白鳥川小水力発電の 取り組み 富 良 野 市 1 富良野市における取り組み 富 良 野 市 「農村・観光・環境都市」の実現に向けた政策展開 河川管理者 土地管理者 (都市施設課) (教育委員会ほか) 占用許可 機 材 提 供 占用許可 使用認可 <市民環境課> ★環境基本計画による重点プロジェクトとして 再生可能エネルギーの導入を検討 ★地域協議会からの設備提供により、富良野 市が試験用設備として設置 (発電試験のほか、 環境学習等で活用) ★他の有望地点についても可能性調査を実施 事 務 局 2 富 良 野 地 域 小 水 力 発 電 普 及 協 議 会 全 国 小 水 力 利 用 推 進 協 議 会 国 ( 関 係 各 省 ) 富良野地域小水力発電普及協議会 設立の経緯 ・麓郷地区において、自然エネルギー創出研究会が発足 ・平成22年度環境省事業において富良野地域が選定される ・平成22年10月、研究会を母体として地域協議会発足 ・学習会の開催や、市内の発電可能性調査を実施 <麓郷地区> ・昭和18年、麓郷市街地の電力供給用として水力発電を開始(20kw) ・同23年、第2発電所を建設(50kw)、地域の300戸の電力を賄う ・昭和36年、北電からの送電開始、同48年に施設移管 ・周辺地域への送電実現と共に水力発電所は廃止 3 麓郷地区に現存する小水力発電施設遺構 最大50kW、常時40kWを発電、麓郷地区の約300世帯に電力を送っていた ヘッドタンク 圧力水管 4 東山地区に現存する発電所遺構 運転当時、最大115kW、常時75kWを発電 左写真は放水口側から撮影 右写真はヘッドタンクと余水捌 5 検討経過の概要(発電方式選定理由等) <発電方式の選定> ■平成22年10月より具体化に向けて検討開始(東日本大震災発生前) ■再生可能エネルギーとしては、太陽光や風力に脚光 ■水力発電は、天候に左右されにくく、24時間安定した電力が得られるというメリットがある一方、当 時は「ダム造成」「自然への影響」といったイメージが濃かった(小水力発電への認知度の低さ) ■設置目的を、自然河川における発電試験設備という位置づけを基本としながら、再生可能エネル ギーの普及啓蒙や、環境学習で利活用する方向とした ■普及啓蒙や学習利用のためには、効率のみにとらわれず「わかりやすい設備」とする必要があった ■許可の問題のほか、環境面をアピールする上でも、堰等の土木工事は回避する手法での設置 重力水車(開放型下掛け水車)の設置へ <設置場所の選定> ■麓郷は、住民が自主的に講師を招き学習・研究を進めるなど、地域としての高い意欲が見られた ■地域の歴史的背景や、観光地としての集客力 → 高い啓蒙効果、話題性 麓郷地区を流れる白鳥川への設置へ 6 白鳥川への発電用水車の設置 【目的】 自然河川における発電試験 環境学習・普及啓蒙 【場所】 白鳥川 (富良野市麓郷地区) <占用許可に係る主な条件> ・河川への工作物の設置や、河床に手を加える行為は行わない ・増水時は十分な高さまで水車を上昇させ完全に離水させる ・流失等事故防止のため万全の管理体制を確保する 7 白鳥川水車の概要 <設備の主な仕様> 水 車:重力水車(開放型下掛け水車) 出 力:最大300W(常時100W) 回転速度:約13回転/分 羽根材質:スチール製 水車直径:2.25m 発 電 機:アウターロータコアレス発電機 < 設置・管理協力 : アイキ産業㈱、 ㈲三素 > ★バッテリーに蓄電することで、2.4kwh/日の電力利用が可能 ・LED防犯灯の電源に利用した場合、25灯分に相当 ★維持管理についても、発電した電力を利用して実施 ・電動ウインチによる自動昇降、電動刈払機充電用電源等 8 平成25年度の主な取り組み ・水車自動昇降設備の設置 ・見学用通路を整備 (2013/9/5 より一般見学受け入れ開始) ・発電電力量表示盤設置 ・LED防犯灯及び送電線設置 ・電動刈払機導入 以上のほか、発電効率向上のため 発電機駆動部の改良等を実施しな がら、より良いバランスを模索中。 見学用通路 9 今後の活用方針と課題 <今後の活用方針> ・地域の防犯灯電源として活用 ・市内各校と連携した環境学習での活用 <主な課題> ・安定した通年運転の実現(厳寒期における凍結、流木等の除去) ・耐久性の向上(除塵機能を持たない自然河川での運転に伴う摩耗・損傷等) 凍結状況(H24年3月)
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