2016年4月 No.456

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公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
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愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
公衆衛生看護活動論シリーズ6
行政に在る保健師の活動機能論(その3)
~看護師の所属と配置
宮城県の動向を中心に~
市
1.はじめに
川
礼
子*
いて概括した。
シリーズ1(№43
8
)では「戦後保健所法下の
今回は公衆衛生活動現場に在った者の視点
保健師活動の土壌」として筆者が公衆衛生看護
で,保健師活動の位置と時流における変化につ
活動の現場(S3
0
県保健所)に入った当時の活
いて宮城県の例を辿り併せて福祉の流れ,公衆
動の場の印象,人口動態統計10
0
年を概観し,そ
衛生,社会背景等を重ねて保健師活動の姿を
れをベースにして先達が取り組んだ公衆衛生活
追ってみたい。
動の成果(人口ピ ラミッド ,死因別死亡の変
化),公衆衛生看護活動の目標(Le
xi
s
川上寿命
2.保健所保健師の所属と変化
説),行政に所属する日本の保健師の位置(マイ
~宮城県の場合~
ケルリプスキーのストリートレベルの行政職員
公衆衛生行政,体系から対人部門における地
理論)等を活動論シリーズのリードとして記し
域保健師活動のコアは保健所であり,保健師の
た。
組織上の在り方に係ると考える。筆者の記憶と
入手できた県職員録各年版1) の資料に基づき,
シリーズ2(№44
0
)では「保健師活動の萌芽
と歩み」として保健婦規則前後から戦後の法制
県保健所保健師の所属変化のあらましを った
度として,わが国の公衆衛生看護の萌芽と国家
(資料1)。そして資料に基づき保健所行政に
社会的背景,保健師養成の歴史年表により公衆
位置して来た保健師の役割期待と機能,県行政
衛生看護発生の必然性(全国と宮城県)につい
の背景を併せ概括を試みた(表1)
。
戦後間もなくから平成の今に至る時代経過の
て記した。
シリーズ3(№44
1
)ではシリーズ2に継続し
中に県保健所保健師の所属と位置は図の指導方
て「宮城県の保健師養成の経過と新制度養成と
針の下,即ち保健所行政における保健師の役割
初期の保健所への配置」について記した。
期待に幾つもの変化が認められる。
「県保健所保健師所属の変遷」表1で昭和24
シリーズ4(№45
1
)では「行政に在る保健師
の活動機能論」として著者が考究した「公衆衛
年から平成19
年(5
8カ年)までの保健師配置に
生看護ハウスモデル(保健師活動起動要素ク
ついて大まかに9つ(a~f)の年代区分を試
オーク)
」とリプスキーの「ストリートレベルの
みた。
区分a(S2
4
~)の時期は戦後社会体制が崩
行政員理論」の結合の必然性を保健師のライセ
壊し,国民の生活,健康が緊急最大の課題と
ンス特性から論じた。
シ リーズ5(№4
5
4
)では前シ リーズ(その
なった時期。GHQの指令や厚生省医務,予防,
2)として「近代化の下の公衆衛生と保健師活
保険3局長による「保健婦業務の指導指針」
(シ
動の変遷」として日本の公衆衛生が官僚組織体
リーズ№5資料1)が示されている。一方,当
制において進展した経緯と戦後の変化,保健師
時の地域活動,環境は蚊とハエ,飲料水,寄生
教育と筆者らが所属した現場活動の一端,中央
虫,トラコーマ,結核,赤痢他急性伝染病,乳
行政の保健師活動指導方針に底通する思想につ
児死亡と栄養不良,過重労働と切迫した課題が
山積し,対物部門の技術者も対人部門の保健師
も技術領域を越えて,持てる技術をすべて投入
*(元)宮城県保健師
し現場活動に取り組んだ(表2)。リプスキー
(元)山形県立保健医療大学
の行政員組織論(シリーズ4)で言えば第一線
教援(公衆衛生看護学)
-1
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
の現場職員は,それぞれすべての職員が「ヘッ
となる行政組織作用において保健婦室制の意義
ド」の働きを為し,住民のその後の健康生活再
は大きい。保健所の公衆衛生活動において保健
生,安定への道を開いた。
師は地域住民の健康生活問題を包括的に捉えボ
区分b(S3
9
~)の時期はそれまで保健所総
トムアップ(ラインA)役割を果たす機能とし
務課に所属し総務課長の下に保健婦係(所長発
ての役割特性を持つ(シリーズ4,図1)。この
令の保健婦長)とし て配置されていた保健師
在り方は保健所の第一線活動において,憲法25
が,職能グループとして保健所保健婦室(室長
条の目的に至るうえの望ましい形で保健師職能
保健師,知事発令)として組織された時期であ
が起用されたものと考える。
る。保健所の行政ラインの中で,所長に直属す
昭和39
年(表1 ,b)の室制から1
0カ年を経
るスタッフ部門として位置づけられた特記すべ
て,4
9
年室制廃止(表1 ,c)に変わった時点
き時である。
で保健師は,保健所で自己のライセンスが行政
筆者は昭和38
年~4
1
年県衛生部の看護係に在
組織で生かされるよう,職能団体として多くの
籍し佐藤千栄子係長の下,青森県の花田ミキ看
要望意見具申をした。しかし行政組織において
護係長を尋ねて,すでに室制をとっていた青森
保健師職能の十分な理解と活用には至らなかっ
県の保健婦室制について状況を視察し助言を受
た。根底には歴史的に官僚制を主流とする日本
けた記憶がある。当時,高知県でも駐在制が取
の衛生行政の成り立ち(シリーズ5)と保健師
られたり,多くの状況は把握してはいないが,
職能自体に自他の理解を十分に得られるだけの
住民の生活の場に密着して活動する外,保健師
論理構築の欠如があったろうかと考えている。
の機能特性を公衆衛生行政の中でどう活用する
3.戦後昭和から平成への渦中で
か試行された時代であったと思う。
1)保健所行政の中に位置して
区分c(S4
9
~)は保健所組織でスタッフ部
門として機能していた保健婦室が廃止された。
前節で筆者が所属した時期と前後を含めて保
事務部門の予防課と統合され保健指導課に編成
健所における保健師の所属課,係,役付のあら
され課長は事務職又は保健師,栄養士が発令さ
ましをたどった。
れた。係は4係(保健,予防,医療,指導)に,
保健所は公衆衛生行政の中核であり,その活
課長,係長の役職を含めて混成された。因みに
動の在り方は管轄市町村自治体を含めて地域住
4
9
年合併時の課長は1
4
保健所で保健師5,栄養
民の健康生活のすべてに及んでいる。
保健所所長を医師として13
種余の保健衛生技
士1,事務職8名で,室長であった9名の保健
術職員を庸している。更に医務,統計の事務機
師は課の係長発令となった。
区分d(S5
4
~)では保健指導課(保健師,
能も置かれ,人口動態統計,医療給付事務,管
助産師,栄養士)の技術職系と保健予防課(事
内の病医院の医療監視指導,地域医療の束ね,
務職)に分離した。区分e(H10
~)では再度
対人,対物の技術職員と共に所轄事務を担って
地域保健課と保健指導課として保健と予防の2
いる。国の衛生行政の最前線である保健所活動
課に,技術職と事務職との混成補填がなされ
は,所組織編成と公衆衛生の多面的機能を持つ
る。そして区分f(H11
~1
9
~)は今の時代に
職員の位置づけと活用の在り方により,その第
至組織配置である。
一線活動成果に大きく影響を及ぼすものと考え
振り返って戦後公衆衛生行政として展開した
る。表1により昭和2
4
年から平成に至る保健所
保健所に所属する保健婦は,住民の健康課題そ
保健師の組織上の位置を通覧したが,対人部門
のものよりも中央・地方の行政指向,社会経済
の地域保健活動では,保健所保健師の組織上の
的背景により強い作用を受け,第一線行政組織
在り方は,その役割期待の変化により幾度もの
における在り方に幾度もの職能位置づけの変化
揺らぎを経て今日に至っていることが認められ
を見ている。
る。
以上県保健師の所属変遷を通覧すると,昭和
戦後の保健師活動体制は,昭和2
4
年厚生省
3
9
年時(区分b)の保健師室の制度化(スタッ
(医務,予防,保険局長)から都道府県知事あ
フ組織)は,トップダウンでタテの流れが主流
てに「保健婦業務の指導方針について」通知が
-2
-
公衆衛生情報みやぎ№4
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6
出され,戦後保健所法(S22
改正)の下,保健
表2の内容の時代区分,概括については「国
所を中心とし た管内保健婦業務の指導基本方
民福祉の動向」から,法制社会背景,統計数字
針,指導体系,県行政(保健婦主務課)の役割,
は「国民衛生の動向」から資料を求め福祉視点
再教育等が行われた。(シリーズ5
の概括の裏づけとして用いた。
資料1 ,
2)。
これによると保健医療(公衆衛生)面では,
保健所では保健婦長,地区担当保健婦によ
国民の激し い生活変化に応じ て統計数字の移
り,管内保健婦業務の把握,業務研究会,業務
行があり,公衆衛生最大の目標とする寿命の
相談指導,市町村保健婦の充足等,保健所自ら
伸び(川上寿命説)という成果が得られてい
の活動と共に地域の問題把握,地域保健活動計
る。しかし一方,これらを踏まえて福祉の面,
画,地域特性に基づく共同事業の実施等,保健
即ち憲法2
5
条が意図する公衆衛生と広義の福祉
所の地区担当保健師と市町村保健師がコアにな
(we
l
f
ar
e
)が 重 な り 噛 み 合 っ て 進 展し 得 な
り,保健所,市町村それぞれの所属機関の機能
かったと思われる。
を背景に地区活動を展開し た。これらに つい
即ち,公衆衛生面では川上寿命説3)に届く寿
て,一部事業項目とその概略ではあるが本シ
命の伸びがあり乳児死亡等の激減がみられた。
リーズ4と資料に記してある。その活動実績は
一方出生率の低下,合計特殊出生率が昭和35
年
後日,行政が取り上げ 施策化されたものも多
2
.
0
となり老人人口割合が昭和4
5
年に7
.
1
%と高
い。これらの事業取組の基点は従来(T12
関東
齢化社会の兆しが生じる。平成元年には,14
.
5
大震災時活動方法,S16
人口政策確立要綱,S
の高齢社会,2
4
年には超高齢社会2
4
.
1
へと平成
1
7
保健婦設置に関する件,同記-4,H2
5
地域
に入ってわずか2
4
年の間に世界に類を見ない速
における保健師の活動について)から受け継が
さの高齢化が進む社会になった。表1の歴史区
れて来た保健師活動方法の大本となる「地区担
分では,昭和5
0
年以降が社会保障制度の転換
当制」の方法論が根拠になると考える。
期,社会福祉の契約化,平成15
年以降をカオス
他面,この体制は表1にまとめた区分a(s
(混沌)の時代と表現している。平成元年(老
2
4
)からd
(S5
4
,H5)の時期まで継続されて
人人口1
2
.
0
%)にゴールドプランとして「高齢
来た。しかし,最も保健師職能の本来性が発揮
者保健福祉1
0カ年戦略」が提示され,年金制度,
されたのは区分b(S3
9
)の保健婦室制が取ら
高齢者医療制度にも メスが入れられた。そして
れスタッフ組織として位置づけられた時期であ
平成1
5
年以降を混沌の中にあるとし「過去の
ると思う。しかし,保健師の行政における位置
データ,歴史を踏まえて包括的に国民生活の在
づけは,戦後多種にわたる技術職の補填,室制
り方を再考再生へ」と結び厳しい現場の状況を
以降は予防衛生事務職の補充と行政執行のタテ
記している。
の流れに分散し,保健師の持つライセンスが十
改 め て 福 祉 の 国 とし て 世 界 に 知ら れ る ス
分に生かされる状況が狭まって来たと考える。
ウェーデンでは,その行政政策の歴史を見ると
そして更に平成に至り介護,福祉の課題が大
1
9
4
7
年(S2
2
)に「救貧政策からの脱却,体の
きなうねりとなって活動を覆う状況に至ったと
健康のベースは住宅」という国家政策方針の下
思われる。
に,1
9
7
4
年(S4
9
)高齢者の施設収容を廃止し,
ケアハウス,住宅・社会のバリアフリー化を進
2)膨らむ福祉と保健師活動の足場
めたと伝えられている(スウェーデンの高齢者
表2「近代から現代への保健・医療・福祉の
4)。この方針は政権党が変わっても揺
政策史)
変遷」で我が国の戦前戦中戦後現今に至る保健
らぐことなく国民の健康と生活を重視した福祉
医療福祉の変遷を概括し た 2)(国民衛生の動
国家をおよそ30
年を経て形成し たと伝えられ
向,国民の福祉の動向各年版)。
る。
明治維新(M元,18
6
8
)以降,急速に近代化
わが国では,Ⅵ「社会福祉の契約化」の時期
を る中での日本の保健医療福祉の動向が社会
(老人人口14
.
5
%)が,Ⅲ「救貧から社会保障
的背景と法整備,統計数字によってその大筋が
政策」
(合計特殊出生率2
.
0
),Ⅳ「社会保障制度
捉えられると思う。
の整備,充実」
(老人人口7
.
