大腿-膝窩動脈交叉バイパス術の検討

日血外会誌7
:745-751
,1998
大腿一膝窩動脈交叉バイパス術の検討
石川 和徳 星野 俊一 緑川 博文
猪狩 次雄 佐藤 晃一 高橋 皇基
要 旨:多発性閉塞性動脈硬化症症例に対する血行再建術式の選択は難渋することがあ
る.今回われわれは,大腿一膝窩動脈交叉バイパス術(以下CF-P)を施行した症例を経験
したので報告する.
1995年7月から1996年12月までに,施行した下肢ASOに対するCF-P症例は計6例
(男性5例,女性1例)であり,年齢は67∼79歳,平均74±5歳であった.うち3例は下
肢血行再建の既往があり,肢腸−大腿動脈バイパス術2例,左腸骨動脈から大腿動脈の閉
塞性病変に対してendovascular
surgeryによる血行再建1例であった.合併症は全例に高
血圧を認め,高脂血症2例,喫煙5例,糖尿病,虚血性心疾患各々1例であった.再建術式
は,健側の大腿動脈からの交叉バイパス施行2例,以前に施行されていた鼓腸―大腿動脈
バイパスのグラフトから膝腸動脈への交叉バイパス施行1例,叙腸一大腿一膝腸動脈交叉
バイパスの一期的施行1例,左外腸骨一大腿一膝腸動脈バイパスから対側膝腸動脈への交
叉バイパス施行1例,そして大腿一膝裔動脈バイパスのグラフトから対側膝腸動脈への交
叉バイパス施行1例であった.グラフトは,内径8
mm
EXS-knitted Dacron 3例,内径
6∼8mmリング付きgelatin coated knitted Dacron 3例で,末梢側吻合部位は,全例膝上
部であった.術式による合併症は,血腫およびseromaを各々1例認めた,
Ankle pressure
index (API)は,術前0.59土0.21,術後1.04±0.15と有意(p<0.01)に改善した.観察期
間は7∼23ヵ月,平均15.3±7.2ヵ月で全例開存している.CF-Pは,大腿一膝腸動脈領域
の多発性閉塞性動脈硬化症症例で,解剖学的血行再建が困難な症例に有用な術式であった.
(日血外会誌7
: 745 751, 1998)
索引用語:大腿一膝窩動脈交叉バイパス術,多発性閉塞性動脈硬化症
する機会が増加している.著者らはこのような症例に
はじめに
対し,大腿一膝窓動脈交叉バイパス術(以下CF-P)を
腹部大動脈一腸骨動脈領域に加えて,大腿一膝窩動
施行した症例を経験したので報告する.
脈領域にまで閉塞性動脈硬化病変を伴う多発性閉塞性
対象および方法
動脈硬化症症例や,再手術例に対して血行再建を施行
1995年7月から1996年12月まで,当科において
福島県立医科大学医学部心臓血管外科(Tel
: 024-548-2111)
CF-P術式を6例に施行した.6例の内訳は,男性5例
〒960-1295 福島市光が丘I
および女性1例,年齢は67∼79歳,平均74±5歳であ
受付:1997年】10月9日
った.病悩期間は平均42±24ヵ月,全例手術に先行し
受理:1998年9月10日
23
746
日血外会誌 7巻6号
表1 症例
脈
動
右浅大腿動脈閉塞雛貼澗
腸骨動脈閉塞
腸骨動脈狭窄
浅大腿−膝高動脈狭窄
EXS knitted
DacTon 8niiii
8mm
血管/
上膝瘍動脈
EXS knitted
Dacron8mm
H酋治訟湿詣i
゛/ ringed
hH露詣忿d
外浅
左左
6.77M
骨一膝然動脈閉
腿一膝窓動脈閉
血上
工膝
人右
5.67F
左総腸骨動脈閉塞
外外側
右左両
3.71M
4. 78M
-
右該嵩−大腿人工
勁脈バイパス左膝
工膝 工膝
人右 人右
2.79 M
/
管高
膝
血上
左外腸骨動脈狭窄
1 ゜ 左浅大腿動脈閉塞
73 M
使用した
既往の下肢血 中枢側/
症例 血管造影所見
鸚昭賢]qLAりpA諸諸裂‰
Gelatin
r≒ted Gi血tin
coated knitted
Dacron
61nm
LAP:Laser angioplasty; DPA:Directional peripheral atherectomy
てまず,薬物療法および運動療法を行っていたが,経
表2結果
過中のFontaine分類は,仝例II度と変化を認めず,手
成
績:初期開存率100%
 ̄↓
APIの推移 :術前:0.59±0.21
」
術後:1.04±0.15
’最高流速(cm/sec)
術前:20.4±7.7 −;
術後:54.9±11.4」
合併症:血 腫 1(例)
Seroma 1
術時の政行距離は平均118±85mであった.
