Shakkyoka of the Late Medieval Imperial Waka Anthologies(Hirano Tae) Waka Workshop at Yale University 3/1/2013 1 釈教歌の3分類 (山田昭全による) ① 法文歌…経典類から句を抜いて歌題とし、その句の意味、趣旨等を詠じた歌。ときには品全体、 経典そのものの趣旨を詠むこともある。「経旨歌」とも呼ばれる。 五百弟子品の心を 僧都源信 玉かけし衣の裏を返してぞおろかなりける心をば知る(新古今集・釈教・1971) ※衣裏宝珠の比喩 ② 仏事講会に取材した歌…法華八講などの講会に出席して詠んだ歌、あるいは追善供養・堂供養 ・埋経・葬送などに参加して詠んだ歌など。 菩提といふ寺に結縁の講し侍りける時、聴聞に詣でたりけるを、人のもとより、 とく帰りねと言ひたりければ、つかはしける 清少納言 もとめてもかかる蓮の露をおきて憂き世に又は帰るものかは(千載集・釈教・1206) ③ その他仏教的述懐・詠嘆の歌…「観音を拝んで」「高野に参詣して」「無常を歎じて」「諸法 の空なるを想ひて」のような詞書を持つもの。哀傷・述懐・雑の歌と区別しがたいことも多い。 高野に参りてよみ侍りける 寂蓮法師 暁を高野の山に待つほどや苔の下にも有明の月(千載集・釈教・1236) ▼山田昭全「釈教歌の成立と展開」(『仏教文学講座 第四巻』勉誠社、1995) *参考 その他の分類 ▼2分類:関口宗念 1952、塚田晃信 1981、檜垣孝 1990 など ① 体験的な歌 ② 題詠的な歌……品名題(品の名称を題とする)/経文句題(経典の一部を題とする) ▼4分類:岡崎知子 1963 ① 経旨歌 ② 教理歌 ③ 法縁歌 ④ 述懐 ▼10分類:石原清志 1980 ①釈迦・諸仏・諸菩薩を詠んだ歌。②仏教経典を詠んだ歌。③仏教教義を詠んだ歌。④仏教行事を詠んだ 歌。⑤仏教体験(信仰体験)を詠んだ歌。⑥僧尼等を詠んだ歌。⑦寺院伽藍等を詠んだ歌。⑧仏教的自然 観照の歌。⑨仏教的心情に関連する歌。⑩自然景象の中で仏教的寓意を詠んだ歌。 1 2 代 勅撰集釈教部における法文歌割合一覧 歌集名 成立 下命者 撰者 総歌数 釈教歌数 法文歌 割合 (法華経) 4 後拾遺 1086 白河天皇 藤原通俊 1218 19 8(5) 42.1(26.3) 7 千載 1188 後白河院 藤原俊成 1288 54 35(17) 64.8(31.5) 8 新古今 1205 後鳥羽院 藤原定家他 1978 63 37(15) 58.7(23.8) 9 新勅撰 1235 後堀河天皇 藤原定家他 1374 56 33(17) 58.9(30.3) 10 続後撰 1251 後嵯峨院 藤原為家他 1377 52 28(13) 53.8(25.0) 11 続古今 1265 後嵯峨院 藤原為家他 1915 73 39(20) 53.4(27.4) 12 続拾遺 1278 亀山院 藤原為氏 1459 66 42(18) 63.6(27.3) 二条為世 1607 106 47(21) 50.9(19.8) 京極為兼 2800 110 53(30) 48.2(27.3) 二条為世 2413 106 47(21) 44.3(19.8) 二条為定他 1353 42 19(11) 45.2(26.2) 光厳院 2211 63 34(17) 54.0(27.0) 二条為定他 2365 118 41(12) 34.7(10.1) 足利義詮執奏 二条為明 1920 78 33(17) 42.3(21.8) 後光厳天皇 頓阿 足利義満執奏 二条為遠 1554 35 18(9) 51.4(25.7) 後円融天皇 二条良基他 足利義教執奏 飛鳥井雅縁 2144 66 26(18) 39.4(27.3) 1107 547(261) 49.4(23.6) (大覚寺統) 13 新後撰 1303 後宇多院 (大覚寺統) 14 玉 葉 1312 伏見院 (持明院統) 15 続千載 1320 後宇多院 (大覚寺統) 16 続後拾遺 1326 後醍醐天皇 (大覚寺統) 17 風 雅 1349 花園院 (持明院統) 18 新千載 1359 足利尊氏執奏 後光厳天皇 (持明院統) 19 20 21 新拾遺 新後拾遺 新続古今 1364 1384 1439 後花園天皇 計 *山田昭全「釈教歌の成立と展開」(『仏教文学講座 第四巻』勉誠社、1995)所収の一覧に、成立年、下命者、 撰者、総歌数を加えた。 