事 業 報 告

事
業
報
告
講座名
環境学習講座「青海島の自然観察会」
日
時
場
所
平 成 2 8 年 5 月 1 5 日 ( 日 ) 9: 30~ 14: 30( 16: 30)
長門市 青海島周辺
参加者数
28人
( 集 合 青 海 島 ミニビジターセンター)
1
スケジュール
9:30~
9:35
開会行事(所長あいさつ、日程説明等)
〈青海島ミニビジターセンター〉
9:35~10:25
講義(小林知吉氏による青海島の花ごよみ)
〈青海島ミニビジターセンター〉
10:35~12:00
野外観察会(山野草や樹木の観察)
〈青海島自然研究路Aコース〉
12:00~12:50
昼食、休憩、移動
〈青海島ミニビジターセンター、場所移動〉
12:50~14:30
野外観察会(山野草や樹木の観察、ふりかえり)
〈波の橋立、青海湖、波の橋立駐車場〉
14:30~14:35
閉会(アンケート回収)
〈波の橋立駐車場で解散〉
以下オプション
15:00~16:30
海上アルプス観察(青海島観光汽船に乗船)
〈青海島シーサイドスクエア駐車場で解散〉
2
活動内容
午 前 中 は 、ミ ニ ビ ジ タ ー セ ン タ ー で 小 林 知 吉 氏 作 成 の パ ワ ー ポ イ ン ト で 青 海
島 周 辺 の 植 物 の 解 説 を 行 っ た 後 、青 海 島 自 然 研 究 路 の A コ ー ス を 通 り 、静 が 浦
を 経 由 し て 森 の 中 を 通 る 道 で ミ ニ ビ ジ タ ー セ ン タ ー に 戻 っ た 。そ の 途 中 に あ る
植物を指導者の説明を受けながら観察した。ミニビジターセンターで昼食後、
波 の 橋 立 駐 車 場 に 移 動 し 、青 海 湖 を 一 周 す る コ ー ス を 歩 き な が ら 植 物 観 察 を し
た。最後に観察した植物を整理するなど一日の振り返りを行った。
解 散 後 、希 望 者 は 青 海 島 シ ー サ イ ド ス ク エ ア 駐 車 場 に 移 動 し 、青 海 島 観 光 汽
船に乗船し、海上アルプスの観察を行った。
(植物の観察会)
◆指導者
小林知吉(豊北町自然観察指導員)
藤原俊廣(山口県樹木医会理事、樹木医)
〈 青 海 島 自 然 研 究 路 〉・ ・ ・ 約 1 . 2 k m
今 回 は 特 に 班 分 け を せ ず 、海 を 見 下 ろ し な が ら 歩 く 青 海 島 自 然 研 究 路 A コ
ー ス を 通 り 静 が 浦 の 海 岸 に 降 り た 。参 加 者 は 、配 布 し た 資 料「 青 海 島 に 咲 く
植 物 」を 見 な が ら 、植 物 の 名 前 を 確 認 し た 。小 林 氏 が 主 に 草 本 を 、藤 原 氏 が
主 に 樹 木 の 説 明 を し 、参 加 者 の 質 問 も 受 け な が ら 観 察 し た 。北 浦 海 岸 の 独 特
な 地 形 を 目 の 当 た り に し な が ら の 観 察 会 は す ば ら し い も の で あ っ た 。花 の 有
無 に か か わ ら ず 、講 義 で 出 て き た 植 物 を 中 心 に 説 明 が あ っ た 。ク ロ マ ツ の 枝
の 伸 び 方 や 松 ぼ っ く り に な る の に 1 年 か か る 雌 花 の こ と 、ま た ク ロ マ ツ の 保
