財団法人東京動物園協会 平 成 2 0 年 度 事 業 報 告 書 財団法人 東京動物園協会 財団法人東京動物園協会 目 第1 次 運営の概要 Ⅰ 運営概要......................................................................................... 1 Ⅱ 組織概要......................................................................................... 2 第2 一般会計 事業総括......................................................................................... 5 Ⅰ 教育普及事業 .................................................................................. 6 Ⅱ メディア事業 ................................................................................ 15 Ⅲ 支援協力等事業............................................................................. 18 第3 指定管理者事業特別会計 事業総括....................................................................................... 20 Ⅰ 飼育展示業務 ................................................................................ 23 Ⅱ 教育普及業務 ................................................................................ 28 Ⅲ 野生生物保全業務 ......................................................................... 34 Ⅳ 研究発表及び共同研究 ................................................................... 35 Ⅴ 管理運営業務 ................................................................................ 38 Ⅵ 施設維持管理業務 ......................................................................... 43 第4 事業特別会計 事業総括....................................................................................... 45 Ⅰ 便益施設等の経営 ......................................................................... 46 Ⅱ その他事業 ................................................................................... 48 第5 事務報告 Ⅰ 役員会議の開催............................................................................. 49 Ⅱ 監査 ............................................................................................. 50 Ⅲ 人事関係....................................................................................... 51 財団法人東京動物園協会 第1 運営の概要 Ⅰ.運営概要 本年度、当協会は創立60周年を迎えた。総裁常陸宮同妃両殿下の御臨席のもと、11月に記念 式典を挙行し、この席上において、長年にわたり「東京動物園ボランティアーズ」の活動に尽 力された正田陽一博士に、第3回の総裁賞が授与された。 多摩動物公園は5月に開園50周年を迎え、年間を通して多彩な記念事業を展開した。また、 5月には新展示施設「アジアの沼地」を公開し、6月には天皇皇后両陛下が行幸啓された。 9月には佐渡島でトキの野生復帰に向けた放鳥式が行われたが、この席上で、都立動物園の 長年にわたるトキ保全への取り組みに対し、環境大臣より当協会に感謝状が授与された。 また、2008年は国際自然保護連合などが定めた「国際カエル年」に当たり、野生生物保全セ ンターを中心に4園が連携し、各種のイベントを通じて両生類の保全の必要性を訴えた。 4月に上野動物園の象徴的存在であったジャイアントパンダの「リンリン」が死亡した。天 候不順等の影響も受け、上野の年間入園者数は60年ぶりに300万人を下回った。さらに急激に 進行した世界的な不況の影響により、各園とも店舗の利用等が低下したことに加え、年金資産 時価総額の下落による費用等が発生し、事業特別会計の最終損益は大幅なマイナスとなった。 12月には新たな公益法人制度がスタートした。当協会は公益財団法人への移行を目指す方針 を正式に決定し、具体的な手続きに着手した。 各会計事業における、主な実施事項は以下のとおりである。 会計区分 主な実施事項 (1)協会創立60周年、多摩開園50周年をはじめとした各記念事業にあ わせて様々な教育普及プログラムを展開した。 一 般 会 計 (2)動物園サポーター制度を拡充するとともに、新たに友の会にジュ ニア会員制度を設置し、両制度の再編を進めた。 (3)ホームページや季刊雑誌など、メディアの特性に応じた効果的な 情報発信に努めた。 (1)新たに在来家畜の飼育に取り組むなど、来園者の生物についての 関心をより高めるための展示に努めた。 指定管理者事業 特 別 会 計 (2)トキの繁殖や「国際カエル年」の様々なイベントを通じて、4園 が連携して野生生物保全事業を推進した。 (3)多摩50周年記念事業として様々な教育プログラムや集客イベント を実施した。 (4)効率的な予算執行により、各園施設の集中的な修繕を行った。 (1)ギフト商品の動物キャラクター構成比の見直しに着手した。また、 食材等の原材料価格の上昇の影響を最小限にとどめるため、臨機応 事業特別会計 変な商品切替等を行った。 (2)多摩50周年記念グッズ等、話題性のある新規商品の開発を行った。 (3)接遇研修の強化やディスプレイの更新など販売力向上に努めた。 -1- 財団法人東京動物園協会 Ⅱ.組織概要 〔1〕協会の機構 ○ 総 裁 ○ 会 長 常陸宮殿下 機関名 1.議決機関 2.執行機関 名 称 人数等 理 事 会 13名 理 事 長 1名 常 務 理 事 2名 摘 理 事 13名 参 与 1名 局 4部13課47係 事 務 評 議 員 会 要 理事長・常務理事含む 27名 3.諮問機関 4.監査機関 5.協力機関 顧 問 8名 監 事 3名 賛 助 会 員 5名 維 持 会 員 1名 準 会 員 3,378名 東京動物園友の会会員 (うちジュニア会員158名) (員数は平成21年3月31日現在) -2- 財団法人東京動物園協会 〔2〕事務局組織 理 事 長 総 務 部 総 務 課 事業調整担当部長 運営企画課 常務理事 参 与 恩賜上野動物園 営 業 課 施 設 課 教育普及課 飼育展示課 事 多摩動物公園 業 課 教育普及課 飼育展示課 事 葛西臨海水族園 業 課 飼育展示課 事 業 課 井 の 頭 自然文化園 -3- 庶 務 係 職 員 係 経理第1係 経理第2係 経営企画係 協働事業係 制作広報室 利用促進係 商品開発係 維持計画係 恩賜上野動物園施設係 多摩動物公園施設係 葛西臨海水族園施設係 井の頭自然文化園施設係 管 理 係 教育普及係 子供動物園係 調 整 係 東園飼育展示係 西園飼育展示係 は虫類館飼育展示係 動物病院係 業 務 係 案 内 係 販 売 係 管 理 係 教育普及係 昆虫園飼育展示係 調 整 係 南園飼育展示係 北園飼育展示係 動物病院係 野生生物保全センター 業 務 係 案 内 係 販 売 係 管 理 係 教育普及係 飼育展示係 調 査 係 業 務 係 案 内 係 販 売 係 管 理 係 教育普及係 飼育展示係 水生物館飼育展示係 財団法人東京動物園協会 〔3〕事務局職員数 (人) 固有職員 職 員 105 都派遣職員 嘱託員 計 123 228 職 員 182 合 再雇用 計 0 182 職 員 287 計 嘱託員 再雇用 123 合 計 410 (平成21年3月31日現在) -4- 財団法人東京動物園協会 第2 一 般 会 計 動物園事業の発展、振興を図り、動物愛護思想の普及を目的に、下記の各種事業を実施した。 □ 事業総括 事 業 区 分 決 算 額 事 業 細 目 〔1〕教育事業 〔2〕普及事業 〔3〕会員組織運営 1.教 育 普 及 事 業 82,090千円 〔4〕ボランティア育成 〔5〕資料収集 〔6〕調査研究 〔7〕関係団体協力 〔1〕出版事業 2.メ デ ィ ア 事 業 52,342千円 〔2〕インターネット事業 〔3〕記録資料制作 〔1〕サポーター事業 3.支援協力等事業 11,089千円 〔2〕業務受託事業 合 計 145,522千円 -5- 財団法人東京動物園協会 Ⅰ.教育普及事業 〔1〕教育事業 1.動物解説事業(園内ガイドツアー・団体ガイド他) 各園に配置した動物解説員により、一般来園者を対象とした園内ガイドツアー及び小学生など の団体を対象とした動物解説のほか、夏休み期間その他に特別企画ガイド等を実施した。 区 分 実 内 1.一般来園者への ガイド 容 実施件数 参加者数 施 内 容 テーマを設定し、園内を案内しながら、動物の解説を行った。 (1回約45分間) 上野390件、多摩302件、葛西529件、井の頭115件、 4園合計1,336件 上野5,551人、多摩3,179人、葛西5,746人、井の頭1,140人、 4園合計15,616人 団体の要望等を事前に調整の上、ガイドを行った。特に学校 内 容 団体については、学校教育と動物園との連携を図り、教育活 動の一環として役立つプログラムを実施した。 2.