2 3 万葉集 まき むく みなあは わ れ 巻向の山辺とよみて行く水の水沫のごとし世の人吾等は(巻七・柿本人麻呂・1269) ※仏教の無常観と維摩経十喩の影響が指摘されている 世の中は空しきものとあらむとそこの照る月は満ち欠けしける(巻三・442) ※「この照る月は満ち欠けしける」は『仏説罪業応報教化地獄経』の偈「水流不常満 日出須臾没 月満已復欠 尊栄貴者 無常復過是 念当勤精進 火盛不久然 頂礼無上尊」に依拠。 仏前の唱歌一首 時雨の雨 間なくな降りそ 紅に にほへる山の 散らまくをしも 右、冬十月、皇后宮の維摩講に、終日に大唐高麗等の種種の音楽を供養し、爾して乃ち此の 歌詞を唱ふ。(後略)(巻第八・秋雑歌・1594) ※光明皇后主催の維摩会の際に詠まれたものだが、歌の内容は仏教とは直接関連しない 4 拾遺集・哀傷 ※法文歌の登場 性空上人のもとに、よみてつかはしける 雅致女式部(和泉式部) 1342 暗きより暗き道にぞ入りぬべき遥に照せ山の端の月 ※『法華経』化城喩品「従冥入於冥、永不聞仏名」 市門に書きつけて侍りける 空也上人 1344 ひとたびも南無阿弥陀仏といふ人の蓮の上にのぼらぬはなし 大僧正行基よみたまひける 1346 法華経を我が得し事はたき木こり菜つみ水汲みつかへてぞ得し ※出典 『法華経』提婆達多品「採果汲水拾薪没食」、法華八講の場で唱えられた(『三国伝記』中巻) 5 後拾遺集・雑六 ※釈教の小部立が成立 月輪観をよめる 1188 僧都覚超 月の輪に心をかけし夕べよりよろづのことを夢と見るかな 三界唯一心 1191 散る花を惜しまばとまれ世の中は心のほかの物とやは聞く ※華厳経の経句を題とする、句題和歌形式の法文歌 化城喩品 1192 赤染衛門 こしらへて仮の宿りにやすめずはまことの道をいかで知らまし ※法華経二十八品和歌の一 3 6 金葉集二度本・雑部下 ※撰者「源俊頼」の浄土信仰、釈教歌と仏教絵画 地獄絵に剣の枝に人の貫かれたるを見てよめる 644 和泉式部 あさましや剣の枝のたわむまでこは何の身のなれるなるらん ※『往生要集』第一・地獄・衆合地獄、「身」と「実」の掛詞 かた 屏風絵に天王寺西門に法師の舟に乗りて西ざまに漕ぎ離れいく形 かきたる所をよめる あ 647 み だ 源俊頼朝臣 ぶ 阿弥陀仏と唱ふる声を梶にてや苦しき海を漕ぎ離るらん ※屏風歌としての釈教歌、天王寺西門信仰 7 散木奇歌集・悲歎部・釈教 心乱らずして頼みをかくれば、かならず極楽には生るといへる 事をよめる 902 その国を忍ぶもぢずりとにかくに願ふ心の乱れずもがな ※本歌「陸奥のしのぶもぢずり誰ゆゑに乱れれむと思ふ我ならなくに」(古今集・恋四・源融・724) 阿弥陀仏の御光あまねく照らして、もろもろの仏の御国を照らすといへる事を 921 いづくにも有明の月はさやけきにいとどあさひの影やそふらん 8 久安百首 ※名数和歌の流行、釈教歌の対象拡大 ●藤原清輔の釈教五首…五部大乗経(華厳経・大集経・大品般若経・法華経・涅槃経)の経典名を 釈教五首の題とする。 華厳 987 世中は千種の花の色色も心の根よりなるとこそ聞け 大集経 988 いたづらにはかなき道に入りにけり返す返すも今日ぞくやしき 大品経 989 何事もむなしき夢と聞くものを覚めぬ心に歎きつるかな 法華 990 二つなき御法の船ぞたのもしき人をもさらでわたすと思へば 涅槃経 991 うづもれてくまなき玉はあるものを塵を払はで願ふはかなさ ●小大進の釈教五首…密教の五大明王を題とする。 