つ で す 。
CSW フ ォ ー ラ ム に 参 加 す る こ と で 、世 界 で は 今 、何 が 問 題 と な っ て お り 、そ れ が ど
のように解決されようとしているのかを勉強して今後の課題設定に活かしたいと考
えました。
全体の感想
CSW の 進 捗 状 況 を 知 り 、 NGO フ ォ ー ラ ム に 参 加 す る こ と で 、 今 、 世 界 で 最 も 重
要視されているジェンダー問題は何なのかを俯瞰的に学ぶことができたことが最も
大 き な 収 穫 で し た 。 ま た 、 国 連 、 各 国 政 府 、 各 国 NGO の 役 割 が そ れ ぞ れ 分 担 さ れ
ていることと、その必要性も学ぶことができました。
参 加 す る ま で は 、本 や イ ン タ ー ネ ッ ト で よ く 取 り 上 げ ら れ る よ う な 問 題 、例 え ば 周
産期死亡率の高さや、女児への教育における差別などが主に取り上げられるのだろ
う と 予 想 し て い ま し た 。 し か し 実 際 に は 、 こ れ ら の 問 題 は こ の 10 年 間 で 、 数 字 の
上 で は 少 し ず つ 改 善 さ れ て き て い る こ と が 報 告 さ れ て い ま し た 。国 連 の 機 関 や NGO、
各国の政府の活動が積み重なることで、本当に世界は良くなっていくものなのだと
感じることができ、良い意味で予想を裏切られたと思っています。
一 方 で 、 “ ( reproductive health は 改 善 さ れ て き て い る が ) そ れ だ け で は な く
reproductive rights も 保 証 す る べ き で あ る ” と い う 議 論 や 、 伝 統 的 な family と 今
後 肯 定 さ れ て い く べ き family の 定 義 の 違 い な ど が 新 た な 話 題 と し て 取 り 上 げ ら れ
て い ま し た 。 宗 教 や 文 化 の 違 い を 背 景 と す る 意 見 の 相 違 は 今 回 の CSW で も な か な
か 埋 ま ら ず 、 毎 朝 の NGO ブ リ ー フ ィ ン グ で 進 捗 状 況 を 聞 き な が ら 、 私 自 身 も 非 常
にもどかしく感じました。このような問題点は、一度の会議で話し合って解決され
るものではなく、毎年重ねられる決議によって、少しずつ「世界の意見」が前に進
んでいくものだということがよく分かりました。
Zero Draft を 用 意 す る UN Women、 そ れ を も と に 交 渉 を す る 各 国 の 政 府 代 表 部 、
さ ら に 民 間 の 代 表 と し て 政 府 に 働 き か け る NGO の そ れ ぞ れ が 意 見 を 交 わ す 場 を 目
の当たりにできた今回のインターンは、他では得難い貴重な経験でした。
写 真 1: 国 連 本 部 の 外 観
写 真 2: CSW 本 会 議 の 傍 聴 席 の 様 子
特に興味を持ったイベント
私 は こ れ ま で に 、主 に 東 南 ア ジ ア の 農 村 を 中 心 に 、畜 産 分 野 で の フ ィ ー ル ド 調 査 を
し た 経 験 が あ り ま す 。 そ の た め 、 the World Farmers’ Organization (WFO) と the
Global Forum on Agricultural Research
と の 共 催 パ ラ レ ル イ ベ ン ト “Empowering
Rural
Women
Through
Agricultural
Innovation” は 、 最 も 興 味 を 持 っ て 参 加 し
ま し た 。 イ ベ ン ト で は 、 ま ず Mr. Carlson
(WFO President) が 世 界 の 食 糧 生 産 へ の
女性の参入や農村部の女性のエンパワーメ
ントの重要性に関するスピーチをし、それ
に 続 い て 、ウ ガ ン ダ 、ア ル ゼ ン チ ン 、ジ ャ マ イ カ で 農 業 に 従 事 し て い る 3 人 の 女 性
が、それぞれの経験を語ってくれました。
3 人 と も 、 現 在 は 養 蜂 、 肉 牛 の 放 牧 、 養 豚 を そ れ ぞ れ 大 規 模 に 営 ん で お り 、「 農 家
さん」というよりも「経営者」らしい雰囲気とパワーを感じました。また 3 人が、
穀物ではなく、養蜂や畜産で成功している点も印象的でした。穀物よりも市場価値
の高い畜産や蜂蜜は、女性が自分の手で現金収入を得て、経営の規模を拡大してい
くために有用な農産物であると言えるのではないかと思います。
現在、世界の貧困人口の 4 分の 3 が農村部に居住していると言われています。産
業としての農業を発展させることと、女性が農業を通じて社会的な地位を向上させ
ていくことは、農村部の貧困問題の解決に欠かすことのできない両側面であると思
います。農村部の女性のエンパワーメントに畜産が貢献できることを再確認できた
ことは大きな収穫でした。
バ ン グ ラ デ シ ュ 政 府 、 オ ラ ン ダ 政 府 お よ び HIVOS の 共 催 の サ イ ド イ ベ ン ト
“Decent Work for Women: The Case for Living Wages” で は 、先 進 国 か ら 多 く の ア
パレル企業が進出しているバングラデシュの服飾工場における労働環境問題が中心
に取り上げられました。教育を受けられなかった、出産育児のために仕事のブラン
クが大きい等の理由で特に女性が低賃金の単純労働に搾取されやすい現状は、 バン
グラデシュだけでなく多くの国が抱える問題です。先進国の企業が「安い人件費」
を目当てに途上国に進出し続けることに対して、受け入れ国の政府がすべき対応、
企業側がすべき対応について言及されました。
そ の 中 で 、企 業 側 の 代 表 と し て H&M
で Senior Sustainability Specialist を
務 め る Pierre Borjesson 氏 が パ ネ ル デ
ィスカッションに参加していたことが、
非常に印象に残りました。企業は、 自
社工場を作ることによって現地の地域
社会に大きな影響を与えていることを、
よく認識するべきであるという意見に
は、心から頷かされました。また私た
ち 消 費 者 も 、企 業 が 労 働 者 の Quality of Life を 保 障 し て い る か ど う か 、と い う 視 点
で消費行動を見直すべきであると思います。
良い取り組みをしている企業の製品を購入することで、その取り組みを支持する
こともできるのだと気付くことができ、今後日本での日常生活にも新しい視点が加
わりました。
写 真 3: パ ラ レ ル イ ベ ン ト “Empowering Rural Women Through Agricultural Innovation ” の 様 子
写 真 4: サ イ ド イ ベ ン ト “Decent Work for Women: The Case for Living Wages” の 様 子
今 後 の 抱負
CSW と NGO フ ォ ー ラ ム に 参 加 し て 最 も 印 象 に 残 っ た の は 、 発 展 途 上 国 と 言 わ れ
る国、特にアフリカからの参加者の「声の大きさ」でした。どの会場でも、アフリ
カ人が発言できるまで挙手を続け、自分の思いを強く主張する姿が見られました。
ま た NGO コ ー カ ス と い う 単 位 に お い て も 、 ア フ リ カ コ ー カ ス は 欧 米 コ ー カ ス と 並
ん で 活 動 ・ 議 論 が 活 発 で 、 NGO と し て 、CSW へ の 干 渉 を き ち ん と し て い こ う と い
う強い意志が感じられました。それに比べて、アジア、特に東アジアは「声が小さ
い」というのが、正直な印象でした。
「 私 た ち の 国 に は 、緊 急 を 要 す る ジ ェ ン ダ ー 問 題 が な い か ら だ ろ う か 。」
「危機感が
無 い か ら 声 が 大 き く な ら な い の だ ろ う か 。」な ど 、い ろ い ろ な 原 因 を 考 え ま し た 。他
の国に比べて、日本はやはりジェンダー問題に対する関心が薄い印象があります。
しかし私たちの日常生活を見直してみると、日本にジェンダー問題が存在しないの
ではなく、問題を問題として提起することに対する抵抗を感じる人、現状を「仕方
がないこと」
「 変 え ら れ な い こ と 」と 思 っ て い る 人 が 多 い こ と が 表 面 上 の 関 心 の 薄 さ
に繋がっているのではないかと思います。
以 上 の よ う に 、日 本 人 と し て 日 本 の
ジェンダー問題をどう考えるか、と
い う [内 側 ]か ら の 視 点 が よ り 深 ま っ
た だ け で な く 、 国 際 社 会 と い う [外
側 ]か ら 見 た 際 の 、ジ ェ ン ダ ー 問 題 に
おける日本の立場も学ぶことができ
ました。特に政府代表部との共催サ
イドイベント
“Disaster Risk
Reduction and Empowerment of
Women” を お 手 伝 い さ せ て い た だ き 、さ ら に 政 府 代 表 部 と の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン の 機
会 を 2 回 も 持 て た こ と で 、今 回 日 本 が 提 出 し た 決 議 案 が 持 つ 意 味 と 、そ れ が 他 の 国
に与えることのできる影響を理解することができました。
今 後 は 、今 回 出 会 え た イ ン タ ー ン の 方 々 と 共 に 、日 本 の ジ ェ ン ダ ー 格 差 の 問 題 を 若
い人たちの間で再定義するための活動を是非立ち上げたいと考えています。具体的
に は ジ ェ ン ダ ー 問 題 に 関 す る 若 者 の 意 識 調 査 や 啓 発 活 動 を 行 い 、 将 来 的 に は CSW