団体へのガイド 実施件数 参加者数 上野244件、多摩232件、葛西123件、井の頭102件、 4園合計701件 上野18,463人、多摩18,131人、葛西8,089人、井の頭6,422人、 4園合計51,105人 課外授業や修学旅行引率のために事前に訪れる教員等を対象 3.団体引率者への 内 容 として、動物園における教育プログラムを提示、指導を行っ た。 事前指導 実施件数 上野292件、多摩928件、葛西171件、井の頭105件、 4園合計1,496件 春夏休み期間を中心に、子供や親子連れを対象にクイズラリ 内 容 ーやオリジナル観察シートを活用したセルフガイド、生物研 究などの特別ガイドを行った。また、多摩では小学校を中心 に教材の貸出を実施した。 上 4.特別ガイド 野 生物研究4回、クイズラリー5回、 サンデークイズ1回 実施件数 多 摩 教材貸出720件、観察シート配布7,607部 観察デー12回 葛 西 井の頭 生物研究4回、裏側特別ガイド4回 生物研究10回、クイズでたんけん文化園11回 -6- 財団法人東京動物園協会 区 分 実 5.大人のための動 内 物園・水族園 施 内 容 事前申し込みにより大人を対象とした企画「大人のための動 容 物園・水族園」(観察の仕方)を行った。 実施時期 上野・葛西:11月、多摩・井の頭:3月 計8回実施 上野・多摩・井の頭で動物園の見所を紹介するニュースレター(A4表裏・ 6.その他 月一配布)を制作した。 2.動物相談室の運営 恩賜上野動物園、多摩動物公園内の動物相談所において、来園者及び電話・書簡による相談に 応じ、動物愛護思想の普及に努めた。 区 分 電 話 来 園 書 簡 計 摘 恩賜上野動物園 2,046 471 16 2,533件 多 摩 動 物公園 1,270 581 12 1,863件 計 3,316 1,052 28 4,396件 要 飼育557 動物園532 生態574 保護143 鳥獣害145 その他878 飼育463 動物園265 生態418 保護123 鳥獣害124 その他903 〔2〕普及事業 1.講演会・観察会 動物園・水族館及び自然、野生動物の知識を深めるために、広く一般を対象に、講演会・ 観察会を実施した。 (1)動物園講演会 実施月日 内 容 講 師 参加者 講演①:子ども動物園60年の歴史と今 4月12日 子ども動物園開園60 講 周年講演会(上野) 講演②:日本の在来馬の保護と動物園 講 5月18日 8月9日 9月27日 開園50周年記念 歴代園長講演会 師:高藤彰(上野動物園子ども動物園係長) 師:小宮輝之(上野動物園園長) 講演と座談会「多摩動物公園の思い出」 講師:中川志郎、矢島稔、斎藤勝 234名 土居利光(多摩動物公園園長) 開園50周年記念 「真夜中の襲名」、 「流山動物園」 動物園落語会 出演:三遊亭白鳥(落語家) 昆虫講演会 40名 「里山と昆虫たち」 講師:今森光彦(写真家) -7- 104名 158名 財団法人東京動物園協会 実施月日 内 容 講 師 参加者 「小笠原・ノネコの脅威」 11月15日 16日 講師:鈴木創(小笠原自然文化研究所) あかぽっぽ祭 (アカガシラカラス バト講演会) 45名 「東京での順化・里親探し」 講師:小松泰史(東京都獣医師会副会長) 61名 「アカガシラカラスバトの生態、小笠原の現状」 講師:川上和人(森林総合研究所) 3月21日 高碕賞受賞記念講演 会(上野) 講演:ユキヒョウの繁殖 〜ペアリングから出産まで 講 100名 師:福田愛子(多摩動物公園) (2)観察会・見学会 実施月日 6月7日 8日 7月5日 7月6日 8月2日 8月31日 3月16日 内 容 講 カエル観察会(武蔵五日市) 干潟の生物観察会 (葛西臨海公園) 師 井の頭自然文化園 上野動物園飼育展示課 多摩動物公園飼育展示課 葛西臨海水族園飼育展示課 20名 22名 葛西臨海水族園飼育展示課 24名 昆虫野外観察会 矢島稔(ぐんま昆虫の森園長) (ぐんま昆虫の森) 多摩動物公園教育普及課 セミとコウモリ観察会 恩賜上野動物園教育普及課、飼育展 (恩賜上野動物園内) 示課、多摩動物公園教育普及課 ムササビ観察会 参加者 39名 94名 岡崎弘幸(都立久留米高校) (多摩動物公園) 野鳥観察会 36名 多摩動物公園教育普及課 (多摩動物公園、七生公園) 45名 飼育展示課 2.学校教員セミナーの開催 小学校教員を対象に、各園において飼育展示動物の素顔や展示の工夫などを紹介し、校外 学習で利用するポイントと授業へのヒントを探る講座とワークショップを開催した。 【講座】 実施月日 8月1日 5日 7日 内 容 「授業に役立つ動物園・ 水族園」 講 師 参加者 葛西臨海水族園飼育展示課 多摩動物公園教育普及課、飼育展示課 恩賜上野動物園教育普及課、飼育展示課 -8- 222名 財団法人東京動物園協会 【ワークショップ】 実施月日 7月31日 8月19日 内 容 講 先生のための動物園研究 師 参加者 多摩動物公園教育普及課 37名 井の頭自然文化園 74名 8月19日 20日 先生のための動物園ワー 21日 クショップ 22日 3.国立科学博物館、東京国立博物館との連携による教育普及活動 国立科学博物館、東京国立博物館、恩賜上野動物園の連携により、動物園・博物館自然史・ 文化セミナー(講座と動物観察)を実施した。 実施月日 内 容 摘 要 【テーマ】 「上野の山でゾウめぐり」 【内 容】①観察「上野動物園のアジアゾウ」 講師:小泉祐里(恩賜上野動物園) ②講義:「アフリカゾウとアジアゾウ」 5月20日 講師:川田伸一郎(国立科学博物館) ③講義:「東京国立博物館のゾウ」 博物館で講演と見学、動 物園で観察と解説を実施 参加者数 34名 指導:小泉恵英(東京国立博物館) 4.友の会会員対象催物 (1)講演会・見学会・観察会 実施月日 行 事 名 6月13日 ホタル見学会 ~15日 (多摩動物公園) 内容・講師等 参加者 多摩動物公園昆虫生態園のホタルの飛翔と発光 の見学と昆虫飼育展示係による解説 102名 指導:多摩動物公園教育普及課 長野県白樺峠のタカ類の渡り(飛翔)観察と松 9月13日 ~14日 白樺峠のタカの渡 本市・アルプス公園(動物園)見学 り観察とアルプス 指導:小宮輝之(上野動物園園長) 公園見学 26名 吉川登(アルプス公園園長) 上野動物園教育普及課 長野県茅野市運動公園で野生ニホンリスを観察 9月20日 ニホンリス観察会 講師:加藤静(写真家) 30名 井の頭自然文化園飼育展示係 11月2日 井の頭池の生き物 講演:「井の頭池の生き物、昔と今」 講演会 講師:須田孫七(東京大学総合研究博物館) -9- 37名 財団法人東京動物園協会 実施月日 行 事 名 内容・講師等 参加者 ジョージア州アトランタに2005年に開館したジ 11月3日 ア メ リ カ の 動 物 ョージア水族館見学とアトランタ動物園、テネ シー水族館を見学 ~8日 園・水族館見学 指導:葛西臨海水族園教育普及係ほか 17名 「トミちゃんの『カエルってなあに??』」 12月20日 講師:富田京一(肉食爬虫類研究所) 国際カエル年 81名 「激減する日本のカエルと私たちの役割」 記念講演会 講師:福山欣司(慶應義塾大学) 講演:「牛とウシ〜世界のウシと日本在来の牛」 1月10日 干支の動物講演会 講師:正田陽一(東京大学名誉教授) 72名 小宮輝之(上野動物園園長) (2)友の会の日の実施 本年度の「友の会の日」は、多摩動物公園開園50周年を記念して飼育係OBによる講演と 閉園後の特別見学を実施した。また、あわせて友の会会員相互及び動物園スタッフとの交流 を深めるための懇親会を実施した。 (145名参加) 実施月日 催 物 名 内 第一部 容 講演(座談会) 「写真でふりかえる多摩動物公園の50年」 8月30日 講師:川鍋富義、鈴木新平、鈴木章夫、佐藤節雄、荻野昭 友の会の日 (多摩動物公園) 第二部 園内特別見学(教育普及係、飼育展示係) 第三部 懇親会及びチャリティーバザー (多摩動物公園ウォッチングセンター) 5.高碕賞の表彰 季刊雑誌「どうぶつと動物園」に年間(平成20年春号~21年冬号)に掲載された記事及び 写真を対象に優れた作品を選考し、表彰した。 区分 表 題 掲載号 氏 名 摘 要 福田愛子 高碕賞 ユキヒョウの繁殖 秋号 ~ペアリングから出産まで 高村里美 永田裕基 黒鳥英俊 ぼくのかんさつ・わたしのきろく 奨励賞 多摩動物公園のアカカンガルーの観察 読者の誌上写真展 「多摩動物公園のオランウータン」 - 10 - 冬号 吉田達也 春号 菊谷利秋 多摩動物公園 財団法人東京動物園協会 区分 表 題 掲載号 読者の誌上写真展 奨励賞 冬号 「多摩動物公園のチーター」 氏 名 摘 要 角谷久子 〔3〕会員組織運営 動物園・水族園への関心を高め、自然科学への興味を大きく育ててもらうために組織して いる「東京動物園友の会」の運営を行った。また、サポーター制度との再編のため新規に中 学生以下を対象にジュニア会員制度を10月1日より発足した。 名 称 東京動物園友の会 会 員 数 一般:3,220名 ジュニア:158名(平成21年3月31日現在) ①新規入会、継続手続き等、受付・管理事務 ②季刊雑誌「どうぶつと動物園」及びジュニア向け会誌「ZOO! どーぶつえん 実施事項 しんぶん」の送付 ③各種普及活動案内送付(ダイレクトメール) ④新規入会案内パンフレットの作成及び配布 〔4〕ボランティア育成 恩賜上野動物園、多摩動物公園、井の頭自然文化園において、展示動物の解説などの教育 普及のほか、来園者案内などのボランティア活動を行っている「東京動物園ボランティアー ズ」 (登録者数596名)と葛西臨海水族園で同様の活動を行っている「東京シーライフボラン ティアーズ」(登録者数71名)に対して、新規登録者対象の研修会の開催、ユニフォーム・ ニュースレターの発行等活動経費の援助を行った。 1. 「東京動物園ボランティアーズ」研修会等実施状況 実施月日 場 所 内 容 新規登録者ドーセントグループ(DG) ・サー 参加者数 52名 10月19日 恩賜上野動物園 10月26日 多摩動物公園 DG新規登録者前期講習会 50名 12月14日 恩賜上野動物園 DG前期講習会 47名 1月11日 多摩動物公園 DG後期講習会 21名 1月18日 多摩動物公園 DG後期講習会 23名 ビスガイド(SG)合同講習会 - 11 - 財団法人東京動物園協会 実施月日 場 所 内 容 参加者数 2月7日 恩賜上野動物園 接遇研修(第1回) 21名 2月8日 井の頭自然文化園 DG後期講習会 41名 2月15日 井の頭自然文化園 接遇研修(第2回) 15名 2月22日 多摩動物公園 接遇研修(第3回) 16名 3月1日 多摩動物公園 DG後期講習会 41名 2. 