金剛夜叉 1385 いづかたも心にかなふ薬あらば西をぞつひのすみかにはせむ 軍荼利 4 1386 日の光照さばなどか暗からんかく闇ふかき罪の身なりと 降三世 1387 もろ人の三世の罪をし砕かずは菩提の種に何を植ゑまし 大威徳 1388 誓ひありて仏の法も君が代も久しく守る姿とぞなる 不動 1389 9 立ちさらぬ誓ひたのめばおのづから華のうてなにのぼらざらめや 千載集・釈教 ※釈教歌の題材となる経典や仏教用語の拡大、 百首歌の中に法文の歌に、普賢願の唯此願王不相捨離といへる心を 式子内親王 1222 ふるさとをひとり別るる夕べにも送るは月のかげとこそ聞け ※出典「華厳経普賢行願品」における愚弁菩薩の「普皆廻向」の願、詞書がなければ離別歌 百首歌よませ侍りける時、法文の歌に、五智如来をよみ侍りけるに、 平等性智の心をよみ侍りける 1223 摂政前右大臣(九条兼実) まど 人ごとに変はるは夢の迷ひにて覚むれば同じ心なりけり さ ら 山階寺の涅槃会の暮れ方に、遮羅入滅の昔を思ひてよみ侍りける 恵章法師 1249 望月の雲かくれけんいにしへのあはれを今日の空に知るかな 火盛久不燃といへる心をよめる 1251 寂然法師 煙だにしばしたなびけ鳥辺山たち分かれにし形見とも見ん ※出典『罪業応報経』「水流不常満、火盛不久燃、日出須臾没、月満已復欠、尊栄豪貴者、無常復過是」、 『法門百首』「無常 」、哀傷歌の趣 天王寺に参りて、遺身舎利を礼してよみ侍りける 1254 天台座主明雲 常ならぬためしは夜半の煙にて消えぬ名残を見るぞかなしき ※天王寺参詣と釈迦信仰 10 新古今集・釈教 ※釈教部の冒頭に託宣歌、僧侶歌人の釈教歌 1916 なほ頼めしめぢが原のさせも草わが世の中にあらむかぎりは 1917 なにか思ふなにとか嘆く世の中はただ朝顔の花の上の露 この二歌は清水観音御歌となん言ひ伝へたる ※『袋草紙』所収、託宣歌を冒頭に配列。 述懐の歌の中に 1931 前大僧正慈円 願はくはしばし闇路にやすらひてかかげやせまし法のともし火 5 ※『慈鎮和尚自歌合』所収 1932 説く御法きくの白露夜はおきてつとめて消えんことをしぞ思ふ ※『慈鎮和尚自歌合』『拾玉集』所収 掛詞「きく」―「菊・聴く」、「おきて(置きて・起きて)、「つとめて」(早朝・勤めて) 本歌「音にのみきくの白露夜はおきて昼は思ひにあへず消ぬべし」(古今・恋一・素性法師) 摂政太政大臣家百首歌に、十楽の心をよみ侍りけるに、 聖衆来迎楽 1937 寂蓮法師 紫の雲路に誘ふ琴の音にうき世をはらふ嶺の松風 ※釈教歌における名数和歌の定着、叙景歌と釈教歌の融合、幻想美 人々勧めて法文百首歌よみ侍りけるに、 二乗但空、智如蛍火 1951 寂然法師 道のべの蛍ばかりをしるべにてひとりぞ出づる夕闇の空 ※出典『摩訶止観』、『法門百首』所収 十戒の歌よみ侍りけるに、不殺生戒 1961 わたつ海の深きに沈むいさりせで保つかひある法を求めよ ※名数和歌、書陵部本『唯心房集』所収 観心をよみ侍りける 1978 11 西行法師 闇晴れて心の空に澄む月は西の山辺や近くなるらん 玉葉集 ※『山家集』所収 ※京極為兼の唯識思想への傾倒 唯識論の中に、「如海遇風縁起種々波浪」といへる心を 権少僧都顕俊 2716 吹く風に波のたちゐはしげけれど水より外の物にやはある 夜、法文を清談するに、時うつりゆきて後夜の鐘を聞きてよめる 高弁上人 2726 12 ねぶ 法の声に聞きぞわかれぬ長き夜の眠りをさます暁の鐘 風雅集 ※花園院の思想―禅の公案と釈教歌 大梅山別伝院に御幸はべりける時、僧問雲門、樹凋葉落時如何、雲門云、体露金風 といふ因縁を頌せさせ給ひけるついでに 2073 院御歌(花園院) 立田川もみぢ葉流るみよしのの吉野の山にさくら花咲く ※「僧問雲門、樹凋葉落時如何、雲門云、体露金風」(碧巌録第二十七則の公案) 禅の「頌古」を和歌で行ったもの。