フォーラムのような場で発表できればと思います。また最終的には、今回のインタ
ーンシップへの参加と、これからの活動という経験を自分自身のキャリアアップへ
の糧にし、将来は、やはり国際機関で働くことを目指したいと強く思っています。
ORDERMADE LIFE DESIGN
代表
大濵 彩花
「女性の生き方を変える。時代にないものを創りだす。」を理
念 と す る ト レ ン ダ ー ズ 株 式 会 社 に て 女 性 起 業 塾 起 業・キ ャ リ ア
プ ラ ン ナ ー と し て 従 事 。 経 営 陣 選 出 全 社 表 彰 制 度 MVP・ 新 人
MVP受 賞 後 、 日 本 財 団 ヤ ン グ リ ー ダ ー 奨 学 生 と し て 慶 應 大 学 院
政 策・メ デ ィ ア 研 究 科 社 会 イ ノ ベ ー タ コ ー ス へ 進 学 。現 在 、ク
ー ル ジ ャ パ ン 事 業 の 採 択 を 受 け 日 本 版 ル ネ サ ン ス を テ ー マ に 古 典 ・ 神 道 と 伝 統 (産
業 ・ 文 化 ・ 芸 能 )を 融 合 さ せ た 温 故 知 新 な サ ー ビ ス ・ 商 品 を 展 開 中 。
[email protected]
参加目的・背景
目 的 :BPW、 CSWの テ ー マ と 自 身 の テ ー マ ・ 軸 と の 一 致 、 国 の 事 業 の 一 員 と し て 海
外 で 仕 事 を 重 ね る 中 で 土 台 と な る 様 々 な 国 の 問 題 、日 本 の 問 題 を 学 び 研 鑽 す る た め 。
背 景 :女 性 の 生 き る 、働 く に 関 す る 選 択 肢 や 価 値 観 に つ い て 問 題 意 識 を 抱 き 、こ れ ま
で 起 業 と い う 生 き 方 を 視 野 に い れ る 提 案 、キ ャ リ ア を 棚 卸 し し 1人 1人 が 自 分 ら し い
人 生 を 歩 む サ ポ ー ト に 従 事 し て き ま し た 。2013年 のBPW活 動 方 針「 女 性 の 経 済 的 自
立支援と女性の経済活動への参画推進」「女性が指導的立場に立つための教育・育
成 支 援 」は 私 自 身 の 活 動 方 針 で あ る こ と 、BPWの ビ ジ ョ ン に 共 感 し 、応 募 さ せ て い
ただいた次第です。
こ れ ま で の 活 動 の 中 で 、個 人 の 利 益 と 公( 社 会 )の 利 益 の バ ラ ン ス を 考 え た ア イ デ
ィアで社会貢献をすること、ソーシャルア ントレプレナーの活動に関心を寄せるよ
う に な り 、CSWフ ォ ー ラ ム で 集 う NGOの 活 動 を 知 り 発 信 す る こ と を 目 的 の 1つ と し
て参加しました。
全体の感想・特に興味を持ったイベント
Monday,17 March 16:30- サ イ ド イ ベ ン ト
Mental Health Research on Women's Reproductive Health
国 連 女 性 の 地 位 委 員 会 の 合 意 結 論 4領 域 の 1つ 、 リ プ ロ ダ ク テ ィ ブ ・ ラ イ ツ (生 殖 に
関 す る 権 利 )を テ ー マ と す る サ イ ド イ ベ ン ト 。公 式 文 書 に は 、国 内 法 で の サ ー ビ ス が
許可されている場合においての緊急避妊や中絶などの女性・女児への暴力、これら
に対する多部門的サービス、プログラムや対応の強化が明記されており、事前の情
報 共 有 会( 協 力 :JAWW、城 西 国 際 大 学 ジ ェ ン ダ ー・ 女 性 学 研 究 所 )で 翻 訳 版 の 資
料を購入したことで、理解を深め場に臨むことができました。次期以降参加する若
手の皆様には一読をおすすめいたします。
ビ ル ゲ イ ツ 財 団 が 本 問 題 に 関 連 す る 事 業 、 「 Grand Challenges in Global Health
Program」 の 一 環 と し て 次 世 代 避 妊 具 開 発 の ア イ デ ィ ア を 募 集 し 、 研 究 費 用 と し て
約 1000万 を 提 供 す る こ と が 話 題 と な っ て い ま す が 、「 私 の 個 人 的 な 経 験 か ら 」と は
じまった、登壇者の性・生殖・子供に関するプレゼンテーションは写真と模型を用
いており感極まるもので、共感の渦で会場が満ちあふれていました。
心の底の声を言葉にする際の聴
衆への影響力、ひきこまれ共感
す る 感 覚 を 、身 を 以 て 学 び 、「 ス
トーリーで語る姿勢を身につけ
る 」こ と が 、BPWの ヤ ン グ メ ン
バーとして磨き上げる能力の1
つ で あ り 、 CSWに 派 遣 い た だ き
学 び と る 課 題 の 1つ に 違 い な い
と感じました。
Monday,17 March 12:30- サ イ ド イ ベ ン ト
Why did advances in education & health fail to achieve better economic
opportunities for MENA women
MENA( Middle East, North Africa)、
アラブ諸国の女性の経済的権利、完全
雇 用 と デ ィ ー セ ン ト ·ワ ー ク 、 MDGs
に つ い て 。 All minority、 new space、
new agency、society、 governmentと
鍵となる要素を順にあげ、議論が進んでいきました。
過 去 8年 間 の 事 例 を も と に 女 性 の た め の イ ン セ ン テ ィ ブ が 最 小 限 で あ る こ と 、 市 場
への新規参入や雇用生成政策、未払い、地域での社会的保護システム課題を解決す
るための取り組みなど、段階ごとの手法、手段について共有し、視野・視座・視点
の ス タ ー ト ラ イ ン の 設 定 が 肝 と な る こ と を 確 信 し ま し た 。 と り わ け 、 engagement
が 重 要 と 登 壇 者 の 1人 、Collective for Research & Training on Development -Action
の Linaさ ん が 発 言 し て い た こ と が 印 象 に 残 っ て い ま す 。
Friday, 21 March 13:15- サ イ ド イ ベ ン ト
Nicaragua: MATERNAL HEALTH AND THE MILLENNIUM DEVELOPMENT
GOALS
20 代 の 女 性 の 1 人 と し て 関 心 が あ る テ ー マ 。 年 間 、 世 界 で 60 万 人 の 子 供 が 、 出 生
しても生まれていないことにされている議論については印象深く、日本ではドラマ
化した赤ちゃんポストが事例としてありますが、出生登録の有無による子供の成長
への支援の差異や影響など、国ごと、日本での事例、状況を研究していきたいと目
標を持ちました。様々なファクターを日本という環境にあてはめて掘り下げ、アイ
ディアを練っていきたいと思います。
Risk factors for adolescent pregnancy
-Older male partner
-Dysfunctional family
-Fatherlessness
-Inappropriate male-female
relationships (rape, sexual abuse,
social pressure)
-Poor self-esteem
-Low formal education
-Poverty
-Early exposure to adult sexuality
Other factors that influence adolescent to have sex
-Peer pressure
-Media portrayals
-Secularization of children
-Adultification of children
-Consumerism (fashion,music,pornography,magazines)
Monday,17 March 14:30- サ イ ド イ ベ ン ト
Empowering women to break away from the vicious circle of poverty
貧 困 の 悪 循 環 か ら 脱 却 す る た め の 女 性 の エ ン パ ワ ー メ ン ト 。community Research、
Resources
Individual, social entrepreneur と 、 大 学 院 で 学 ん だ 内 容 、 関 心 分 野 の 事 例 を 反 芻
す る 時 間 で し た 。 質 疑 で は GMO(Genetically modified organism)と solar cooking
の 話 が あ り 、3 つ の idea を 提 示 、議 論 と 、日 本 農 業 新 聞 で コ ラ ム ニ ス ト を 務 め た 経
験から、食をテーマに社会問題に取り組む道を模索しました。来年はミラノ万博が
開催されるため、意識して活動を
し て 参 り ま す 。 ま た 、 “Cities for
Sustainable Development and
Women’s Human rights” How
can cities ensure women’s
human rights in sustainable
development?で は 、サ ス テ ィ ナ ブ
ルな街ポートランドが真っ先に思
い浮かび、ヤングメンバーで視察
に行きたいと計画中です。
Thursday, 20 March 13:15- サ イ ド イ ベ ン ト
El Salvador: WOMEN LEADERSHIP FOR THE ACHIEVEMENT OF
DEVELOPMENT AGENDA
女性のリーダーシップへの関心が強く、大学院にて社会起業家について学んでいた
