科目名 クラス 地域研究Ⅰ 講義区分 <春集> 曜時 月4・木3 【教員氏名】 松村 昌廣 【単位数】 4 単位 【講義・演習概要】 本講義は地域研究の一分野としてアメリカ合衆国を取り扱います。地域研究(area study)とは 特定の地域又は国を国際政治学と比較政治学の両方の分析視角から捉える学問分野です。この講 義では、米国が覇権国として国際秩序のあり方に決定的なパワーを及ぼしていることから、米国 の国内的諸要因にも十分な注意を払いながらも、米国の世界政策、とりわけその戦略の変遷、そ してその背後にある思想的背景や利害関係を理解することに焦点をあわせます。 【学習目標】 冷戦後、一極体制を築いたかに見えた米国は依然として覇権を維持しながらも、今日、中東に焦 点とした反テロ軍事作戦、中国の台頭、経済金融危機など、様々な制約や困難に直面しています 。この講義では、総合的な分析視角から、2009年に発足したオバマ政権が採りうる、また採 るべき覇権維持戦略を考察します。この講義の単位を修得することによって、履修者は現在、米 国の抱える喫緊の課題は何であるか、米国はどのような選択肢をもっているか、そのためにどの ような政治面、軍事面、経済面を跨る総合的な戦略を採ることができるかについて概括的に理解 できるようになります。 【講義・演習計画】 第1回:比較政治学的アプローチ ― システム論と政治文化 第2回:大統領と行政府 第3回:二大政党制の下における議会 第4回:財界と地域経済 第5回:社会勢力 第6回:聖書主義 ― 旧世界との決別 第7回:社会契約論 ― 米国社会成立の正当化 第8回:フェデラリスト・ペーパー 第9回:安全保障国家の成立と展開 ― 四つの転換点 第10回:モンロー・ドクトリン 第11回:米国の政治経済的変容<I> ― 南北戦争 第12回:米国の政治経済的変容<II> ― 米墨戦争、米西戦争 第13回:ウッドロー・ウイルソンの理想主義 第14回:前期まとめ 第15回:予備調整日・・・予定終了の場合は臨時テーマ 第16回:米国の政治経済的変容<III> ― 大恐慌とニューディール政策 第17回:トルーマン・ドクトリン 第18回:ジョージ・ケナンとNSC68 第19回:米国の政治経済的変容<IV> ― 軍産複合体の出現 第20回:米国の政治経済的変容<V> ― 動揺する経済覇権 第21回:デタント 第22回:バンスと人権外交 第23回:米国の政治経済的変容<VI> ― 戦略路線対立とシンクタンク 第24回:レーガン革命と「悪の帝国」 第25回:クリントン「拡大と関与の戦略」 第26回:ブッシュ・ドクトリン 第27回:米国覇権の下に戦略路線対立のパターン 第28回:米国の政治経済的変容<VII> ― サブプライム・ローンと金融経済危機 第29回:オバマが直面する課題 ― レトリックと混乱する戦略思考 第30回:予備調整日・・・予定終了の場合は臨時テーマ 【成績評価の方法】 レポート:100% 出席:0% 受講者が多い場合は、中間試験と期末試験を行う。受講者が少ない場合は、レポートを同様に2 回課する。各々、配点は50点とする。90点以上をS、80~89点以上をA、70~79点はB、60~69点 はC、59点以下はDとする。 試験の出題内容は講義に出席しかつ理解していることを前提に総合的な内容とする。 【参考文献】 ・松村昌廣『米国覇権と日本の選択 ― 戦略論に見る米国パワーエリートの路線対立』勁草書 房、2000年。 ・松村昌廣『動揺する米国覇権』現代図書、2005年。 なお、米国に関して基礎知識に欠けるものには、以下の図書が必読。 ・向井隆治『面白いほどわかる 新しいアメリカのしくみ』中経出版、2008年。 【準備学習の指示】 講義の進行に合わせて「参考文献」を読むように。「参考文献」はテキストとして講義中に逐次 参照することはありませんが、本講義を理解し、試験に準備するためにも不可欠であることから 、履修者は各々精読しておくこと。 科目名 クラス 講義区分 曜時
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