1
%)の時期までお
-3
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
よそ3
0
年をさかのぼり,日本の福祉行政が公衆
一部を除いて事務職が当たり,保健師はスタッ
衛生分野の各種統計資料(人口構造,出生率他)
フ・オフィサーの位置役割となった。
等を中央行政において包括的に共有され未来設
従来の保健環境(環境衛生を除く)と生活福
計が為されてこなかった。我が国においても,
祉が統合し保健福祉部となる。平成19
年資料で
戦後憲法2
5
条1項・2項の意図がスウェーデン
は,県保健福祉部は1
0
課3室に編成され,保健
のような長期展望の下で進展しておればⅦ期の
師は5課3室に室長1 ,補佐3 ,班長1 ,班
混沌の時代がまた異なった様相を呈していたの
員9人として配置された。
保健所は保健福祉事務所,保健所として7カ
ではなかろうか。
所に統合した。事務所長は事務系が当たり,保
3)保健医療福祉行政の概括
健所は医師で保健医療監と位置づけられ,従来
表2の「近代から現代への保健・医療・福祉
の福祉事務と保健所の保健衛生技術が重なり合
の変遷」で,特に昭和後期(S4
0
~S5
0
)Ⅳか
い所内の班を編成する。但し県レベルでは環境
ら平成初期Ⅵを通覧すると,昭和後期の経済成
衛生部に所属した食品薬事,環境公害部門は第
長の下,国民生活総中流,物質経済,消費化,
一線の公所では環境衛生部として所属し部長・
生活習慣病の増加があり,出生率,合計特殊出
班長は技術職が当たる組織になった(資料1の
生率の低下,一方老人人口割合の増加がみら
⑩)。
れ,日本が高齢化社会へ急速に進展していると
時代のニーズとして保健衛生と福祉事務が統
予測される。そして平成初期(Ⅵ)に高齢者保
合し,今後の進展を期待されることになる。し
健福祉1
0
ケ年戦略,社会福祉の契約化(措置制
かし,筆者としては対人保健技術,対物衛生技
度から契約へ)介護事業の民間導入,介護保険
術を一つにして地域全体を俯瞰し,住民の健康
制度(法制H9施行1
2
年)の実施,地域福祉の
生活安全を担う「公衆衛生」の視点はどう継続
推進,社会福祉関係専門職員(社会福祉主事
されるのか,公衆衛生の場で対人保健を担って
他)の充実強化,資格認定講習など,従来の措
来た保健師の技術は,従来措置と給付が主で
置制度といった社会福祉全体の基礎構造を改
あった福祉事業変革の進展にどう加わり,これ
革,社会福祉への体制づ くりが急務であるな
まで培った活動技術をどう生かしてゆくか大き
ど,Ⅶカオスの時代に至る多くの課題を抱える
な課題であろうと考える。
現状に至っている2)。
4)底通する保健師活動の在り方
保健衛生行政の部でも地域保健法(H6)が
昭和2
2
年の保健所法を全て含み,新たに制定さ
保健と福祉組織の統合という時流激変の過程
れた。市町村自治体行政機能の充実,地域保健
において,平成2
5
年保健師活動の在り方につい
行政を包括系統だて時代に担うものとして制定
て厚生労働省から「地域における保健師の活動
された。
に ついて」健康局長通知が出されている(シ
これら介護保健法と相俟って第一線で現場活
リーズ5,資料2)。
動を担う保健福祉の組織体系,特に保健師の所
この通知は 昭和2
4
年の「保健婦業務指導指
属組織における位置も,平成9~10
年から徐々
針」に継ぐものであるが,その間保健師教育カ
に,平成1
1
年から具体的に,平成19
年からは明
リキュラムの概念整理(H23
)があり,公衆衛
らかにその位置づけと役割期待に変化がみられ
生看護学(H元)→地域看護学(H8)→公衆
る状況になっていると思われる(表1,資料
衛生看護学(H2
3
,養成所指定規則一部改正)
1)。
と改訂があり保健師教育の根幹が整えられた。
高齢社会の急速な進展,公の措置から民間事
平成2
5
年の通知は,「保健師活動について地
業を導入した介護保険事業,国民の生活と意識
域保健対策の主要な担い手である,保健所をコ
の多様化,明日への展望が描ける社会の閉塞
アに地域活動において重要な役割を果たして来
感,行政組織の統廃合(保健所9カ所が,福祉
た。健康寿命の延伸や健康格差の縮小目標を達
事務所7カ所と併合)があり所属する係は班編
成するため地方分権の進展をふまえ,保健師の
成となった(資料1)
。県行政ラ インの班長は
果たすべき役割を認識した上で住民の健康課題
-4
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
を主体的にとらえた活動を展開していくことが
4.おわりに
重要である」とし,更に記,主要事項として,
リプスキーによる行政組織論~行政施行の境
①管内を地区に分けて担当保健師を配置し,そ
界領域位置で活動する行政員~と筆者の保健師
の担当地区に責任を持って活動する地区担当制
活動実践分析から表出した公衆衛生看護活動理
の推進に努める,各種保険医療計画策定に保健
論をベースに論を進めて来た。
師が十分に関わる体制を整備する。②保健師の
日本の保健師が行政(公衆衛生行政)組織に
確保に努める,地方公共団体の保健師配置には
席を置き,激変する時流の中で紆余曲折しなが
地方交付税の算定基礎となっていることに留意
ら存在を保ちつづけた経緯を った。
する。③保健師が総合的保健サービ ス提供や包
「行政」について自己の学びも資料収集もま
括的システム構築と運用について主体的役割を
だまだ不足である。しかし,これを一つの足場
果たせるよう関係部分に配置し,かつ指導する
として不透明になっている現在像,公衆衛生看
役割を担う部署を明確にし配置する,などを示
護活動とは,保健師とは,日本の現実の中でど
している。更に指針別紙には,保健所・市町村
うあるものかを,現役の仲間の方々に追ってほ
行政機関が担う責任事務に即した具体的事項を
しいと願っている。
示している。
次回からは筆者はこれ まで文字化し て来な
筆者は第一線の活動組織が「混沌」と総括さ
かった幾つかの現場活動例を投稿し,活動論シ
れる現状において,平成25
年指針の意図するも
リーズは,現状を踏まえこれからをど う拓 く
のを改めて読みとり,保健師としての職務の在
か,そのために何を必要とするか等,現状から
り方を考える時点にあると考える。
未来への展望論を末永カツ子教授(東北大学大
さかのぼれば,保健師活動は大正12
年の関東
学院医学研究科保健学専攻地域ケアシステム看
大震災時の地域救護活動を始まりとして,昭和
護学分野)に託し更に稿を進める予定である。
1
6
年に国家的需要により制度として身分が定め
られた。
文献
昭和初期西欧に習って目指した公衆衛生看護
1)宮城県総務部人事課
の専門教育は戦後ようやく保健師助産師看護師
市
法の下に実現し,その実態となる教育体系,実
宮城県職員録
仙台
各年版
2)国民の福祉の動向 2
0
0
5
.通刊81
9
,47
~56
践活動の在り方,社会的認知は数十年の試行錯
国民衛生の動向
誤の時を積み重ねて今日に至っている。
都
現在は,憲法2
5
条の下に包括的に進展し得な
財団法人厚生統計協会
3)川上理一
かった公衆衛生と福祉制度,看護が超高齢社会
臨時増刊各年版20
0
5 東京
華房
生物統計学入門
川上理一
裳
1
9
6
4
.1
1
6
~1
1
8
(H2
4
,2
4
.
1
%)の重い扉を前に再編の渦中に
4)市川礼子 ケアを学ぶ学生のための介護・
在る。保健師自身自己の足場をどう見つめ固め
看護基礎ノート2活動の展開から専門職能ト
るか大きな課題である。
レーニングまで
田町船岡
-5
-
文星堂
市川礼子
宮城県柴田郡柴
1
9
9
9
.1
8
~1
9
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
表1
区分年次
a
①
県保健所保健師所属の変遷
保健師所属
役割・機能
戦後初期
(総務課)
技術職不足
多角適用
総務課1係
(県衛生部医務課)
緩行期
総務課1係
係枠内自由
個々の力量で自主行動
b ③
S3
9
保健婦室
行政ラインの課 専門スタッフ役割
に室制で加わる
所長直属
c
④
S4
9
保健指導課
(室は廃止予防 予防事務系へも
保健師配置
課に統合)
d
⑤
保健指導課
課に栄養士配置 技術(対人部門)の併合
(予防課分離)
保健指導課
同上
S2
4
②
S3
2
S5
4
同上
⑦
H5
f
S2
1「公衆衛生に関する覚書」
GHQ
S2
2保健所法(S1
2
全面改正)
S2
4「保健師業務の指導方針に
つい て」(厚生省・医務・予
防・保健3局長)
事務の補填
(県平成2年保健環境部)
(県平成5年保健福祉部)
保健指導課
⑧
H1
0
考
H1 ゴールドプラン
(厚生・大蔵・自治省)
高齢者保健福祉1
0カ年戦略
⑥
H2
e
備
H5
H6
新ゴールドプラン
地域保健法制定
H9
介護保険法制定
(県介護保険対策室係へ
保健師配置)
地域保健課
保健指導課
保健師栄養士・ 技術と事務系の併合
事務職
予防・精神事務の補填
保健師・事務職
⑨
地域保健斑
H1
1
保健指導斑
事務・保健師・ 事務と技術が併合
栄養士
保健師・事務
技術に事務が併合
⑩
H1
9
保健福祉事務所
(所長事務職)
保健所統合
(保健医療監・
医師)
企画・成人・高
齢・母子・障害
健康対策各班に
分散班長事務職
1部技術職
H1
2 介護保険施行
県8課1室に保
健師配置
事務・技術を各
班に統合配置
保健と福祉の併
合
公衆衛生対人部
分福祉包括
H2
5 厚生労働省健康局長通知
「地域における保健師活動に
ついて」(保健師活動指針)
-6
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
表2
時
保健・医療関係法
社会背景,法制等
恤 救 規 則(M7)
医 制 公 布(M7)
産 婆 規 則(M32
)
医師法公布(M3
9
)
看護婦規則(T4)
廃 藩 置 県(M4)
大日本帝国憲法公布
(M2
2
)
伝染病予防規則(M3
0
)
結 核 予 防 法(T8)
関 東 大 震 災(T1
2
)
昭和元年~2
0
年
国民の健康・生活より国力,国 保 健 所 法(S12
)
保健婦規則(S1
6
)
家機能の強化
国民は国策(戦争)遂行のため
の人的資源
思想支配,多産奨励,若者男子
の体力増強
伝染病の多発,特に結核(胃腸
炎,肺炎)
国家行政,衛生行政組織の整備
強化
実施期間として保健所設置,全
国に保健指導網
機能者としての保健婦資格発足
満 州 事 変(S6)
日 中 戦 争(S1
2
)
国 家 総 動 員 法(S1
3
)
国 民 体 力 法(S1
5
)
太 平 洋 戦 争(S1
6
)
広島,長崎原爆投下
(S2
0
)
戦後史
Ⅱ 昭和2
0
年
~3
0
年代
終 戦 新しい日本社会の構築 保健所法全面改正
GHQの指導,民主化,人権,教
(S2
2
)
育,公 衆 衛 生(医 療 福 祉 を 含 保健婦助産婦看護
む)
,社会保障
婦法
(S2
3
)
憲法;人権(男女平等)選挙,
健康で文化的生活の保障
行政の在り方(お上ではない公
僕)
ポツダム宣言受諾
<S2
5
>
(S2
0
) 平均寿命 男 5
8
.
0
0
日本国憲法公布(S2
1
)
女 6
1
.
5
0
統
計
法(S2
2
) 出 生 率
2
8
.
1
生 活 保 護 法(S2
3
) 合計特殊出生率 3
.
6
5
社会福祉事業法(S2
6
) 乳児死亡率
6
2
.
5
結 核 予 防 法(S2
6
) 老人人口
4
.
9
%
結核死亡率
1
4
6
.
4
昭和3
0
年
~4
0
年代
救貧から社会保障政策
公衆衛生 健康の質とレベル,
予防,環境衛生
(法,組織,実務,行政,し く
みと実践)
医学の進歩,新薬(抗生物質)
の発明導入
医 療・保 険 の 整 備(国 民 皆 保
険・皆年金制度)
国民健康保険法(S3
5
)
国民皆保険・皆年金
(S3
6
)
老 人 福 祉 法(S3
8
)
母 子 保 健 法(S4
0
)
Ⅳ
昭和4
0
年
~5
0
年代
社会保障制度の整備,充実
国民の生活中流(物質経済,消
費化,生活習慣病)
ねたきり老人訪問介護
(S4
4
)
社会福祉元年
老人医療無料化(S4
8
)
老人人口
7
.
1
%
(S4
5
)
Ⅴ
昭和5
0
年
~6
0
年代
社会保障制度の転換期
社会福祉士・介護福 老人保健法
(S5
7
)
(老人医療無料化,制約へ)
祉士法
(S6
2
) 基礎年金導入 (S6
0
)
低経済成長
社会福祉事業法改正
社会保障制度の改革,国民共通
(S6
2
)
の基礎年金番号制度
老人人口
9
.
1
%
(S5
5
)
Ⅵ
平成初期
~1
5
・1
6
年
社会福祉の契約化,民間事業導 地域保健法制定
入へ
(H6)
地域福祉の推進(施設入所経費 (S2
保健所法改正)
2
との比較,みなおし)
(介護保
険制度発足)
高齢者保健福祉1
0カ年
老人人口
戦略
(H1)
地域保健医療計画
老人人口
(H2)
合計特殊出生率
社会福祉8法改正
(H2)
老人保健法改正(H6)
年 金 制 度 改 正(H6)
2
1
世紀福祉ビジョン
(H6)
介 護 保 険 法(H9)
介護保険法施行(H1
2
)
Ⅶ
平成1
5
・1
6
~2
4
年
カオス(混沌)の時代
国民・個々人の生活の在り方,
社会の閉塞感
健・医療・福祉制度の混迷
(過去のデータ,歴史を踏まえ
て包括的に国民生活の在り方を
再考,再編成へ)
後期高齢者医療制度
<H2
4
>
(H2
0
) 平均寿命 男 7
9
.
9
7
東日本大震災,福島第一
女 8
6
.
4
1
原発事故
(H2
3
) 出 生 率
8
.
2
合計特殊出生率 1
.
4
1
乳児死亡率
2
.
2
結核死亡率
1
.
7
老人人口
2
4
.
1
%
戦前期
Ⅰ 明治4年~4
0
年
大正4年~1
4
年
Ⅲ
代
区
近代から現代への保健・医療・福祉の変遷
分
①国民の生活,②健康,③教育
全般について
国家責任,システム,不備,近
代社会国家をつくる
諸外国と対峙する国体をつくる
ことが主流
貧困救済 慈善事業(有識者婦
人,医 師,助 産 婦,看 護 婦)
,
伝染病多発,災害,飢餓
出典:国民衛生の動向,国民福祉の動向,各年版
-7
-
人口動態統計等
<M3
2
>
出 生 率
乳児死亡率
結核死亡率
3
2
.
0
1
5
3
.
8
1
5
5
.
7
<S3
5
>
平均寿命
男 6
5
.
3
2
女 7
9
.
9
4
出 生 率
1
7
.
2
合計特殊出生率 2
.
0
乳児死亡率
3
0
.
7
老人人口
5
.
7
%
結核死亡率
3
4
.
2
1
2
.
0
%
(H1)
1
4
.
5
%
(H7)
1
.