護 の た め の 薬 液 注 入 の 話 も あ っ た 。帰 路 は 森 の 中 を 通 る ル ー ト で 、複 葉 と 単
葉 の 違 い 、ジ ャ ケ ツ イ バ ラ の か ぎ に な っ た 棘 、暖 地 性 植 物 の ホ ル ト ノ キ の 紅
葉 、ヤ ブ ツ バ キ の 葉 が モ チ 病 で 膨 れ て い る 様 子 な ど も 観 察 し た 。森 林 に お け
るキノコの役割の話もあった。
◇自然研究路で観察した植物は以下のとおり
アカメガシワ、イヌザンショウ、オニタビラコ、オニヤブソテツ
カ ク レ ミ ノ 、カ タ バ ミ 、カ ラ ス ザ ン シ ョ ウ 、ギ ン リ ョ ウ ソ ウ 、ク ロ マ ツ 、
コツクバネウツギ、コバノタツナミ、コバノミツバツツジ、コナラ
コマツヨイグサ、ゴンズイ、ジシバリ、ジャケツイバラ、スイカズラ、
ス ダ ジ イ 、ソ ク シ ン ラ ン 、タ イ ト ゴ メ 、タ イ ミ ン タ チ バ ナ 、ダ ル マ ギ ク 、
ダンチク、チガヤ、ツルナ、ツワブキ、トベラ、ナルコユリ、ヌルデ、
ネズミモチ、ノアザミ、ハマウド、ハマエンドウ、ハマクサギ
ハマゴウ、ハマセンダン、ハマゼリ、ハマナタマメ、ハマボッス
ハマタマボウキ、ハマダイコン、ハマナデシコ、ハマヒルガオ
ハ マ ヒ サ カ キ 、ハ マ ビ ワ 、ヒ ト ク チ タ ケ 、ヒ メ ユ ズ リ ハ 、ヘ ク ソ カ ズ ラ 、
ホソバワダン、ホルトノキ、マサキ、マルバシャリンバイ、メダラ、
ミヤマシキミ、ミヤマナルコユリ、ムベ、ヤツデ、ヤブコウジ、
ヤブツバキ、ヤマハゼ、ヤマツツジ
など
〈 波 の 橋 立 、 青 海 湖 〉・ ・ ・ 約 4 k m
波 の 橋 立 の 駐 車 場 を 出 発 し て 、青 海 湖 を 一 周 し た 。遊 歩 道 が 終 わ る と こ ろ
で 海 岸 に 出 る と 、ス ナ ビ キ ソ ウ が た く さ ん 開 花 し て い た 。渡 り を す る チ ョ ウ
で あ る ア サ ギ マ ダ ラ が 吸 蜜 す る こ と で 有 名 な 植 物 で あ る が 、当 日 は 風 が 強 く 、
ア サ ギ マ ダ ラ は 1 頭 し か 確 認 で き な か っ た 。そ の 後 は 田 畑 の 脇 を 通 る 農 道 を
歩いて駐車場に戻ったが、多くの帰化植物を含む人里の植物が観察できた。
田 の 代 掻 き を し て い る と こ ろ が 多 く 、土 中 に い た 虫 を 狙 っ て い る の か 、ト ビ
やキジが見られた。また猪の被害が多いのか低い電気柵が張ってあった。
◇波の橋立と青海湖周辺で観察した植物は以下の通り
ア カ メ ガ シ ワ 、 ア マ リ リ ス ( 園 芸 種 )、 ア メ リ カ フ ウ ロ 、
ア メ リ カ イ ヌ ホ オ ズ キ 、イ ヌ ビ ワ 、イ ヌ ム ギ 、ウ マ ゴ ヤ シ 、オ オ ジ シ バ リ 、
オオニワゼキショウ、オニタビラコ、オノマンネングサ、
オランダミミナグサ、カキドオシ、カスマグサ、カタバミ、カモジグサ、
カラスノエンドウ、カワラナデシコ、キショウブ、キュウリグサ、
クサイチゴ、クロガネモチ、クロマツ、ゲンゲ、コメツブツメクサ、
コバンソウ、コマツヨイグサ、サツキ、ジシバリ、シロツメクサ、
スイカズラ、スナビキソウ、セイヨウタンポポ、セリ、ソクシンラン、
ツルニチニチソウ、トキワハゼ、トベラ、ナワシロイチゴ、ニガキ、