「東京シーライフボランティアーズ」研修会等実施状況 登録者を対象に「東京の海」を中心とした研修(他に「ペンギン・海の生物」「ボトルウォ ッチング」「夜の水族館の生物観察」「奥多摩のヤマメ」「魚の解剖」)を年28回実施し、計265 名が受講した。 〔5〕資料収集及び公開 動物及び動物園・水族館関係の専門書・学術雑誌・普及雑誌を中心に収集した。 定期刊行物は購入・寄贈の他、動物園、博物館、研究所等の出版物との交換により収集した。 また、写真・ビデオ等の映像資料の他、動物の音声資料(録音テープ)も園内外の利用に供 した。 収蔵図書については、ホームページ上に図書検索システムを設けている。 1.図書収集状況 区 分 国 収集 内 国 外 点数 購入 寄贈 交換 購入 寄贈 交換 書籍類 260 124 100 0 21 15 0 雑誌類 691 207 205 142 93 44 0 摘 収蔵数 要 和書 12,114冊 洋書 3,715冊 2.図書利用一覧 区分 動物園 哺乳類 件数 70 35 鳥 類 16 爬虫類 魚 1 類 3 無脊椎 3 一 般 12 その他 計 5 145 (都立動物園関係者は除く) - 12 - 財団法人東京動物園協会 3.映像資料利用状況 区 分 無 モノクロ写真 9件 料 有 86点 料 合 28件 114点 37件 計 200点 カ ラ ー 写 真 62 544 59 159 121 703 ビ デ オ 映 像 10 45 41 167 51 212 2 6 6 26 8 32 83件 681点 134件 466点 217件 音 声 資 料 計 1,147点 (都立動物園関係者は除く) 〔6〕調査研究 海外の動物園ボランティア、会員組織に関する情報や、野生動物をとりまく国際的な状況を 適正に把握するため、海外の動物福祉、倫理関連等に関する文献を収集した。また、本年度は 希少種の飼育下個体群の管理をテーマに国際ワークショップを開催した。 実施月日 6月2日~4日 行 事 名 個体群管理ワークショップ 共 催 (財)東京動物園協会、(社)日本動物園水族館協会 国際自然保護連合の一組織であるCBSG(保全繁殖専門家グループ)から講師を 内 容 招請し、動物園、水族館の飼育管理担当者を対象に動物園、水族館における希少 種の飼育下個体群の管理、国際種管理計画、その他データ管理などの具体的なプ ログラムとPCソフトに関して、講座と演習を実施した。 会 場 東京文化会館 〔7〕関係団体協力 1.国際自然保護連合への協力 国際自然保護連合(IUCN)の委員会の一つである種保存委員会(SSC)の中の作業部会で ある保全繁殖専門家グループ(Conservation Breeding Specialist Group 略称CBSG)への事業 援助のため寄付を行った。 2.関係団体への協力 動物園事業に関係する17の団体に加入し、情報の交換や募金活動への協力を行った。 世界自然保護基金(WWF)ジャパンのパンダボックスによる園内の募金額は、上野43万 円、多摩32万円、井の頭18万円であった。 - 13 - 財団法人東京動物園協会 〔加入団体〕 会員区分 団 体 名 会員区分 特 別 賛 助 会 員 (財)世界自然保護基金ジャパン 団 体 名 団 体 会 員 日本動物心理学会 〃 日本霊長類学会 〃 日本応用動物昆虫学会 維 持 会 員 (社)日本動物園水族館協会 〃 日本環境教育学会 団 体 会 員 日本博物館協会 〃 日本昆虫学会 〃 日本哺乳類学会 〃 日本動物行動学会 〃 日本生態学会 〃 日本鱗翅学会 〃 日本動物学会 〃 日本鳥学会 〃 日本自然保護協会 賛 助 会 員 (財)日本鳥類保護連盟 (財)山階鳥類研究所 〃 3.動物愛護週間中央行事への協賛 実 施 月 日 9月20日、23日 行 事 名 動物愛護週間中央行事 主 催 環境省、東京都他10団体 内 容 「動物愛護ふれあいフェスティバル」、 「愛護シンポジウム」等に協賛した。 会 場 上野公園噴水前広場・動物園ホール・こども動物園・東京国立博物館平成館講 堂 - 14 - 財団法人東京動物園協会 Ⅱ.メディア事業 〔1〕出版事業 動物及び動物園に関する情報を提供するための次の出版物を発行し、 「東京動物園友の会」 会員その他関係機関等に配付した。 刊 行 物 内 容 A4変形版・58頁/約4,500部/春・夏・秋・冬号(Vol.60-61) ①春号は「多摩動物公園開園50周年」特集とし、親しみやすい構成で、 多摩の歴史と現在を約30ページにわたり紹介した。 ②「国際カエル年」にふさわしい記事として、広島市安佐動物公園の「ナ 季刊雑誌 ゴヤダルマガエルの域外保全」を掲載し、動物園と地域の協力による どうぶつと動物園 保全の実例を紹介した。 ③国際交流の活発化を反映して、ライチョウの人工繁殖技術研修(ノル ウェー・トロムソ大学)、野生オランウータンの生息地を結ぶ消防ホ ースの橋づくり(ボルネオ)、アイアイ等の飼育に関する情報交流(米 国・デューク大学)などの記事を掲載し、動物園の活動の一面を紹介 することができた。 A4版、創刊準備号:4頁1,000部、創刊第1号:8頁500部 動物園サポーター制度の改正に併せて発足した東京動物園友の会ジ ュニア会員制度の会員を対象とした会誌「ZOO!どーぶつえんしんぶ ん」を創刊した。発行は2月と8月の年2回。ただし、平成20年度は創 刊準備号を10月、創刊号を2月に発行した。 ZOO ! ど ー ぶ つ ①創刊準備号は「どうぶつえんQ&A」特集とし、疑問に答える形で動 えんしんぶん 物や動物園に関する情報を掲載した。読者(中学生以下)を対象とし た平易な文章と写真を用い、通常号以降を紹介する誌面とした。 ②創刊号は「アジアゾウ」を特集した。都立動物園のアジアゾウの個体 を紹介するとともに、ゾウの形態や行動の特徴を読者にもわかりやす く紹介した。また、餌代や長い名前のランキング、及びジュニア会員 向けのイベント告知を掲載した。 〔2〕インターネット事業 ホームページ「東京ズーネット」及びメールマガジン「ズー・エクスプレス」を通じて、 動物園・水族園の情報及び動物に関する情報を広く提供・配信した。 サイト内リニューアルを行い、多摩動物公園開園50周年にともなうイベント告知や、年間 パスポートの紹介、国際カエル年に関する活動について情報発信を行うページを新設した。 - 15 - 財団法人東京動物園協会 1.ホームページ「東京ズーネット」の運営(http://www.tokyo-zoo.net/) (主なオリジナルコンテンツ) ページ名 内 容 等 どうぶつ図鑑 都立動物園で飼育している動物の生態等の解説 うごく! 動物の様々な行動の動画配信(毎月更新、年間72点を追加、平成21年3 どうぶつ図鑑 月31日現在総計463点) 鳴き声図鑑 動物の鳴き声の音声配信 東京動物園友の会 活動や会誌の紹介、クレジット決済による入会 ガイドツアー 各園の動物解説員が行うガイドツアーの内容及びスケジュール案内 蔵書検索 上野動物園資料室に収蔵されている動物関連図書の検索システム 多摩動物公園開園 50周年 国際カエル年 多摩動物公園開園50周年記念イベント等の紹介 両生類の保全のための活動・イベントの紹介 2.メールマガジン「ズー・エクスプレス」の発行 内 容 摘 要 都立動物園情報、国内外各 4月4日号(No.372)から3月27日号(No.425)まで全54号を 種情報、新刊書籍情報等を 配信した。 登録会員に毎週配信 (平成21年3月31日現在:登録者数10,998人) 3.携帯電話サイト・動画ページの運営 内 容 摘 要 都立動物園情報等をPC版 動物園ニュース・催物情報に加え、携帯版動画を毎月追加し総 サイトに連動して配信 計48点を配信した。 〔3〕記録資料制作 1.動物写真撮影 都立動物園を中心に、飼育動物全般に関する記録及び園内外の行事・催物を撮影し、記録 した。 - 16 - 財団法人東京動物園協会 2.ビデオの撮影制作 飼育動物の行動記録や動物園情報をビデオ映像として撮影記録し、来園者向けニュースや 各種研究発表として上映・提供する他、ホームページ「東京ズーネット」において配信した。 内 容 園 別 15分 上 野 園内展示用 動物の出産 9分 上 野 講演用 ハクビシンの展示 5分 上 野 研究会発表用 シマウマに麻酔をかける 2分 上 野 研究会発表用 アフリカゾウ「アイ」 8分 多 摩 園内催し物 動物の食事 2分 上 野 講演用 3分 上 野 園内催し物 あかぽっぽ「上野動物園のアカガシラ カラスバト」 ジャイアントパンダのエンリッチメン ト 時 間 主な使用目的 3.都立動物園広報用資料の撮影及び制作 動物園・水族園の広報発表時の写真資料に加え、ビデオ映像を撮影・制作し、提供した。 【広報配布用動画7点】 内 容 時 間 園 別 主な使用目的 ジャイアントパンダ「リンリン」 5分 上 野 トキふ化 6分 多 摩 〃 スバールバルライチョウふ化 5分 上 野 〃 スマトラトラ「マニス」来園 2分 上 野 〃 チンパンジー 空き缶回収 3分 多 摩 〃 トキのヒナ 佐渡へ搬出 5分 多 摩 〃 スバールバルライチョウ公開開始 4分 上 野 〃 - 17 - 報道発表資料 財団法人東京動物園協会 Ⅲ.支援協力等事業 〔1〕サポーター事業 飼育展示環境改善等の事業に民間資金を導入するとともに、一般都民の動物園事業への参画 意識を深めることを目的に、従前より恩賜上野動物園及び多摩動物公園において寄付者を募集 し、「動物園サポーター」として登録、管理を実施している。本年度は一部寄付金額の見直し を行うとともに制度の拡充を図り、葛西、井の頭にも導入した(10月1日より) 。 1.動物園サポーターの登録及び資金管理 サポーター登録状況 園 別 個人 個人 中学生以下 (一般) (大学生以下) (9月まで) 子ども サポーター 法人 (団体) 金額 上 野 298人 38人 121人 20人 13法人 5,374,000円 多 摩 135人 11人 34人 17人 3法人 3,094,500円 葛 西 3人 1人 ― 3人 0法人 36,500円 井の頭 24人 3人 ― 133人 0法人 407,000円 460人 53人 155人 173人 16法人 8,912,000円 合 計 2.サポーターを対象とした園内見学等の催し物(サポーターズデイ)等の実施 実施月日 開催園 内 容 参加者 6月8日 上野 講演「日本の在来家畜」 講演「子ども動物園のハクビシンたち」 7月5日 13日 19日 多摩 アジアゾウの餌やり体験 計96名 8月24日 上野 開園前の早朝園内見学 283名 9月28日 多摩 キリン舎特別見学と記念撮影 113名 上野 サポーターが支援する動物の飼育担当者によるお 話しと動物展示場や裏側見学 多摩 モウコノウマのお話と特別見学 16名 上野 講演「ライチョウの展示」 講演「2009国際ゴリラ年について」 講演「わが最愛の友人たち」(ゴリラ) 81名 11月(4日間) 12月(4日間) 3月14日 3月22日 - 18 - 88名 計358名 財団法人東京動物園協会 3.