ためこのテーマのサイドイベントに参加しました。強く共感し、印象深く記憶に刻
ま れ た こ と が 2つ あ り ま す 。
1:international social womenの た め に 働 く ケ ニ ア 女 性 の 質 疑 応 答
彼女は、コミュニティにおけるロールモデルの必要性、マイノリティとマジョリテ
ィ双方への対応について、意見を熱弁しました。規範となる存在が与える影響を熟
慮しコーディネートすること、相反する立場それぞれへの配慮に 意識的に取り組む
こと。各国の社会問題はもちろん女性が生きる上で、また女性がリーダーシップを
発 揮 し 活 躍 す る 上 で 、 こ の 問 題 意 識 と 解 決 策 が 、 共 通 な キ ー ポ イ ン ト の 1つ で あ る
と感じました。
CSWで 様 々 な テ ー マ の 議 論 を 拝 聴 し 、
何かを議論する、解決策を考える際
には、視野・視座・視点をそろえ、
対象、段階ごとに意見や解決策を提
示すること、スタートライン、根底
の問いの設定と共有が、良質な答え
を導きだす、議論の場を有意義なも
のにするために重要だと認識できた
ことは大きな収穫です。
2: Permanent Representative of El SalvadorのCARLOS氏 の 言 葉
進 行 を 務 め る 彼 が 力 強 く 会 場 に 放 っ た 言 葉 「 What Can I Do? 」 、 「 リ ー ダ ー シ ッ
プとはアクションである」。問題意識の共有と共に、一歩を行動で形にする場を身
近 に す る こ と が 、私 達 若 い 世 代 が CSWに 関 し 当 事 者 意 識 を 持 つ 、自 分 ご と の よ う に
捉え担い手となる打開策に思えます。
滞在中、上智大学教育提携校の生徒の方々が、課外学習ツアーで国連本部を訪問し
ていました。教論の方と名刺交換させて
いただきましたが初の試み、まずは知る
場を作ることからとお伺いし「リーダー
シップとはアクションである」のロール
モデルを目前に、感銘を受けました。後
日、意見収集の協力、インタビューをお
願いしたい旨相談さしあげたので、若い
世代や彼らを育てる立場の人が何を考え
ているのか情報収集し、橋渡しとして発信する活動に繋げて参ります。おかげさま
でターニングポイントとなる機会を頂戴しましたこと、厚くお礼申し上げます。あ
りがとうございました。
今後の抱負
1 : 来 年 の CSW59 レ セ プ シ ョ ン フ ォ ー ラ ム で の パ フ ォ ー マ ン ス 企 画
2 : CSWを 軸 に 活 動 す る 日 本 の 女 性 と 海 外 の 組 織 、 女 性 を 繋 ぐ プ ラ ッ ト フ ォ ー ム の
立ち上げ
−CSW11期 ま で の メ ン バ ー が 交 流 で き る 場 、 今 後 に 繋 が る 仕 組 み 作 り か ら ス タ ー ト
-WEBサ イ ト を た ち あ げ CSWサ イ ド イ ベ ン ト 、 パ ラ レ ル イ ベ ン ト 、 参 加 者 の 紹 介 や
インタビュー、日本の現状や女性の意見を発信するコンテンツを作りコミュニティ
化
3 : 日本の若い世代の女性の声を集め社会、海外に届ける活動
-大 学 、 教 育 機 関 連 携 の 女 性 問 題 に 関 す る 意 識 調 査 の 実 施
-研 究 、 フ ォ ー ラ ム 開 催 な ど
上 記 3点 を 進 め て い き た く 、ご 指 導 頂 戴 で き れ ば 幸 い で す 。ま た 、CSWパ ラ レ ル イ
ベ ン ト の 中 で 取 り 上 げ ら れ た 、年 間 60万 人 の 子 供 が 産 声 を あ げ て も 出 生 登 録 さ れ な
い、育つ過程で受けるサービスやプログラムの提供がままならず格差が生まれる、
という議論に問題意識を強く覚えました。このテーマの研究と解決策もあわせて追
求して参ります。
ロンドン大学ゴールドスミス大学院卒
金村はや
高 校 卒 業 後 渡 英 、ロ ン ド ン 大 学 ゴ ー ル ド ス ミ ス 大 学 院 卒 業 。大 学
で は Cultural Studies and Media Communications を 学 び 、海 外
で の 生 活 に 刺 激 を 受 け な が ら 文 化 に 対 す る 興 味 を 深 め る 。院 で は
Culture Industryを 専 攻 、も の ご と に 関 し て 多 面 的 な 視 点 を 持 つ
練習をし、更に興味の範囲を広げる。
参加目的・背景
知 人 の 紹 介 で 、こ の イ ン タ ー ン の 存 在 を 知 り ま し た 。単 純 に 国 連 で の 活 動 に 対 す る
好奇心から興味を持ち、この貴重なチャンスをトライせずに見逃したくないという
気持ちで応募を決めました。
ま ず 今 回 の イ ン タ ー ン の テ ー マ が 女 性 問 題 で あ る と 知 り 、日 本 の 社 会 に お け る 女 性
の地位について考えてみた時に、私の友人が女性とキャリアに関してリサーチを行
った時に私に話してくれた事を思い出しました。その友人が行ったのは、街中にい
る若い女性に「自分のキャリアに対する意識」をインタビューするといった内容の
リサーチでした。話を聞くと自分のキャリアに対して興味の無い人が多く、思いの
ほか早く結婚して家庭に入りたいという意見が多数を占め友人はショックを受けた
ということでした。
最近ではキャリアウーマンが増えてきたとういう 印象が社会全体的にあるように
感じますが、それはあくまでも昔に比べて増えているという事であり、現状では女
性の社会進出はまだまだなのだという話をその時にした覚えがあります。日本社会
における女性問題の根本は何だろうと考えたときに、
「 無 関 心 」が 要 因 の ひ と つ に あ
げられるのではないかと思いました。
以 前 、社 会 に 出 て 仕 事 を し て い る 女 性 か ら 聞 い た 話 で 、普 段 日 常 生 活 で は 特 に 意 識
す る 事 は な く て も 、職 場 で は 男 女 不 平 等 を 感 じ る 事 が あ る と 聞 い た こ と が あ り ま す 。
正直、私自身今まで女性だからという理由で不平等を感じたことはありません でし
たし、実際に同年代の人達からも同じような印象を受けますが、その要因として社
会にまだ出たことがない学生の身分だった事も関係があるように思えます。これか
ら社会に出て働きはじめる私にとって、女性の地位向上について考える事はとても
重要で意味があると思い、参加したいという気持ちを強めました。
そ し て 私 が こ の イ ン タ ー ン に 参 加 し た い と 思 っ た も う ひ と つ の 理 由 は 、人 と の 出 会
いでした。イギリスに留学をした私はその経験で人との出会いの大切さを知りまし
た。このインターンに参加する事は、もちろん様々なセッションで話を聞けるこ と
や、イベントのお手伝いをさせてもらえる事で十分貴重な経験となるのですが、そ
れと同じくらいに参加することで得られる人々との新しい出会いが自分を成長させ
てくれると信じ参加を決めました。
全体の感想
内容に関しては本当にセッシ
ョンごとに様々で、スタティス
ティカルなものから、自分の経
験をもとにした現状報告まで
色々ありました。まずは、それ
ぞれのテーマに違いはあっても、
ほとんどの問題に共通してあげ
られるものがいくつかあったの
で、それについて書いていきた
いと思います。
数 多 く 行 わ れ た セ ッ シ ョ ン の 中 で “Norm”と さ れ て い る 事 に 関 す る 問 題 提 起 が 度 々
あがっていましたが、それは日本にも言える事で、私が参加する前に意識していた
ことに繋がる事だと思います。表向きには女性の進出が認められるようになったも
の の 、 女 性 自 身 の 意 識 の 中 で は 未 だ に “一 般 的 に ”女 性 は 結 婚 し て 家 庭 に 入 る の が 幸
せだという考え方が多いようです。結婚しても仕事を続ける人は増えましたが、家
事をするのは女性という意識は未だに強く、男性だけではなくそれが女性にとって
も当たり前の事として認識されてしまっているということです。それを望んでいる
女性に対して、それが悪いということではないけれど、最初からそれが「普通」と
されている事に関して問題提起出来るのではないかと思います。
状 況 を 変 え る に は 本 人 が 自 分 の 立 場 を 認 識 し 、自 ら が 立 ち 上 が ら ね ば な ら な い と い
う話がたびたび出てきました。各国の事情があり理由は違うにしろ、様々な所で同
様の意見が述べられているのが印象に残りました。また、これ以外に何度も耳にし
た キ ー ワ ー ド は 「 Education」 で し た 。 自 分 た ち で 立 ち 上 が る に は 、 ま ず そ れ に 伴
う知識も必要だからです。
し か し 残 念 な が ら 、社 会 的 地 位 が 低 い 女 性 は そ の 知 識 を 得 る 権 利 す ら 平 等 に 与 え ら
れていないという環境があるのも事実で、更に教育を受けていないために問題意識
も育っていないという悪循環が起きているので、まずはそこから何とかする必要が
あるという事になります。形は違いますが、これを受けて、日本の教育の中では学
問的な教育とは別に、海外の他の国と比べてキャリアなどに関する向上心を育てる
よ う な 要 素 が 少 な い の で は な い か 、と い う 新 し い 考 え 方 が 出 来 る よ う に な り ま し た 。
1つのテーマに対して数か国が協力して問題提起している場面を多く見ま したが、
私が最初に日本の問題として考えていたものが、実は他の国の問題ともこのような
形で共有する事が出来るのだという発見がありました。
こ れ ら の 貴 重 な 経 験 を 通 し て 、実 際 に 今 回 参 加 し て 自 分 が 1 番 得 た も の は 何 か と 考
え た 時 、そ れ は ポ ジ テ ィ ブ な エ ネ ル ギ ー だ と 思 い ま す 。
「とにかく私達がやるんだ!
