開催概要 ラウル・デュフィ(1877-1953)は、ピカソやマティスなどとともに 20 世紀前半にフランス で活躍した画家です。彼は 1937 年に開催されたパリ万国博覧会のための装飾壁画《電気の 精》に代表されるような、明るい色彩と軽快な筆さばきで描く独自のスタイルを築きました。 本展は、デュフィが 1899 年に故郷のル・アーヴルから国立美術学校で学ぶためにパリに出 てきたころから晩年に至るまでの作品を紹介する回顧展です。20 世紀初めのパリでフォー ヴィスムやキュビスムによって造形の革新を試みる動向のただなかに身を置きつつ、また 様々な分野を横断しながら自らの独創的表現の探求を続けたデュフィの歩みを辿ります。 *会期中、一部展示替えがあります。 ◆20 世紀フランスを代表する画家 ラウル・デュフィ(1877-1953)は、ピカソやマティスなどともに、20 世紀前半にフラン スで活躍した画家です。代表作である、パリ万国博覧会のために装飾壁画《電気の精》(パ リ市立近代美術館蔵)のように、明るい色彩と軽快な筆さばきで描く独特のスタイルを築き ました。彼の手によって描き出される南仏の街や社交界といった近代生活の諸相は、華やか さ、軽やかさを湛え、今もなお多くの人々を魅了します。 ◆画家の本質に迫る 社会や生活の明るい側面を鮮やかな色彩と軽やかなタッチで描くデュフィの作品は、 「生き る喜び」を表現するものとして評されてきました。そうした作品の一面ばかりに注目が集ま った結果、時にその本質が見過ごされ、真の芸術家としての評価が軽んじられてきたことも また事実です。詩人であり美術評論家でもあったギヨーム・アポリネールは、デュフィを「不 遇にして、偉大なる画家」と評しましたが、この言葉は 20 世紀美術史におけるデュフィの 立ち位置を象徴的表しているといえるでしょう。本展覧会は、作品の多様な造形を丁寧に検 証することで、色彩と光の戯れの向こうにある画家の本質を引き出します。 ◆多彩な作品による充実の回顧展 パリ市立近代美術館、パリ国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)、アンドレ・マルロ ー近代美術館(ル・アーヴル) 、ロンドンのテートなど、デュフィの重要なコレクションを 有するヨーロッパの美術館から協力を得て展示される作品は、画家の代表作をはじめ、油彩、 素描、版画、テキスタイル、服飾、陶器、家具など、多種にわたる総点数約 150 点を予定し ています。
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