サポーター資金による飼育展示等の改善 園 別 実 施 事 項 ①ライチョウ飼育展示場補修工事 恩賜上野動物園 ②子ども動物園施設工事 ③ウォータードラゴン展示槽整備、他 ①オランウータン体重計 多摩動物公園 ②ユキヒョウ用冷風機設置 ③ライオン用遊具(爪とぎ丸太)設置、他 〔2〕業務受託事業 新潟県佐渡トキ保護センターより委託された「特別天然記念物トキの健康管理及び飼育指導 に関する業務」他1件の受託業務を実施した。 - 19 - 財団法人東京動物園協会 第3 指定管理者事業特別会計 東京都との協定により、都立動物園4園の指定管理者として、飼育展示業務、教育普及業務、 野生生物保全業務、管理運営業務、施設維持管理業務ほかを実施した。 □ 事業総括 〔1〕決算額 5,685,288千円(協定額) 〔2〕管理施設 名 称 住 所 恩 賜 上 野 動 物 園 台東区上野公園、池之端三丁目 多 摩 動 物 公 園 日野市程久保六丁目、七丁目、 南平八丁目 開園面積(㎡) 摘 要 142,897.89 601,372.54 葛 西 臨 海 水 族 園 江戸川区臨海町六丁目 85,958.90 井 の 頭 自 然 文 化 園 武蔵野市御殿山一丁目 115,500.00 うち無料開園区域 77,508.22㎡ 〔3〕各園の主な実施事項 1.恩賜上野動物園 リンリン(ジャイアントパンダ)が4月30日に死亡した。パンダ舎では慰霊に訪れる多くの お客様のため献花台や記帳台を設置した。 「国際カエル年」の活動として、4園連携しての観察会や講演会、工作教室、特設展などの 教育普及企画を多数開催し、カエルをはじめとする両生類の保護や環境問題についての情報発 信に積極的に取り組んだ。 国内のライチョウの保全へ向けた飼育技術の習得のため、職員をノルウェーの大学へ派遣し た。その際持ち帰った亜種の卵を人工孵化し2羽の育成に成功するなど、国内での繁殖へ向け た技術の蓄積を行った。このほかアカガシラカラスバトを取り巻く状況と保護と繁殖への取り 組みを紹介するため「あかぽっぽ祭」と題し特設展や講演会を行うなど、野生生物の保全活動 及び啓発活動を行なった。 インドネシアからブリーディングローン(BL)でスマトラトラを導入した。野生由来の母 親を持つ若い個体のため、遺伝的にも年齢的にも大変貴重で、繁殖が期待されている。 子ども動物園では、開設60周年記念として「あなたの夢をかなえたい!」など様々なイベン トを実施した。また、オリジナルデザインで上野動物園「記念入園券」を作成した。在来家畜 - 20 - 財団法人東京動物園協会 保護の取り組みとして、昨年度のトカラ馬・木曽馬に続き、4月に野間馬を導入した。そのほ かトカラヤギの繁殖、干支展との連携による口之島牛・見島牛の導入、在来豚のアグー・アヨ ーも展示に加えた。 「国際博物館の日」を記念事業として、東京国立博物館、国立科学博物館、上野動物園が連 携し、「ゾウ」をテーマに3園館をめぐる「上野の山でゾウめぐり」を開催した。 NPOとの協働により「クマたちの丘」エリアの壁面緑化を行い、また西園エリアでは園地 路面の一部に遮熱塗装を施すなど、来園者への暑さ緩和対策の試みも開始した。 ブラインドモニター制度の指摘事項等を踏まえ、老朽化した2箇所のトイレの修繕ほか、便 器の洋式化やベビーベット設置などの改善を図った。 2.多摩動物公園 昭和33年の開園から50周年を迎え、丘陵地の自然や広い敷地を活用した生態的展示の推進、 環境教育の充実、野生動物の保全の強化に取り組んだ。 5月には総裁である常陸宮殿下並びに同妃殿下の御臨席を賜り開園50周年記念式典、記念講 演を開催した。 また、6月には天皇皇后両陛下が御視察のため行幸啓され、「50年のあゆみ展」やニホンカ モシカ、オランウータン等を御覧いただいた。さらに10月には(社)日本動物園水族館協会総 裁の秋篠宮殿下に御臨席を賜り、第56回動物園技術者研究会が開催される等、多くの皇室の皆 様に御来園を賜った年となった。 展示・繁殖の充実では、飼育環境の管理を適正に行うとともに、困難とされる希少種の繁殖 に挑戦し、ユキヒョウ、ソデグロヅルの繁殖や環境省との連携により分散飼育を受入れたトキ の繁殖にも成功した。 イベント関係では、開園当時から現在までの園を紹介した「50年のあゆみ展」など様々な記 念活動を実施した。毎月テーマ動物を決めた「月間動物イベント」ではキーパーズトークやク イズ大会などを行った。また、8月には毎週土曜日に「サタデーナイト@Tama Zoo」を実施、 初めて本格的な夜間開園を試みた。このほか、大人を対象とした「サイエンズーカフェ」や50 年後の園を考える「夢募集・未来展・未来ワークショップ」を開催した。 発足3年目を迎えた野生生物保全センターでは、オガサワラシジミなどの保全に取組んだほ か、都立4動物園における稀少動物の保護繁殖活動の拠点として各園の調整や情報収集、調査 研究活動を行った。また、小笠原に生息する生き物の保全をテーマとした小笠原シンポジウム を開催した。 3.葛西臨海水族園 クロマグロの産卵に取組み、4月29日に9年ぶりに産卵を確認した。6月から約3か月間は ほぼ毎日産卵し、多くの来園者に貴重な産卵の様子を見せることができた。トビハゼでは水槽 内で産卵孵化した仔魚を育成し、多数の稚魚を育て展示するとともに他の水族館等への譲渡も 行った。また、飼育下での繁殖が困難なウミホタル、ブッキックスゴビー、ニホンアカガエル の繁殖にも成功した。昨年、メキシコで採集し輸送したファインスポッテッドジョーフィッシ ュはその大きな特徴である卵の口内保護の様子を展示することができた。来園者に人気のある - 21 - 財団法人東京動物園協会 マンボウは水族園ではこれまで短期間しか展示できなかった。しかし、飼育環境等を改善し、 約1年の長期展示が可能となった。 国際カエル年に関するイベントとして、レクチャールームで企画展「ケロロジー」の題でカ エルと人の文化史的な展示を行い、「水辺の自然」の展示場では「東京カエルさわぎ」と題し て、都内のカエルの生息状況や危機を訴える企画展を開催した。 恒例となった西なぎさに加え、50周年記念事業に協力し多摩動物公園で、小形のサメやエイ を展示する「移動水族園」を行った。夏休み期間には「真夏の夜の水族園 ~マグロと夢を見 ませんか?~」として、小学校高学年の児童を対象に夜の水族園で観察を行い、水槽の前で寝 袋を使って宿泊する新企画を実施した。 春休みには特設展示「Touching & Feeling(タッチンフィーリン) 」をオープン。サメやエイ へのタッチング水槽を中心に、子供から大人まで、これらの生き物の体に直接触れること (Touching)で、その生き物をより身近に感じること(Feeling)を目指した。観察だけでは分 からない「さめ肌」等を触察し体感させている。 野生生物保全に関する活動として、4園連携し「東京メダカ」の保全に取り組んだ。また、 世界的な蔓延が危惧される両生類のツボカビ症対策として園内の検疫態勢を強化するととも に、両生類の保全に取り組んだ。 4.井の頭自然文化園 ズーストック種であるツシマヤマネコについて、引き続き繁殖に取組むとともに、本種と生 息地の状況について理解を深めるため特別ガイドやミニ講座で情報発信を行った。また小学生 を対象に「ヤマネコへの手紙」を募集するなど、生息地である対馬市役所・野生生物保護セン ターとも連携しながら11月には対馬市の見学ツアーを実施した。 日本産動物を中心に魅力ある展示に努めると共に飼育繁殖技術の向上に取り組み、カリガネ やトウキョウサンショウウオなどの絶滅危惧種の繁殖やツチガエルの累代飼育を成功させた。 希少動物の飼育下繁殖のため平成10年に韓国のソウル特別市から寄贈されたアムールヤマ ネコは、その後順調に繁殖を重ね国内の動物園にBLとして送り出してきたが、国際的生物保 全活動として、韓国の大田動物園に言わば里帰りという形で6頭を寄贈した。 国際カエル年にあたっては、カエルへの理解と危機を訴える特別展「ずっとカエルとくらし たい」、 「カエルのミラクル」等を開催した。 園内案内誘導サインについては、サインマニュアル・色彩ガイドラインに基づいた設置を実 施し、本園分園ともほぼ整備を完了させた。統一感がありエリアごとの景観に合致した、来園 者にとって分かり易く見やすい誘導サインとなった。動物ラベルについても種ラベルに引き続 き情報ラベルもマニュアルに基づいて設置し来園者への情報提供を行った。 教育普及活動では、飼育担当者のキーパーズトークを全飼育職員が実施して、楽しく興味深 く学べる場を提供した。効果的なイベントとして、国内最長寿のアジアゾウとなった「はな子」 の61歳を祝う会やフェネック3兄弟の公開を行い、また彫刻館や童心居を使用したコンサート やカエルグッズを展示した「一蛙展」を開催し施設の有効活用を図った。 - 22 - 財団法人東京動物園協会 Ⅰ.飼育展示業務 〔1〕展示動物収集業務 国内外の飼育動物等の情報収集につとめ、動物交換、共同繁殖のための動物貸借(BL:ブ リーディングローン)などを積極的に行った。 主な収集動物は以下のとおりである。 園 別 恩賜上野動物園 種 名 数量 スマトラトラ 1 BL タテガミオオカミ 1 購入 マダガスカル産爬虫類、 22 両生類 18 クチノシマウシ 1 23 ライチョウ(種卵) 多摩動物公園 (※注) 要 タマンサファリ (インドネシア) 購入 借受 譲受 名古屋大学 トロムソ大学 (ノルウェー) 埼玉県こども動物自然 1 BL シフゾウ 1 BL アズマモグラ 7 採集 10 購入 ヨーロッパフラミンゴ 10 譲受 クロマグロ 97 購入 304 購入 19 採集 オーストラリア 5 採集 メキシコ ジャイアントケルプ 2 交換 ビクトリアカンムリバト 2 譲受 オリイオオコウモリ 1 保護 沖縄県 カイツブリ 6 保護 弘前大学 日本産鳥類 10 採集 日本産カエル類 25 採集 リ カツオ ナーサリーフィッシュ ファインスポッテッドジョ ーフィッシュ 井の頭自然文化園 摘 コアラ チャムネエメラルドハチド 葛西臨海水族園 区分 (※注:うち2羽成育) - 23 - 公園 熊本市動植物園 神戸市立王子動物園 モントレー湾水族館 (アメリカ) 埼玉県こども動物自然 公園 財団法人東京動物園協会 〔2〕動物管理業務 動物台帳の管理を適正に行ったほか、血統登録や国際種情報システム(ISIS)の活用に より、動物管理事務の向上を図った。 (平成21年3月31日現在の展示動物飼育数) 園名 類 哺 乳 鳥 上 種 点 備 類 15 57 124 1,200 類 20 69 223 929 虫 類 3 23 90 310 野 両 生 類 3 15 45 441 類 8 13 16 363 無脊椎動物 0 0 0 0 計 49 177 498 3,243 類 10 29 61 601 類 16 28 104 982 哺 乳 鳥 は 虫 類 2 4 7 28 摩 両 生 類 2 2 2 21 類 2 2 10 93 無脊椎動物 25 73 164 27,797 計 57 138 348 29,522 類 0 0 0 0 類 2 2 5 242 魚 哺 乳 鳥 葛 科 は 魚 多 目 は 虫 類 1 2 3 44 西 両 生 類 2 6 9 228 類 24 113 484 22,302 無脊椎動物 68 203 561 45,843 計 97 326 1,062 68,659 類 7 16 24 556 類 13 30 98 392 魚 哺 乳 鳥 は 虫 類 2 4 7 41 井の頭 両 生 類 2 7 12 512 類 8 14 45 2,329 無脊椎動物 8 15 22 623 計 40 86 208 4,453 魚 合 計 105,877 - 24 - 考 社会性昆虫2科2種3群を含む。 財団法人東京動物園協会 〔3〕日常飼育業務 動物の健康と飼育環境管理を適正に行い繁殖に努めるとともに、創意工夫により、動物の 特性を引き出すための展示改善を積極的に行った。 1.主な繁殖動物 園名 出産・孵化数 動物名 ♂ ♀ 不明 オウサマペンギン 1 アカガシラカラスバト 上 野 1 カリフォルニアアシカ 摩 西 2 3 1 1 1 1 カリフォルニアキングスネーク 2 2 ユキヒョウ 3 チンパンジー 1 トキ 2 モウコノウマ 葛 フェアリーペンギン 1 ウミガラス 3 1 1 1 4 1 6 8 1 1 1 1 4 ニホンアカガエル ブッキックスゴビー ウミホタル フェネック 3 ヤクシカ 井の頭 1 ベニイロフラミンゴ アミメキリン 多 備考 計 アカゲザル 3 3 3 33 33 2 2 2 5 1 1 7 10 カリガネ 3 ヤマドリ 5 3 5 10 2.主な展示改善 園 別 主な展示改善の件名 内 容 ワイヤーロープを用い、餌が空中を横切る ドールの捕食行動展示 仕掛けを設置し、ドールが追いかけ、捕食 する様子を観察できる展示とした。 恩賜上野動物園 スバールバルライチョ 日本に棲むものと同種であるライチョウを 合計20件 ウの展示 新たに「日本の鳥」コーナーに展示した。 樹上も棲みかにするハクビシンが、仕掛け ハクビシンの樹上給餌 られた餌を巧みに取り、食べる様子をキー パーズトークと共に見られるようにした。 - 25 - 財団法人東京動物園協会 園 別 主な展示改善の件名 ウォークインバードケ ージの新設 多摩動物公園 合計9件 内 容 ツルやコウノトリなどの大型の鳥類と人が 同じ場所に入り、柵なしで身近に観察でき る展示を新設した。 チンパンジーのエコ遊 具 バンジージャンプ用ゴムや消防ホース、空 き缶、バケツなどの廃品を積極的に利用し た遊具を設置した。 展示種を変更し、赤色光、大きめのラベル 夜行性昆虫コーナーの などを用い、展示ケースの位置変更などに 改装 より、来園者がしっかりと観察できる展示 に変更した。 特設展「東京カエルさわ ぎ」の開催 葛西臨海水族園 合計11件 「池沼」の展示前に特設水槽を設置し、カ エルの生態を観察しながら、パネル等によ り保全について考える展示を行った。 既存の「泥干潟」水槽と特設の小水槽を用 トビハゼの育成展示 いて、水族園で繁殖したトビハゼの成育過 程を観察できるようにした。 「カリブ海」水槽の展示 改善 大型魚を取り出し、群れ行動が良く観察で きる小型魚を大量に入れることにより、自 然の生態を実感できる展示とした。 「魚のふれあい水槽」の 改善 水生物館で、来園者が手を入れられる水槽 の魚に馴致を施し、魚に触れることができ るようにした。 井の頭自然文化園 日本産哺乳類への興味 合計9件 喚起 来園者調査を基に、日本産哺乳類への興味 を喚起するため、タヌキの置物等を用いつ つ、解説パネルの改善を行った。 干支にちなんだ「ウシ」 干支展の実施に伴い、八王子の農家と連携 の展示と解説パネルの しウシ2種を展示し、園内ウシ科動物の解 設置 説パネルを設置した。 - 26 - 財団法人東京動物園協会 〔4〕動物病院業務 飼育職員と連携し、病気等の予防策を講じ、また異常の早期発見につとめ、適切な治療を行 った。また、検疫業務、病理解剖、検体の保存などを行った。 (診療件数及び検疫件数) 園 別 年間診療件数 治療 年間検疫件数 死亡 種数 頭数 恩賜上野動物園 5,270 91 108 514 多摩動物公園 1,034 41 26 73 47 2 0 0 1,187 67 42 68 葛西臨海水族園 井の頭自然文化園 ※葛西については、上野の動物病院獣医師が実施。 - 27 - 財団法人東京動物園協会 Ⅱ.教育普及業務 来園者がより有意義に観察できるよう、各種プログラムを整備し、動物やその生息環境の 情報を伝えるとともに、学校との連携やボランティア団体との協働などにより普及活動に努 めた。 〔1〕園内プログラム 1.恩賜上野動物園 プログラム別 通年プログラム 内 容 ①キーパーズトーク(カリフォルニアアシカほか887件) ②モルモットのふれあい(周年、子ども動物園で実施) ③スタディーシート(2種配布) 企画プログラム ①季節イベント 「エイプリルフール企画」 (4/1) 「ヒツジの毛刈り」 (5/3,5,6) 「動物たちに氷のプレゼント」 (7/20,8/12) 「冬至イベント」 (12/21) 「クリスマスイベント」(12/24) 「お正月イベント」 (1/2,3) 「節分イベント」 (2/3) ②国際カエル年イベント(20/2/29~21/3/27) ③子ども動物園60周年イベント(4/1~27) ④動物園講演会(4/12) ⑤真夏の夜の動物園(8/12~17) ⑥動物愛護週間行事・催物(9/15~23) ⑦その他「国際博物館の日記念事業」 「東京文化財ウィークの催し」 など 特設展・企画展 ①干支展「日本在来牛って何だろう」 (12/18~1/31) ②ズーポケット展示 「野鳥ペーパークラフト展」 (~5/13) 「骨と毛皮の動物園」 (7/15~8/31) 「上野動物園と世界の動物園」 (9/3~15) 「ごとうけい紙工作展2008」 (9/20~10/26) 「あかぽっぽ祭パネル展」 (11/1~30) 「東京芸大絵画展」 (12/2~2/1) 「クマ―飼育史・冬眠・研究」 (12/20~2/1) ③は虫類館特別展「マダガスカル ゴンドワナのおとしもの」 (3/17~) - 28 - 財団法人東京動物園協会 2.多摩動物公園 プログラム別 通年プログラム 内 容 ①キーパーズトーク(月間動物イベントと連動して周年実施、241件) ②モルモットのふれあい(周年実施) ③スタディーシート(10種配布) 企画プログラム ①季節イベント 「こいのぼり設置」 (4/24~5/6) 「七夕イベント」 (7/3~8) 「夕暮れライブ」 (8/2,16,23) 「動物園落語会」 (8/9) 「落ち葉のプール」 (11/27~1/6) 「クリスマスイベント」(12/4~23) 「新年イベント」 (1/2,3) ②動物園講演会(4/6,4/13,4/20,5/18,9/27,11/29) ③開園50周年記念事業 「月間動物イベント」 (周年実施) 「開園50周年記念式典」 (5/1) 「一日園長 C.W.ニコル氏」 (5/5) 「おすすめコース公開イベント」 (7/18) 「サタデーナイト@TamaZoo」 (7/26) 「俳句表彰式・記念大会」 (2/7) 「未来の夢 表彰式」(3/8) 特設展・企画展 ①「多摩動物公園50周年のあゆみ展」 (4/10~12/28) ②骨展(7/3~29) ③秋の鳴く虫展(9/4~30) ④子供写生画コンクール作品展示(10/30~12/2) ⑤子供写生画コンクール展示(11/1~12/4) ⑥干支展(12/3~1/27) ⑦みらい展(3/5~) 3.葛西臨海水族園 プログラム別 通年プログラム 内 容 ①キーパーズトーク(マグロほか452件) ②スタディーシート(27種配布) ③ボトルウォッチング(周年実施) ④水族園オリエンテーリング(月1~2回) - 29 - 財団法人東京動物園協会 プログラム別 企画プログラム 内 容 ①季節イベント 「エイプリルフールクイズラリー」(4/1) 「マグロのぼりが天に舞う」 (4/29~5/6) 「クリスマスイベント」(12/23) 「新年のイベント」 (1/2~4) 「季節のスタンプ設置」(1月~2月) 「バレンタインデーイベント」 (2/11,14,15) ②海の工作教室(5/3,4) ③スーパーサイエンスキッズワークショップ(5/31) ④自由研究のテーマ紹介、実例展示、相談コーナー(7/20~8/29) ⑤真夏の夜の水族園(8月) ⑥マグロの解剖と解説(8/16,23) ⑦クイズラリー(10/19,26) ⑧海の万華鏡作り教室(11/29) ⑨国際カエル年イベント・フロッグセミナー2008(12/20) 特設展・企画展 ①PENGUIN PARK(~5/6) ②TOKYOカエルさわぎ(6/5~10/14) ③飼育係ナカザワくんのお仕事(10/3~12/9) ④未来に残そう青い海図画コンクール作品展示(11/20~11/25) ⑤タッチンフィーリン(3/20~) 4.井の頭自然文化園 プログラム別 通年プログラム 内 容 ①キーパーズトーク(水辺の生きものガイドほか周年実施、60件) ②モルモットとのふれあい(毎日) ③ダックさんにお弁当(月1~2回) ④スタディーシート(5種配布) 企画プログラム ①はな子記念誌配布イベント(4/12,13) ②開園記念日の催し(5/17,18) ③東京文化財ウィークの催し(11/1~11/9) ④講演会・井の頭池の生き物、昔と今(11/2) ⑤干支展関連の催し(11/18~1/25) ⑥新年イベント(1/2~4) ⑦動物園ゼミナール(1/24) ⑧講演会(2/22) ⑨クイズで探検文化園(4月,8月,10月,3月) - 30 - 財団法人東京動物園協会 プログラム別 特設展・企画展 内 容 ①資料館特別展示 「日本のアニメと世界の童話に登場するカエルたち」 (4/26~12/28) 「世界のカエルと日本のカエルの工芸品展」 (7/8~12/28) 「カエルのミラクル」 (7/8~12/28) 「大きく変わった井の頭池」 (9/23~1/25) 「井の頭狸庵にようこそ」 (3/24~) ②水生物館特別展示 「ずっとカエルとくらしたい」 (4/26~8/31) 「買った生き物を逃がさないで・飼った生き物を逃がさないで」 (9/23~1/25) 〔2〕体験プログラム 園 別 恩賜上野動物園 内 容 ①サマースクール(7/23~26,29,30) ②大人のための1日飼育体験(2/21,24) ①サマースクール(7月,8月) 多摩動物公園 ②サイエンズーカフェ(1/17,2/21,3/14) ③未来ワークショップ(2/28) ①リバーウォーク(7/13,27) 葛西臨海水族園 ②フィッシュレンジャーJr.