2
8
(H1
5
)
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
資料1 宮城県保健所保健師所属の変遷(文献1)
地方公所,保健所
県庁部,課,係(保健師業務管理)
①昭和2
4
年~
~
②昭和3
2
年当時~
a 保健所長(1
4
保健所)
<県衛生部 医務・薬務課>
総務課長 総務係長(事務,医務,薬剤師,検査) 看護係(保健婦,助産婦,看護婦,事務)
→
――――
保健婦長(保健婦)←――――
予防課長 予防係長(助産婦)(事務,防疫)
衛生課長 食品,獣疫衛生係長(栄養士)
環境衛生係長
③昭和3
9
年~
b 保健所長
総務係長
保健婦室長(保健婦長をあてる<地区担当制>)
業務係(保健婦)
指導係(保健婦)
予防課長 予防係長(助産婦)
衛生課長 食品,獣疫衛生係長(栄養士)
環境衛生係長
④昭和4
9
年~
c 保健所長(1
4
保健所)
総務課長
保健指導課長(保健所1
4カ所
事務7,保健婦5,栄養士1)
保健係長(保健婦,助産婦,栄養士)
予防係長(事務)
医療係長(事務,保健婦)
指導係長(保健婦)
⑤昭和5
4
年~
d 保健所長(9保健所,5支所)
総務課長
保健予防課長 予防係長
保健指導課長(保健婦,栄養士)
保健係長(保健婦,助産婦)
指導係(保健婦)
⑥平成2年(S6
2
9保健所,3支所)
<県保健環境部>
d 保健所長(9保健所,3支所)
(対物部門集中)
医務課 看護係
総務課長
保健予防課長 予防係長
保健指導課長(保健師,栄養士)
保健係長(保健師,栄養士,助産師)
指導係長(保健師)
食品薬事課長
環境公害課長
試験検査課長
-8
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
地方公所,保健所
県庁部,課,係(保健師業務管理)
⑦ 平成5年~
d 保健所長(9保健所,3支所)(7福祉事務所)
県保健福祉部(1課1室),環境衛生部(9課1室)
総務課長
保健予防課長 保健予防係長(事務3)
医療整備課,看護係
保健指導課長
保健係長(保健師,栄養士)
指導係長(保健師)
食品薬事課長(食品衛生,獣疫衛生,薬事,温泉)
環境公害課長(環境衛生,公害)
試験検査課長(細菌検査,放射線検査)
⑧ 平成1
0
年
e 保健所長(7保健所,2支所)
<県保健福祉部>
企画総務課
医療整備課,看護係 (保健師配置)
総務係長
・介護保険対策室
企画調整係長(事務)
・健康対策課
地域保健課長(事務,保健師,栄養士)
・児童福祉課
地域保健係長(保健師)
保健指導係(栄養士)
保健指導課長(保健師)
保健予防係長(保健師,事務)
精神保健係長(保健師,事務)
放射線検査係長
⑨ 平成1
1
年
<県保健福祉部 部長(事務)
>
f 保健所長(7保健所,2支所)
1
0
課1室(課「班」への保健師配置)
企画総務班長(事務)
医療整備課 看護班
地域保健班長(事務)
(係員,保健師,栄養士)
長寿社会政策課 企画推進班
健康指導班長(保健師,事務)
介護保険対策室 事業推進班
食品薬事班
健康対策課 結核感染症班
環境公害班
特定疾患班
試験検査班
子ども家庭課 母子保健班
福祉事務所(7福祉事務所)
障害福祉課 精神保健班
保健所地域保健班(兼)7カ所
総合福祉センター
児童部長 保健師
相談調査班 保健師1~2名
判定指導班 保健師1~2名
相談指導班 保健師1~2名
調査普及班 保健師1~2名
-9
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
地方公所,保健所
県庁部,課,班
A.県保健福祉部 部長(事務)
1
0
課3室
保健福祉事務所・保健所7カ所
B.県環境生活部
C.地方公所はA,B統合,保健福祉事務所7カ所
合同庁舎8カ所
単独庁舎4カ所(内支所2カ所)
県保健福祉部(保健師配置※,5課3室)
保健福祉総務課
地域保健課
社会福祉課
医療整備課※補佐保健師
看護班,保健師
長寿社会政策課※
企画推進班,保健師
介護保健室※
介護保健推進班,保健師
健康増進課※補佐保健師
健康増進班,保健師
疾病・感染症対策室※補佐保健師
結核感染症班,保健師
がん対策班長,保健師
子ども家庭課※
企画・少子化対策班,保健師
母子支援班,保健師
子育て支援室※長,保健師
障害福祉課※
在宅支援班,保健師
薬務課
国保医療課
-1
0
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
地域からの発信
大規模災害後の仮設住宅等居住環境の違いによる
健康課題の検討について
女川町健康福祉課(女川町保健センター) 女川町は宮城県東部に位置し,日本有数の漁
1.仮設住宅と在宅を分けた分析,2 .四つ
港「女川漁港」がある小さな港町です。平成23
の地域別(離島,半島,中心部在宅,中心部仮
年3月1
1
日に発生した,東日本大震災により,
設)に分類した分析を行い,従前から本町の課
本町は壊滅的な被害を受け,平成22
年に1万人
題となっている糖尿病に焦点を当て受診状況
だった人口は平成2
8
年2月2
9
日現在6
,
8
5
4
人に
や,医療費構造の検討を行いました。
減少しました。住宅の85
%が被害に遭い,住民
平成26
年度特定健診の結果では,BMI
3
5
.
6
%,
の4割は現在も仮設住宅で暮らしている状況と
収縮期血圧4
6
.
8
%,HbA1
c
7
3
.
0
%,LDLコレ ス
なっています。
テロール48
.
9
%と有所見率が高い結果でした。
本町では震災以前より,糖尿病の有所見率が
経年で有所見率を比較すると,震災後一時的に
高い,透析患者割合が高い,脳血管疾患死亡率
増減(BMI
,収縮期血圧,HbA1
c
は減少。中性
が高い等,生活習慣病,特に糖尿病予防対策が
脂肪,LDLコレステロールは増加)しています
課題でした。また,震災後早期から特定健診を
が,平成2
6
年度には震災以前の水準に戻りつつ
行いましたが,避難所での毎日のパン食や野菜
あります。
不足の状況,服薬中断,ストレス,これまでよ
り狭い居住環境の仮設住宅での生活の中で中性
脂肪,LDLコレステロールの有所見率が高くな
る等,生活習慣病の重症化が懸念される結果と
なりました。そこで,被災している,していな
いに関わらず,町民全体に効果的なアプローチ
を行うために,本町を仮設住宅・居宅等の居住
環境別に分類し,健康課題を明らかにしていき
ました。
1.仮設住宅と在宅を分けた分析について
仮設住宅での生活は5年が過ぎ ますが,町内
を在宅と仮設住宅に分けて特定健診結果の有所
見率を比較すると,居住環境による差異はあま
り見られませんでした。
2.四つの地域別に分類した分析について
女川町の特徴である離島,半島も含め四つ
の地域別に分類し 検討し た結果,半島では,
平成2
6
年度特定健診結果,平成25
年度5月診
HbA1
c
の有所見率が77
.
9
%と高く,離島では,
療分国保レセプト(レセプト全疾病分析支援シ
糖尿病に係る平均医療費が一番高くなっていま
ステムで居所別コードを付け分類)を用いて以
した。離島,半島は他の地域に比べて糖尿病,
下の2つの分析を行いました。
ひいては生活習慣病のリスク保有率が高い結果
-1
1
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
1
0
名のうち,平成25
年度に初めて健診を受け
た方が3名おり,そのうち2名はHbA1
c
が10
%
以上でした。また,糖尿病以外にも心・血管系
の疾患,高血圧,脂質異常症などを合併してい
る方が多く見られました。これまでは,特定健
診結果の分析しか行っていなかったため,健診
結果とレセプト情報をあわせて分析することの
重要性を感じました。また,特定健診の未受診
者対策や,早期から医療機関と連携して血糖コ
ントロール,重症化予防のために関わっていく
ことが必要であると考えます。
でした。離島,半島の特徴として,おもてなし
の大皿料理が多かったり,保存ができるように
濃い味付けが多かったりするため,そのような
地域性が関係し ているのではないかと考えま
す。
仮設住宅生活が長期化することで,これまで
より台所や部屋が狭い,家族構成が変わった,
食事を作る意欲がわかないなど,環境要因が大
きく健康に影響すると考えていました。それら
の影響は,震災後一時的には起きていたと考え
られますが,長期的に考えるとむしろ個人のこ
れまでの生活習慣の積み重ねが生活習慣病発症
の大きな要因であると考えます。そのため,本
町では従前から課題となっている糖尿病対策を
今後も重点的に行っていくこと,加えて離島,
半島の方へのアプローチを今まで以上に行って
3.HbA1
c
高値者の健診受診状況とレ セプト
情報の分析について
平成2
5
年度の特定健診結果でHbA1
c
の値が
高かった順に10
名を抽出し,その1
0
名の過去の
健診受診状況(平成2
2
年度から)
,HbA1
c
の値,
レセプト情報をあわせて見ていきました。
-1
2
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
いくことが必要であると考えます。大規模災害
が発生し,仮設住宅等の居住環境が変化し て
も,従来から行っている生活習慣病予防,重症
化予防対策を一つひとつ丁寧に行っていくこと
が,住民の健康を守ることにつながると考えま
す。
-1
3
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
行政からの報告
平成2
7
年度宮城県保健福祉部業務研究等報告会の概要について
宮城県保健福祉部 1.はじめに
宮城県保健福祉部では平成12
年度から「保健
福祉部業務研究等報告会」を開催し,部内職員
が日常業務や自主研究において得た成果や業績
及び課題等の報告,先進的な取組,業務PR等を
行い,部内業務についての知識や理解を深める
とともに,職場内OJTと組織の活性化や部内職
員の人材育成を図っています。
今年度で1
6
回目となりますが,今年度は1
5
テーマの報告があり活発な報告会となりました。
その中で審査により優秀な成績を収めた2題
の報告内容について紹介します。
なお,すべての報告テーマ,内容は,宮城県
保 健 福 祉 部 保 健 福 祉 総 務 課 の ホ ー ムペ ージ
(ht
t
p:
//www.
pr
e
f
.
mi
yagi
.
j
p/hohus
om/gyo
ke
ni
nde
x.