「頌古」とは、「禅宗に伝わった古則公案の本意を簡潔な詩であら わそうとするもの」。「樹凋葉落」=秋、「体露金風」=気持ちのよい春風 6 7 14 新千載集・釈教 ※鎮魂の歌集 ●巻頭歌 天王寺に詣でて二諦の法文にて百首歌よみ侍りける中に 820 前大僧正慈鎮 とにかくにゆかばやと思ふ道に猶まどへばこそは遠ざかるらめ ※「難波百首」の一、『拾玉集』所収 ●尊円と慈円 前大僧正慈鎮のおほけなくうき世の民におほふかなと侍る歌をはじめに置きて 大日経の品品をよみ侍りける歌の中に、布字品を 881 入道二品親王尊円 なべて世の恋の煙に立ちかはれ胸の内なるふじの柴山 ※「ふじ」は「富士」と「布字」の掛詞。 本歌「天の原富士の柴山このくれの時ゆつりなば逢はずかもあらむ」(万葉集・巻十四・3369・相聞) 参考:東路の富士の柴山しばしだに消たぬ思ひにたつ煙かな(新勅撰集・恋五・藤原信実・987) おほけなく憂き世の民におほふかな我が立つ杣に墨染の袖 (千載集・雑歌中・題不知・慈円・1137) ●巻末歌 中務卿宗尊親王 937 鐘の音は明けぬと聞けど高野山猶はるかなる暁の鐘 15 誹諧歌と釈教歌 極楽ははるけきほどと聞きしかどつとめて到るところなりけり (千載集・雑下・空也・1201) ※「つとめて」は「早朝」と「努めて」の掛詞 書写の聖結縁経供養し侍けるに、人人あまた布施送り侍りけるなかに、 思ふ心やありけん、しばし取らざりければよめる 遊女宮木 津の国の難波のことか法ならぬ遊び戯れまでとこそ聞け (後拾遺集・雑六・釈教・1197) ※「遊び戯れ」までもが仏法に通じると詠む。この歌の後に「誹諧歌」の小部立が続く 8 主な参考文献 ◆釈教歌とは ・関口宗念「釈教歌論」(『文芸研究』第十集、1952.6) ・山田昭全「経旨歌の成立」(『豊山学報』1954・11) ・岡崎知子「釈教歌考 八代集を中心に」(『仏教文学研究(一)』法蔵館、1963→『平安朝女流作家の 研究』法蔵館、1967) ・石原清志『釈教歌の研究』(同朋舎、1980) ・塚田晃信「経旨歌の位相(続)―釈教歌を考える(六)」(『東洋』第 18 巻 2・3 号、1981) ・檜垣孝「釈教歌における題詞と詠法について」(『仏教文学』第 14 号、1990) ・山田昭全「釈教歌の成立と展開」(『仏教文学講座 第四巻』勉誠社、1995) ◆釈教歌の歴史 ・高須陽子「釈教歌をめぐる考察―二十一代集に見たる―」(『国文』37 号、1972.6) ・間中富士子『国文学に摂取された仏教―上代・中古篇』(文一出版・1972) ・高木豊「法華経和歌と法文歌」(『平安時代法華仏教史研究』平楽寺書店、1973→『法華経和歌論攷』) ・塚田晃信「釈教歌考」(『国文学 解釈と鑑賞』50-1 1985.1) ・岩佐美代子『京極派和歌の研究』(笠間書院、1987→改訂増補新装版、2007) ・同『京極派歌人の研究』〈笠間書院) ・檜垣孝「釈教歌における題詞と詠法について」(『仏教文学』第 14 号、1990) ・部矢祥子「鎌倉中期釈教歌の一展開―観無量寿経を通して―」(『国文学論叢』第 35 輯、1990.3) ・三角洋一「和歌と仏教」(『和歌文学論集 八巻 新古今集とその時代』風間書房、1991→『源氏物語 と・天台浄土教』若草書房、1996) ・鈴木徳男「続詞花集「釈教部」について」(『仏教文学』第 17 号、1993.3) ・久保田淳「法文歌と釈教歌」(岩波講座『日本文学と仏教 第六巻』岩波書店、1994) ・石原清志 1980、山田昭全 1995 ・錦仁「法華経二十八品歌の盛行―その表現史素描―」(『国文学解釈と鑑賞』1997.3) ◆中世後期勅撰集の釈教歌と政治性 ・佐藤恒雄「続後撰集の当代的性格」(『国語国文』37巻3号、1968.3) ・多賀宗隼『慈円の研究』(吉川弘文館、1980) ・井上宗雄『中世歌壇史の研究 南北朝期』明治書院、改訂新版 1987) ・黒田俊雄「中世の国家と天皇」(『権門体制論 