(7/24,25) ③夜の水族館R16(9/21,27) ④ヤマメの里親教室(11/29,30) ①文化園生き物クラブ(周年実施) ②サマースクール(7/23~24,29~30) 井の頭自然文化園 ③ヤマネコミニ講座(9/13,14) ④夕ぐれの動物園たんけん(9/14) ⑤モーモー体験教室(11/24) 〔3〕フィールドプログラム 園 別 多摩動物公園 内 容 ①カエルボトルウォッチング(6/1) ②ホタル見学会(6/13~15) - 31 - 財団法人東京動物園協会 園 別 内 容 ①西なぎさ水族館(4月,5月,3月) 葛西臨海水族園 ②カエル観察会(7/5) ③干潟の生物観察会(8/18,19) ①カエル文化のイベントガイドツアー(7/12,13) 井の頭自然文化園 ②親子で川遊び(7/21) ③親子で井の頭池たんけん(10/25) 〔4〕学校教育との連携 園 別 内 容 ①教員研修(4園共同) ②職場訪問(146件885名) ③職場体験(24件96名) 恩賜上野動物園 ④団体指導(244件18,463名) ⑤都立高校「奉仕の時間」受入(24時限20名) ⑥大学ほか実習生の受入・指導(72名) ⑦インターンシップ受入(70名) ⑧出張授業(11回) ①教員研修(4園共同) ②職場訪問(15件63名) ③職場体験(15件70名) 多摩動物公園 ④団体見学指導(232件18,131名) ⑤都立高校「奉仕の時間」受入(44名) ⑥大学ほか実習生の受入・指導(70名) ⑦インターンシップ受入(2名) ⑧出張授業(16回) ①教員研修(4園共同) ②職場訪問(14件50名) 葛西臨海水族園 ③職場体験(13件25名) ④教材貸出(402件) ⑤大学ほか実習生の受入・指導(20名) ⑥インターンシップ受入(2名) - 32 - 財団法人東京動物園協会 園 別 内 容 ①教員研修(4園共同) ②職場訪問(14件50名) 井の頭自然文化園 ③職場体験(13件25名) ④教材貸出(85件) ④インターンシップ受入(2名) ⑤出張授業(13回) 〔5〕解説事業との連携 各園において動物解説事業と連携し、サマースクールをはじめとした各種普及活動の指導、 企画展示用テキスト作成などを行った。 〔6〕教育活動ボランティアとの協働 園 別 内 容 実施回数 恩 賜 上 野 動 物 園 園内スポットガイド、ふれあいコーナー活動(※1) 524 多 摩 動 物 公 園 園内スポットガイド、ふれあいコーナー活動(※1) 473 葛 西 臨 海 水 族 園 しおだまり、東京の海ガイド(※2) 299 井 の 頭 自 然 文 化 園 園内スポットガイド、ヤマドリガイド(※1) 185 ※1 東京動物園ボランティアーズ(TZV) ※2 東京シーライフボランティアーズ(TSV) - 33 - 財団法人東京動物園協会 Ⅲ.野生生物保全業務 平成18年度に、新たに設置した「野生生物保全センター」を都立動物園・水族園の野生生物 保全活動の中心に位置付け、保全活動、情報収集、調査、研究及び普及啓発活動を実施した。 項 目 内 容 ①アイアイやコウノトリ、日本産カエル類、トビハゼなどの希少動物 の繁殖に継続して成功し、オランウータン、ゴリラ、スマトラトラ などについてペアリング等を行い、繁殖と系群保全に努めた。 動物園内における ②環境省の保護増殖事業に協力し、ツシマヤマネコ人工繁殖のための 保全活動 シミュレーションを試みた。また、繁殖に成功したトキ8羽を佐渡 (域外保全) トキ保護センターへ搬出した。 ③両生類保全ワーキンググループを中心に4園共同採集を行い、役割 分担を明確にし、東京都産カエル類の繁殖と域外保全個体群の維持 に努めた。 ①多摩市のニホンイモリ生息地において、生息状況調査を継続して実 施し、その生態解明に努め、保全のための新たな課題を抽出した。 フィールドにおけ る保全活動 (域内保全) ②多摩動物公園での飼育技術を生かし、ボルネオ・キナバタンガン(マ レーシア)で、廃消防ホースを用いた野生オランウータンのための つり橋を設置し、生息地における保全に協力した。 ③小笠原の希少動物保全のための現地保護施設設置に向けた取り組み のため、NPOとの協力により、派遣される獣医師の研修を上野、 多摩で行い、現地保全活動への貢献を行った。 ①DNA解析技術を用いた、鳥類、哺乳類の性判別を約65種について 生物工学技術を応 用した保全活動 実施。東京の野生メダカの地域個体群の解析を行った。 ②糞中の性ホルモン測定による、繁殖生理解析を実施。コアラの交尾 の成否確認、クロサイの妊娠判別を行った。 CBSG(保全繁殖専門家グループ)年次総会やSEAZA(東南ア 情報収集 ジア動物園協会)総会などに、職員を派遣し情報収集に努めた。大型 類人猿保全に関するシンポジウムをNPOと協力して多摩動物公園で 開催し、各分野の専門家との交流と情報交換を行った。 新規導入したDNAシーケンサーを用いた調査研究の実施のために、 調査研究 職員を大学へ派遣し、技術取得に努めた。糞中性ホルモン測定による 繁殖生理に関する研究結果を動物園技術者研究会で発表した。 上野動物園で「あかぽっぽ祭り」として、アカガシラカラスバトの保 全に関する特設展と講演会を行った。また、ツシマヤマネコ、メダカ、 普及啓発活動 小笠原の保全についてもシンポジウムや講演会等行った。多摩市の小 学校による校外学習と連携し、イモリの保全活動について教育的な普 及啓発活動を行った。 - 34 - 財団法人東京動物園協会 Ⅳ.研究発表及び共同研究 〔1〕主な研究発表 動物園で得られた野生動物や教育普及活動に関する情報や研究成果などについて、研究会等 で積極的に発信した。 1.恩賜上野動物園(合計8件) 発表内容 担 当 摘 酵素免疫測定法によるジャイアントパ ンダの尿中性ステロイドホルモンの測 倉 持 浩 定 ホッキョクグマの環境エンリッチメン ト ニホンツキノワグマの冬眠における睡 眠時間及び体温の変化 マレーグマの上顎犬歯根尖周囲膿瘍に 起因する眼窩瘻管の一症例について 解説ラベルの有無による来園者の視点 の変化 乙 津 和 歌 井 手 桂 子 原 樹 子 坂 田 修 一 要 日本動物園水族館雑誌 Vol.49 No.3 どうぶつと動物園 平成20年夏号 (東京動物園協会) 第56回動物園技術者研究会 (多摩動物公園) 第56回動物園技術者研究会 (多摩動物公園) 第20回日本動物園水族館両生類爬虫 類会議(札幌市円山動物園) 2.多摩動物公園(合計12件) 発表内容 チーターの短期相互ブリーディングロ ーンの試み トキの緊急避難受け入れと飼育繁殖に ついて 担 当 摘 市丸奈津子 冨 田 恭 正 希少動物の繁殖に向けた野生生物保全 センターにおける糞中性ステロイドホ 下 川 優 紀 ルモンの測定 ヒカリコメツキの飼育経過報告 三 枝 博 幸 クイナの繁殖 廣 瀬 - 35 - 格 要 希少動物人工繁殖研究会第16回会議 (北九州・西日本総合展示場) 建設局技術業務体験発表会 (都民ホール) 第56回動物園技術者研究会 (多摩動物公園) 全国昆虫施設連絡協議会 (多摩動物公園) どうぶつと動物園 (東京動物園協会) 平成21年冬号 財団法人東京動物園協会 3.葛西臨海水族園(合計10件) 発表内容 担 当 摘 Overview of husbandry and spawning of Bluefin tuna in the aquarium at Tokyo Sea 三 森 亮 介 Life Park Diversity of marine animals in the metropolis and how to show the fact to 池 田 正 人 the people トビハゼ安定繁殖への取り組みについ て イモリはホトケドジョウのいる場所を 産卵場として避けるか 夏休みの宿題は水族園で 橋 本 浩 史 中 村 浩 司 ~「夏の科 学教室」3年間の取り組みと今後の展望 今 井 啓 介 ~ 要 第7回世界水族館会議 (中華人民共和国) 第7回世界水族館会議 (中華人民共和国) 平成20年度全国水族館技術者研究会 (大分マリーンパレス水族館) 爬虫両棲類学会 (栃木県総合教育センター) 第49回日本動物園水族館教育研究会 よこはま大会(横浜市) 4.井の頭自然文化園(合計3件) 主な実績のテーマ 担 ツシマヤマネコの過去・現在・未来 イモリはどのくらい陸上で生活してい るのか? 当 摘 要 小 林 和 夫 第14回野生生物保護学会 荒 井 寛 水族館技術者研究会 (大分マリーンパレス水族館) Yanggu International Symposium ニホンカモシカの動物園における保全 小 林 和 夫 for Systemic Approach to Restoration and Activation of Amur Goral in Korea 〔2〕共同研究 大学や研究機関と協力し、動物学、獣医学などの学術的な見地から共同研究を進めた。 提携先 首都大学東京システムデザイン 学部 東京都健康安全研究センター 日本獣医生命科学大学 提 携 園 恩賜上野動物園 恩賜上野動物園 研究テーマ クマの心拍と呼吸数計測に関する研 究 ウエストナイルウイルス国内侵入状 況の実態調査 多 摩 動 物 公 園 稀少動物の繁殖技術に関する研究 井の頭自然文化園 (生物工学技術推進) - 36 - 財団法人東京動物園協会 提携先 提 携 園 研究テーマ 横浜市環境創造局繁殖センター 多 摩 動 物 公 園 稀少動物の保全に関わる試験研究 北海道大学大学院 葛西臨海水族園 日本大学生物資源科学部 葛西臨海水族園 エトピリカ雛の採餌量測定に関する 研究 水族館でみられる魚病の病理学的研 究 〔3〕飼育展示・教育普及研究会の開催 園内及び4園館での情報交換と共有化を積極的に進めるとともに、研究発表などに積極的に 参加することによる職員の能力向上の機会を設けるため、各園で飼育展示・教育普及担当者に よる研究会を毎月開催した。 - 37 - 財団法人東京動物園協会 Ⅴ.管理運営業務 〔1〕入園券の売改札 入園券の売改札、年間パスポートの販売を行った。 1.