ht
m)で公開し ておりますので参考
にしてください。
<報告事項一覧>
No
発 表 論 題 名
1 女性向けがん検診啓発事業の実施
発 表 者
疾病・感染症対策室がん対策班
主事 森川聡子
2
DVDを活用した嘔吐物処理方法の啓
発について
仙台保健福祉事務所(塩釜保健所)疾病対策班
技術主幹(班長)千葉さとみ,技術主幹 八巻直恵,
主査 角田ゆか,技術主査 高橋朋子
技師 小泉奈穂美
3
「大崎働く人の健康・体力づくり運
動」の推進について
北部保健福祉事務所(大崎保健所)健康づくり支援班
技術次長(班長) 松本紀子,技術主査 星裕子
技師 平原佳枝
4
献血に関するアンケート調査につい
て
薬事衛生技術職員研修会
仙南保健福祉事務所(仙南保健所)獣疫薬事班
技師 萩原 晋太郎
仙台保健福祉事務所(塩釜保健所)黒川支所
食品薬事班 技師 伊里尚弥
5
感染症法改正による感染症発生動向 保健環境センター微生物部
調査の今後の展望
副主任研究員 鈴木優子
6
被災地におけるアルコール関連問題 仙台保健福祉事務所岩沼支所地域保健班
対策の推進について
技師 伊禮嘉宣
7
“リハの視点”でつなぐ地域の障害
北部保健福祉事務所(大崎保健所)健康づくり支援班 児者支援~支援学校・障害福祉サー
技術主査 岩間真弓,技術主査 浅野直子
ビ ス事業所“リハビ リテーションの
技師 相澤裕介
視点”推進事業報告~
8
登米保健所における発達障害児支援 東部保健福祉事務所登米地域事務所(登米保健所)
の取組について
母子・障害班 技師 髙橋彩香
9 さわらび学園の性教育について
1
0
さわらび学園
技術主査 實石哲夫
職場全体で行う保健師等専門職の人 東部保健福祉事務所(石巻保健所)疾病対策班
材育成
技術次長 簗場玲子
石巻保健所管内におけるALS患者・
東部保健福祉事務所(石巻保健所)疾病対策班
1
1 家族の実態~住み慣れた土地で最期
技師 佐藤史穂
まで暮らせるために~
DOTSにおけ るA病院との連携の取
北部保健福祉事務所(大崎保健所)疾病対策班
1
2 り組み~すべての結核患者の治療完
技師 野村笑佳
遂を目指して~
1
3
気仙沼保健福祉事務所(気仙沼保健所)成人・高齢班
南三陸町における協働の健康増進計
技術次長(総括)佐藤純子,次長(班長)小野寺敏広
画策定への支援
技師 飯田三紀子,技師 渡部和馬
気仙沼圏域での医療・介護連携にお
け る退院支援強化に 向け た 取組~ 気仙沼保健福祉事務所(気仙沼保健所)成人・高齢班
1
4 『退院へ向けた気仙沼市立病院と介 技術主査 洞口亮,次長(班長)小野寺敏広
護支援専門員との連携の手引き』の 技術主査 髙橋祥恵,技師 渡部和馬
作成~
より多くの方がみやぎを楽しめるこ
1
5 とを目指して 障害者・高齢者の旅を
後押しする取組と今後について
リハビリテーション支援センター
リハビリテーション支援班 技師 武田輝也
<受賞者のみなさん>
2.受賞者の報告概要
敢 最優秀賞
発表者:気仙沼保健福祉事務所(気仙沼保健所)
成人・高齢班
次長(班長) 小野寺敏広
技 術 主 査 洞口 亮
技 術 主 査 髙橋 祥恵
技 師 渡部 和馬
テーマ:気仙沼圏域での医療・介護連携におけ
る退院支援強化に向けた取組
~『退院へ向けた気仙沼市立病院と介
護支援専門員との連携の手引き』の作
成~
Ⅰ.はじめに
気仙沼圏域では,これまで介護支援専門員が
医療機関等と情報交換をする手段として,①平
時の連絡(連携連絡票),②入院時の情報提供
(入院時情報提供の手引き)が整備されてきた
(図1)。これらの運用にあたり,平成2
7年3
月に入院機能を持つ管内7病院の看護部長・地
域連携担当者とケアマネジ ャー協会気仙沼支
部,市町担当(地域包括支援センター)を参集
した「病院とケアマネジャーの連携調整会議」
において,現在の医療・介護連携についての情
報交換を行なった。その際,病院側から「入院
時の情報提供書の様式は決まったが,退院時は
どのような情報を出せばよいのか?」と退院時
の情報提供のルール化や情報提供書の検討も必
要であるとの声があがった。
そこで今回,③退院支援の強化として,当圏
域の中核病院である気仙沼市立病院をモデルに
「退院へ向けた情報提供書・連携体制検討会」
-1
4
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
を開催し,
「退院へ向けた連携の手引き」として
まとめたので,その取組について報告する(図
1)。
図3 気仙沼市立病院における
連携の5パターン
図1 気仙沼圏域の情報交換イメージ
Ⅱ.活動内容
1.退院へ向けた情報提供書・連携体制検討
会の開催
まずは当所が事務局となり,気仙沼市立病院
の各部署へ検討会開催の趣旨説明並びに協力依
頼を行い,検討メンバーに看護部2名,地域医
療連携室1名,リハビリテーション室1名,医
事課2名を選出。ケアマネジャー協会気仙沼支
部3名,気仙沼市地域包括支援センター1名も
参加し,当所4名の計14
名で検討を行った。平
成2
7
年6~9月に月1回で集まり,計4回開
催。検討会では現在の退院支援の方法を確認し,
退院へ向けた情報連携体制のルール(いつ・誰
が・誰に・何を連絡する
のかの明確化,連絡する
タイミング,情報提供書
の様式等)を整理し,手
引きという形で見える化
し まと め た(図 2)
。こ
の手引きは平成2
7
年1
1
月
より運用が開始され,使
用してみての評価(見直
し)を平成2
8
年2月に行
う予定である。
図2 連携の手引き
2.手引きの構成
手引きは,Ⅰ連携の実際(連携体制を状況に
より5パターンに分け(図3),病棟・地域医
療連携室・ケアマネジャー・地域包括支援セン
ター・患者家族の役割をフローチャートで整
理),Ⅱ情報連携ツール(情報提供書や気仙沼市
立病院で使用する看護連絡票等の掲載)
,Ⅲ参
考資料(連携に関する診療報酬・介護報酬の情
報,相談窓口の連絡先の掲載)の3構成で一冊
にまとめた。手引きの主なポイントは以下のと
おりである。
・基本は,現在実施している既存の流れを見え
る化して整理し,誰でも同じ方法で連携が取
れることを意識した。
・入院したことをケアマネジャーが知る方法と
して,家族の役割も明確化した。
・ケアマネジャーは入院時情報提供書を病院に
持参する。
・状態変化が大きい方や新規の方は,ケアマネ
ジャーが調整する時間を確保するためにカン
ファレンスを基本2回実施することとし,1
回目では情報収集を,2回目ではケアマネ
ジャーはケアプランの原案を準備して,サー
ビ ス担当者会議も兼ねて開催できるよう調整
を行うこととした。
・介護認定申請やケアマネジャーの選定が困難
な場合及び在宅療養が難しい場合等,地域包
括支援センターの役割も明確化した。
3.関係機関への周知及び圏域全体への普及
手引きは,気仙沼市立病院内では会議や職員
研修の場で周知し,また介護支援専門員には平
成2
7
年1
1
月にケアマネジャー協会気仙沼支部と
共催で運用に向けた説明会を開催し,手引きを
配布して周知を図った。
また気仙沼・南三陸地域在宅医療福祉推進委
員会等において関係機関へ報告した。
さらに平成2
8
年3月には昨年度同様に「病院
とケアマネジャーの連携調整会議」の開催を予
定しており,今回の気仙沼市立病院での取組に
ついて情報提供を行ったうえで,各病院の体制
や状況を勘案しながら圏域全体への普及につい
て検討していく。
-1
5
-
公衆衛生情報みやぎ№4
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6
Ⅲ.考 察
気仙沼圏域での医療・介護連携においては,
退院時に情報が欲しいと病院へ一方的に要望す
るだけでなく,まずは地域ができることとし
て,入院時に「これまでの生活情報を病院へ伝
える」という取組(図1②)がうまく波及し,
その結果,今度は病院から退院へ向けた情報提
供をしたいと主体的な動きが生じ,退院支援の
強化につながった。そしてその病院からの動き
に対して,当所ではタイミングを逃さず事業化
することができた。
今回の取組では,
「手引きを作ったこと」を
強調したいのではなく,患者に円滑に退院して
もらいたいという共通の目標に向かって,病院
と介護支援専門員,そして行政がお互いの課題
を共有し,それぞれの立場を踏まえた具体的な
ルールづくり(検討作業)を通して,また一歩,
医療・介護連携が強化された,ということを強
調したい。
Ⅳ.結 論
気仙沼圏域では,地域包括ケアシステムの構
築へ向けたこれまでの取組が確実に積み重なっ
ており,この地域特性を活かしながら,今後も
さらなる医療・介護連携の促進へ向けて取り組
んでいきたい。
もに解決すること」を保健師の活動指針として
いる。新任期保健師に求められる専門能力で
は,組織人・専門職としての能力等6つの能力
が求められている。到達目標には行動目標が設
定されており,評価基準をもとに自己評価を行
う。新任期保健師3名の専門能力の自己評価の
平均は,全ての能力が均等に達成されていた
(図1)。行動目標では「上司への報告」,
「記録
の保管」
,「基礎的な知識や管内の情報収集等」
の項目が「達成できた」と評価していたが,
「調
査研究」や「保健事業を他者に説明する」の項
目では「達成できない」と評価し ていた(表
1)。
そこで,改めて人材育成の実施体制を整える
とともにそれを所内に周知した。さらにPDCA
サイクルを意識した保健活動の実践を目的に,
管内の新任期保健師等を対象とした「課題解決
シート」を用いた演習を実施した。その結果,
管内市町との連携強化,職員の学会発表や論文
投稿等の積極的な活動の増加がみられたのでそ
の内容を報告する。
柑 優秀賞
発表者:東部保健福祉事務所(石巻保健所)
疾病対策班
技術次長(班長) 簗場 玲子 テーマ:職場全体で行う保健師等専門職の人材
育成
図1 新任期保健師の自己評価
Ⅰ.はじめに
平成2
6
年に施行された「宮城県保健師育成プ
ログラム」1) では,「県民が安全・安心でその
人らし く健やかに暮らせる地域づくりのため,
地域の健康課題を県民,市町村,関係機関とと
Ⅱ.活動内容
1.実施体制の整備と周知
プログラムに従って,管理者(事務所長,保
健所長,副所長,事務総括),教育担当者(総
括保健師),実地指導責任者,プリセプターを配
置した。プリセプターの適任者がいない班には
他班員に依頼した。平成27
年5月に総括保健師
表1 行動目標の自己評価
能 力
組織人・専門職としての能力
個人・家族・集団・地域支援能力
情報収集・調査研究能力
企画立案・保健事業運営能力
No.
5
行 動 目 標
実施した業務の経過や課題等を上司に報告・説明できる。
平均
1
.
0
1
0 保健指導記録票の作成・保管ができる。
1
.
0
1
3 健康教育・集団指導に必要な基礎知識,管内情報を把握できる。
担当業務の実績や評価から調査研究の必要性を説明すること
2
1
ができる。
1
.
3
2
5 決裁文書など公文書を適切に作成することができる。
各種計画と自分が担当する保健事業の根拠,目的・目標につい
2
8
て,他者に説明することができる。
1
.
3
1:達成できた 2:ほぼ達成できた 3:課題が残る 4:達成できない 5:体験する機会がない
-1
6
-
4
.
0
4
.
0
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6
期保健師管理栄養士1
7
名参加
2 回 目(H2
8
/2/1)修 正 後 の「課 題 解 決
シート」発表会
が「保健師育成プログラム」の講義を行い,年
間の育成方針について所内周知すると共に,管
内市町を巡回し,教育担当者から保健師育成に
係る現状と課題を吸い上げ,人材育成に係る研
修会等を企画した。また平成27
年9月に所長が
所内重点事業として「積極的な業績発表」を掲
げ,保健所長は各班を巡回し,論文作成の講義
や個別指導を実施した。
2.職員の各種学会発表や投稿等の実績
その結果,各種学会における発表をはじめ投
稿等の数が増加した。職場では大いに盛り上が
り,仕事をしながらでも「やれば出来るのだ」
という雰囲気になり,「すご いなあ」と仲間の
功績に素直に喜び感心する声も聞かれた。
第2
2
回日本行動医学会学術総会最優秀演題賞受賞1題
第3回日本難病医療ネットワーク学会学術集会発表1題
日本公衆衛生看護学会誌3茨掲載1題
公衆衛生情報みやぎNo.
4
4
4
掲載2題他
3.職場の具体的指導内容
具体的指導内容として,①家庭訪問や研修事
業の企画運営の一連の流れについて,モデルを
示すこと,②どうなりたいのか尋ねて一緒に考
えること,③新任保健師ができていることを皆
に伝え褒めること(声をかける,記録に花丸を
つける,アドバイスを書く,参考資料を添付す
る等)
,④他の保健福祉事務所で,同じ仕事をし
ている同僚に相談するよう促すこと(横のつな
がりを持つ)等を実施した。
4.管内新任期保健師等を対象とした研修会
の実施
平成2
6
年度に実施した研修会の反省点や市町
からの意見を踏まえ,PDCAサイクルの実践を
目的とした「課題解決シート」を用いた演習を
実施した。
4-1「課題解決シート」とは
課題解決シートとは,実践活動の中から出て
くる保健師の問題意識を大切にし たもので,
①ねがい「私は…のために,‥し たい」
,②現
状・問題点(ねがいの状態に至っていない理由
は),③課題の3項目で構成される。
4-2 保健福祉事務所中堅期保健師による
添削指導
管理期保健師が作成した添削指導基準をもと
に,4名の中堅期保健師と管理栄養士が17
名分
の課題解決シートについて「褒めて伸ばす」を
基本に「支援コメント」を記載した。その後,
副所長等管理職が「支援コメント」を加筆修正
し,講師からの助言と共に,市町教育担当者を
経由して受講者に返却した。
4-3 受講者の感想
「丁寧にコメント頂きありがとうございまし
た。事業を振返る良いきっかけになりました。」
「目標を持ち続けられる保健師でいたいと思い
ました。
」「地域をよくするには自分が変わらな
いと良くならないと感じ ました。」等概ね好評
であった。
Ⅲ.考 察
人材育成の実施体制整備及び内容の周知や,
所内重点事業としての位置づけは,各自の役割
の明確化に繋がり,「全員が人材育成の担当者
1回目(H27
/8/2
4
)講義(東北大学大学院
医学系研究科地域ケアシステム看護学分野准教
授 高橋香子先生)とグループワーク管内新任
-1
7
-
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6
である」との認識を促した。「褒める」ことや,
保健所長が保健師を励ましながら指導し続けた
ことは,「期待をかけてくれているから頑張ろ
う」という保健師のやる気を導き出した。
保健師育成プログラムでは,自己評価を行う
が,それは到達目標に達することができない原
因を追究するためではなく,現状では「ここま
でできたね。」と認めるためにあるのだと感じ
る。次に「こうなりたい」と「あるべき姿」を
描き,「どうしたらできるだろう。」と具体的行
動を変化させ自己実現に導くことは効果的で
あった。「課題解決シート」の演習の結果から
も「私は」を主語にして健康課題の解決を考え
る重要性を再認識し,これらのことは保健師と
してのアイデンティを育てるために有効である
と思われる。
また,演習は中堅・管理期保健師にとって,
地域の健康課題の理解や市町との連携強化,実
践的な育成指導という大きな収穫があった。課
題が ある演習は き ついも のだが,OFF-JTと
OJTの繋がりを新任期保健師は体感し たので
はないかと思われる。
Ⅳ.結 論
新任期の保健師等の専門職人材育成にあたっ
ては,所属長をはじめとする管理職の関与が不
可欠であり,職員全員が人材育成の担当者であ
るという認識のもと,褒めて伸ばすことや職員
の雰囲気づくりが重要である。
Ⅴ.引用・参考文献
1)宮城県保健福祉事務所連絡協議会(20
1
4
)
「宮城県保健師育成プログラム」
2)宮崎県延岡保健所 田中美幸(2
0
1
3
)
「宮崎県における研修体系及び保健師の研修
に関する県立看護大学等との連携」
3.むすびに
平成2
8
年度は,災害公営住宅の完成など,生
活環境の整備などが進むことから,被災者の生
活環境と心身の状況変化に対応しながら,被災
者の健康的な生活の確保を最優先に,被災者が
安心して暮らせるための取組を推進してまいり
ます。
また,復興後を見据えて,地域包括ケアの全
県的な推進体制を構築し,関係機関,団体等が
一体となって地域で支え合う仕組みの具体化に
向けた取組を推進していくとともに,介護サー
ビ スや障害福祉サービ スの提供体制の整備,保
育所等利用待機児童の早期解消等の地方創生も
見据えた少子化対策の推進等を着実に進め,震
災からの復興とともに「宮城の将来ビジョン」
に掲げる将来像の実現に向け必要な取組を推進
してまいります。
保健福祉部職員が各事業や政策について,成
果や課題を共有し県民の皆様から寄せられてお
ります保健福祉行政への期待に答えられるよ
う,これからも取り組んでまいります。
-1
8
-
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唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
行政からの報告
平成2
7
年度宮城県環境生活部環境衛生技術職員研修
全体研修会の概要について
宮城県環境生活部 1.はじめに
宮城県環境生活部では,部局研修の一環とし
て,環境衛生技術職員研修を開催し,技術職員
の環境衛生問題に関連する最新の知識の普及や,
職員の職務遂行能力の向上を図っています。
環境生活部の職員は,食品衛生部会,獣疫衛
生部会,環境衛生部会,廃棄物部会,環境公害
部会の5つの部会に分かれ,業務に関する課題
について,調査・検討を行っています。また,
専門的かつ学術的な調査研究の実施を目的に,
平成2
7
年度は,石巻専修大学に職員を派遣し研
修を行いました。
なお,平成2
6
年度からは,多様化・複雑化す
る環境・生活行政の課題に対応するため,部内
職員による企画立案型の研修である政策形成能
力向上研修を実施しています。
これらの研修成果を報告し,部内職員が互い
に知識を深める場として,毎年1月下旬に全体
研修会を開催しています。また,職員表彰を受
賞したテーマや部会に含まれないテーマについ
ても,それぞれの所属独自の検討結果として全
体研修会で報告しています。
平成2
7
年度は,平成28
年1月15
日に研修会を
開催し,午前中に外部講師による講演会を行っ
た後,午後に1
5
件のテーマを口頭発表し まし
た。また,4件のテーマを全体研修会抄録にて
紙上報告しています。
No.