危険因子では,高血圧を全例に認め,喫煙が5例
(86%),高脂血症2例(33%),糖尿病,虚血性心疾患
を各々1例(17%)に認めた.全例で,腹部大動脈およ
び腸骨動脈から膝窓動脈にかけて広範囲に狭窄あるい
は閉塞病変が存在した.6例中3例(50%)には下肢血
・p<0.01 ≪CF-P施行側の膝冨動脈にて測定
行再建術の既往があり,鉄聡―大腿動脈バイパス術が
2例,他1例は,左外腸骨動脈から浅大腿動脈領域の閉
塞病変に対して,
endovascular surgery (Laser angio-
交叉バイパス施行が1例,そして大腿―膝哭動脈交叉
plastyおよびdirectional peripheral atherectoray)によ
バイパスを施行したのが2例であった.全例とも,術
る血行再建術であった.
前の血管造影およびduplex
scanによる両側の膝哭動
自験例6例におけるCF-P術式の適応としては,1)
脈以下のrun offは良好であった.
CTや血管造影の所見上,腹部大動脈から両側腸骨動
人工血管径の選択は,血管造影やduplex
脈にかけて高度石灰化病変あるいは,片側性の閉塞病
る吻合予定部位の膝裔動脈径の測定から,口径差が少
変が存在するか,患側の大腿動脈領域に血行再建の既
なくなるように配慮し,今回の6例では,内径6また
往があるために,中枢側の吻合部位として不適と考え,
は8mmリング付きDacron人工血管で,
解剖学的血行再建が困難と判断した症例,2)既存のグ
Dacron (内径8 mm,
ラフトを利用したり,一期的に血行再建を施行した際
knitted Dacron 3例(内径6 mm.
に,対側のグラフトに中枢側を吻合し,交叉バイパス
1例)であり,末梢側吻合部位は,全例膝上膝裔動脈で
とすることで,手術侵襲を低減し,グラフト長の短縮
あった(表1).術後は全例にワーファリンおよぴ抗血
を図ることが有用と考えられた症例,とした.
小板剤を投与し,トロンボテストを10∼30%にコント
CF-P術式の施行に際しては,中枢側吻合部を既存
ロールした.
の鉄窓―大腿動脈バイパスのグラフトとした症例が1
統計学的検討は,術前後の比較はpaired
例,肢窓一大腿一膝窓動脈交叉バイパスの一期的施行
い,開存率についてはKaplan-Meier法を行った.pく
例が1例,左外腸骨動脈−大腿一膝窓動脈バイパスの
0.05を統計学的に有意差ありとし,数値は平均土標準
グラフトから対側膝窓動脈への交叉バイパス施行が1
偏差で示した.
例,対側の大腿一膝窓動脈バイパスのグラフトからの
24
scanによ
EXS-knitted
3例),リング付きgelatincoated
2例,内径8 mm,
t検定を行
1998年10月
石川ほか:大腿一膝郷動脈交叉バイパス術の検討
ア47
廓一一″sl四゛y/│“I‘11一喋鷹馳li
図I Case 5 K. T. 67 y. 0. F
A:血管造影上,右外腸骨動脈は閉塞
していた.
a:同部位のCT所見では,両側外腸骨
動脈は高度石灰化を呈していた.