入園者数 区 分 大 上野 多摩 葛西 井の頭 合計 摘 要 人 1,300,999 428,895 633,918 300,051 2,663,863 中学生 39,625 1,653 10,529 446 52,253 99,888 37,608 38,466 39,433 215,395 1,440,512 468,156 682,913 339,930 2,931,511 人 105,307 71,505 123,918 8,702 中学生 791 217 1,308 17 2,333 〃 1,887 1,178 10,514 1,111 14,690 〃 107,985 72,900 135,740 9,830 326,455 1,548,497 541,056 818,653 349,760 3,257,966 小学生以下 998,068 301,488 515,971 199,153 2,014,680 中学生 16,634 5,739 23,986 4,442 1,014,702 307,227 539,957 203,595 2,065,481 児 73,969 62,946 41,578 20,989 199,482 団 小学生 49,000 57,809 58,282 15,886 180,977 体 中学生 46,617 2,764 19,063 348 68,792 計 169,586 123,519 118,923 37,223 449,251 特免等 51,990 31,279 39,799 21,135 144,203 身体障害者等 その他 113,416 70,128 53,561 37,349 274,454 無料開園日等 1,349,694 532,153 752,240 299,302 2,933,389 2,898,191 1,073,209 1,570,893 649,062 6,191,355 個 人 65歳以上 有 計 大 団 料 体 65歳以上 計 小 個 計 人 計 幼 無 料 小 合 計 計 - 38 - 309,432 20人以上 50,801 都内在住在学 財団法人東京動物園協会 2.年間パスポート販売状況 園 名 販売実績 上 野 動 物 園 摘 要 11,210 枚 一般2,400円、65歳以上1,200円 多 摩 動 物 公 園 5,222 枚 葛西臨海水族園 2,010 枚 一般2,800円、65歳以上1,400円 井の頭自然文化園 9,948 枚 一般1,600円、65歳以上 800円 合 計 〃 28,390 枚 〔2〕利用案内・園内サービス ①園内における利用者案内、迷子相談、救急救護、園内放送、身障者用車椅子の貸出等のサ ービスや拾得物・遺失物対応を実施した。 ②園外からの電話による問い合わせに対応した。 ③園内案内図、案内板を更新した。 ④GWや春休みの繁忙対策として、上野、多摩で仮設トイレを設置した。 ⑤東京動物園ボランティアーズのサービスガイドグループとの協働により、園内案内サービ スや園内催物を実施した。 (園内利用案内) 園 名 上 野 697 3,450 574 825 378 2,856 多 摩 172 3,554 560 393 527 3,562 葛 西 292 1,408 309 593 464 2,714 井の頭 139 143 269 97 287 721 1,300 8,555 1,712 1,908 1,656 9,853 合 計 迷 子 放 送 救 護 車椅子 遺失物届 拾得物届 〔3〕園内巡回警備 巡回警備による整理・誘導、防犯など、入園者の安全に配慮して実施した。繁忙期には増員 により対応した。 - 39 - 財団法人東京動物園協会 〔4〕園内清掃及び廃棄物搬出 園内美化を図り、園内の清掃及び収集したゴミ等の廃棄物を園外へ搬出した。また、搬出し た寝藁等は専門施設においてリサイクルし肥料化した。 〔5〕利用促進活動 ①幼稚園・保育園、学校、旅行代理店へのダイレクトメール発送(4園共通 2,963件) ②繁忙期における休園日の臨時開園(上野1日、多摩4日、葛西6日、井の頭1日)、開園 時間延長(上野14日、多摩7日、葛西15日、井の頭8日)を実施した。 ③車内広告(多摩1,400枚) 、駅貼りポスター(上野108駅) 、駅サインボード広告(葛西6件、 井の頭1件)を作成し、掲示した。 ④ホームページ(TOKYO ZOO NET)からダウンロードできる4園の外国語マップに、新た にフランス語、ドイツ語、スペイン語を加え計8カ国語とした。また、各園のイベント告 知ページを新たに制作した。 ⑤多摩において、観覧時間やテーマに合わせた5つの推奨コースを設定し、ホームページ上 でも閲覧・ダウンロードできるようにした。 ⑥利用者の視点で施設を客観的に検証するブラインドモニター制度(覆面調査員による施設 調査)を実施し、調査結果を踏まえサービスや施設の改善を図った。 〔6〕広報広聴 園内動物の繁殖や催事等についての広報発表、取材対応のほか苦情や要望への対応を行った。 (主な広報発表) 園 上 別 野 発表日 件 名 20.4.30 ジャイアントパンダの「リンリン」が死亡しました 20.8.7 日本初!スバールバルライチョウの人工ふ化に成功! 20.10.9 スマトラトラの歓迎式典を行います! 21.2.9 国際生物学オリンピック プレイベント 他 21.3.12 「クマの小径」完成記念式を行います! 他 その他、合計 35 件 多 摩 20.4.14 多摩動物公園開園 50 周年記念式典の開催について 20.4.25 東京都多摩動物公園開園 50 周年記念式典における常陸宮同妃両殿下の 御臨席について 20.6.5 天皇皇后両陛下「東京都立多摩動物公園御視察」行幸啓のお知らせ 他 20.10.30 多摩生まれのトキたちが佐渡へ旅立ちます 21.2.25 未来ワークショップを開催します その他、合計 51 件 - 40 - 他 財団法人東京動物園協会 園 葛 別 西 発表日 件 名 20.5.8 企画展「TOKYO カエルさわぎ」開催! 20.6.3 水族園開館 19 年目にして!累計入園者 4,000 万人、カウントダウン開 始!! 20.7.24 【イベント情報】「夜の水族園 R16」参加者募集 20.12.25 国際カエル年イベント「東京でカエルを見かけたヨ!」実施報告 21.2.25 特設展示「Touching & Feeling(タッチンフィーリン) 」開催! その他、合計 20 件 井の頭 20.4.24 トウキョウサンショウウオの飼育下での繁殖に成功! 20.6.26 「文化園でコンサート・マーラの音楽祭」出演者大募集! 20.8.28 【イベント情報】アジアゾウ「はな子」61 歳のお祝い会を開催します 20.10.23 21.3.12 干支展 2009「牛と人・ヒトとウシ~牛がちかくなる、ウシがみえてく る」 資料館特設展示 井の頭狸庵にようこそ~のぞいてみるタヌキの真実 ~ その他、合計 23 件 〔7〕事故等緊急時及び災害時の対応 ①災害時に備えた訓練として、多摩動物公園において、地震発生によるサバンナ放飼場の斜 面の倒壊により興奮したシロオリックス親子2頭が脱出したとの想定による猛獣脱出対 策訓練を2月に実施した。 ②台風や大雨等の気象警報発令時等に、巡回点検や職員の事務所待機を行い災害時に備えた。 〔8〕有料施設等の占用等の申請受付と料金徴収 園内での写真撮影や集会所の使用申請の受付事務と入園料、使用料、占用料の徴収及び東京 都への納付事務を行った。 1.入園料金の徴収 園 名 収 納 額 摘 要 上 野 動 物 園 843,666,100 円 大人600円、中学生200円、65歳以上300円 多 摩 動 物 公 園 289,159,660 円 葛西臨海水族園 523,294,240 円 大人700円、中学生250円、65歳以上350円 井の頭自然文化園 112,847,140 円 大人400円、中学生150円、65歳以上200円 合 計 〃 1,768,967,140 円 - 41 - 財団法人東京動物園協会 2.占用料・使用料の徴収 園 名 収 納 額 摘 要 上 野 動 物 園 766,200 円 占用料(写真撮影等) 多 摩 動 物 公 園 331,096 円 〃 葛西臨海水族園 112,100 円 〃 井の頭自然文化園 241,100 円 占用料・使用料(資料館・童心居) 合 計 1,450,496 円 - 42 - 財団法人東京動物園協会 Ⅵ.施設維持管理業務 〔1〕定常的維持管理 施設や設備を適切に保守し、利用者の安全と快適性を確保するために、以下の園内施設の維 持管理業務を実施した。 園 名 主 要 施 設 ・敷地面積:143千㎡ ・クマ舎、ゾウ舎等 ・設備更新(水処理、ボイラー、空調、暖 房他) ・両生爬虫類館 ・補修工事(動物舎、漏水、排水、園内不 ・動物園ホール 恩 賜 上 野 動 物 園 主要維持管理業務 陸他) ・不忍池 ・設備保守(機械、水処理、放送、動物脱 出防止柵他) ・不忍池水質管理 ・設備点検 ・保護管理(植込地、花壇) ・危険樹点検対応 ・敷地面積:601千㎡ (含む七生公園) ・オランウータン舎、 コアラ館等 他 ・設備更新(水処理、ボイラー、空調、暖 房他) ・補修工事(動物舎、漏水、排水、園内不 陸他) 多 摩 動 物 公 園 ・ライオン園他 ・設備保守(機械、水処理、放送、動物脱 ・昆虫生態園 出防止柵他) ・丘陵地 ・設備点検 ・枯損木処理 ・保護管理(植込地、芝生地、花壇)他 ・敷地面積:86千㎡ ・補修工事(池沼漏水、水槽防水、園路拡 ・マグロ水槽(2000t)、 ペンギン池他 幅、授乳室、塗装工事) ・設備更新(非常配線他) 葛 西 臨 海 水 族 園 ・ポンプ(水処理用234 ・設備保守(中央監視、水処理、展示シス 台、給排水用56台) テム、排水処理、オゾン設備他) ・設備点検 ・保護管理(植込地、芝生地、花壇)他 - 43 - 財団法人東京動物園協会 園 名 主 要 施 設 ・敷地面積:116千㎡ ・大放飼場 ・設備更新(水処理、ボイラー、空調、暖 房他) ・彫刻館 井の頭自然文化園 主要維持管理業務 ・補修工事(動物舎、漏水、排水、園内不 ・リスの小径 陸他) ・熱帯鳥温室 ・設備保守(機械、水処理、放送他) ・資料館 ・設備点検 ・保護管理(植込地、花壇) ・危険樹点検対応 他 〔2〕集中的維持管理 利用者サービスの向上を目標に動物のライフラインの確保などを含め、便所等の便益施設や、 休憩施設を中心に集中的な修繕を行った。 