報
告
課
題
名
告
課
題
名
7 譲渡支援ガ イドラインの作成
発 表 者
【獣疫衛生部会】
東部保健福祉事務所登米地域
事務所
依藤大輔
改正土壌汚染対策法施行5年目にお 【環境公害部会】
8 ける解析
気仙沼保健福祉事務所
加藤大輝 【廃棄物部会】
産業廃棄物排出事業者実態調査につ 仙南保健福祉事務所
9 いて
南雲隆太
食肉衛生検査所
0 食肉衛生検査所における情報発信の
1
効果と必要性について
鈴木一茂
食肉衛生検査所
1 牛解体処理工程における微生物汚染
1
実態調査
千葉純子
環境放射線監視センター
1
2 宮城県の空間γ線線量率における福
島第一原子力発電所事故影響の評価 高群富貴
【政策形成能力向上研修】
環境GLPにおける精度管理手法向上 保健環境センター
3 を目指して
1
波岡陽子
「
(仮称)みやぎの環境情報発信者養
成コアカリキュラム」の作成を通じ 【政策形成能力向上研修】
4 て(-みやぎの環境を広く県民に伝 保健環境センター
1
えることができる人財養成支援ツー 日野栞
ルに関する検討-)
【政策形成能力向上研修】
1
5 環境・公害分析業務「伝承集」の作
保健環境センター
成
三品道子
<紙上報告事項>
No.
報
告
課
題
名
発 表 者
【食品衛生部会】
1 アイスクリーム類の細菌汚染実態調
保健環境センター
査
中村久子
大規模食鳥処理場における食鳥肉か 【食品衛生部会】
2 らのESBL産生大腸菌の分離
食肉衛生検査所
菊地利紀
コンベンショナルPCRによる豚丹毒 食肉衛生検査所
3 の迅速診断について
堀口萌
【政策形成能力向上研修】
4 獣医師職員による宮城県職員「獣医
保健環境センター
師」確保対策に向けた検討
小川今日子
<口頭発表事項>
No.
報
発 表 者
【職員表彰受賞業績発表】
1 食中毒原因物質ヒスタミンの迅速か
保健環境センター
つ簡便な分析法の確立と活用
瀧澤裕
ブ ロ イラーに おけ る カンピ ロバ ク 【大学派遣研修】
2 ター属菌薬剤耐性株の出現状況につ 食肉衛生検査所
いて
井上奈奈
この中でも,特に環境・生活行政に関連ある
発表事項として,口頭発表2件の概要を紹介し
ます。
2.報告概要
【テーマ1】
食中毒原因物質ヒスタミンの迅速かつ簡便な分
析法の確立と活用
保健環境センター 瀧澤 裕
【食品衛生部会】
3 宮城県に流通する魚介類加工品のヒ
保健環境センター
スタミン汚染実態調査
瀧澤裕
【食品衛生部会】
4 生食用かきの微生物増殖に関する追
東部保健福祉事務所
跡調査(第1報)
山谷明彦
【食品衛生部会】
5 食肉運搬車の監視指導結果と業務の 食肉衛生検査所
改善について
黒岩俊裕
【環境衛生部会】
北部保健福祉事務所栗原地域
6 理美容所に対する効果的な衛生指導
の実施
事務所
加藤信洋
-1
9
-
1.はじめに
ヒスタミンによる食中毒は,高濃度のヒスタ
ミンに汚染された食品を喫食することで,短時
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6
間に顔面紅潮やじんま疹などのアレルギー様症
状を呈する食中毒である。原因食品のほとんど
がヒスタミンの前駆物質であるヒスチジンを多
く含む赤身の魚介類(マグロ,サバ,サンマな
ど)及びその加工品であり,ヒスタミンは,ヒ
スチジンが微生物より分解される過程で生成さ
れる化学物質である。ヒ スタミンは,熱に強
く,通常の調理程度の熱では分解しないため,
一度食品中で産生してしまうと無害化すること
が困難となる。そのため,食中毒の予防には微
生物を繁殖させない温度管理が重要となる。
ヒスタミンの分析法は,米国の公定分析法で
あるAOAC法や高速液体クロマトグ ラフ-蛍
光検出器を用いる分析法1)(以下「HPLC/FL
法」とする。
)など様々だが 2),当所では,ヒ
スタミン 食中毒が疑われた場合,簡易キット
によりスクリーニング 検査を行い,ヒスタミ
ン が 検出 され た試験品に つい てHPLC/FL法
で定量検査を行っていた(図1上)
。しかし,
HPLC/FL法は,多くの人手と時間を要するた
め,結果報告まで約2日かかることが課題と
なっていた。
そこで,当所では,平成2
5
年度にHPLC/FL
法に代わる簡便かつ迅速な定量検査法とし て
LCMS/MSを用いる分析法(以下「LC/MS/
MS法」とする。)を開発した(図1下)。
図1 分析フロー
(上:HPLC/FL法,下:LC/MS/MS法)
2.従来の分析法(HPLC/FL法)
HPLC/FL法は,抽出,除タンパク操作を同
時に行い,固相カラムで精製した試料溶液を蛍
光誘導体化後,蛍光検出器で定量分析を行う方
法である。しかし,この方法は,抽出,除タン
パク操作に1
0
分/検体,その後の静置時間に30
分,固相カラムによる精製や2回の減圧・濃縮
操作,アミン類の蛍光誘導体化に2時間,そし
て分析時間に約1時間/検体かかることなど,
前処理 操作等に多くの時間を要する。特に,検
体が高濃度に汚染されていた場合,試験溶液の
希釈と蛍光誘導体化を繰り返さなければならな
いため,分析時間とあわせると更に3時間を要
する。ヒスタミン食中毒の原因となる多くの食
品は,高濃度のヒスタミンに汚染されている可
能性が高いため,従来の分析法では結果報告ま
でに時間を要し,迅速さに欠けることが課題と
なっていた。
3.新たな分析法(LC/MS/MS法)
新たに確立したLC/MS/MS法は,以下に示
すとおり従来法での煩雑な前処理操作が無くな
り,多 くの検体を効率的に検査できることと
なった。
① 抽出操作と除タンパク操作を分けているた
め,HPLC/FL法のように抽出-除タンパク
後の静置時間を必要とせず,抽出後,すぐに
次の操作に移ることができる。
② 除タンパクに移動相と同じ溶媒組成である
0
.
1
%ギ酸アセトニトリルを用いているため,
改めて溶媒を置換することなく効率的に機器
分析が行うことができる。
③ 使用する検出器のトリプル四重極タンデム
型 質 量 分 析 計 は,目 的 成 分 を 質 量 電 荷 比
(m/z
)ごとに検出することができるため,
蛍光誘導体化を必要とせず目的成分を選択的
かつ高感度に検出することができる。そのた
め,固相カラムによる精製を希釈で代用し,
夾雑成分の影響を減弱化することが可能と
なった。
④ 分析条件やHPLCカラムを再検討すること
で,1検体あたりの分析時間を25
分まで短縮
することができた。
4.添加回収試験及び従来の分析法との同等性
の確認
LC/MS/MS法の真度を確認するため,試料
にマグロぶつ切りを用いて添加回収試験を実施
した。試料には,ヒスタミンなどのアミン類が
それぞれ5
0
mg/kgとなるように添加し,30
分
放置後,図1に従い分析を行った。真度の評価
-2
0
-
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6
は,
「食品中の金属に関する試験法の妥当性評
価ガ イド ラ イン」(以下「金属ガ イド ラ イン」
とする。)に準じて行い,金属ガ イドラインの添
加濃度10<~≦1
0
0
mg/kgの目標値である,真
度9
0
~1
1
0
%を満たす良好な結果が得られた。
次 に,LC/MS/MS法 とHPLC/FL法 と の 同
等性を確認するため,当所の微生物部で作成し
た模擬試料を用いて定量値を比較した。模擬試
料は,マグロさく,サバみりん干しをヒスタミ
ン産生菌に意図的に汚染させ,ヒスタミンなど
のアミン類を適当量(低,中,高濃度)産生さ
せたものであり,添加回収試験と同じ く図1
に従い前処理を行い分析に供し た。得られた
ヒ ス タ ミ ン の 濃 度 か ら,LC/MS/MS法 は
HPLC/FL法と相関係数0
.
9
9
9
以上の強い正の
相関を持ち,かつ,回帰直線の回帰係数が1に
近い,同等性の高い分析法であることを確認し
た。
さらに,刺身用マグロさく,魚介類加工品で
あるツナ缶詰(油漬け)
,そしてその他の加工品
として輸入ワインを試料に分析法の妥当性評価
を実施し,生魚から加工品まで妥当性を有する
分析法であることを確認した。
5.LC/MS/MS法での検査状況とその活用
平成2
6
年度以降,サバの干物及びブリ加工品
についてヒスタミン食中毒疑いの検査を行い,
サバから5,
8
0
0
ppmのヒスタミン を検出し てい
る(ブ リは定量下限未満)
。いずれの検体も前
日夕方に依頼されたが,翌日には結果を報告し
ており,迅速な結果のフィードバックに寄与す
ることができた。
また,平成2
7
年度は,宮城県内に流通する魚
介類加工品のヒスタミン汚染実態調査を実施し
ており,多くの試験品の迅速な結果判定を可能
にしている。
7.謝 辞
本研究を遂行するにあたり,御協力ください
ました皆様には,厚くお礼申し上げます。
(参考文献)
1)公益社団法人日本食品衛生協会,15
.不揮
発性腐敗アミン 高速液体クロマトグ ラフ法
(定性・定量法)
(A)
(参考法),食品衛生検
査指針 理化学編,7
8
5
7
9
1
,2
0
1
5
2)藤井建夫,アレルギー様食中毒の現状と対
策,月刊フードケミカル,7
1
7
8
,1
0
,2
0
0
9
【テーマ2】
産業廃棄物排出事業者実態調査について
廃棄物部会 (仙南保健福祉事務所 南雲隆太)
1.はじめに
本県においては東日本大震災からの復旧,復
興に向けて経済活動が活発に行われているが,
廃棄物の排出は経済活動に比例して増大する傾
向にあり,今後,排出される廃棄物の適正処理
を進めることは循環型社会形成を推進する上で
必要不可欠となる。
今回,廃棄物関係の許可業者と比べ排出事業
者に対する立入,指導の機会が少ないこともあ
り,今後の適正処理指導の足がかりとするた
め,聞き取りによる実態調査を行い,その結果
についてとりまとめた。
6.まとめ
従来のヒスタミン食中毒の検査は操作が煩雑
なため,検査依頼から結果報告まで約2日を要
し ていた。し かし ,新たに確立し たLC/MS/
MS法は,精製や蛍光誘導体化などの煩雑な操
作を省略したシンプルな分析法であるため,約
半日での結果報告が可能となった。
今後は,食中毒疑いの検査に留まらず,水産
加工品の買上検査を行うなど,食品衛生の向上
に寄与する予定である。
-2
1
-
2.調査内容
茨 調査方法
・製造業を中心とした,廃棄物排出事業者事業
所に立ち入り,直接聞き取りを行った。
・事前に調製したチェックリストを元に,該当
または非該当いずれかで回答できるような質
問項目で調査を行い,その結果を集計した。
・聞き取りを行った内容は,廃棄物処理に関す
る組織体制,廃棄物の排出及び管理状況,廃
棄物の処理委託,書類の管理,再資源化及び
減量化の取組について。
芋 対象事業者
・多量排出事業者,廃棄物関係許可事業者を含
む廃棄物排出実績のある事業者から選定。
・全事業者数:36
,多量排出事業者数:12
,廃
棄物関係許可業者数:8
公衆衛生情報みやぎ№4
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6
3.結 果
調査項目毎に,該当している事業者の割合を
パーセントで集計したところ,以下のような結
果が得られた。
・該当する事業者が多かった項目
廃棄物の保管については,保管施設の構造
や汚水,害虫の発生状況,品目ごとの分別な
どほぼ全ての事業者で適切に管理されていた。
また,委託契約書を作成し許可業者と二者
契約をしている事業者が89
%,マニフェスト
の保管を適切に行っている事業者が8
6
%と,
書類の管理においては大部分が適正に行って
いた。
・該当する事業者が少なかった項目
「産業廃棄物の処理の適性化等に関する条
例」を認知している事業者は53
%と,半数程
度であった。また,この条例において処理の
委託先の施設稼働状況を確認することとして
いるが,実際に行っている事業者は36
%程度
であった。その他,優良産業廃棄物処理業者
認定制度を知っている事業者が46
%程度と,
制度の認知に係る項目については割合が低
かった。
保管する廃棄物の表示については,廃棄物
の種類を表示している事業者が6
3
%,管理者
氏名,連絡先については56
%,確認しやすい
場所への設置が5
9
%と,やや低い数値であっ
た。
4.考 察
茨 事業規模と適正処理状況の比較
本調査では,各調査項目において適正処理が
行われているか調査したが,併せて従業員数及
び廃棄物排出量などの事業規模についても聞き
取りを行っている。今回,調査項目の中でも廃
棄物適正処理に直結する項目を特に12
項目抜粋
し,事業者ごとのその合計数(以下,適正管理
該当数)と事業規模の関係を比較した。
その結果,事業規模が大きいほど,適正な管
理を行っている事業者が多くなる相関関係が確
認された。
芋 多量排出及び廃棄物許可と適正処理状況の
比較
多量排出事業者及び廃棄物関係許可業者にお
ける,前項で分析に使った適正管理該当数の分
布について確認した。
その結果,多量排出事業者及び廃棄物関係許
可業者でともに,多くの事業者で適正な管理を
行っていることがわかった。
表 多量排出及び廃棄物許可と
適正処理状況の比較 適正管理該当数
2 3 4 5 6 7 8 9 1
01
11
2
多 量 排 出 事 業 者 数
非多量排出事業者数 1
廃棄物関係許可業者数
非廃棄物関係許可業者数 1
1 1 2 2 6
2 1 2 2 6 2 3 1 4
1 1 1 1 4
2 1 2 2 6 2 4 2 6
指標として用いた適正管理該当数は今回の調
査項目の中から1
2
項目を抜粋したが,半数が全
ての項目において満足している。少ない事業者
では8項目で,改善の余地が残された。
鰯 今後の適正処理指導
今回の調査では,廃棄物の保管の表示や制度
の周知状況において低い数値が確認され,その
ことを念頭において指導等を行う必要がある。
また,数値の高かった項目については,すで
に適正に行っている事業者を参考に,改善の必
要がある事業者を指導することも有効であると
思われる。
事業規模が大きいほど適正な管理を行ってい
る傾向が見られたが,事業規模が大きければ廃
棄物の排出量も多くなるため,事業の形態に応
じて適切な指導方法を考えることが重要である。
以上調査の結果を,廃棄物適正処理の推進に
活用したい。
3.むすびに
今後も本研修会を通して,環境生活部の技術
職員が,専門性の研鑽に励みつつ課題や成果の
共有を図り,業務の改善や事業の実施に活かし
ていくことで,県民の皆様から寄せられており
ます環境生活行政への期待に応えられるよう努
めてまいります。
図 事業規模と適正管理の関係比較
-2
2
-
公衆衛生情報みやぎ№4
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6
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感染症シリーズ
結 核
畠 山 敬* 【結核の現状】
結核は,結核菌によって発生するわが国の主
要な感染症の一つである。単一血清型病原菌に
よる感染症としては国内最大で,現在でも毎年
新たに2万人程度の患者が発生している。結核
は空気感染を起こすため,一般的には肺での菌
増殖に伴う症状(咳,痰,呼吸困難等)が主で
あるが,時に,敗血症として全身のあらゆる部
位に病巣を形成する。また,感染から発症まで
の期間は半年から2年と一般の病原体に比べて
長く,感染成立後も必ずしも発症するとは限ら
ない。発症者は感染者の1
0
-2
0
%程度とされて
おり,非発症者の結核の一部はLTBI
(潜在性結
核感染症)として長く体内に留まったのちに,
加齢等により再び活動を開始して発症に至る場
合がある。
結核の罹患率は減少傾向にあるが,日本は
2
0
1
4
年時点で16
.