やらなければ何も始まらないし、実際にやれば出来るんだ!」という意識でみんな
が積極的に意見を言い合い、話し合っている内容自体はネガティブな問題が多いの
だ け れ ど 、そ こ に あ る 空 気 に は ポ ジ テ ィ ブ な エ ネ ル ギ ー が 動 い て い ま す 。も ち ろ ん 、
「 や れ ば 出 来 る 」 と 信 じ て い る か ら こ そ の CSW の 存 在 な の で す が 、 実 際 に そ れ を
肌で感じる事ができ、私自身もポジティブなエネルギーをわけてもらって、単なる
意見交換や報告だけでなくこういったエネルギーの補充場所でもあるのだな、と感
じました。また、他国の事に対しても自分の問題のように取り組む姿には、国際協
力を主とする国連のイベントに参加しているのだと実感することも出来ました。
全 体 を 通 し て 、参 加 す る 前 と 後 で CSW の 認 識 が 変 わ っ た 事 は 、こ れ は た だ 単 に 女
性の為のものではないということです。女性について考えることによっ て子どもに
も繋り、性について考え、結果的にすべての人に関わってくるという事です。テー
マとしては女性のためにとうたっていても、どのセッションにも共通して、社会全
体 を み ん な に と っ て 住 み や す く し た い と い う 姿 勢 が 見 ら れ ま す 。最 終 的 に は 、
「みん
なにとって住みやすい世界にする」というゴールは一緒なのです。
特に興味を持ったイベント
Is Prostitution Sex Work? When Terminology and Legalization Collide with
Human Rights で は 、“Sex Work”と い う 単 語 に 注 目 し て 言 語 の 重 要 性 に 焦 点 を あ て
て お り 、 興 味 深 か っ た で す 。 何 故 “Sex Work”を 問 題 視 す る の か と い う と 、 “Work”
という単語を使うことによってそれがれっきとした「仕事」として認識されてしま
うという事でした。また、私たちが普段無意識に目にしたり耳にしたりしているメ
ディアでも、単語が都合の良いように使用されてしまっていることに警鐘を鳴らせ
ていました。同じ内容をいう場合にも、選ぶ単語によって受け取り側にずいぶんと
違った印象を与える事があります。
実 際 、イ ン タ ー ン 生 の 間 で 今 後 の 活 動 に つ い て 話 し 合 っ た 時 に も 、発 信 を す る に あ
たってどういう表現をしていけばいいかなどを話しあったりもしましたし、これは
今後も意識していく必要がある意味のあるテーマだと思えます。
Blue is the New Pink : Gender Equality through Men and Boys では 、 私 た ち が
無 意 識 に「 女 性 は こ う で あ る べ き 」
「 男 性 は こ う で あ る べ き 」と い う 観 念 に と ら わ れ
ている事を指摘し、様々な人から共感を得ていました。また、ここでは男性も積極
的に発言する姿が見られ、女性問題は女性だけの問題ではな く、男性の問題でもあ
る 事 を 強 く 感 じ る こ と が で き ま し た 。 セ ッ シ ョ ン 内 で の 言 葉 を 引 用 す る と 、「 Both
men and women get benefit by gender equality ( 男 女 平 等 は 、 男 性 ・ 女 性 双 方 に
と っ て た め に な る の で す )」。
Everyday Sexism and Hate Speech – What are the consequence for women’s
empowerment and equal opportunities で「 こ れ は 女 性 対 男 性 の 問 題 な の で は な く 、
人間対偏見の問題である」そして「人権に関することなのである」という言葉が聞
けて、
「 み ん な に と っ て の 社 会 」を 意 識 し て い る 事 を ハ ッ キ リ と 認 識 す る 事 が 出 来 ま
した。また、このセッションでは、欧米でも家庭に入る事を幸せとしている女性が
未だに少なくないという意見も聞き、欧米では進んでいると思っていたジェンダー
問題も、まだ問題視されており課題となっている事を知る事が出来ました。
From Objectification to Dignity: Positive Media Representations of Women and
Girls では 、現 代 社 会 で 起 き て い る “Sex trade”に つ い て 触 れ 、と て も 衝 撃 的 で し た 。
しかし、それと同時に、メディアを有効的に使うことによってこの問題に取り組む
事が出来るという前向きな姿勢も見えました。このセッションでは、現役の学生も
ゲストスピーカーとして参加し、彼らが実際に作ったビデオを観て、話を聞き、そ
の場にいた人がこれからのメディアと若者に期待を感じることができました。
今後の抱負
最 初 に 私 の 参 加 目 的 で 期 待 し て い た よ う に 、今 回 た く さ ん の 人 と の 出 会 い に 恵 ま れ
色々な刺激を受けました。そしてそれは今回共にインターンとして参加した方々に
対しても同じです。みなさんそれぞれに自分の考えがあり、同じ立場として様々な
意見を話し合えたのは他の経験と変わらずとても貴重なものだったと思います。
女 性 問 題 に お け る 日 本 社 会 の 問 題 は 何 だ ろ う と 考 え た と き に 、ま ず は 社 会 に 対 し て
何か訴えるよりも先に、女性自身の無関心や、意識の低さがあげられるのではない
かと思っていましたが、その考えは今回参加したみなさんも感じていたもので、同
じ 考 え を 共 有 す る こ と が 出 来 ま し た 。こ の 5 人 で 話 し 合 っ た 中 で 、“日 本 で 女 性 問 題
に つ い て 話 す こ と ”の 機 会 が 少 な い の で は な い か と い う 意 見 で 一 致 し ま し た 。 今 後 、
このような話が自然と出来るような社会になっていければいいと願っています。
ま た 、こ れ か ら 何 か を 発 信 し て い く 際 に は 、例 え ば 、単 語 1 つ を 選 ぶ に し て も 責 任
を持ってよく考えて選ぶなど、今回感じた事や学んだことを十分に活かしていきた
いと思います。そして特に色々なところで、若者に期待していると声をかけていた
だ い た よ う に 、 私 が CSW で 感 じ た エ ネ ル ギ ー を 若 者 が 発 信 し て い け る 社 会 に し て
いきたいです。
津田塾大学学芸学部国際関係学科 3 年
小林千紘
小 学 6年 生 の 時 に 、 世 界 で 最 も 寿 命 が 短 い 人 々 が 住 む と 言 わ れ る 、
シ エ ラ レ オ ネ に つ い て 書 か れ た 本 に 出 会 っ た こ と か ら 、世 界 の 貧
困問題に興味を持つ。それから、高校生の時に一年間休学し英国
へ 留 学 。英 語 を 勉 強 す る と と も に 様 々 な 国 か ら 来 る 留 学 生 と 出 会
い に よ っ て 、様 々 な 文 化 や 多 様 な 価 値 観 が あ る こ と を 肌 身 を も っ
て 実 感 す る 。大 学 で は 、英 語 を 勉 強 し な が ら 開 発 学 、人 類 学 や 平
和学などを学んでいる。世界の貧困、教育、人権問題など幅広い興味を持ち現在は
国連研究のゼミに所属し、将来は国際機関で活躍したいと思っている。
[email protected]
参加目的・背景
私 は 、大 学 の ゼ ミ で 国 連 研 究 を 専 攻 し て お り 、国 連 に つ い て 非 常 に 興 味 を 持 っ て い
ました。世界中に存在する問題に対して、国連は複合的に様々なアクターを巻き込
みながら、活動しています。国際機関としては加盟国も過去最大規模であり、世界
の平和及び安全を達成することが期待され、創設されました。今まで、文献を見た
り、国連で働く方のお話を聞いてきたりしたものの、自らの目でそのような国連の
活動を見たことがありませんでした。
い つ か 国 連 に い っ て み た い 、国 連 の 活 動 を こ の 目 で み て み た い と い う 思 い は あ っ た
ものの、なかなか学部生ではチャンスもありません。そのような状況の中で、今回
のCSWイ ン タ ー ン 募 集 を 知 っ た と き は 、心 が 踊 る よ う な 思 い で 、早 速 応 募 し ま し た 。
又、将来国際機関で働くことを目指しているので、インターンを通して国連で働く
様 々 な 方 々 と お 会 い し 、直 接 お 話 を 聞 い て み た い と い う 思 い も あ り ま し た 。CSWが
主に扱うジェンダー問題についてでは、現在通う女子大学でジェンダーに対する諸
問題を学ぶ中で、先進国、途上国、日本を含め、世界中では多くのジェンダーに関
する困難が存在することを知りまし
た。
CSWを 通 し て 、 世 界 共 通 の ジ ェ ン ダ
ー 問 題 に 対 し て 各 国 の 政 府 、国 際 機 関 、
NGOな ど が ど の よ う に 考 え 、 活 動 を
展開しているのかを感じてきたいと
思っていました。各国からの参加者と議論する中で、一人の女性としてこれから生
きて行く上で、生きやすい社会にする為のヒントを得られたらと思っていました。
そ し て CSWの 歴 代 の 日 本 政 府 代 表 9 名 の う ち 、 4名 が 私 が 現 在 通 っ て い る 津 田 塾 大
学の卒業生、ないしは学長であったということもあり、今回参加させていただいた
ことに、非常にご縁を感じていました。
全体の感想
今 回 、 CSWと い う 経 済 社 会 理
事会の中の一つの委員会の年
次会合に参加させていただき
ま し た が 、実 際 の 国 連 本 部 に 入
り、そこで見聞きしたことは、
大 変 貴 重 な 経 験 で あ り 、こ の よ
う な 機 会 を 得 ら れ た こ と に 、多
くの方々に御礼申し上げます。
各 国 の 政 府 代 表 や NGOの 方 が
一 同 に 集 ま り 、喧 々 諤 々 し て い
る様子を見たとき、国連に来たのだと強く実感し、自分なりに感じたこと など多く
を吸収して帰国しようと心に決めました。体験したことを報告するということは、
参加させていただいた者の義務だと思い、又多くを御伝えしたいと思いますので、
この報告書により、私たちが体験したことが少しでも伝わり、感じたニューヨーク
の熱気を皆様のところへとそのままお届けできますように。
私 に と っ て 、今 ま で の 国 連 の イ メ ー ジ と は 、な に か 少 し 遠 い 存 在 で し た 。し か し 、
様々な思いで集まっている国連で働く人と実際に話してみることで、国連に対する
イメージが少しずつ変わっていき、やはり国連を動かしているのはやはり私と同じ
“人 ”な ん だ な と 実 感 す る と と も に 、 国 連 の 存 在 が 近 く な っ た よ う に 感 じ ま し た 。 今
回 、 私 は NGOの 一 員 と し て CSWに 参 加 し て い た の で 、 NGOか ら 国 連 を 見 る と い う
視 点 で 様 々 な 事 象 を 観 察 し て い ま し た 。 CSWに お い て NGOの 影 響 力 は 非 常 に 大 き
く、その大きさは年々増しているようでした。
世 界 各 国 か ら 、数 え き れ な い ほ ど の NGOが 、人 々 が 、3月 の 約 二 週 間 の 間 に 遥 々 ニ
ュ ー ヨ ー ク に 集 ま る と い う こ と は 、そ れ ほ ど に 皆 が CSWに 期 待 を 寄 せ て い る こ と の
現れなのではないかと身をもって実感しました。
NGOは 今 や 第 三 の 国 連 と 言 わ れ る よ う に な っ て お り 、そ の 影 響 力 は 国 際 社 会 で も 認
識されています。そのような、大きな動きの中に数週間身を置き、そのダイナミッ
クな流れを間近でみることができたのは、国連研究を専攻している者としては、非
常に貴重な体験でした。国連で主権を発揮するのは、やはり原則的には主権国家で
あると思います。
し か し 、 NGOな ど の 市 民 社 会 の 意 見 を 取 り 入 れ る こ と は 非 常 に 重 要 で あ り 、 国 の
意向だけを汲み取ることは、人々の平和や安全を保証することにはなりません。今
回 の CSWで は 、 日 本 政 府 側 が CSWに 参 加 し て い る 日 本 の NGOに 対 す る 会 合 を 設 け
て く だ さ り 、二 週 間 の 各 国 政 府 代 表 の 議 論 の 方 向 や 日 本 政 府 と し て の CSWに 対 す る