園名 上 多 葛 野 摩 西 井の頭 № 修繕施設 概 要 1 東園ほか 高木支障枝除去 2 ゴリラ・トラ舎ほか 消防設備補修 3 両生爬虫類館 温水ポンプ補修、ボルトナット類交換 4 ペンギン舎ほか 量水器補修 5 西園 木製テーブル・椅子塗装補修 6 園内各所 トイレ補修 1 トキ舎 監視カメラ設備補修 2 オオカミ舎 放飼場補修、監視カメラ埋設 3 ユキヒョウ舎 防護柵補修、空調機補修 4 昆虫生態園 自動制御機器交換、監視装置機器補修 5 インドサイ舎 飼育室扉補修 6 モグラ舎 スロープ基礎、階段、手すり等補修 7 ヤクシカ舎ほか 観覧通路補修、園路補修 1 ペンギン舎 空気清浄機補修 2 予備飼育室 空調機、排気ファン等補修 3 渚の生物 プランジャー型造波装置補修 4 本館無料休憩所 給水管補修 5 ゲート棟 汚水配管補修 1 ゾウ舎 遠赤外線暖房機補修 2 児童遊園 ブランコ、シーソー等磨耗部交換・補修 3 園地 支障樹木伐採(28 本) - 44 - 財団法人東京動物園協会 第4 □ 事業特別会計 事業総括 恩賜上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園の利用者の利便と公益事業の充実のために、 以下の事業を実施した。 事業区分 事業細目 園 名 種 (1)恩賜上野動物園 1.便益施設の経営 (2)多 摩 動 物 公 園 (3)葛西臨海水族園 別 箇所数 (1)売店 4 (2)飲食店 2 (3)臨時売店 1 (4)自動販売機コーナー 7 (5)写真(映像資料)貸出 1 (6)ベビーカー貸出所 2 (7)コインロッカー 1 (1)売店 4 (2)飲食店 1 (3)臨時売店 3 (4)自動販売機コーナー 7 (5)コインロッカー 1 (6)ライオンバス 1 (1)売店 2 (2)飲食店 1 (3)自動販売機コーナー 2 (4)コインロッカー 2 (1)恩賜上野動物園内広告事業(広告施設10箇所) 2.そ の 他 事 業 (2)恩賜上野動物園ユビキタスサービス運営業務受託 - 45 - 財団法人東京動物園協会 Ⅰ.便益施設等の経営 〔1〕施設及び収入額 (単位:千円) 園 名 施 設 名 収 入 額 1.1号売店(店名:リトルトランク) 2.4号売店(店名:カメレオン) 3.東食売店(猿山前) 4.東園中央広場売店(店名:バードソング) 5.飲食店第1号(東園) 恩賜上野動物園 6.飲食店第2号(西園) 7.臨時売店 1,228,189 8.自動販売機コーナー 9.ベビーカー貸出所 10.写真(映像資料)貸出 11.コインロッカー 12.その他 1.2号売店(コアラ館) 2.3号売店(ライオン園) 3.4号売店(店名:コレクション) 4.5号売店(店名:ズーカフェ) 多摩動物公園 5.飲食店(アフリカ園) 6.臨時売店 629,501 7.自動販売機コーナー 8.ライオンバス 9.コインロッカー 10.その他 1.1号売店(店名:アクアマリン) 2.2号売店(店名:アクアスケープ) 葛西臨海水族園 3.飲食店(店名:シーウインド) 4.自動販売機コーナー 577,266 5.コインロッカー 6.その他 合 計 - 46 - 2,434,955 財団法人東京動物園協会 〔2〕商品取扱状況 区 分 上野動物園 取扱商品数 1,400 1,631 1,597 内 ギフトその他 1,143 1,390 1,454 訳 飲 257 241 143 食 品 - 47 - 多摩動物公園 葛西臨海水族園 財団法人東京動物園協会 Ⅱ.その他事業 〔1〕恩賜上野動物園内広告事業 上野動物園の案内誘導サイン等の整備費用に充てるため、園内に設置した下記の広告掲示 施設により、広告料金による民間からの資金を得た。 種 別 設 置 場 所 数量 ジャイアントパンダ、ニホンザル、カバ、サイ、ゾウ、ゴリラ、 動物解説ボード ワシ・タカ、キリン・オカピ、ハシビロコウ 環境啓発ボード モノレール東園駅前 9基 1基 また、この資金により園内に下記の案内誘導サインを設置し、東京都に寄付をした。 種 別 設 置 場 所 金額 総合案内地図サイン 東園表門広場 7,786,468円 分岐点誘導サイン 東園ゾウ放飼場擬岩前 6,329,532円 合 計 14,116,000円 〔2〕恩賜上野動物園ユビキタスサービス運営業務受託 東京都からの委託により、携帯端末ユビキタスコミュニケーターを使い園内の動物等の情 報を取得できるユビキタスサービスの運営業務を実施した。 項 件 目 内 容 名 恩賜上野動物園ユビキタスサービス運営業務 ①申込受付、操作方法説明、貸出・返却受付、トラブル対応等の参加者接遇 業務 業 務 内 容 ②携帯端末及び周辺機器の点検・補修等の保守点検管理業務 ③既存コンテンツの中国語・韓国語版の制作 ④その他、事前申込受付やアンケートの実施等 期 間 平成20年4月1日~平成21年3月31日 委 託 金 額 61,912,200円 - 48 - 財団法人東京動物園協会 第5 事 務 報 告 Ⅰ.役員会議の開催 〔1〕理 事 会 回 開催月日 議 題 (1)平成19年度事業報告について 第1回 6月24日 (2)平成19年度決算報告について 監査報告 (書面表決) 12月26日付 (1)平成20年度指定管理者事業特別会計収支補正予算(案)に ついて (1)公益法人への移行に関する方針について (2)平成21年度事業計画書(案)について (3)平成21年度収支予算書(案)について 第2回 3月27日 (4)最初の評議員の選任方法について (5)「最初の評議員選定委員会設置運営規程」の制定について (6)最初の評議員選定委員会の外部委員の選任について (7)「最初の評議員」推薦名簿について (8)「職員の職務発明に関する規程」の制定について 〔2〕評議員会 回 開催月日 議 題 (1)平成19年度事業報告について 第1回 6月24日 (2)平成19年度決算報告について 監査報告 (書面表決) 12月26日付 (1)平成20年度指定管理者事業特別会計収支補正予算(案)に ついて (1)公益法人への移行に関する方針について (2)平成21年度事業計画書(案)について 第2回 3月27日 (3)平成21年度収支予算書(案)について (4)最初の評議員選定委員会委員の互選について (5)「最初の評議員」推薦名簿について (6)補欠監事の選任について - 49 - 財団法人東京動物園協会 Ⅱ.監 査 〔1〕平成19年度の事業報告及び決算報告について、平成20年6月4日及び6月6日に監事に よる監査を実施した。 〔2〕京橋監査法人と監査契約を締結し、公認会計士による会計帳簿・証憑書類の試査、実地 棚卸立会、現金実査、銀行残高確認等の外部監査を実施した。 - 50 - 財団法人東京動物園協会 Ⅲ.人事関係 〔1〕就任・退任 ① 理事・監事の就任 役職名 監 ② 氏 名 事 藤 井 芳 弘 3月27日 摘 要 東京都建設局総務部長 参与の就任 役職名 参 ③ 氏 名 与 小 宮 輝 之 就任月日 5月7日 摘 要 東京都恩賜上野動物園長 評議員の就任 役職名 氏 名 評 議 員 大 原 正 行 ④ 就任月日 摘 7月13日 東京都教育委員会教育長 要 〃 中 村 正 彦 8月1日 (財)東京都公園協会理事長 〃 井 口 晃 9月21日 キリンビール(株)東京統括支社長 〃 石 川 芳 昭 10月6日 東京都議会環境・建設委員会委員長 退任月日 摘 理事・監事の退任 役職名 監 ⑤ 就任月日 氏 名 事 影 山 竹 夫 6月30日 要 前東京都建設局総務部長 評議員の退任 役職名 氏 名 評 議 員 中 村 正 彦 退任月日 摘 7月12日 前東京都教育委員会教育長 要 〃 山 下 保 博 7月31日 前(財)東京都公園協会理事長 〃 高 島 義 彦 9月21日 前キリンビール(株)東京統括支社長 〃 谷 村 孝 彦 10月6日 前東京都議会環境・建設委員会委員長 - 51 - 財団法人東京動物園協会 〔2〕役員等名簿 ○総 裁 常 陸 宮 殿 下 ○会 長 貫 洞 哲 夫 (1)理事及び監事 No. 役職名 (平成21年3月31日現在) 氏 名 摘 1 理事(理事長) 浅 倉 義 信 元東京都建設局次長 2 理事(常 3 〃 4 要 務) 守 屋 建 洋 元(財)東京動物園協会事務局長 伊 藤 精 美 元東京都建設局公園緑地部長 事 菅 谷 理 博 茨城県立自然博物館長 5 〃 羽 仁 6 〃 福 原 義 春 (株)資生堂名誉会長 7 〃 西 山 廣 一 京王電鉄(株)特別顧問 8 〃 岡 野 俊 一 郎 国際オリンピック委員会委員 9 〃 青 木 淳 一 横浜国立大学名誉教授 10 〃 島 津 久 永 (財)山階鳥類研究所理事長 11 〃 見 城 美 枝 子 青森大学教授、エッセイスト 12 〃 小 林 13 〃 小 口 健 藏 東京都建設局公園計画担当部長 1 監 進 映画監督・評論家 光 (財)自然環境研究センター副理事長 事 木 村 一 雄 上野のれん会会長 2 〃 木 村 欣 二 黒川木徳証券(株)取締役会長 3 〃 藤 井 芳 弘 東京都建設局総務部長 (2)参 No. 1 与 氏 名 摘 小 宮 輝 之 恩賜上野動物園長 - 52 - 要 財団法人東京動物園協会 (3)評 議 員 No. 氏 名 摘 要 1 林 2 高 橋 茅 香 子 翻訳家 3 松 島 ト モ 子 俳優 4 内 山 5 ヒ サ ク ニ ヒ コ 漫画家・絵本作家 6 村 田 浩 一 日本大学生物資源科学部教授 7 海 老 名 香 葉 子 エッセイスト 8 篠 永 9 柿 澤 亮 三 玉川大学教育博物館特任教授 10 遠 藤 秀 紀 東京大学総合研究博物館教授 11 石 川 芳 昭 東京都議会環境・建設委員会委員長 12 島 13 小 川 泰 和 東京都東部公園緑地事務所長(局務担当部長) 14 上 杉 俊 和 東京都西部公園緑地事務所長 15 大 原 正 行 東京都教育委員会教育長 16 真 室 佳 武 東京都美術館長 17 松 本 辰 明 東京文化会館副館長 18 吉 住 19 馬 場 弘 融 日野市長 20 多 田 正 見 江戸川区長 21 邑 上 守 正 武蔵野市長 22 佐 藤 禎 一 独立行政法人国立文化財機構理事(東京国立博物館長) 23 青 柳 正 規 独立行政法人国立美術館理事長(国立西洋美術館長) 24 佐 々 木 正 峰 独立行政法人国立科学博物館長 25 二 木 忠 男 上野観光連盟会長 26 中 村 正 彦 (財)東京都公園協会理事長 27 井 口 良 博 東京大学大学院教授 晟 動物写真家 哲 元東京医科歯科大学大学院助教授 博 文 東京都建設局次長 弘 台東区長 晃 キリンビール(株)東京支社長 - 53 - 財団法人東京動物園協会 (3)顧 No. 問 氏 名 摘 1 石 原 慎 太 郎 東京都知事 2 鈴 木 俊 一 元東京都知事 3 石 内 展 行 元(財)東京動物園協会理事長 4 浅 倉 繁 春 元(財)東京動物園協会理事長 5 中 川 志 郎 元(財)東京動物園協会理事長 6 矢 島 稔 元(財)東京動物園協会理事長 7 齋 藤 勝 元(財)東京動物園協会理事長 8 正 田 陽 一 元(財)東京動物園協会副会長 要 (4)正会員 〔賛助会員〕 上田 浩 〔維持会員〕 関 斎 斉藤進一 高碕芳郎 - 54 - 上田憲治 上田清一
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