B:血管造影上,左総大腿動脈は閉塞
していた.
b:同部位のCT所見では,両側総大腿
動脈は高度石灰化を呈していた.
C:両側の浅大腿動脈から膝裔動脈に
かけて狭窄所見を認めた.
ノ・・│
b
腹部大動脈に瘤状の変化を認めた
●S
;,-n・’・T「
(▲).同部位はCTほぼ全周性の高度
I・’り
ぐ’、jl’
‘
石灰化を認めた(矢印).
i
4
月であり,全例開存している.
結 果
代表的症例を提示する.
CF-P施行例全例において初期成功が得られた.
症例は67歳,女性.主訴は,病悩期間5年に及ぶ間
APIの推移は,術前0.43∼0.73,平均0.59±0.21から術
歌性政行で,政行距離は10mほどであり,
後0.88∼1.18,平均1.04±0.15と有意(p<0.01)に改
0.43,左0.76であった.血管造影にて,右外腸骨動脈
善した.政行距離は,全例で500
m 以上に延長した.
さらに左総大腿動脈の閉塞,両側の浅大腿動脈から膝
Duplex
CF-Pによる交叉バ
腐動脈に狭窄所見を認めた.また,腹部大動脈に径35
scan 血流動態解析では,
APIは右
イパス施行側の膝寓動脈における最高流速は術前
mmの瘤状変化を認め,同部位はCT上,ほぼ全周性の
14.1∼33.8 cm/ 秒,平均20.3±7.7
cm/秒から術後
高度な石灰化を伴っていた(図1).左下肢の血行再建
36.9∼69.3 cm/秒,平均54.9±11.4
cm/秒と有意な血
は左外腸骨一大腿―膝腐動脈バイパスを,さらに右下
液流速の増加を認めた(p<0.01).
肢の血行再建はこのグラフトから右膝腐動脈への交叉
術式に関連した合併症では,
バイパス術を径6mmリング付きgelatin
seromaおよび血腫をそ
れぞれ1例ずつに認めたが,経過中に消失した
coated knit-
ted Dacron 人工血管を用いて施行した(図2).術後の
(表2).術後観察期間は7∼23ヵ月,平均15.3±7.2カ
APIは,右1.08,左1.18と改善し,政行距離は500
25
m
ア48
日血外会誌 7巻6号
ても,低侵襲性や良好な長期開存性などの点から,肢
裔−大腿動脈バイパス術そして大腿一大腿動脈交叉バ
イパス術などを標準術式として評価する報告も散見さ
れている2
‘).しかし,近年増加している多発性閉塞性
動脈硬化症症例に対しては,これらの術式のみでは下
肢血行再建に難渋する症例も多い.
特に,大腿動脈以下に狭窄や閉塞性病変を伴う際に
は,下肢末梢動脈への血行再建術を付加する必要があ
D
り,このような症例に対してのaorto-femoro-distalバ
イパス術は,その解剖学的再建法の有用性が報告され
ている5).しかし,多くの症例の中には,大動脈から腸
骨動脈領域にかけて高度の石灰化病変が存在するため
に,中枢側吻合部位に利用できない場合や,脳動脈,
冠動脈さらには腹部内臓動脈などをはじめとする全身
の動脈硬化性病変が存在するhigh
risk症例などで,術
式による侵襲の低減を必要とする場合がある.
教室では,多発性閉塞性動脈硬化症例の中でも特に,
大動脈に高度の石灰化病変が存在し,さらに腸骨一大
腿動脈領域に片側性の閉塞性病変が存在する場合や,
患側の大腿動脈領域に血行再建の既往があるために,
中枢側の吻合部位として不適と考え,解剖学的血行再
建が困難と判断した場合.あるいは,既往のグラフト
図2 Case 5 K.T.61y. o. F
を利用したり,一期的血行再建を施行した際に,対側
D:左外腸骨動脈−大腿一膝裔動脈バイパス.
のグラフトに中枢側を吻合し,交叉バイパスとするこ
E:大腿一膝寓動脈交叉バイパス.