動き、意向などを丁寧に説明してくださり、又質疑応答の機会も設けてくださいま
した。
特に興味を持ったイベント
・ Security-Peace-Development: Women Peace Makers recommendations for the
post-2015 MDG Agenda (By Joan B. Kroc Institute for Peace & Justice)
ここでは、主に平和構築とジェンダーについての議論がされていました。平和構
築とは、様々な定義があるが、戦争から平和への移行期に、元兵士の武装解除や社
会復帰、紛争予防、再び紛争が繰り返されないような安定した社会を構築していく
ことなどが含まれます。平和構築において、女性の役割は非常に重要とされていま
す 。昨 年 に は 、国 連 安 全 保 障 理 事 会 が 決 議 2122号 を 出 し 、平 和 構 築 に お い て 女 性 の
リーダーシップや積極的な参画が唱われていました。しかし、登壇者は、やはり紛
争のときは、女性は犠牲者となり、紛争後の社会にも積極的に参画できないのが実
情であると主張していました。紛争の時、兵士として戦いに行く男性の代わりにコ
ミュにティーを支えているのは女性であり、とても重要な役割を担っていると言え
ます。しかし、紛争後の社会において男女平等が実現されることは難しく、今後の
国際社会の動きに期待したいと思います。今回のイベントにより、平和構築に興味
が 沸 い た 為 、日 本 で 数 少 な い 平 和 構 築 を 行 っ て い る NPOで 、CSW参 加 後 に 長 期 イ ン
ターンをさせていただくことになりました。
・ 日 本 主 催:サ イ ド イ ベ ン ト「 Disaster Risk Reduction (DRR) and Empowerment
of Women 」
3月 14日 、国 連 本 部 に て 日 本 政 府 代 表 団 が CSWの サ イ ド イ ベ ン ト を 開 き ま し た 。題
名 は「 Disaster Risk Reduction (DRR) and Empowerment of Women 」わ た し は 、
受 付 と し て お 手 伝 い さ せ て い た だ き ま し た 。 こ れ は 、 3.11を 経 験 し た 日 本 な ら で は
の視点で、女性のエンパワーメントが達成されているところで、災害が起きた時に
は、その被害を軽減させることがで きるというものでした。日本としては、この内
容 が 盛 り 込 ま れ た 決 議 と い う も の を 国 連 に 2012年 か ら 出 し て い て 、そ れ は 決 議 と し
て 国 際 社 会 か ら 認 め ら れ て い ま す 。 79 の 共 同 提 案 国 が 賛 同 し 全 会 一 致 で 採 択 さ れ
た こ と 。2012 年 の 共 同 提 案 国 数 は 49 で し た 。昨 年 、安 部 総 理 が 国 連 本 部 で の 演
説にて女性の活躍についてのステイトメントがあり、少し話題になりました。しか
し、わたしは今回このイベントに参加しなかったら、日本政府がこのような活動を
行っているとは知りませんでした。大きな悲惨な災害を経験した日本が、その経験
を活かし、国際社会の為に、このような決議を出していることにとても誇りを持ち
ました。
今後の抱負
今 回 の CSW で は 、 世 界 各 国 か ら ど う し て も 問 題 を 解 決 し た い 、 何 と か し た い と
いう強いパッションを持ち、遥々国連本部のあるニューヨークの地に来た多くの女
性に出会う中で、非常に刺激となり、大変貴重な経験となりました。今まで、あま
りジェンダーについて意識したことがなく、性別による困難に直面したことがあり
ませんでした。しかし、日本国内に目を向けて見ると、日本が抱えるジェンダー問
題は深刻な状況であり、自分なりに考え、何か自分にできることを行っていきたい
と 考 え て い ま す 。 又 、今 ま で 遠 い 存 在 の よ う に 思 え た 国 連 た で し た が 、今 回 の 国 連
で の イ ン タ ー ン 経 験 を 通 し 、そ こ で 働 く ’人 ’の 顔 を 見 る こ と が で き た こ と に よ り 、結
局世界中のどこへ行っても、国や組織などを動かしているのは人であり、様々な問
題が起こるのも良くも悪くも人が影響している、というごく当たり前のことに改め
て気づきました。一人一人の意識が世界に大きな影響を与えると思う のです。国家
を越えた、一人一人の繋がりによって世界の問題は改善に向かってくのではと思い
ま し た 。結 局 、「 人 」な の だ か ら 。こ れ か ら 、CSW で 経 験 し た こ と を 活 か し 、こ れ
からの道を歩んで行きたいと思います。直近では、今回のインターンで得たことを
活かし、大学の卒業論文として形にしたいと思っています。今回の出会いに感謝で
す。ありがとうございました。
タイムス・スクエアにて
グランドセントラル駅にて(左)
ウォール街(右)
Lush Oxford Sales Assistant / Enishi Japan 代 表
林 乙羽
14 歳 よ り 単 身 で ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド の ボ ー デ ィ ン グ ス ク ー ル
( Wanganui Collegiate School ) へ 留 学 し 、 大 学 か ら 渡 英 。
Oxford Brookes University の 社 会 科 学 部 で 人 類 学 を 専 攻 。 学
生時代のアルバイトやサークル活動等の経験を通して、卒業後
は Oxford 市 内 の 旅 行 会 社 に 就 職 。 現 在 は イ ギ リ ス の 自 然 派 化
粧 品 会 社 Lush Retails Ltd. の Oxford 支 店 で 、 セ ー ル ス 担 当
をしながら個人事業を立ち上げたばかり。
[email protected]
参加目的・背景
応 募 の 決 め 手 と な っ た の は 、CSW の た め に「 国 連 の 本 部 」へ 向 か う「 日 本 NGO 代
表のひとり」として参加させていただける、ただそれだけの理由でした。小学校高
学年より、外交官になるなど何らかの形で日本を代表して他国と交流する存在に憧
れていました。そのために周囲の友人よりも遥かに早い段階から英語やフラ ンス語
を 流 暢 に 操 り た い 、そ の た め に 早 く 留 学 し な け れ ば と い う 気 持 ち で い っ ぱ い で し た 。
外交官を目指して留学をしたものの、日本での義務教育を修了していないため公務
員 に な れ な い と い う 現 実 は 、大 学 進 学 前 に 初 め て 知 り ま し た 。BPW Japan の CSW
インターン募集は、それ以来完全に絶たれていた「国連本部へ日本人として行く」
という夢を復活させてくれた情報でした。
全体の感想・特に興味を持ったイベント
渡米前は参加するイベントの内容にバリエ
ーションを持たせようと思っていたのです
が、最終的に参加したイベントは人類学や
社会学系な内容のものばかりになってしま
いました。うち半分は、大学時代に興味を
持って授業や課外セミナーに積極的に参加
していた内容とほぼ同じものばかり。その
ためかイベントによっては、大学時代から
すでに知っていた情報やインターネット上で読んだ事のある情報が多く、どちらか
と言えば正しい情報だったのか答合わせをしている感じでした。残り半分にあたる
イベントでは、考えた事もないような情報をパネラーの知っている 「現実」として
紹介され、良くも悪くも衝撃的な経験をしました。
そ の 中 で も き わ め て 印 象 に 残 っ た イ ベ ン ト 2 件 が 、 “Blue is the New Pink: Gender
Equality through Men and Boys” や ”Crescendo: Discussion about choices facing
women with unplanned pregnancies” と い っ た 、 男 性 が メ イ ン ・ ス ピ ー カ ー で あ る
イ ベ ン ト で し た 。 “Blue is the New Pink…” で は 、 父 権 社 会 を 「 生 き 辛 い 」 と 感 じ
るのが必ずしも女性ではなく、個人差はあれ男児も型にはまった生き方で傷ついた
り、苦しみながら人生を送っていることがあるという現実を生の声で聞けました。
“Crescendo…” で は 、 15 分 程 の 同 名 シ ョ ー ト ム ー ビ ー を 鑑 賞 し 、 監 督 自 身 が パ ネ ラ
ーとして話をした後、堕胎が母体に及ぼす心身的影響のプレゼンを聴き、最後に参
加者全員でオープンディスカッションをしました。堕胎で傷つくのは女性の心身だ
けでなく男性も一生消えない傷を負うことを、監督が自身の辛い体験と一緒に共有
してくれたのですが、話の内容への衝撃より も、もう少し考えてみれば自分でもわ
かりそうな話なのに考えもしなかった現実がショックでした。このイベント後半の
オ ー プ ン デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 中 に 、 中 国 の NGO か ら 参 加 し て い た 女 性 と 少 し 話 を す
る機会がありました。パネラー本人にお互い紹介を受けてからの出会いでしたが、
堕胎の話からなぜか中国と日本で手を取り合って公園を作ろうという話に発展し、
私にとって最初から最後までものすごくインパクトのあるイベントとなりました。
CSW 参 加 前 は 、特 に 熱 心 な 女 性 運 動 家 ば か り が パ ネ ラ ー と し て 全 イ ベ ン ト の 壇 上 に
上 が る の だ と 思 っ て い た 私 は 、幾 人 も の 男 性 が ManCare+と い う 団 体 や 個 人 と し て
CSW に 参 加 し て い る 事 実 に 驚 き ま し た 。私 自 身 が 女 性 運 動 家 で は な く 、男 女 平 等 や
人権の尊重に興味を持っているため、男性達が何を話すのか、イベント参加前から
とても興味がありました。登壇した男性のほとんどがヘテロセクシャルだった彼ら
が、辛く思った自身の体験を元に、女性運動も生かしつつ世界を変えようとしてい
るのがとにかく衝撃的でした。私が社会を変えるには、女性だけでなく男性の協力
も必要だと常々思っていたので実際に男性の声が聞けて大変嬉しく思いましたが、
改めて自分もアクティブに活動したいと強く思えるようにもなりました。
今後の抱負
CSW58 で は 、私 と 同 じ 信 念 の 元 に 活 動 し て い る 人 達 、BPW Japan と International
Federation of BPW メ ン バ ー の 方 々 、 UN Eco-Soc の 方 や 、 全 く 分 野 の 違 う ビ ジ ネ
ス を 立 ち 上 げ た ば か り の 20 代 の 人 達 な ど 、 た く さ ん の 方 と 情 報 交 換 は お ろ か 、 名
刺交換や今後一緒にやってみたい活動について語り合うという貴重な機会をいただ
きました。たまたまキャンセルされたイベントから生じたディスカッションでも、
年 配 の CSW 参 加 者 の 方 々 と 意 見 交 換 が で き 、 Post-2015 が 皆 に と っ て ど れ 程 の タ
ーニングポイントなのかを改めて思い知ったのも事実です。同時にアジア女性の立
場の弱さや、伝統を重んじるあまりに女性が劣勢なのを普通と思いがちな状況を打
開したいと強く思いました。私のコミュニケーション能力をフル稼働して、自分の
故郷である日本にも男女平等の風を吹かせるための活動をヤングチームの一員とし
て BPW Japan か ら さ せ て い た だ き た い と 考 え て お り ま す 。
私を含め、今回インターンとしてニューヨークへ同行させていただきました5名の
間 で 、 す で に BPW Japan ヤ ン グ チ ー ム と し て や っ て み た い 活 動 に つ い て の 話 し 合
いをしています。どこまで行けるのか、私たちの『野望』が何割達成できるのかな
どは当然未知数です。でも未知数だからこそできることがたくさんあるのではない
か、という前提のもとに、これからの日本が世界へより広がって行けるような活動
をしたいと思っております。
応 募 当 時 に は 全 く 想 像 の つ か な か っ た 発 見 や 知 識 、出 会 い に 恵 ま れ た SW58。
「1回
きりで終わらせたくない」と強く思わせられる、素晴らしい体験をさせていただけ
ました。これからどのよう
な社会を築いていけるのだ
ろうかと、正直不安よりも
ワクワクしています。
大変貴重な機会をいただけ
た こ と 、感 謝 し て お り ま す 。
ありがとうございます、そ
してこれからもよろしくお
願いいたします。
若者の働き方意識に関する調査
〜ニューヨークにてインターン同士の会話から〜
アジア、特に東アジアの団体は「声が小さい」?
