Oracleデータベースを使った VB.NETによるWebアプリケーション新連載 Oracle + .NET 株式会社サンブリッジテクノロジーズプロジェクトマネージャ一志達也 ICHISHI, Tatsuya http://www.sunbridg-tech.com/ 1 現在のアプリケーションから .NETの可能性を考察する回に興味を持っている方々に対して、 Technology Tools ご挨拶 Visual Basic .NET “.NET の本質を正しく理解する” という目標を掲げるのは釈迦に説 Visual C# .NET この連載ではオラクル製品につ法のような気がします。とはいうもいて取り上げてゆきます。もちろんのの、そう長い時間は取らせませ Access 2002 dotNETマガジンですから、オラクんから、私なりの解釈を語らせて ASP.NET ル製品のことだけを解説するのはもらうことにします。 Internet Information Services いささか筋違いでしょう。そこで、 Other: Visual Basic .NET（以下VB.NET）目標とOracleデータベース（以下Ora 2 SQL Server 2000 Oracle 9i Level ★ ★ ★ ★ ★ Samples OracleとVB.NETの連携手法を理解する cle）を連携させたアプリケーショ 2番目は当然ながら、VB.NETとン開発について解説してゆきます。 Oracleの連携を理解することです。しかし、単にVB.NETとOracle “ただ単に接続してデータを操作しを連携させるだけなら、他にもたくましょう”という連載にするつもりさんの情報源があります。それでははありませんが、この点をはずして面白くないので、この連載では次書くことはできません。VB.NETとの3つの目標を定め、その目標を達 Oracleを連携させるためのミドル成します。ウェアについては、別途比較検討する回を設ける予定ですが、主に ✽ 3つの目標目標 1 .NETの本質を正しく理解する利用するミドルウェアはODP.NET （Oracle Data Provider for .NET）と心に決めています。 .NETを使っているもしくは使おうとしている方、少なくとも.NET dotNET Magazine 2003 Dec. 135 + 第い Oracle .NET 3 誓つの Oracleデータベースを使った VB.NETによるWebアプリケーション Oracle + .NET 3 誓つのい目標 3 Webサービスを活用したアプリケーション開発を理解する .NETが普及しないワケ最後の目標ですが、この目標を掲げていることこそが、この連載の特色と考えています。これが何を意味するかそれでは、今回は1番目の目標とした「.NETの本質」は、ピンとくる方もいればそうでない方もいらっしゃるを理解していただくとともに、3 番目の目標であるでしょう。現段階ではそれで構いません、というよりも、「Webサービスの概要」について理解していただこうとそうでなければ困ってしまいます。思います。そのためのきっかけとして、.NETの普及が進いずれにしても、この部分は.NETの真骨頂でもあり、まない原因を考えてみることから始めましょう。私の考える（というより世間でも騒がれている）次世代このように書くと、「.NETは十分普及しているのではシステムの根幹をなす部分となります。今回は概要を紹ないか」という方もいらっしゃるでしょう。とくに本誌介しますが、詳しいことは連載の後半で、.NETとOracle を定期的に購読しているような方は、自分の周囲では十の連携を理解していただいたうえで紹介することにしま分普及していると思われるかもしれません。しかし、す。大々的な宣伝と各種メディアでの解説、そして発売からずいぶん時間が経っているにもかかわらず、.NETは普 lu m n Oracle .NET 及しているとは言い難い状況にあるように思います。 Co + .NETってなんだ？ .NETって、 “ユビキタス”に負けず劣らず、その意味を連かしてくれませんが、想しがたい名前ですよね。なんでそんな名前にしちゃったのフレームワークはアプリケーションのひな形として即戦力にだろう、といまさら考えるのはやめにして、.NET とは何かなってくれるを考えてみましょう。といったところです。これは、今後の本稿で.NET を学習し「 “.NETとは何か？”そんなことを考えるから、使う気がなくなるのです」と言ってしまってはおしまいですから、少しだけこのテーマについて考えてみるとしましょう。てゆく中で納得していただけるはずです。 .NETとは、従来のVBに比べて充実した関数の化け物（フレームワーク）を意味し、VB.NETに限らずC#やASP.NET 冗談抜きで、実は.NET とは何かを完全に把握するのは、などと共通で利用できる開発基盤であると考えてください相当に困難なことです。（複数の言語で共通のものが使えるのが.NETの売りだそうでしかし、難しい理屈や、使わないことを知る必要はあります）。このフレームワークを呼び出す命令こそ、従来のVBとせん。多くの人にとって、.NET とは「フレームワークであ違ってくる部分ですが、基本的な構文などはほぼ同じでる」と考えれば十分です。フレームワークとは、わかりやすす。.NET はよくわからんとか、難しそうとは言わず、まずく言ってしまうと、「関数の集合体」です（図A）。VBでいえは一度試していただきたいと思います。ば、「Len」とか「Split」とか、っていうアレです。では、フレームワークと関数の違う点はどこでしょう。単に図A：.NETと以前のVB VB6.0以前 VBアプリケーションインプットに対してアウトプットを計算して返すのが関数で、計算という枠を超えた「処理」を行なってくれる関数がフレームワークです。ちょっとややこしい表現ですね。関数は計算し 136 dotNET Magazine 2003 Dec. .NET 実行エンジン。 VBのバージョンごとに存在 .NETアプリケーション（VB.NET/C#など） Visual Basicランタイムフレームワーク（.NET Framework） Windows（OS） Windows（OS） PC（ハードウェア） PC（ハードウェア）実行エンジンと関数群