10/1/2015 2015年度 ITWeb学習支援システムの開発について (紙文化の影響と融合) 尾崎正弘 中部大学大学院経営情報学研究科 教授 2015.9.2(水) 講演の流れ Web(モバイル)学習の特徴 紙文化の影響と学習方法、教授方法 紙文化と学習環境(功罪) 紙文化とWeb学習(利点の融合) 柔軟なWeb学習支援システムについて おわりに 1 10/1/2015 Web(モバイル)学習の特徴 • 場所や時間の制約がない • いつでもどこでも自由に学習できる • 教授者の支援がなくても一人学習ができる • 学習情報を自由に閲覧可能である • 伝統的な教授方法は、講義(受講)とテスト(後日、評価) • 学習者が、リアルタイムに学習履歴を把握できる • 授業と授業外(自学自習)の学習を支援 • 好きな場所と時間で、自学自習が可能 • 集団教育の中で、個別学習をサポート可能 • 授業と授業外の学習を連動させた学習が可能 Web(モバイル)学習の特徴(別の視点から) • 教育機関におけるWeb学習の普及 • モバイル社会の発展に比べ、それほど普及していない • 授業以外に、教授者や学習者にWeb操作の負担がかかる • Web学習は、システム開発による学習の流れが • Web学習は、あらかじめプログラムによって学習の流れが決まる • システム(プログラム)が、教授方法を制約している • 学習者や教授者は、Web学習の操作方法を習得する必要がある • 伝統的な紙テキストでの学習 • いつでも、どこでも、好きなように利用可能 • 授業では、教授者の自由な教授方法が可能(好き勝手に) • テキストの、この章は時間をかけて、この章は飛ばして、この章をさきに、 2 10/1/2015 紙テキストによる教授法 • 日常生活や学習における紙文化影響 • 安価で持ち運びが容易であり、場所も取らず • 思い付いたときに簡単にメモ書きができるなど • 紙は誰でも幼きころより馴染んだメディア • 紙テキストの授業は、教授者の自由度が非常に高い • たとえば、テキストのこの箇所は飛ばして、この部分はじっくりと • この箇所は順番を入れ替えて講義をしようなど • 受講者の理解度、授業の進捗度など、教授者の裁量によって自由に • 自由裁量から形式主義、教授能力差 • 教授者による自由裁量は、教授者の形式主義と能力格差が増大 学びと伝統的な学習環境(功罪) • 「学び」とは、学習者の自主的な学習活動 • 学びは、時に低きに流されやすい(学習環境に影響される) • 個別学習:学習者単独の学習形態、個人のすべてが可視化 • 集団教育:学習者の能力差、個人が集団の陰に • 伝統的な学習環境(個別学習/集団教育) • 個別学習から集団教育(国家、経済的背景) • 安定した集団教育、やがて教育問題の社会化 • 伝統的な教授方法は、安定化とマンネリ化から形式主義化 3 10/1/2015 形式主義と集団教育における問題 • 主体的な学習が成立しない状況 • 学校任せ • 学級崩壊 • 形式的授業(教授者) • 形式的受講(学習者) • 形式的卒業(知的レベルに到達しない) • カンニング • レポートのコピー • 授業の欠席/形式的出席(授業は休憩時間) • 学校や先生に任せれば、何とかなる 学習者の主体的な学習を支援 • 学びとは、学習者の自主的な学習活動(自律的学習) • 学習者の自律的学習 • 自律的学習:自らの意思で学習計画、学習行動、学習評価など • 教授方法:知識の一方的に教授ではなく、自律的な学習活動を支援 • 効果的な教授方法:個別指導/集団教育 • 個別学習者の自主的な活動支援に、集団教育は可能か? • 伝統的な集団教育の行き詰まり • 集団教育の中で、個別学習指導が可能か • 優れた伝統的な優れた教授方法の採用 • 柔軟なWeb学習の採用の提案 4 10/1/2015 柔軟なWeb学習 • 柔軟なWeb学習とプログラム(システム) • 学習方法が固定されるプログラムが柔軟な学習を弊害 • 紙のように何も示唆しないシステムの可能性? • 学習者主体のWeb学習(教授方法) • 学習者主体とは何か、1つは多様な学習方法を支援できる • 学習者の学習活動に、リアルタイムな学習支援 • 学習活動(教授者の教授活動)の有能なアシスタント • Web学習の利点を強調 • 集団教育の中で、個別学習者を支援(さらに有効な開発を期待) • コンピュータシステムとネットワークの特性を最大限に生かす学習支援 • そして、学習者と教授者のコミュニケーションを支援 柔軟なWeb学習支援システムに • 一人ひとりの学習者の学習目標や習熟度 • 学習者の学習目標(学習分野) • 学習者の習熟度(学習能力) • クラスおよび個別学習者の学習環境 • 授業:習熟度別クラス編成、個別学習者の適切な学習支援 • 授業外:個別学習者の自律性や習熟度を考慮した独習支援 • 授業と授業外の連続した学習支援 • 学習者と教授者のリアルタイムなコミュニケーション支援 • Web履歴の最大限の活用支援 • Web履歴を活用したコミュニケーション支援 5 10/1/2015 学習者によって異なる学習分野 • IT知識の学習者の異なる分野 • 経営、社会科学、情報などの異なる学習者の専攻分野 • 異なる分野:学習内容の理解度や興味の違い <ITパスポート関連分野> (企業活動)経営・組織論、OR・IE、会計・財務など (法務)知的財産、セキュリティ、労働・取引、標 準化、倫理など (経営戦略)経営/ビジネス戦略、マーケッティング、経営管理 (技術戦略)開発戦略 の立案・計画 (ビジネス)システム、e-ビジネス (システム戦略)業務プロセス、ソリューションビジ ネス (システム企画)計画・定義、調達・実施 (システム開発)システム、プログラミング、テスト、 保守 (ソフト開発管理)開発プロセス・マネジメント (システム監査)システム監査、内部統制 (基礎理論)離散数学、応用数学、情報理論 (アルゴリズム)アルゴリズムプログラミング (コンピュータ構成)プロセッサ、メモリ、入出力 (ソフト/ハードウェア)OS、オープンソース、ハー ドウェア (インタフェース、DB)インタフェース設計 (ネットワーク)ネットワーク、通信プロトコル (セキュリティ)情報セキュリティ管理・対策・実装技術 (IPA資料参考) IT学習支援システム群を活用した学習 (柔軟な学習支援に向けて: 汎用化) (1) 授業用学習支援システム(紙テキストとWeb学習) (2) 独習用学習支援システム(紙テキストとWeb学習) (3) ITパスポート(国家試験)模擬試験支援(CBT方式) (4) 開発中:Web学習教材(国家試験問題から自動作成) 6 10/1/2015 少し柔軟なWeb学習の事例(学習方式) • 従来型授業とWebテストを併用した学習 • 自律型在宅学習を支援するWeb学習 • 初学者を支援するWeb学習(授業用/独習用の連携) • 完全自律型学習を支援するWeb学習 • 他(反転学習、発展学習など) 従来型授業とWebテストを併用した学習 授業用学習支援システム+ (ITパスポート模擬試験支援システム) 7 10/1/2015 自律型在宅学習を支援するWeb学習 独習用学習支援システム+ (ITパスポート模擬試験支援システム) 初学者を支援するWeb学習(授業用/独習用の連携) 授業:授業用学習支援システム+ (ITパスポート模擬試験支援システム) 独習用:独習用学習支援システム+(ITパスポート模擬試験支援システム) 8 10/1/2015 完全自律型学習を支援するWeb学習 独習用学習支援システム+ (ITパスポート模擬試験支援システム) 開発中:Web学習教材(国家試験問題から自動作成) ま と め • 紙(そこから生まれた伝統)やWeb学習の本質 • 紙の書籍:紙の上に文字や図形、表、絵が印刷 • Web学習:電子メディアとプログラム、パソコンとネットワーク • 伝統的な教授方法の功罪 • 伝統的な教授方法には、優れた学習指導法が多く存在 • 集団教育の中から生まれた形式主義的教授法 • 紙のとWeb学習の本質を踏まえて • 伝統文化とWeb学習の融合、さらに • 伝統的な教授方法とWeb学習の融合 • より柔軟なWeb学習支援システムの提案(事例) 9
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