「 私 た ち の 国 に は 、 緊 急 を 要 す る ジ ェ ン ダ ー 問 題 が な い か ら だ ろ う か 。」
「 危 機 感 が 無 い か ら 声 が 大 き く な ら な い の だ ろ う か 。」
「他の国に比べて、日本人の若者はジェンダー問題に対する関心が
薄 い よ う に 感 じ る 。」
日本にジェンダー問題が存在しないのではなく、問題を問題として提起することに
対 す る 抵 抗 を 感 じ る 人 、現 状 を「 仕 方 が な い こ と 」
「 変 え ら れ な い こ と 」と 思 っ て い
る人が多いことが表面上の関心の薄さに繋がっているのではないか?
ある日の食卓で、このような会話になりました。
ジェンダー問題に対して表立った発言をしていない、私たちの友人知人、そして日
本中の同世代は実際のところどう思っているのだろうか。
今 後 の BPW と し て の 活 動 の た め に も 、 突 然 湧 い て 出 た 私 た ち の 疑 問 の た め に も 、
帰国後に簡単なアンケート調査を実施することで話がまとまりました。
アンケート調査は家田菜穂子と林乙羽が担当しました。
安倍 政権 が目 玉の 一つ とし て掲 げて いま す 「 女性 が輝 く社 会を 目指 す」 とい う
政策 は、 女性 の働 き方 、生 き方 にス ポッ トを 当て てい ます 。一 方で 「家 事・ 育
児だ けで 精一 杯頑 張っ てい るの に、 もっ とバ リバ リ働 けだ なん て、 女性 に負 荷
をか けす ぎじ ゃな い? 」と いう 意見 も聞 かれ ます 。そ して この 政策 は、 女性 だ
けの 問題 では あり ませ ん。男性 の育 児休 暇 取 得率 の向 上も 必要 とさ れて いま す。
今回 私た ちは 「若 い世 代は 、実 際ど う思 って いる の? 」と いう 疑問 から 、ア ン
ケー ト調 査を 始め るこ とに しま した 。こ れか ら、 若い 世代 が「 働き 方」 につ い
て何 を求 めて いる のか を明 らか にし 、真 に必 要な 変化 を若 手と して 提案 して い
きた いと 考え てい ます 。 今 回は 簡単 な報 告と して 、ア ンケ ート 結果 の一 部を ご
紹介 しま す。
【調 査目 的】
若い 世代 がこ れか らの 「働 き方 」に つい て何 を求 めて いる のか を明 らか にし 、
日本 のジ ェン ダー ギャ ップ を埋 める ため に真 に必 要な 変化 を提 案す るこ と。
【調 査機 関】
BPW Japan ヤング 委 員会 ・ CSWプロ ジェ クト
【調 査対 象】
20代〜30代を 中心 とす る若 い世 代の 男女 100人
【調 査方 法】
イン ター ネッ ト上 のア ンケ ート 作成 サイ トを 用い、Facebookなど の ソー シ ャ ル ・
ネッ トワ ーキ ング ・サ イト を通 じて 回答 を募 る。
【調 査期 間】
2014 年 11 月 6 日〜2014 年 11 月 16 日
【回答者の
概要 】
女性への質問:妊 娠や出 産をきっかけに、(産休・育休ではなく)退職しようと思います
か? 男 性への質問:パートナー(妻)が妊娠や出産をしたら、退職してほしいです か?
20 代 以 下
1. とても当 てはまる
30 代
40 代 以 上
5.1%
11.4%
7.4%
2. どちらかと言 えば当 てはまる
15.3%
5.7%
11.7%
3. どちらかと言 えば当 てはまらない
32.2%
34.3%
28.7%
4. 全 く当 てはまらない
45.8%
45.7%
40.4%
1.7%
2.9%
11.7%
5. 既 に退 職 した
女性
男性
11.1%
0.0%
9.6%
15.8%
3. どちらかと言えば当てはまらない
29.6%
35.1%
4. 全く当てはまらない
43.0%
42.1%
6.7%
7.0%
1. とても当てはまる
2. どちらかと言えば当てはまる
5. 既に退職した
女 性 への質 問 :自 分 のキャリアについて、将 来 の目 標 としている立 場 は以 下 のどれですか。
(既 に退 職 された方 は、当 初 の希 望 を答 えてください。)男 性 への質 問 :あなたのパートナー
(妻 )に、将 来 、どのような立 場 で仕 事 をして欲 しいですか。
20 代 以 下
30 代
40 代 以 上
1. 課長 職などの管理職
23.5%
10.3%
25.0%
2. 部長 職などの上級管 理職
19.6%
37.9%
12.5%
3. 組織のトップ
29.4%
20.7%
34.7%
27.5%
31.0%
27.8%
4. 責任のある管理 職等 には就きたくな
い/就いてほしくない
女性
男性
1. 課長 職などの管理職
22.2%
18.9%
2. 部長 職などの上級管 理職
20.5%
16.2%
3. 組織のトップ
30.8%
27.0%
26.5%
37.8%
4. 責任のある管理 職等 には就きたく
ない/就いてほしくない
女 性 への質 問 :可 能 ならば、パートナー(夫 )に育 児 休 暇 を取 って欲 しいですか。
男 性 への質 問 :可 能 ならば、育 児 休 暇 を取 ってみたいですか。
20 代 以 下
30 代
40 代 以 上
1. とても当てはまる
30.5%
27.8%
34.0%
2. どちらかと言 えば当 てはまる
44.1%
47.2%
31.9%
3. どちらかと言 えば当 てはまらない
18.6%
8.3%
22.3%
4. 全く当てはまらない
6.8%
13.9%
11.7%
5. 既に取得したことがある
0.0%
2.8%
0.0%
女性
男性
1. とても当てはまる
30.6%
31.0%
2. どちらかと言えば当てはまる
39.6%
37.9%
3. どちらかと言えば当てはまらない
19.4%
15.5%
4. 全く当てはまらない
10.4%
13.8%
0.0%
1.7%
5. 既に取得したことがある
【 上 記 の 設 問 に 対 す る 回 答 者 か ら の コ メ ン ト ( 一 部 抜 粋 )】

女性 と男 性が 対等 にな るこ とで 、女性 の出 世 や政 治参 加が 出来 てい ると 考え
る傾 向が 強い と感 じる 。これ は男 性を 基準 と して 女性 の立 場の 確立 をし よう
とい う考 えだ から なの だろ うが 、この 考え 方 自体 がま ずジ ェン ダー ギャ ップ 、
差別 を生 んで いる と私 は思 う。( 20 代 女性 )

日本 は、女性 の 仕事 育 児だ けで なく 、精神 障 害や セク シャ ルマ イノ リテ ィに
対す る格 差が とて も大 きい 。誰 もが 社 会で 活 躍で き、生き る 幸せ を 実感 でき
る日 本に なっ てほ しい 。( 40 歳以 上女 性)

非合 理的 ジェ ンダ ーギ ャッ プを 特定 し ,そ れ は縮 める べき 。原理 主 義的 無差
別化 は正 しく ない 。(30 代男 性)

ジェ ンダ ーギ ャッ プを 縮め るた めに あり とあ らゆ る方 策を 採る べき だ 。政 策 、
法律 、商 習慣 、等 々 。( 40 代 以上 男性 )
【ま とめ と所 感】
女性の社会進出に欠かすことのできない、男性の家事・育児・介護への参加
については、全ての世代で多くの人が「男性の同僚の育児休暇取得に協力でき
る」と答えました。世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数の結果
についても、多くの人が「ギャップを縮めるために男女がともに頑張るべき」
と考 えて いま した 。一 方で 、世代 間で 比べ る と、「 もと もと 男女 は 異な るの でギ
ャッ プを 縮め る必 要は ない 」と 答え た人 が 30 代で最 も多 い結 果と なり まし た 。
30 代は 出産 や育 児を 既に 経験 して おり 、ま た 20 代 に比 べ て職 場 で果 たす 責任 も
大きくなり、現状では家庭と仕事の両立は難しい、と考えている人が多い世代
なの かも しれ ませ ん。 女性 の上 司に 対し て「 尊敬 して いる 」「 憧れ てい る」と い
う ポ ジ テ ィ ブ な 捉 え 方 を し て い る 人 が 多 い 反 面 、「 変 わ っ て い る 」「 あ ん な 風 に
なりたくない」とネガティブな回答をする人は、女性よりも男性に多い傾向が
ありました。この結果から、やはり少しでも多くの女性が昇進し、社会的責任
のあるポジションに就くことで、ロールモデルを増やす必要があると感じまし
た。
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数に関する質問に対しては、前
項で 紹介 した 他に も様 々な 意見 をい ただ きま した 。「ジ ェン ダー ギ ャッ プを 縮め
る必 要は ない 」とい う 意見 、また 、「世 界経 済フ ォー ラム によ るジ ェン ダー ギャ
ップ 指数 は基 準が おか しい ので はな いか( 正 しく ない 、根拠 がな い 等)」とい う
意見もありました。このような、ジェンダー格差を縮めることに対する否定的