1(人口1
0
万対)と先進国の中
では未だ高い水準に留まっている(図1・2)。
こ れ は,大 阪(24
.
5
),長 崎(2
2
.
1
),和 歌 山
(1
9
.
6
),京都(1
9
.
1
),東京(1
8
.
9
)などで罹患
率が高いことが原因と考えられる。一方,宮城
県では2
0
1
1
年に9
.
8
と初めて低まん延の目安と
なる1
0
を下回り,それ以降緩やかな低下傾向を
維持し ている。なお,2
0
1
4
年時点では9.
0
と全
1)
国的にも低い水準となっている 。
図1 日本(宮城)の結核罹患率の推移
*宮城県保健環境センター 微生物部 総括研究員
図2 世界の結核罹患率
【結核の歴史】
結核と人類の関係は古く,ド イツのハイデル
ベル クで発掘された約9
,
0
0
0
年前の人骨や,エ
ジプト先王朝時代(紀元前6,
5
0
0
~5
,
1
0
0
年)の
アダマイ遺跡の遺骨から脊椎カリエスの痕跡が
発見されるなど,人類の歴史とともにあると
いっても過言でない2)。
日本では,およそ1
,
8
0
0
年前の鳥取県の青谷
上寺地(あおやかみじち)遺跡の人骨に発見さ
れた結核性変化が最も古い結核とされており,
その頃に大陸からの渡来人によってもたらされ
たと考えられている。しかし,当時の日本は人
口を含めて拡散要因に乏し く,結核が蠢動を始
めたのは江戸時代以降で,明治の産業革命が激
増の原因であるとされており,結核の爆発的な
蔓延は現在から僅か12
0
年前の イベントである
3)
といえる 。
【近代日本の結核対策】
日本における結核対策のパラダ イムシフトに
ついては,図3のように表される 4)。すなわ
ち,明治以降,第二次世界大戦直後までは高ま
ん延の時代であり,結核対策は隔離や安静療法
を中心とした消極的な対策であった。しかし,
1
9
4
8
年にGHQからの支援により始まった化学
療法の出現と,19
5
0
年代からの成人に対する胸
部X線検査による集団検診等により結核罹患率
は急激な減少を示した。この間において,疫学
-2
3
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
的には結核患者の多発という事実が記述される
に留まっており,個々の患者間の疫学的関係が
区別困難な「面」の状態であったと考えること
ができる。
1
9
7
4
年以降は,WHOの勧告に準じて近代的
結核対策への方針転換を図るとともに,結核
サーベランスのための国内ネットワークが完成
した。また,2
0
0
7
年に結核予防法が感染症法と
統合されたことにより,①結核菌遺伝子情報を
利用した感染源・経路などの積極的解明,②院
内DOTSと地域DOTSの連携運用と治療成績の
評価,③LTBI
治療の年齢制限の撤廃,④結核発
生動向調査の法的位置づけなどが盛り込まれた。
現在,日本が置かれている中まん延状況にお
いては,感染性が高い塗抹陽性患者に対する実
地疫学調査から接触者検診に重点を移した対策
と な っ て い る。血 液 で 結 核 感 染 を 推 定 す る
I
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ay)が,既
に多くの医療施設でLTBI
発見のためのツール
として使われており,患者(感染者)との関係
を「線」で結ぶことが可能となった。
ぞれの地名に当てはめて東アフリカ・インド
株,ラテンアメリカ・地中海株,アフリカ株,
アジア株,ヨーロッパ株などと呼んでいる。オ
ランダのSool
i
nge
nらは,東アジアで分離され
る結核菌(アジア株)の多くが特徴的な遺伝子
型を示すことを見出し,この遺伝子型を北京型
株(Be
i
j
i
ngge
not
ypes
t
r
ai
n)と名付けた6)。
近年に至り,南アフリカ,旧ソ連諸国,ベト
ナムなど東アジア地域以外でも北京型株の急激
な感染拡大が認められているが,中国,ロシア,
南アフリカなど,世界的に蔓延している北京型
株はmode
r
nt
ype
(新興型)が主流を占めると
認識されてきたのに対して,日本では他と異な
るanc
i
e
ntt
ype
(古典型)がその約8 割を占め
ることが分かった(表1)。
日本の株が特有の集団構造を示すことに関し
ては,過去に日本に侵入した古典型株が,海外
からの影響を受けることなく独自に定着した結
果であるとの推察がある7)。宮城県でも55
3
株
について遺伝子型解析を行った結果,北京型株
が占める割合は全体の7
0
.
2
%で,そのうちの古
典型に属する株が8
3
.
8
%であった。
表1 各地域における北京型株の特徴
図3 結核対策のパラダイムシフト
(文献4の図を改変)
北京型株
(%)
古典型
(%)
新興型
(%)
日本
(宮城)
中国(北京)
(香港)
(台湾)
ベトナム
7
3
.
8
7
0
.
2
9
3
7
0
5
2
5
4
8
1
.
7
8
3
.
8
5
1
4
4
2
5
1
8
.
3
1
6
.
2
9
5
8
6
9
6
7
5
文献7の表を改変
日本が間近とする結核低まん延時代には,関
係不明な結核患者が散発的に発生する「点」の
時代が到来する。既に低まん延を迎えた宮城県
内でもこのような事例が発生しており,国も結
核菌の分子疫学的解析に基づく対策の重要性を
認めている5)。しかし,結核対策は一自治体の
みで対応することは困難であり,地方衛生研究
所全国協議会では遺伝子型解析による広域的な
疫学分析を可能とするためのネットワーク構築
を目指して現在活動中である。
【分子疫学から見た日本の結核菌の特徴】
結核は,進化と伝播に伴う遺伝的蓄積の違い
で系統を分けることができる。一般には,それ
国名(地域)
【遺伝子型解析による県内の結核疫学】
結核菌はプラスミドを持たず,ファージ等の
ベクターも知られていないことからその進化に
水平伝達の影響がない。すなわち,結核菌は外
来からの影響を受けず,単一遺伝系統の中で小
規模な遺伝子変化が連続的に蓄積された状態で
現在に至っている8)。このことから,種(結核
菌と結核類似の抗酸菌)や系統(北京型株とそ
の他の株)の決定には結核菌ゲ ノム上の比較的
大きな欠損を指標にした解析が行われてきた。
しかし,7-8割が北京型株の系統で占められ
る日本で遺伝子型解析を疫学対策に活用するに
は,より特異性の高い詳細な解析法が必要であ
る。
-2
4
-
公衆衛生情報みやぎ№4
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6
現在,結核菌の遺伝子型解析は,主にVNTR
法 で 行 わ れ て い る。VNTRは 結 核 菌ゲ ノム
に 複 数 個 所 存 在 す る 特 定 の 繰 り 返し 配 列
(t
ande
mr
e
pe
at
)の大きさをPCRで測定し,
そのアリルプロファイルを比較する簡便な方法
である。結核研究所では,北京型株の解析に最
適なプライマーセット(JATA)を開発してお
り9),宮城県も結核菌の遺伝子型解析法として
採用している(図4)。
この方法により,20
0
0
年から20
1
5
年までの県
内株(56
6
株)を解析したところ57パターンの遺
伝子型共通事例が存在した。事例の多くは家族
内や施設内感染であり,同じ居住地または近隣
地域内で1~数年以内の比較的短い期間に新し
い患者の発生は終息している(図5)
。しかし,
延べ1
3
年間にわたり患者発生を繰り返している
株(事例4)の存在が明らかになった(図6)。
本事例の初発患者は,20
0
3
年に沿岸部地域で
確認され,後に県北部地域と県南部地域で確認
された。2
0
0
9
年以降は,初期の患者居住地周辺
に感染拡大し現在に至っている。患者の年齢は
3
0
~9
0
歳代と幅広く,自営業者や会社員など対
外的に活動している患者も含まれていたが,残
念ながら感染拡大に至った要因を解明すること
はできなかった。
【おわりに】
日本の罹患率は低下を続けているが,70
歳代
以上の高齢者の結核罹患率は4
7
.
9(2
0
1
5
)と依
0
)
1
然として高い 。発症者の多くは新規感染者で
はなく,結核の高まん延期に感染し合併症・体
力の低下による免疫力低下による再燃である。
高齢化に伴い増えつつある高齢者施設での結核
発症は同居者のみならず介護者等への感染拡大
を招くケースが多い。一方,若年齢層では イン
ターネットカフェなど新手の遊興場内での感染
が問題となるなど,結核が低まん延期を迎え
て,ようやく「結核リスク偏在」の一端が見え
始めたともいえる。
このような結核リスク解明のため,宮城県で
図4 JATAプライマーを用いた結核菌のアリルプロファイルの例
図5 新たな患者発生が認められなかった事例
図6 事例4に係る患者の地域と発生年
-2
5
-
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6
は年間5
0
-6
0
株の結核菌に対して遺伝子型解析
を行っている。しかし,県内で毎年発生する結
核患者数は解析株数の2倍以上であり,感染経
路不明の事例では未知の第三者が感染拡大に係
わっている可能性がある。
県内の結核の実態を明らかにするためには菌
株情報の収集は必須であり,地域的な境目のな
い結核の全容を把握するためにも,近隣自治体
との情報共有を図っていく必要がある。
【参考文献】
1)結核研究所疫学情報セン ター「結核の統
計」関係資料
(ht
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p:
//www.
j
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a.
or
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-その発生から 世界流行 まで-.Ke
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5:4
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3)公益財団法人結核予防会, 結核対策と予防
会のあゆみ.
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4)前田秀雄,結核対策のパラダ イムシフト-
低まん延状況下の対策-.複十字 2
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5)結核に関する特定感染症予防指針
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3
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7)岩本 朋忠,結核菌北京型ファミリーの集団
遺伝学的解析から推察される日本国内定着型
遺伝系統群の存在と遺伝系統別薬剤耐性化
傾向の違い.Ke
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0
9
;
Vol
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1
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8)岩本 朋忠, 結核菌分子疫学の成果と挑戦.
Ke
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9)Mur
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)結核研究所疫学情報セン ター「結核の統
計」資料編
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感染症情報
宮城県感染症発生動向調査情報
(平成2
8
年3月7日~平成2
8
年4月3日,第1
0
週~第1
3
週)
宮城県結核・感染症情報センター* 宮城県結核・感染症情報センターでは,「感染症法」に基づき,県内の医療機関の協力を得て,感
染症の患者発生報告と病原体の検出報告を行っています。ここでは月間の動向を提供します。
1.全数届出対象疾患届出状況
一類感染症
3月7日~4月3日
宮城県 仙台市 県全域
届 出 な し
2
0
1
6
年累計
県全域
3月7日~4月3日
宮城県 仙台市 県全域
1
6
1
0
2
6
2
0
1
6
年累計
県全域
1
1
1
3月7日~4月3日
期間・地域
疾患名
宮城県 仙台市 県全域
コレラ
0
細菌性赤痢
0
腸管出血性大腸菌感染症
0
腸チフス
0
パラチフス
0
2
0
1
6
年累計
県全域
0
1
2
0
0
疾患名
期間・地域
二類感染症
疾患名
結核
期間・地域
三類感染症
四類感染症
3月7日~4月3日
期間・地域
疾患名
宮城県 仙台市 県全域
E型肝炎
1
1
A型肝炎
0
つつが虫病
0
デング熱
0
日本紅斑熱
0
ブルセラ症
0
ボツリヌス症
0
レジオネラ症
0
マラリア
1
1
レプトスピラ症
0
2
0
1
6
年累計
県全域
2
0
0
0
0
0
0
3
1
0
五類感染症
2
0
1
6
年累計
3月7日~4月3日
期間・地域
疾患名
宮城県 仙台市 県全域
県全域
1
1
3
アメーバ赤痢
0
0
ウイルス性肝炎
1
1
2
4
カルバペネム耐性腸内細菌感染症
0
0
クリプトスポリジウム症
0
1
クロイツフェルト・ヤコブ病
0
2
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
0
1
後天性免疫不全症候群
0
0
ジアルジア症
0
2
梅毒
0
0
破傷風
0
0
バンコマイシン耐性腸球菌感染症
0
1
風しん
0
0
麻しん
0
1
侵襲性インフルエンザ菌感染症
0
0
侵襲性髄膜炎菌感染症
2
2
4
1
8
侵襲性肺炎球菌感染症
0
0
水痘(入院例)
0
0
播種性クリプトコックス症
*累計は登録取り消し・追加等により集計の変更あり
2.定点把握疾患報告状況
【感染性胃腸炎】
先月から県内の患者数は横ばい傾向にあります。
*宮城県保健環境センター微生物部
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7
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【A群溶血性レンサ球菌咽頭炎】
石巻,仙南管内では患者数が警報レベルを超え
流行が継続しています。
【インフルエンザ】
仙南,大崎,登米,石巻管内では患者数が警報
レベルを超え流行が継続し ました。第1
1
週以降に
は塩釜管内でも警報レベルを超えました。他の管
内でも注意報レベルを超え,県内全体で流行が継
続しています。
3.病原体検出状況 (保健環境センター検出分)
病 原 体
月検出件数* 2
0
1
6
年累計
A(H1)型
0
インフルエンザ
AH1
pdm0
9
8
3
8
ウイルス
A(H3)型
1
6
B型
1
2
1
9
エンテロウイルス
0
コクサッキーウイルス
0
エコーウイルス
0
アデ ノウイルス
0
風しんウイルス
0
ヒトパレコウイルス
0
GⅠ群
4
4
ノロウイルス
GⅡ群
2
9
7
9
GⅠ群及びGⅡ群
1
2
ロタウイルス
2
2
サポウイルス
4
アストロウイルス
2
ライノウイルス
0
A型肝炎ウイルス
0
RSウイルス
0
O1
5
7
0
O2
6
0
O1
4
5
0
腸管出血性
O1
0
3
0
大腸菌
O1
2
1
0
O1
1
1
0
その他
0
腸管毒素原性大腸菌
1
1
腸管侵入性大腸菌
0
腸管病原性大腸菌
0
腸管凝集付着性大腸菌
1
1
他の下痢原性大腸菌
0
サルモネラ
1
0
C.