ニガナ、ニワゼキショウ、ネズミムギ、ノアザミ、ノイバラ、ノゲシ、
ハハコグサ、ハマウド、ハマダイコン、ハマクサギ、ハマヒルガオ、
ハ ヤ ザ キ グ ラ ジ オ ラ ス( 園 芸 種 )、ヒ メ オ ド リ コ ソ ウ 、ヒ メ コ バ ン ソ ウ 、ブ
タ ナ 、 ホ ト ケ ノ ザ 、 マ ン テ マ 、 ム ク ゲ ( 植 栽 )、 ム シ ト リ ナ デ シ コ 、
ム ベ 、ム ラ サ キ カ タ バ ミ 、 ム ラ サ キ ツ メ ク サ 、ヤ ブ ジ ラ ミ 、 ユ ウ ゲ シ ョ ウ
など
( オ プ シ ョ ン 観 察 会 。 海 か ら 見 る 青 海 島 の 地 質 と 地 形 。)
〈海上アルプス観察〉
青 海 島 シ ー サ イ ド ス ク エ ア 駐 車 場 に 移 動 し 、希 望 者 で 青 海 島 観 光 汽 船 を 1
隻 貸 切 で 乗 船 し た 。船 着 場 を 出 港 し て 青 海 大 橋 を く ぐ り 、青 海 島 を 時 計 回 り
に 1 周 し た 。幸 い に も 風 は 南 風 で あ り 、メ イ ン の 島 の 北 側 は あ ま り 揺 れ ず に
済 ん だ が 、展 望 デ ッ キ で は 少 し 飛 沫 を 浴 び る こ と と な っ た 。花 崗 岩・安 山 岩・
凝 灰 岩・砂 岩 な ど の 岩 石 か ら な る 色 の 違 い や 、浸 食 の 様 子 の 違 い も 観 察 で き
た 。十 六 羅 漢 と 呼 ば れ る 独 特 の 景 観 や 、東 山 魁 夷 画 伯 が 描 い た 皇 居 波 の 間 の
壁 画「 朝 明 け の 潮 」の モ デ ル と な っ た 瀬 叢( セ ム ラ )な ど も 見 ら れ た 。さ ら
に断崖の上に営巣する環境省準絶滅危惧種のミサゴとその雛も観察できた。
(感想)
今 回 の 観 察 会 に は 6 4 名 の 応 募 が あ り 、や む な く 抽 選 で 定 員 の 3 5 名 と し た
が、キャンセルが5名、当日欠席が2名あり28名での講座実施となった。
当 日 は 風 が 強 か っ た が 天 気 は 良 く 予 定 通 り 実 施 で き 、植 物 は 想 定 し た も の は
ほ と ん ど す べ て 観 察 で き た 。最 後 の ふ り か え り で 、観 察 し た 植 物 名 を 挙 げ て い
っ た が 、用 意 し た ボ ー ド に 書 き き れ な い ほ ど 、全 部 で 1 0 0 種 を 超 え る 植 物 名
が リ ス ト ア ッ プ さ れ た 。参 加 者 が 積 極 的 に 手 を 上 げ て い た の が 印 象 的 で あ っ た 。
オ プ シ ョ ン の 海 上 ア ル プ ス 観 察 も 2 0 名 の 参 加 希 望 が あ り 、引 率 を 含 め て 2 3
名が乗船した。南風であったため思ったほど揺れなかったのは幸いであった。
★観察会の実施状況
〈講義、青海島自然研究路〉
青海島ミニビジターセンター
自然観察に出発
クロマツ雌花
講義の様子
クロマツ雌花の説明
ハマウド
ホルトノキ
ハマヒルガオ
ヤブツバキもち病
トベラ
〈波の橋立、青海湖〉
スナビキソウ説明
スナビキソウ
マンテマ
イタチハギ
ユウゲショウ
キハダ
〈海上アルプス観察〉
ミサゴの巣と雛
花津浦
異種の岩石による模
白旗岩
様
夫婦洞
観光船