ともに,内径6mmリング付きGelatin
とで,手術侵襲を低減し,グラフト長の短縮を図るこ
coated knitted
とが有用と考えられた6症例に対し,CF-Pを施行し
Dacron人工血管を使用した.
た.
以上にまで延長した.
Duplex
scanによる血流動態解
現在まで,観察期間は短期間ながら,累積1次開存
析にて膝裔動脈における最高流速は,左外腸骨―大
率100%と良好な結果を得ている.今回CF-Pを施行
腿一膝窟動脈バイパス術施行側および交叉バイパス施
した6例に対する非解剖学的血行再建としては,旅
行側それぞれについて術前33.8
寓一膝裔動脈バイパス術の適応も考慮されるが,大腿
cm/秒および22.1 cm/
秒が57.0 cm/秒および56.6 cm/秒と増加した.現在ま
動脈へのsequentialを行わなかった場合の1次累積開
で術後8ヵ月経過した現在,良好に開存している.
存率は1年で69%,
2年では57%であり,グラフトが
長:いことで開存性が危惧され,標準的血行再建が困難
考 察
な場合の救肢に有用な方法6)ととらえている.
閉塞性動脈硬化症(ASO)症例に対する下肢血行再
一方,
建術式としては,非解剖学的バイパス術より良好な開
の大腿一膝窓動脈バイパス術と同等の開存が期待でき
存率が得られる解剖学的バイパス術を選択するべきで
ると考えられるが,
あるが1),以前より,症例ごとに全身状態や宿主動脈の
骨動脈から対側の膝裔動脈へ交叉バイパス術を施行し,
状態を考慮し,数々の非解剖学的バイパス術が考案,
救肢に成功した2例を1960年に初めて報告し,
選択されてきたことも事実である.腸骨一大腿動脈領
Schulerら8)は1984年に13例の交叉バイパス術の成
域の閉塞性病変に対する非解剖学的バイパス術におい
績を報告しているが,この内訳は,10例に対しては,
26
CF-Pは末梢のrun
offが良好な場合は,通常
McCaughanら7)は,正常側の外腸
1998年10月
石川ほか:大腿−膝裔動脈交叉バイパス術の検討
PTFEを用いたcrossover femorofemoro
−popliteal
749
述べている.自験例では,全例とも血管造影やduplex
sequential bypassを施行し,残りの3例に対しては,
scanなどの術前検索の結果,
PTFEまたはknitted Dacron を用いた大腿―大腿動脈
以下が良好なrun o汀を有していたため,敢えて
交叉バイパス術と同時に,自家静脈を用いた大腿一膝
sequential bypassを付加せずに膝寫動脈への交叉バイ
宸動脈バイパスを人工血管と膝裔動脈間に施行してい
パス術のみを施行したが,現在まで仝例開存を得てい
る.これらの症例について,42ヵ月後の開存率を
る.
femorofemoral segment とfemoro-popliteal
recipientside の膝寓動脈
使用血管については,自家静脈の使用例も散見され
segment に
分けて検討した結果,前者が91%に対し,後者では
ていたが,近年では抗血栓性や開存率が比較的良好な
63%であり,救肢率は88%であった.同様の検討を
小口径人工血管の開発などの要因に加えて,冠動脈バ
Ellenbyら9)が行っているが,術後5年での1次開存率
イパス術や下腿足部へのdistal
は前者で57%,後者では40%であり,救肢率は77%
脈を温存する目的で,膝上部までのグラフトとして人
であったと報告している.このように,大腿動脈と膝
工血管を選択している報告が多い13・14)自験例でも,全
寓動脈間に交叉バイパスを施行する場合には,可能な
例で口径6mmもしくは8mmのリング付きDacron
らrecipient sideの総大腿動脈または大腿深動脈にも
人工血管を使用し,末梢の吻合部を膝上部としている
吻合し,
また,本術式は小口径人工血管を使用しているため,
sequential bypassとする有用性が報告されて
bypass に備えて自家静
いる8・9).