な意見を見て、日本ではまだまだ「ジェンダー格差」という言葉そのものが理
解さ れて いな いの では ない かと 感じ まし た。
私たちヤングメンバーは、日本のジェンダー格差は少しでも早く解決すべき
問題であると考えています。一方で、私たちが求めているものを「女性の権利
の 獲 得 」「 フ ェ ミ ニ ズ ム feminism」 と い う 言 葉 で 表 現 す る の は 、 あ ま り ふ さ わ
しく な く、 む しろ 「男 女が と もに 自 己実 現で きる 社 会」「 Equalitarian(強 いて
訳す なら ば「平 等主 義 者」で しょ うか )」と 表現 する 方が ふさ わし いよ うに 感じ
てい ます 。( …もっ と 突き 詰め れば 、 equality(平等 )で は なく equity(公 平 )
という言葉を使うべきであると考えていますが、この議論はぜひ、興味を持っ
てこ こま で読 んで くだ さっ た皆 様と 直接 お話 した いと 思い ます 。)
今後は、既存の「男女平等」という言葉にとらわれず、ジェンダー格差の解
決は「男女がともに、より多くの幸せを求めることができる社会」の実現につ
ながる、という考え方をもとに、若い世代に興味を持ってもらえる活動を続け
てい きた いと 考え てい ます 。
Life in New York ~ 理想と現実
私 達 イ ン タ ー ン が 、 CSW58 の イ ベ ン ト 等 に 参 加 し て い な い 間 の 生 活 に つ い て 、 そ
して渡米前の計画・予定と現実を併せて少しご紹介いたします。
国連本部ビル
*渡米前*
私達 5 人が顔を合わせることは残念ながら一度も
無 く 、事 前 に CSW 説 明 会 で 顔 合 わ せ が 出 来 た の は
大濱、小林と私の 3 名だけでした。全員が自由奔
放な性格だったためか、先輩方からメールで言わ
れるまでフライトや宿泊場所の相談をする事はあ
り ま せ ん で し た ( 苦 笑 )。
事前に顔見知りだった大濱と林以外、フライトは
各々で手配。宿泊場所だけはメールのやり取りで
国 連 本 部
何 と か 同 じ と こ ろ に …予 約 は 別 し た が ( 笑 )
ビル
*宿泊場所*
当 初 は 、前 年 イ ン タ ー ン の 方 々 が 宿 泊 さ れ た Pod39 と い う ユ ー ス ホ ス テ ル に 滞 在 予
定でした。ところが、値段を見てビックリ!
「 こ れ で は 私 達 の 予 算 で ま と も な 食 事 は 無 理 だ …」
何と全員が食欲旺盛で、あわよくば食の観光もした
いと思っていた事が判明しました。相談の結果、少
し で も 食 費 に 割 く お 金 を 浮 か せ る た め 、よ り 安 い 場
所を探す事に。
こ う し て 見 つ か っ た の が Vanderbilt YMCA で し た 。
国 連 本 部 の 入 口 と 同 じ 47th Street に 建 っ て い て 、
その為かセキュリティーも厳しい。ツインの部屋は
全て二段ベッドでかろうじて二畳あるかどうかのサ
イズ。バスルームとシャワールームは、各エリアに
ある男女別の場所を使う。最低限に寝泊まりさえで
大濱・林の部屋
きれば良かった私達には完璧な場所でした。
他 国 か ら CSW に 参 加 し て い る NGO の 方 々 も 多 数 宿 泊 し て い た の で す が 、 大 濱 ・
林のシェアしていた部屋ではヒーターの不調に悩まされました。しかも二段ベッド
の 上 段 に は 柵 が つ い て い な か っ た の で 、滞 在 中 の 2 週 間 、私 は 毎 晩 落 ち か け て 夜 中
に 目 を 覚 ま す と い う 貴 重 な 体 験 を し ま し た ( 笑 )。
*観光*
ほ ぼ 全 員 が 初 ・ NY だ っ た た め 、 ミ
ーハーな私達はぜひ訪れてみたい場
所のチェックを各々怠りませんでし
た。全員が行きたいと思った場所が
ひとつも無かったため、観光はバラ
バ ラ 、 も し く は 2〜 3 名 に 別 れ て の
行動に!
デ ジ カ メ で 極 限 ま で ズ ー ム し て 、自
由の女神像観光
私 個 人 は 、セ ン ト ラ ル パ ー ク の 散 歩 、
世 界 貿 易 セ ン タ ー 跡 、 NY 在 住 の 大 学 時 代 の 友 人 と な る べ く 会 う こ と 、 そ し て 美 術
館・博物館巡りが観光目的だったため、ほぼ単独行動になりました。
自由の女神象までのフェリーは再開通したばかりで 3 ヶ月先まで予約いっぱい、
Empire State Building は 予 想 以 上 の 高 額 で 上 れ な い 、 映 画 に 出 て く る ス ケ ー ト リ
ンクまで行ったものの終了時間間際で入れてもらえないなど、 5 人での観光はこと
ご と く 災 難 に 見 舞 わ れ ま し た ( 苦 笑 )。
NY 証 券 取 引 所
→
地下鉄
←
*食事*
さて、宿泊場所の質を落とせるだけ落とすのが
わ け な い ぐ ら い 重 要 だ っ た 食 事 で す ( 笑 )。
NY で 私 達 が 初 め て 出 く わ し た 食 事 処 は 2 つ 程 。
ちょこちょこと見かけるメキシカンのお店、そ
し て Eatery と い う 食 堂 ・ カ フ ェ ・ コ ン ビ ニ と
インターネットカフェが1つになったようなお
店です。
宿泊所のキッチンが借りている部屋から少し遠いこ
と も あ り 、 も の ぐ さ な 私 は こ の Eatery と い う 物 珍
しい食堂をよく利用していました。食堂の食事はビ
ュッフェ・スタイルで、お店によって中華やインド
系のアジア料理だけだったり、サラダが何種類も置
いてあってパスタだけでなく洋風の肉料理などもあ
ってメニューが豊富だったりと様々でした。中には
目の前でシェフが作ってくれる料理もあったりと、
と て も 楽 し か っ た で す 。Eatery は 料 理 の 種 類 で は な
く、全部まとめて量り売りですので、カフェやレス
トランで食事をするよりも断然安上がりで大変助か
り ま し た 。$15 も あ れ ば か な り ま と も な 食 事 に な り 、
ジュースやコーヒーを買う余裕もあ ったのが嬉しい!
楽 し み に し て い た 食 の 観 光 で す が 、 NY に 行 っ た ら 食 べ ね ば な ら な い モ ノ と い う の
は 意 外 と 多 く て 制 覇 に は な り ま せ ん で し た 。 ホ ッ ト ド ッ グ 、 ド ラ マ 『 Sex and the
City』 に 出 て く る Magnolia Bakery の カ ッ プ ケ ー キ 、 セ ン ト ラ ル 駅 地 下 の 有 名 な
Oyster Bar、 ベ ー グ ル 、『 朝 食 の 女 王 』 と 呼 ば れ て い る レ ス ト ラ ン Sarabeth’s の パ
ンケーキ、本場により近いメキシカンフードなど、食したいものの系統も値段もバ
ラバラでした。
個人的に食べたかったけれど食べられな
かったものはベーグルでしたが、前述し
たそれ以外のものは食べる事ができて幸
せでした!
朝 食 は ス ー パ ー や Eatery で 買 っ た 菓 子 パ ン や フ ル ー ツ 、 ま た は ス タ ー バ ッ ク ス で
コーヒーと一緒に買ったパンなどで済ませる事がほとんど。その日参加したいイベ
ン ト の タ イ ミ ン グ に よ っ て は 、昼 に Eatery に 行 っ た り 昼 抜 き だ っ た り し ま し た が 、
夜は誰かしらと食事に行く事が多かったです。
↓デッカーいアイスクリーム発見
*その他*
私達が滞在、そして活動していたマンハッタン島は路が全て碁盤の目のようにまっ
す ぐ で き て い ま す 。 通 り の 名 前 も 数 字 が ふ っ て あ っ て ( 47 th street や 5 th avenue
な ど )、英 語 が で き な く と も 、極 度 の 方 向 音 痴 で も 必 ず 目 的 地 に た ど り 着 く 事 が で き
ます。おしゃれショッピングのエリアである5番
街以外は、歩道も車道もデコボコとしていて、特
にセントラル駅周辺がひどく歩きにくいのにはビ
ックリしました。住宅街とオフィス街、観光エリ
アの全てが凝縮されたようなこの島で、特に目に
ついたのがマッサージのお店でした。ガラス張り
で中が見えるのですが、マッサージやマニキュ
ア・ペディキュアなどのサービスが受けられるお
店で、アメリカ映画でちょっと息抜きに行ったり
する場面を見かけるところです。因にこれを見て
感動していたのはインターンの中でも私だけです。
総 合 的 に 見 て 、お 上 り さ ん で も 外 国 人 観 光 客 で も 満 足 な 滞 在 が で き る い い 場 所 だ な 、
と 思 い ま し た 。 安 全 …と は 言 い 切 れ な い か と 思 わ れ ま す が 、 ど こ の 国 で も 都 会 で 最
低限気をつける事さえ守っていれば何のトラブルに巻き込まれる事もない。アメリ
カは危ないと思っていたのが覆され、とても楽しい滞在となりました!