黒田俊雄著作集 第一巻』法蔵館、1994) ・安田徳子「続古今集賀部の考察-撰集意図との関わりをめぐって-」(『中世和歌研究』、和泉書院、 1998) ・前田雅之「日本意識の表象」『和歌をひらく 第一巻 和歌の力』岩波書店、2005) ・深津睦夫「十三代集の政治性-賀部における慶賀対象者を手がかりに-」「新千載和歌集の撰集意図」 (『中世勅撰和歌集史の構想』笠間書院、2005) ・小川剛生「歌人将軍の統治の夢-宗尊親王と鎌倉歌壇」(『なぜ武士は和歌を詠むのか』角川学芸出 版、2008) ・李世淵「承久の乱-転回する怨霊鎮魂問題と鎌倉武士の心性」『比較文学・文化論集』26 号, 2009) 9 ◆和歌と仏教の関わり―思想・表現・場・ジャンル [全般] ・三角洋一「和歌と仏教」1991 ・石川一「和歌」(『仏教文学講座 第九巻 研究史と研究文献目録』勉誠社、1994) ・上野洋三「第二章 和歌」(岩波講座『日本文学と仏教 第九巻 古典文学と仏教』岩波書店、1995) ・中村康夫「王朝和歌と仏教」(『王朝文学と仏教・神道・陰陽道』(竹林舎、2007) ・山本章博「中世和歌と仏教―その研究と課題―」(『上智大学国文学論集』41、2008.1) [思想] ・三角洋一「いわゆる狂言綺語観について」(『新古今集と漢文学』汲古書院、1992.11 と天台浄土教』若草書房 →『源氏物語 1996) ・渡部泰明「狂言綺語観をめぐって」(『中世和歌の生成』若草書房、1999) ・錦仁「和歌の思想―詠吟を視座として」(院政期文化論集第一巻『権力と文化』森話社、2001) ・菊地仁「和歌陀羅尼攷」(『職能としての和歌』若草書房、2005) ・伊藤聡「梵・漢・和語同一観の成立基礎」(院政期文化論集第一巻『権力と文化』森話社 2001 ) ・平野多恵「無常観の形成―和歌の果たした役割」(『日本思想史講座2 中世』ぺりかん社、2012) [表現] ・塚田晃信「経旨歌の位相」「経旨歌の位相(続)」(『東洋』17-8・9 号、18 号-2・3 号、1980.9、1981.3) ・錦仁「法華経二十八品歌の盛行―その表現史素描―」(『国文学解釈と鑑賞』1997.3) ・三角洋一「仏教と歌ことば」(『歌ことばの歴史』笠間書院、1998) ・岡崎真紀子『やまとことば表現論』(笠間書院、2008)など。 ※その他、俊成、西行、慈円の法華経二十八品歌、寂然の法門百首など、個別の表現論は多い。 [場] ・加賀元子『中世寺院における文芸生成の研究』(汲古書院、2003) ・中村文『後白河院時代歌人伝の研究』(笠間書院、2005) ・平野多恵「寺院文化圏における釈教歌―『楢葉集』を中心に」(『国語国文』2008.8) ・同「『楢葉和歌集』童篇を読む」(『文学』2010 年 1-2 月号、岩波書店) ・海野圭介「和歌を伝える聖俗─テクスト、儀礼、座の荘厳をめぐって─」(名古屋大学第 4 回国際研 究集会報告書『日本における宗教テクストの諸位相と統辞法』2008→「古今伝受の室内─君臣和楽の 象徴空間」『聖なる声 和歌にひそむ力』三弥井書店、2011) ・清水真澄「法会と歌詠─ウタ・歌謡・和歌の水平─」(名古屋大学第 4 回国際研究集会報告書『日本 における宗教テクストの諸位相と統辞法』→「法会と歌詠─源経信から藤原俊成へ」『聖なる声』2011) ・小峯和明「和歌と唱導の言説をめぐって」「唱導と呪歌―和歌を詠む場」「仏教儀礼と和歌」(『中 世法会文芸論』笠間書院、2009)など。 [ジャンル] ・久富木原玲「誹諧歌-和歌史の構想・序説」(『源氏物語 歌と呪性』若草書房、1997) ・同「平安和歌における神と仏-袋草紙「希代の歌」を手がかりに-」(『王朝文学と仏教・神道・陰 陽道』竹林舎、2007) ・田中洋己「子どもの詠歌」「子どもの詠歌補説」(『中世前期の歌書と歌人』和泉書院、2008) 10
© Copyright 2024 Paperzz