抗凝固薬や抗血小板薬などの術後薬物療法が開存率維
一般に,多発性閉塞性動脈硬化症症例の場合は浅大
持にとって重要である15)著者らは,ワーファリンおよ
腿動脈の閉塞を伴うことが多く,大腿深動脈の有無が
ぴ抗血小板薬を全例に投与し,トロンポテストを10∼
血行再建の成否を決定する重要な要因となっているこ
30%にコントロールし,グラフトの長期開存を得るた
とが多い.それは,大腿深動脈はその側副血行路が十
めの一助としている.
分発達することで,膝宸動脈以下への血流の供給路と
結 論
なるだけでなく,愕部から大腿後面筋群への血流を支
配している10)ことから,腎筋肢行などの虚血症状の改
1)大腿一膝高動脈交叉バイパス術(CF-P)を施行
善という点でも,重要な役割を持っているためである.
した6症例を経験した.
さらに,下肢血行再建術後の開存率は,末梢のrun
off
2)全例において初期開存を得た.観察期間は
に左右されることが強調されており11),良好なoutflow
7∼23ヵ月,平均15.3ヵ月と短期間ではあるが,累積
の確保の点でもsequential
1次開存率は100%である.
bypass は有意義な手技と考
えている.しかし,実際には,血管造影で大腿深動脈
3)本術式は,片側性の腸骨―大腿動脈領域に閉塞
の開存を認めていても,高度の石灰化や狭窄病変を有
病変を伴い,従来までの術式による血行再建が困難な
していたり,大腿深動脈から下腿への側副血行路の発
症例に対して選択しうる,非解剖学的血行再建術式の
達が乏しい場合も少なくなく,吻合が困難であったり,
1つであると考えられた.
吻合しても十分な血流が得られない症例は多い.自験
本論文の要旨は第25回日本血管外科学会総会(1997年5月,
例でも,総大腿動脈あるいは大腿深動脈の高度石灰化
や閉塞病変の存在のために,
福島)において発表した.
sequential bypassを施行
できた症例はなかった.
文 献
Piotrowsk112)は,大腿一大腿動脈交叉バイパス術を
1)勝村達喜,正木久男:Extraanatomic
bypass
施行した症例の5年後の開存率を比較し,浅大腿動脈
応と成績。外科治療,53
1985.
が開存していた場合は92%であったのに対し,閉塞し
2) Brewster, D. C・, Perlen, B. A., Robinson,
ていた場合には35%であったと報告し,
a1. : Aortofemoral
recipientside
disease.
のrun offが制限される場合は,グラフトの開存率を向
3)
上させるために,大腿一膝窓動脈バイパス術を追加す
ることで良好なout
Arch.
27
J. G. et
graft for multi-level occlusive
Surg・,117 : 1593- 1 600, 1982.
Chittur, R. MoWilliam,
A comparative
nowを得ることが重要であると
: 529-533,
の適
evaluation
J. S., Jamal,
J. H. et al.:
of externally supported
ア50
日血外会誌 フ巻6号
polyletrafluoroethylene axillobifemoral and
axillouni-femoral
21
: 801-809,
bypass
10) Haimovici,
grafts. J. Vase
Surg・,
Norwalk,
1995.
Connecticut,
surgery, second
1984, Appleton-Century-
: 1463-1469,
11)江里健輔:非解剖学的バイパス.呼吸と循環,35:
bypass.
1989.
861-866,
1987.
5)笹嶋唯博,久保良彦:四肢閉塞性動脈硬化症 外
12) Piotrowski,
科的治療‐適応と成績:下腿動脈以下の閉塞。現
a1. : Aortobifemoral bypass
代医療,23
choice
6)
: 2069-2074,
Keller, M.
P・,Hoch,
Axillopopliteal
Surg・,15
7)
graft
1991.
J. R・,Harding,
bypass
for limb
A. D. et a1.:
J. J. and
salvage. J,Vase.
13)
for unilateral occlusive
arteries. Am.
8) Shuler,
J. J・, Flanigan,
W.
H., Jones, D. N. et
: the operation of
for unilateral iliac occlusion?