j
e
j
uni
カンピロ
バクター
0
C.
c
ol
i
A群溶血性レンサ球菌
0
*3月7日~4月3日の検出日で集計
4.トピック
インフルエンザ患者数は第9週をピークに減少傾
向ですが,地域によっては患者数が増加している地
域も見られます。インフルエンザウイルスの検出状
況は,AH1
pdm9
型 から B 型 へ と 移 行し 流 行が 変
わってきています。県内全域の警報は継続していま
すので,引き続き感染予防対策に努めてください。
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感染症情報
仙台市感染症発生動向調査情報
<平成2
8
年3月7日~平成2
8
年4月3日>
仙台市衛生研究所微生物課 集計(感染症法*に基づく全数報告件数)
疾患名
第1
0
~1
3
週
合計
第1
0
週
第1
1
週
第1
2
週
第1
3
週
結核
1
1
4
4
1
0
腸管出血性大腸菌感染症
0
0
0
0
0
E型肝炎
1
0
0
0
1
レジオネラ症
0
0
0
0
0
アメーバ赤痢
0
0
0
0
0
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症
0
0
1
0
1
侵襲性肺炎球菌感染症
1
1
0
0
2
梅毒
0
0
0
0
0
風しん
0
0
0
0
0
麻しん
0
0
0
0
0
・結核の報告あり。
肺結核:1例
肺結核及びその他の結核:
1例
その他の結核:1例
無症状病原体保有者:7例
・E型肝炎:1例
・カルバペネム耐性腸内細菌
科細菌感染症の報告あり。
E.
ae
r
oge
ne
s:1例
・侵襲性肺炎球菌感染症の報
告あり。
*感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
集計(患者数*)
週報定点把握対象
感染症名
第1
0
~1
3
週
合計
第1
0
週
第1
1
週
第1
2
週
第1
3
週
RSウイルス感染症
1
0
1
1
3
咽頭結膜熱
6
6
3
5
2
0
7
9
8
1
4
5
4
8
2
5
3
2
0
0
1
9
2
1
2
2
1
3
3
6
4
7
1
0
1
0
4
1
4
3
8
0
0
0
0
0
A群溶血性レンサ球菌
咽頭炎
感染性胃腸炎(小児科)
水痘
手足口病
伝染性紅斑
突発性発しん
2
7
6
2
1
7
1
3
1
2
1
1
9
4
5
百日咳
0
0
0
0
0
ヘルパンギーナ
1
0
0
0
1
流行性耳下腺炎
5
8
3
5
2
1
インフルエンザ
1
,
1
6
2
1
,
1
2
6
6
6
4
5
5
2
3
,
5
0
4
急性出血性結膜炎
0
0
0
0
0
流行性角結膜炎
0
0
1
1
2
感染性胃腸炎
(ロタウイルス)
0
2
2
1
5
クラミジア肺炎
(オウム病を除く)
0
0
0
0
0
細菌性髄膜炎
0
0
0
0
0
マイコプラズマ肺炎
2
2
2
0
6
無菌性髄膜炎
0
0
0
0
0
マイコプラズマ肺炎
(小児科)
3
3
2
3
1
1
川崎病
2
1
1
1
5
不明発しん症
1
3
1
3
8
*感染症発生動向調査における患者定点医療機関から報告された患者数
-2
8
-
コメント
[A群溶血性レンサ球菌
咽頭炎]
第1
1
週は例年同時期と比較
して,やや多い。
第1
2
週に減少。
[感染性胃腸炎(小児科)]
増減はあるが,減少傾向。
保育施設等印小学校芋,医
療機関茨で集団感染事例の
報告あり。
いずれの施設の患者検体か
らもノロウイルスを検出。
[突発性発しん]
減少傾向。
[インフルエンザ]
第1
3
週は例年同時期と比較
して,やや多い。
第4週から市全域で注意報
レベルを継続。
第6週に青葉区,第9週に
宮城野区,第1
0
週に泉区で
警報開始基準値(定点当た
り報告数3
0
人)を超えた。
公衆衛生情報みやぎ№4
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唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
哀
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哀
哀
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愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
仙台市内病院病原体検出情報
感染症情報
8
年3月7日~4月3日>
<平成2
独立行政法人国立病院機構仙台医療センター 臨床研究部ウイルスセンター ウイルス分離状況
2
0
1
6
年
第1
0
週(最終)
第1
1
週(中間)
第1
2
週(中間)
第1
3
週(中間)
3月7日~3月1
3
日 3月1
4
日~3月2
0
日 3月2
1
日~3月2
7
日 3月2
8
日~4月3日
インフルエンザウイルスA
(H1)
型pdm0
9
A
(H3)
型
2
4
3
0
0
0
0
0
B型
(山形系統)
5
7
1
0
B型
(ビ クトリア系統)
5
5
2
0
C型
4
1
1
0
解析中
0
0
1
5
RSウイルス
0
0
1
0
ヒト メタニューモウイルス
3
3
1
0
ムンプスウイルス
0
0
0
0
アデ ノウイルス
0
0
0
0
エンテロウイルス
0
0
0
0
ライノウイルス
1
1
1
0
単純ヘルペスウイルス
0
0
0
0
サイト メガロウイルス
0
0
0
0
パラインフルエンザウイルス 1型
0
0
0
0
2型
0
0
0
0
3型
0
0
0
0
4型
0
0
0
0
解析中
0
0
0
0
未 同 定
0
0
0
0
分離総数/検体総数
2
0
/5
6
2
1
/4
9
1
1
/2
6
5
/2
1
第1
0
週
第1
1
週
第1
2
週
第1
3
週
抗原検出状況
2
0
1
6
年
3月7日~3月1
3
日 3月1
4
日~3月2
0
日 3月2
1
日~3月2
7
日 3月2
8
日~4月3日
インフルエンザウイルス
1
8
2
1
1
8
8
A型
8
B型
1
0
1
2
4
1
9
1
4
RSウイルス
7
1
1
0
1
ノロウイルス
1
2
3
1
ロタウイルス
3
1
0
1
アデ ノ(便中)
0
0
0
0
アデ ノ(呼吸器)
0
0
0
0
アデ ノ(眼科)
0
0
0
0
※溶連菌
2
1
0
0
水痘帯状疱疹
0
0
0
0
単純ヘルペス
0
0
0
1
2
5
/1
4
8
2
6
/1
7
5
2
1
/1
2
9
1
2
/1
1
1
陽性数/検体総数
コメント :①第9週以降は インフルエンザウイルスB型
(山形系統・ビ クトリア系統)
の分離が多くなっています。
*なお,これらの成績は主に以下の医療機関から定期的に送られてくる検体を解析したものです。
永井小児科医院,庄司内科小児科医院,仙台医療センター
-2
9
-
公衆衛生情報みやぎ№4
5
6
唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
保健所からの便り
平成2
7
年度第1
2
回保健福祉事務所長等会議 保健・医療専門部会
平成2
8
年3月4日(金)
協議事項
衆衛生医師確保は重要な課題であり,宮城県
○不妊治療医療費助成制度の現況調査について
でも公衆衛生医師確保にむけて「公衆衛生医
師募集ポスター」を作成しました。仲間が増
報告事項
えることを願っています。
○HI
V検査における確認検査について
○保健所運営協議会条例を廃止する条例につい
もう一つの重要課題である「健康危機管理」
て
ですが,先日「災害時健康危機管理支援チーム
養 成 研 修 の 実 施に つい て」の 通 知 が 全 国 保
その他
健所長会より出され まし た。災害時健康危機
○公衆衛生医師募集ポスターについて
管 理 支 援 チ ー ム(DHEAT:Di
s
as
t
e
rHe
al
t
h
※平成2
7
年度地域保健総合推進事業「公衆衛生
Eme
r
ge
nc
yAs
s
i
s
t
anc
eTe
am)が 災 害 時 現 場
に係る人材確保・育成班」において公衆衛生
で機能するためには,
支援を受ける側の平時
医師募集パンフレットを作成しました(現在
の体制が重要です。平時の組織作り,地域づく
全国保健所長会HPにPDFファ イルを掲載中
りが重要であると感じています。山形市で開催
ですが,平成2
8
年度各都道府県や保健所設置
された集団災害医学会,仙台市で開催された
市等へ配布を予定しております)
。その中で,
「感染症災害にいかに取組むのか?-地域レベ
全国保健所長会宇田会長が『全国保健所長会
ルにおける感染制御の在り方-」に参加してき
は4
8
6カ所(20
1
6
年3月現在)の保健所の所長
ましたが,平時からの「地域づくり」が非常に
で構成され,大きく,
「健康危機管理」と「地
重要であること,そして保健所は「健康危機管
域保健の充実強化」
,それらを実現するため
理の拠点」として重要な役割を担っていること
の「公衆衛生医師の確保と育成」を重要な課
を,改めて確認する機会となりました。
題と位置づけています』と述べられています。
全国的にも保健所長の兼務率は約1割,公
-3
0
-
(文責:宮城県気仙沼保健所長 照井有紀)
公衆衛生情報みやぎ№4
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唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
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愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
保健所からの便り
仙台市保健所・保健所支所からの「保健所便り」
「公衆衛生学会参加報告-番外編-」
次の日の夜は,科学院時代の同期の先生方
昨年の1
1
月,公衆衛生学会に参加するため30
と,長崎でもおすすめという寿司屋を訪れた。
年ぶりに長崎の地を訪れた。前回の訪問は,大
西の方の文化圏に属することもあり,白身の魚
学入試が終わった後の春休みに,同級生4人で
が大変おいしい。昆布で〆たり,香りのよい食
今はなきブルートレ イン「さくら」に乗っての
材と組み合わせたりとなかなか手が込んでい
旅だった。当時の記憶は定かではないが,ちゃ
る。焼酎がメインの土地柄ではあるが,せっか
んぽんを食べにかの有名な「四海楼」へ行った
くの肴なので,日本酒の地酒がないかと尋ねる
ことや,グ ラバー邸,大浦天主堂など を見て
と,すっきりとした飲み口の純米酒を出してき
回ったことは覚えている。
てくれた。確か「杵の川」という銘だったと記
さて,今回は学会のテーマが,ライフステー
憶する。
ジに合わせた健康づくりということであるにも
長崎土産にカステラを買おうと考えていたの
かかわらず,参加した多くの医師の関心が向け
で,親方に,
「文明堂のカステラと,福砂屋のカ
られているテーマが,新たに導入される専門医
ステラだったらどちらがおすすめですか?」と
制度であることは,ひしひしと伝わってきた。
尋ねたら,「どっちの社長もうちの常連さんだ
初日のシンポジウムのテーマにも専門医制度改
から,片方を押すわけにはいかないね」と言わ
革があり,さらにそれと重なるように,自由集
れてしまった。
会でも専門医制度をテーマにしたセッションが
ここでの話題は,前夜とは打って変わって,
設けられていた。集会の世話人が保健医療科学
同期たちのその後である。定年を前に,自分の
院で同じ釜の飯を食った先生だったので,誘わ
やりたいことがあるからと,引退を表明してい
れるままにそちらに行った。彼は,せっかく取
る人達がいるのには驚いた。他にも,別の自治
得し た専門医の資格は何とし ても維持し たい
体に移ったり,まった く別の分野に行ってし
し,資格としてとっておけるものはできるだけ
まったりと,人それぞれである。思うに,大抵
取っておいたほうが,先の見えない時代の備え
の医師が臨床の世界から行政に入ってくるが,
として大切だという立場であった。
科学院の研修だけでは現場への適応という点で
セッションの内容は,大方予想通りのもので
問題が多いのではなかろうか。か く言う自分
あったが,その後長崎駅前の居酒屋で行われた
も,まだまだ慣れないことだらけであるが,幸
懇親会は盛大であった。公衆衛生にかかわる医
いにして,周囲にそれとなく支えてくださる人
師が5
0
名ほど一堂に会したのである。その中に
たちが居てくれたおかげで,何とかなっている
は,保健所長,大学教授,厚生労働省のお偉い
ような次第だ。
さん,医系技官,産業医,日本医師会副会長,
久し ぶりの長崎であったが,勉強のみなら
全国保健所長会会長などなど,そうそうたる顔
ず,公衆衛生に関わるいろいろな人と会い,酒
ぶれが集まった。医師会副会長の言葉ではない
を酌み交わし,話をする機会が得られたことは
が,みんな,国が専門医制度の元締めになって,
大きかった。
医者をコントロールしようとすることに,かな
「ケンミンショー」の影響で,五三焼きとい
りの抵抗感を感じているご様子。特に,専門医
うカステラが人気のお土産ということであった
制度という名の家元制度を牛耳っていた大学教
ので,今回は家族のために一本買い求めて帰路
授達がやすやすと既得権益を手放すとは思え
についた。
ず,この先ひと波瀾もふた波瀾もありそうだな
(文責:仙台市泉区保健福祉センター所長
というのが正直な感想である。
加藤正典)
-3
1
-
公衆衛生情報みやぎ№4
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唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
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哀
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哀
愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
ちょっとひと息
.
