ビデオ教材の作成について 2009.2.9.奈良県理化学会物理部会にて 東大寺学園中・高等学校 萬處 展正 ホームビデオカメラで撮影した物理現象を教材として利用する方法について,経験を元に 以下に紹介します。 1 ビデオカメラの映像をパソコン上で扱える動画ファイルにする方法 方法1「 Windows ムービーメーカー」 まずビデオカメラで撮影。次にパソコンとカメラ を IEEE で接続する(端子は写真を参考に)。接続し てからカメラの電源を再生側に入れる。USB 接続な らドライバのインストールを行う必要があるが,IEE E ならドライバのインストールは不要。すぐに使え る。 さらに「Windows ムービーメーカー」を起動し,ビ デオカメラから取り込む。(この方法については説 明を省略) 目的のシーンを選び出し,保存する。拡張子は wmv となるはず。 方法2「 hunuaaCap 」 「hunuaaCap」というソフトを使用する。これはインターネット上のダウンロ ードサイトである「Vector Soft ライブラリ」や「窓の杜」で簡単に見つかるフリ ーソフトウェアである。機能は動画キャプチャーであり,編集機能はない。使い 方としてはデジタルビデオカメラとパソコンを IEEE1394インターフェースで接 続する。パソコン側にデジタルビデオカメラのデバイスドライバをインストール する必要がないのは,上と同様。そしてこのソフトを起動すると,リアルタイム で avi 形式の動画を取り込むことができる。 2 ビデオによって物理現象を解析する場合 準備「 BatchDOO!」 wmv 形式の動画ファイルを作成するまでは,上記方法1で。 後述する「Quick Time Player」というソフトは Apple 社のソフトであり,拡張 子は mov だ。この形式に変換する方法は次の通りである。 使用するソフト名は「BatchDOO!」。ダウンロードは下記のいずれかのサイトで。 http://www.lnsoft.net/ http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se436800.html wmv 形式と mov 形式の相互変換が,音声や解像度も含めて十分できる。 方法1「 Quick Time Player 」 このソフトはアップルのホームページから無料でダウンロードできる。QuickT imePlayer は有料(3,400円)の QuickTimePro にアップグレードすると,動画のトリ ミングなどの簡単な編集機能が使える。 右図で丸印をつけたところはタイムコードを表示しているが,クリックすると フレーム番号の表示に切り替えられる。このプレーヤーの長所は,動画を1コマ ずつ前後させることが可能であること。キーボードの矢印キーの「→」や「←」 キーで簡単にコマ単位の移動ができ る。他の動画プレーヤーではこんな機 能はない。 すぐに気がつくと思うが,ホームビ デオは30コマで1秒だ(厳密には29.97 コマ)。この機能を利用し,また動画の中に物差しなど を含めておくと,運動物体の変位が画面上から読み取れ る。従って,速度や加速度が計算で求められる。 方法2「 Video Point 」 有料の英語ソフトであり,Mac でも Windows でもインストールして使える。 勤務校で昨年夏に約5万5千円で「Video Point 2.5」を購入したが,某教材会社 には在庫があと1つとの情報。しかもその会社のカタログにはもう載っていない。 http://www.pasco.com/featured-products/videopoint/index.cfm 心配していたところ,ネットで調べたらどうやら最近バージョンアップしたよ うだ。名前は「VideoPoint Physics Fundamentals 1.0」になっている。バージョン 番号はどうなっているのか不明。日本で買うとなると難しいかなと思っていたら, ネットで簡単に買えそうな感じである。 http://shop.trendy.nikkeibp.co.jp/item_info/20832307930670.html 「Video Point 2.5」は内部で「Quick Time Player」を起動して mov 形式の動画 を表示し,動画の各コマに対して物体の位置をマウスでクリックしていく。そし て画面上の長さ(たとえば1m)をクリックで教えてやる。これだけで,縦・横 各方向の変位・速度・加速度がグラフで表せたり,数値を表計算ソフトに送った りできる。また複数の物体を同時に扱え,質量を入力すると運動量やエネルギー の計算もしてくれる。 細かい数値を知りたいときや精度を高めたいときは,撮影上のコツやクリック の仕方などノウハウもあるがここでは割愛させていただく。また,実際に操作す るとわかるが,表示される変位や速度はまだしも,加速度となるとブレが大きい。 位置をクリックするときの誤差が,大きく拡大されることになるからである。せ いぜい有効数字2桁程度にとどめるのが無難。 さて,ホームビデオカメラなら1秒間に30コマなので,落下運動や放物運動, 単振動などはよいが,素早い運動,たとえばテニスのボレーやサッカーのシュー トなどは解析できない。しかし高速カメラによってそれも可能となる。 高速カメラで撮影した,300fps や600fps の動画をテストしてみた。今回の高速 カメラで撮影した動画は最初から mov 形式だ。すぐに気づいたのは Quick Time P layer のタイムコードの問題である。30コマ進むと1秒経過したことになってい る。これはおかしいが,このソフトの仕様とあきらめざるを得ない。従って「Q uick Time Player」を扱う「Video Point」もその影響を受ける。300fps なら速度で1 0倍,加速度で100倍してやらねばならないのは若干煩わしい。 とにかく高速カメラなら人の動きや素早い現象を調べることに道が開ける。高 校生の探究活動に役立つことは間違いない。なお「Video Point 2.5」にはキャプ チャーソフトがついており,慣れると便利であるが,筆者は動画の作成の最終段 階でトリミング程度に使用するのみである。 方法3「 Multi Media Motion Ⅱ」 割愛します
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