1988.
Shulz, G. A., Sauvage,
L. R., Mathisen,
S,F.:Cross-over
disease of the ilio-
Surg・, 151 : 26-28,
P・, Ryan,
axillofemoral
1960.
Vase.
and
fetnoropopliteal
Surg., 1 : 214-224,
bypass.
1986.
14)重松邦宏,重松 宏,小見山高士他:大腿膝寫動
T. J. et al.:
脈(膝上部)バイパスにおけるEXSグラフトと
bypass for combined ipsi-lateral iliac and
Technograft
(PTFE)の比較検討.日血外会誌,
3 : 495-500,
1994.
119
9)
occlusive
disease. Arch.
Surg。
: 456-46 1 ,1984.
Ellenby, M. I・,Sawchuk,
aL:Λnine-year
15)江里健輔,藤岡顕太郎,大原正己他:下肢閉塞性
A, P・,Schwarcz,
experience
T.H. et
動脈硬化症に対する大腿一膝聡動脈バイパスの
with crossover femor-
遠隔成績−長期補助療法の有用性.外科,49:
181-185, 1987.
0-femoro-popliteal sequential bypass. Am. J.
Surg.,
S. R. et
extranally − supported Dacron prosthesis in
Crossover femorofemoropopliteal sequential
femoropopliteal
J. Vase.
a1.: A five - to seven −year experience with
Kahn,
femroal
J. J., Pearce,
Surg・,8: 211-218,
: 817-822, 1992.
McCaughan,
edition,
Crofts, pp. 543-555.
4)岡留健一郎,杉町圭蔵:Femorofemoral
手術,43
H, : Vascular
161 : 672-676, 1991.
28
Ann.
ア51
1998年10月
Clinical Evaluation on Crossover Femoropopliteal Bypass in
Multiple ArteriosclerosisOcclusive Lesions
Kazunori
Ishikawa,
Tsuguo
Department
Key
Igari, Kouichi
There
All cases complained
were 5 men
The
grafts, 8 mm
distal anastomosis
both
significantly increased
Duplex
blood
scanning
(p<0.01).
from
a hematoma
1995
and
had
accompanying
December
previously undergone
were resolved early in the postoperative
patency rate was
1996, 6 cases
79 years).
diseases. All patients had
coronary
artery bypass
in two, were employed
as complications
graft.
in this series.
period. Ankle
resulting from
pressure index
0.59±0.21 to 1.04±0.15 postoperatively in the recipient limb
observation
for patients
popliteal artery.
and a perigraft seroma
cm/sec)
significantlyincreased
been
2 (33 %) had a history of hyperlipidemia,
diameter in four patients and 6 mm
of the recipient limbs
from 20.3±7.7 cm/sec
period was 15.3 months,
(API)
(p<0.01).
Also
popliteal artery measured
to 54.9+11.4
ranging from
these
7 months
cm/sec
by
postoperatively
to 23 months,
and the
100 % .
These results suggest that CF-P
femoral
1 (17%)
flow velocity (Vmax,
which
The median
accumulated
July
bypass (CF-P)
and the average age was 74 years (range 67
a history of smoking,
was to the above-knee
we encountered
grafting procedures,
the maximum
artery. Between
and 1 woman
5 (83 %) had
diabetes millitus, and
Dacron
Although
Medical University School of Medicine
of intermittent claudication, and had some
a history of hypertension,
Ringed
Takahashi
of patients with multiple arteriosclerosis occlusive disease have
of the iliac ipsilateral femoral
CF-P.
had
and Kouki
Midorikawa,
evaluated the clinical effectiveness of crossover femoropopliteal
with occlusions
I (17%)
Satou
Hirofumi
Crossover femoropopliteal bypass, Multiple arteriosclerosisocclusive disease
In recent years, the numbers
underwent
Hoshino,
of Cardiovascular Surgery, Fukushima
words:
increasing. We
Shunichi
can be an acceptable procedure
artery disease. (Jpn. J. Vase. Surg., 7: 745-751,
29
1998)
in selected patients with aortoiliac and