6
宇宙を身近に vol
みなさん,こんにちは。今年は暖かい日が
多く,仙台でも先日桜が開花しましたね。満
開になるのが楽しみなこの頃ですが,いかが
お過ごしでしょう。ありがたいことに,今年
度もこの連載を続けさせていただけることと
なりました。つたない文章ではありますが,
今年も1年,どうぞよろし くお願いいたしま
す。
さて,先日,天文台の同僚と一緒に映画
「オデッセイ」を観てきました。火星に一人
置き去りにされた宇宙飛行士が生き残るため
に奮闘する姿と,彼を救い出そうとする周囲
の奮闘ぶりを描いたSF映画です。2時間を
超える大作なのですが,飽きることなく最後
まで楽しむことができました。
劇中,火星の様子が出てくるのですが,地
面が赤い色をしていました。火星は表面が酸
化鉄で覆われているため,赤い色をしている
のだそうです。赤さびをイメージするとわか
りやすいでしょうか。また,地球から肉眼で
見ても,ちゃんと赤い色をしている様子が分
かります。太陽の光が赤い地表に反射するた
め,肉眼でも赤く輝いて見えるのです。夜空
を見上げていて,星の色の違いがわかるとい
つもより星空観察が楽し くなってきます。
そんな火星が,今年見ごろを迎えます。火
星は約6
8
7
日で太陽の周りを回っているため,
約3
6
5
日で回っている地球と約2年2ケ月に
1度だけ接近し,すれ違います。普段よりも
地球との距離が近いため,より明るい姿を見
ることができるのです。
↑2
0
1
4
年に望遠鏡で見た火星接近の様子
最も地球に近づくのは5月31
日。その日に
観察するのはもちろんお勧めですが,その前
に,4月は肉眼で,火星がだんだん明るくな
る様子を観察してみるのはいかがでしょう?
地球との距離によって見かけの明るさが変わ
るため,例えば,今年の火星は3月中旬と5
月では約6倍も明るさが違うのだそうです
よ。
徐々に明るくなる火星を見ながら,オデッ
セイの主人公は今頃ジャガ イモを育てている
かなぁと映画の内容になぞらえて想像をふく
らませるのも一興です。
続いて,今年最小の満月・最大の満月につ
いてご紹介します。地球の周りを回る月の軌
道は,楕円形をしているため,地球との距離
が近い時と,遠い時があります。よって,最
も近い時の満月を「今年最大の満月」,遠い時
の満月を「今年最小の満月」といったりしま
す。また,大きい方は「スーパームーン」な
どといって,SNS等で時々話題となります。
よ く,「ど れ くら い“ス ー パ ー”な ん で す
か?」という質問を受けるのですが,実際の
ところ,肉眼で見た限りでは,その大きさの
違いを実感するのは難しいのだそうです。
↑2
0
1
3
年撮影の「今年最小の満月」
どうしても“スーパー感”を感じてみたい
方は,望遠レンズや望遠鏡にカメラを取り付
けて,最小の日と最大の日に,それぞれ同じ
条件で満月を撮影してみてください。2つの
写真を合成し て比較し てみると,少し だけ
スーパー感を感じることができるかもしれま
せん。今年最小の満月は4月22
日。最大の満
月は1
1
月1
4
日です。
月は私たちにとって身近な存在で,最大最
小に限ら ず,満月は 美し いものです。スー
パーなんて言葉に惑わされず,好きな時に月
を見上げて,自由に楽しんでいただければ嬉
し く思い ます。それでは,来月もお楽し み
に!
■仙台市天文台のイベント 情報
アースデイ講演会「エルニーニョと日本の天
候」/4月23
日(土)1
4
:0
0
-1
5
:3
0
/無料
/エルニーニョと日本の天候との関係につい
て,東北大学の花輪公雄教授に解説いただき
ます。
-3
2
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唖娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃阿
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
哀
愛娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃娃挨
協会だより
安西・野家記念 第3
5
回公衆衛生功労者表彰式
小金澤孝昭様,奥山保男様,末永カツ子様が受賞
一般財団法人宮城県公衆衛生協会は,公衆衛生の向上を図り,健康で文化的な県民生活の建
設に寄与することを目的にして設立されております。公益的な事業として,平成25
年3月に宮
城県から認可を受けた公衆衛生普及事業は,
「公益的目的支出計画」に基づき実施し,公衆衛生
に功労のあった個人及び団体を「公衆衛生功労者」及び「公衆衛生功労団体」として表彰し,
広く顕彰してその業績をたたえています。
このたび,安西 ・ 野家記念 第3
5
回公衆衛生功労者として小金澤孝昭様,奥山保男様,末永カ
ツ子様の3名に決定し,3月1
5
日(火)ホテル白萩において,表彰式が行われました。受賞者
の功績をご紹介いたします。
こ がねさわ
たか
あき
小金澤 孝 昭 仙台市
昭和2
7
年3月2
8
日生
昭和5
7
年4月 宮城教育大学専任講師
昭和6
1
年6月 同 助 教 授
平成9年4月 同 教 授
平成1
2
年1
0
月 特定非営利法人環境保全米ネットワーク理事兼事務局長
平成1
4
年1
1
月 みやぎ食の安全安心推進会議委員(第1期)会長
平成1
6
年9月 同 (第2期)会長
平成1
8
年9月 同 (第3期)会長
平成2
0
年9月 同 (第4期)会長
平成2
1
年2月 特定非営利法人環境保全米ネットワーク理事長
平成2
2
年9月 みやぎ食の安全安心推進会議委員(第5期)会長
平成2
4
年9月 同 (第6期)会長
平成2
6
年9月 同 (第7期)会長
茨「みやぎ食の安全安心推進条例」に基づき設置されている「みやぎ食の安全安心推進会議」の会長
を,平成16
年に条例で位置づけられる以前の平成1
4
年設置時から勤めている。
芋 年数回開催される同会議の議長として,食品衛生を含む本県の食の安全安心に関する施策に対す
る審議,提言等を行った。
鰯 また,条例に基づく基本計画について,第1期(平成18
年度から2
2
年度)
,第2期計画(平成23
年
度から2
7
年度)の策定及びこの計画に基づく毎年の施策評価を行っているほか,第3期計画案(平
成2
8
年度から32
年度)については,平成27
年2月に知事の諮問を受け,審議を行い,同年11
月答申
を行った。
-3
3
-
公衆衛生情報みやぎ№4
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6
允 また,茨~鰯とは別に,特定非営利法人環境保全米ネットワークの活動を通じて環境を守りなが
らお米の「生産」と「消費」が共存できる道を探ろうと農薬や化学肥料を減らした「環境保全米」
を広める活動を生産者,消費者,学識経験者による連携のもと進めてきた。
県民が穏やかな食生活を営むための食品の安全性及び信頼性確保のため,平成16
年に制定された
「みやぎ食の安全安心推進条例」に基づき設置されている「食の安全安心推進会議」において,設置
時から現在まで会長を勤め,食品衛生を含む本県の食の安全安心の基本施策に対して顕著な役割を果
たしている。
また,特定非営利法人環境保全米ネットワークの理事長を務めているなど,現場にも根ざした活動
を行うなど,幅広く食の安全安心に貢献しているものであり,これらの功績は誠に多大である。
おく
やま
やす
お
奥 山 保 男
気仙沼市
昭和7年1
2
月2
1
日生
昭和4
9
年1
1
月 宮城精神保健指導医
~平成2
6
年3月
昭和4
9
年1
1
月 気仙沼市医師会附属高等看護学校実習施設長(光ヶ丘保養園)
~平成2
6
年9月 (現職 名誉園長)
昭和5
2
年4月 気仙沼市医師会附属高等看護学校運営委員
~現在に至る
昭和6
0
年5月 気仙沼市医師会看護学校検討委員会委員
~昭和6
2
年4月
平成元年6月 本吉町心身障害児就学指導審議会委員
~平成3年5月 宮城県公安委員会指定医
平成元年8月 唐桑町心身障害児就学指導審議会委員
~平成3年7月
平成2
4
年2月 気仙沼市医師会副議長
~現在に至る
昭和4
6
年4月,光ヶ丘保養園に勤務する。昭和49
年1
1
月,園長に就任し,気仙沼地域の中核病院医
師・管理者・精神科指定病院長として,43
年の長きにわたり急性期・慢性期の精神障害者の治療にあ
たる。また,宮城精神保健指導医として40
年に亘り,当地区の精神保健相談を行う。この間,宮城県
教育委員会の委嘱を受け,2
0
余年に亘り障害児巡回相談を行い,更には特別養護老人ホーム,知的障
害者更生施設の嘱託医として入所者の健康管理・保持増進に努めた。看護師養成事業にあっては,地
域医療を支えるスタッフの育成に理解を示し,実習施設長として当地域3校の看護学生を受け入れ,
より質の高い看護職者の育成に当たっている。また,気仙沼市医師会附属高等看護学校運営委員とし
て運営に参画し,学校教育の充実向上に努めている。東日本大震災により同園は一時閉院の危機に立
たされるも,全力で機能の回復に努め早期診療再開を果たし,病める人々の治療と心のケアに当たっ
ている。
勤務医(園長)として気仙沼地域の精神疾患患者の治療と障害を持つ方のサポートを4
0
年余も実践
してきたことは特筆に値し,功績は誠に多大である。
-3
4
-
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すえ
なが
か
つ こ
末 永 カツ子
仙台市
昭和2
5
年1
2
月9日生
昭和4
8
年4月 仙台市衛生局北保健所予防課入職
昭和5
5
年4月 仙台市衛生局心身障害者相談センター
平成元年4月 仙台市民生局児童相談所主任
平成2年4月 仙台市青葉保健所予防課主任
平成3年1
1
月 仙台市健康増進センター主査
平成5年4月 仙台市宮城野保健所係長
平成6年4月 厚生労働省健康政策局計画課主査
平成8年4月 仙台市健康福祉局障害保健福祉課係長
平成1
1
年4月 仙台市健康福祉局障害保健福祉課主幹兼生活支援係長
平成1
3
年4月 仙台市宮城野区保健福祉センター障害高齢課長
平成1
4
年4月 仙台市心身障害相談支援センター所長
平成1
8
年4月 東北大学医学部教授
平成2
0
年4月 東北大学大学院医学系研究科教授
仙台市の保健師として地域保健福祉活動の第一線で,住民の方が安心して暮らせる地域づくり活動
や障害児者の育ちと暮らしを支援する地域ケアシステムづくりに尽力をした。平成6年には厚生労働
省に出向し,全国の保健師の人材育成や公衆衛生看護活動の推進に取り組んだ。その経験を生かし東
北大学に入職後も学部や大学院での看護師,保健師教育を担当する傍ら,県内外の保健師の公衆衛生
看護活動のスーパーバイザーとして各地の保健師の現任教育に貢献した。
また,社会の変化に伴い保健師の活動も分散化される中,東日本大震災に遭遇し明らかとなった保
健師の管理期の人材育成の重要性を宮城県看護協会に提言し,地域看護管理者を対象とした研修プロ
グラムの検討や研修を行い管理期の保健師の人材育成に尽力した。
県内の公衆衛生看護活動を担う保健師の人材育成に大きく貢献をしたもので有り,その功績は誠に
多大である。
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公衆衛生情報みやぎ№4
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エコ・パークだより
平成2
8
年度 宮城県公衆衛生研究振興基金研究助成の募集
一般財団法人 宮城県公衆衛生協会 趣 旨
桓 研究年度
一般財団法人宮城県公衆衛生協会(以下 「協
研究は,単年度をもって完結することを原則
会」
という。)は,公衆衛生の向上を図り,健康
としますが,特に継続研究の価値のあるものに
で文化的な県民生活の建設に寄与する事を目的
ついては,その限りではありません。
として設立されております。この目的達成の一
環とし て公衆衛生領域の研究に対し て助成を
内 容
行っております。
敢 助成金額
ここでいう研究とは,公衆衛生領域における
一研究課題につき15
万円から3
0
万円程度で
自然科学を主に,人文科学,社会科学を含めた
す。
広い意味での調査研究をいい,個人研究,共同
柑 助成研究期間
研究のいずれでも差し支えありません。独自性
平成2
8
年7月1日から平成29
年3月31
日ま
のある研究が多数応募されます事を期待してお
でとします。
ります。
応募手続
対 象
敢 応募方法
当協会指定研究助成申請書に必要事項を記
敢 研究の内容
公衆衛生に関連する研究(調査を含み ま
入の上,正本1通をご 送付下さい。当協会
す。以下同じ。)で,研究成果が公衆衛生の向
ホームページ(ht
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p:
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上に寄与し,県民の福祉に役立つ研究である
j
p)からダウンロード することができます。
こと。
柑 応募期間
平成2
8
年4月1日から平成28
年5月31
日ま
柑 研究者の資格
代表研究者,共同研究者は,いずれについ
でとします。
ても資格は問いません。ただし,公衆衛生活
動に従事する人が実質的な研究活動を行うこ
お問い合わせ
とが必要です。
担当:総務部総務課 伊藤
TEL:0
2
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1
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2
2
FAX:0
2
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公衆衛生情報みやぎ№4
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あ と が き
新年度となりました。今月号がお手元に届く
西・野家記念 第3
5回公衆衛生功労者表彰式と
ころにはすっかり桜も散り,新緑が美しい季節
受賞をされました三名の方々の紹介を掲載して
となっているでしょう。
おります。改めて公衆衛生功労賞の受賞おめで
さて,当協会におきましても4月に入り新し
とうございます。
い職員を迎え,新たにスタートを切りました。
今後も読者の皆様からのご意見・情報をお待
不安や慣れない点はありますが精一杯自分自身
ちしております。
も頑張って仕事に取組む所存です。
(事務局:j
ouhou@e
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p)
今月号は,先月15
日に開催いたし まし た安
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