第58回国 連女性の 地 位委員会 (UN 58CSW)報告
日本BPW 連合会企 画委員長
平松昌子
第 58 回 国 連 女 性 の 地 位 委 員 会( 58 CSW)は 、3 月 10 日 か ら 21 日 ま で 2 週 間 の 日
程 で 開 催 さ れ た 。 ニ ュ ー ヨ ー ク に 集 ま っ た 女 性 の 数 は 約 5000 人 と も 言 わ れ る 。 日
本からの参加者は把握されているだけでも40名以上、その中にはインターンも含
む 日 本 BPW 連 合 会 の 15 人 も 加 わ っ て い る 。
第 58 回 女 性 の 地 位 委 員 会 で の 議 論 と 成 果 :
◆CSW で の テ ー マ:、通 常 は「 北 京 行 動 綱 領 か ら 特 定 の 項 目 を 取 り 上 げ 、そ の 実 施
状 況 を 検 討 し て 、実 施 の た め の 方 法 を 盛 り 込 ん だ「 合 意 結 論 」
( Agreed Conclusion)
を 採 択 す る の だ が 、 今 年 は 、「 来 年 を 達 成 期 限 と す る MDGs」 の 成 果 と 課 題 を 検 討
することが主要テーマとなった。
*MDGs(Millennium Development Goals)~ 2000 年 の ミ レ ニ ア ム サ ミ ッ ト で 採 択
さ れ た 。「 ① 貧 困 と 飢 餓 の 撲 滅 、 ② 初 等 教 育 の 普 及 ③ ジ ェ ン ダ ー 平 等 、 ④
乳幼児の死亡率削減、⑤妊産婦の健康保持、⑦エイズの防止、⑧環境と生
活 の 確 保 の 8 項 目 」 を 2015 年 ま で に 解 決 を 目 指 す 。
◆合意結論に関する議論は、今回の議長はクリスチーヌ・ロウさん(スイス)で、
議論方法は、意見の一致を見ない場合は、丁寧に意見の出し合いを待つというスタ
イ ル だ っ た 。 原 案 ( ゼ ロ ド ラ フ ト ) の 7 ペ ー ジ は 議 論 が 進 む と 34 ペ ー ジ に 増 殖 し
ていた。この間、議長は言語の解釈を一致させたいと半日をその討議に充てたこと
も あ る 。 そ の 言 葉 と は 「 family」 で 、 ジ ェ ン ダ ー 平 等 や 女 性 の エ ン パ ワ ー メ ン ト も
family の 理 解 が 重 要 だ と い う 認 識 に よ る 。
◆ 注 目 し て お き た い の は 、日 本 が「 自 然 災 害 と 女 性 の 役 割 」と い う 決 議 案 を 提 出 し 、
合 意 結 論 で も そ の 項 目 を 盛 り 込 む 作 戦 を と っ た **こ と で あ る 。
**・・・ さ ら に 、女性 が 、大 災 害 での 被 害削 減 、リ ハ ビ リや 再 建を 含む 災
害の 復 旧 に際 し て役 割 を果 た し てい る こと 、それ 以 上 に災 害 の防 止 、災
害発生時への準備、防災計画作成への関与、など女性が能力を発揮し、
協力 を 推 進す る こと の 必要 性 を 認め る もの で ある 。
最 終 日 、合 意 結 論 が 一 致 点 に 到 達 し た の は 日 付 が 変 わ っ た 22 日 午 前 1 時 だ っ た 。
◆ 日 本 初 の 決 議 案( Emerging Issue)提 出:日 本 は 今 回 決 議 案「 自 然 災 害 に お け る
ジェンダー平等と女性のエンパワーメント」を提出した。今回、提出された決議案
は4件。日本の決議案は80カ国を越す支持を得て採択された。
◆各国の代表演説:今回は151か国が発言を求めてエントリーした。発言教時間
は@5分だが、ほとんどの発言者はこれを無視した。日本は、2日目に石原外務政
務官が演説。
サイドイベ ントの実 施
CSW 会 期 中 に 本 会 議 と は 別 に 、5 0 0 件 前 後 の イ ベ ン ト が 展 開 さ れ る 。そ れ に は 大
き く 2 種 類 あ っ て 、① NGO が 独 自 に 企 画 し NGOCSW 委 員 会 に 申 し 込 ん で 、会 場
や時間の割り当てを受けるパラレルイベント。もう一つは② サイドイベントで、
NGO が 政 府 ま た は 国 連 機 関 と ジ ョ イ ン ト し て 実 施 す る も の で 、 国 連 本 部 内 の 施 設
が使用される。
日 本 の 立 場 を 世 界 に ア ピ ー ル す る た め に は 、 政 府 の NGO に よ る サ イ ド イ ベ ン ト が
好ましいと積極的に取り組んできた。テーマは「自然災害のリスク削減と女性のエ
ンパワーメント」で、被害を減らすには女性のエンパワーメントが不可欠であると
アピールした。
プ ロ グ ラ ム 災 害 に お け る 女 性 の 役 割 の 重 要 性 = 織 田 由 紀 子 ( JAWW)
・フ ィ リ ピ ン に お け る 大 災 害 報 告 = ジ ー ナ・デ ラ ク ル ス (貧 困 者 対 策 局 次 長 )
・ 災 害 時 の 心 の ケ ア の 重 要 性 = 久 宗 百 合 子 ( 日 本 YWCA)
・ 災 害 時 の 支 援 活 動 = 石 渡 幹 夫 ( JICA/WB)
・ 災害 チェ ック リス トの 普及 を目 指す =別 府充 彦内 閣府 ・審 議官
・ コー ディ ネー ター 平 松昌 子( 国 連 NGO 国内 婦人 委員 会)
会 場 の ハ マ ー シ ョ ル ド 講 堂 は 定 員 1 6 0 名 。 会 場 の 設 営 な ど で BPW の メ ン バ ー や
イ ン タ ー ン が 大 活 躍 し た こ と を 付 記 し た い 。 他 に 、 BPW 東 京 ク ラ ブ の 武 井 涼 子 さ
ん が( 女 性 た ち が 日 本 文 化 を 支 え た )と い う テ ー マ で パ ラ レ ル イ ベ ン ト を 実 施 し た 。
第1 1回イ ンターン 派遣事業報 告
ヤング委員長
村田美夏
国際委員長
花崎正子
1 . 派遣メンバ ーの選出
今回11回目となる派遣事業だが、毎年新学期のころに告知を開始し、
夏 休 み後 の 9 月 中 旬 で 応 募 を 締 め 切 る 。 応 募 に 際 し て 、 応 募 の 理 由 、
何を目指すかの目的を日本語・英語によるショート・エッセイとして
提出していただくが、今回の応募者は、長期・短期の差はあるがいず
れも海外生活の経験を持ち、英語能力だけではなく目的意識も明確で、
いずれも高ポイントを示した。
選考審査により6人をインターンとして内定したが、うち一人は就職
活動にぶつかるとの理由で辞退したいとの連絡があり以下の5名が決
定した。
家田菜穂子
名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程後期在学中
大濱
彩花
オーダーメイド・ライフデザイン代表
金村
はや
Goldsmiths University of London 大学院
小林
千紘
津田塾大学学芸学部国際関係学科3年
林
乙羽
English Japan 代表
2 . 出 発まで
選考を終了し結果の連絡を済ませたのちも、国連サイドあるいは、関
連 NGO の事業日程などが示されず、動き出すのは12月も半ばになっ
た。
最近は登録に際し、登録料を支払うための口座を記入する必要がある
な ど 、団 体 一 括 で は な く 各 自 で す る こ と が 基 本 に な っ て お り 、 順 次 、
参加者各位での手続きをお願いしていくことになる。 BPW としての説
明会は年明けになった。 CSW 開会前の日曜に設定される NGO 向け説明
会にはぜひ参加してほしいこと、そのためには土曜日中に NY に到着
してほしいこと。種博は、できれば全員が同一のホテルで、国連まで
徒歩圏内にあるところで調整することが望ましいなどのお願いをし
た。
3 . イ ンターンと BPW との情報交換
NY 入りして最初の ミ ー テ ィン グ は 、 土 曜 日 の 夕食 を と も に し な が ら 、
今後の活動などについて、情報を提供すると共に、それぞれ、初めて
の顔合わせの時間を過ごした。翌日の朝が早いことなどを確認して解
散したが、この方式はこのところの提携となっている。
この他、期間中、1度か2度は、日本 BPW の役員が宿泊するホテルで
夕食を持ち寄り、ミーティングをすることなども申し合わせた。
4 . このプロジ ェクトだ からできる こと
・日本政府代表部によるブリーフィングへの参加
・日本政府と NGO によるサイドイベントでのお手伝い
(聴取者とは違う体験も)
・BPW International のレセプションへの参加
(パーティデビュー?)
などがあり、夫々の参加をより実りあるものにするための説明も
5. 成果
ここだけで 終わらな いように、自分 たち もイベント を持とう !と熱意
が盛り上が ったよう だった。
そして、ア ンケート という一つ の活動が 果実を実ら せた。
編集後記
読 ん で 楽 し い 報 告 書 に し よ う と 写 真 を 多 め に し て み た の で す が 、全 て を ま と
める段階になると全ての位置がずれてしまって大変時間のかかる編集作業
となりました。
そのつもりで、ぜひ楽しんで読んでいただけると嬉しいです。
なお
こ の 報 告 書 の カ ラ ー 版 を 日 本 B P W の ホ ー ム ペ ー ジ( 下 記 )に UP し
ています。こちらもどうぞご覧ください。
URL http://www.bpw-japan.jp/
林
乙羽
特 定 非 営 利 活 動 法 人 日 本 BPW 連合会
― ― ― ―― ― ― ― ― ― ― ― ― ―― ― ― ― ― ― ― ― ― ―― ― ―
〒 151-0052
東 京 都 渋 谷 区 代 々 木 2-21-11
TEL 03-5304-7874
婦 選 会 館 ビ ル 303
FAX 03-5304-7876
E-mail [email protected]
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