檄! 再度プラハ演奏会について プラハ演奏会制作 鳥潟朋美、 今回のわれわれのプラハでの演奏の目的は、以下の四つです。 ① 京都市とプラハ市の市民による音楽を通じた交流。 ② 廣瀬量平、ぺトル・エベンという二人の作曲家への賛辞。 ③ 立命館大学メンネルコールとカレル大学合唱団の演奏を通じた交流。 ④ カレル大学と立命館大学の交流。 1.発端 京都市、プラハ市の姉妹都市 20 周年を記念するに当たり、京都市とプラハ市 間の行政によるセレモニーだけでは、未来に文化的な交流の種が蒔かれない。市民のしっ かりした文化交流ができないだろうかと考えたチェコ日友好協会の方々の願いから実現し た演奏会です。だからこそ、私も真剣に彼らの要望を受け止めました。具体的には、チェ コ日友好協会の池田和生氏が、われわれのコンピュータ学院ホールでの『海鳥…』の演奏 をぜひチェコの方に聞かせたいと推薦したのが発端。チェコの人々も、われわれの CD を 聞き、これだったら呼びたいと賛同したのでした。 2.廣瀬&エベン、プログラム 廣瀬量平の音楽に、すでにチェコの音楽家は敬意を払っ ている。廣瀬が武満、黛などとともに 20 世紀日本を代表する作曲家であることは知られつ つあるのだ。すでにリコーダーの作品群は欧米でスタンダードなものとなっているし、オ ーケストラ作品もドイツを中心に広く紹介されている。その廣瀬の重要な作曲ジャンルで ある合唱作品とチェコを代表する作曲家エベンの合唱作品を対比することで、相互の文化 に敬意をはらいたいというのがプログラムの主な狙い。秋氏の作品は廣瀬の直系の弟子の 作品としての紹介。すでにチェコ側は楽譜を点検し、混声の録音を聞いている。 3.合唱団 メンネルは、廣瀬の大事な合唱作品を委嘱・初演してきた団体。廣瀬との 関係では特別な地位を日本の合唱団のなかで持つ。カレル大学合唱団もエベンに信頼され、 彼の作品の初演を手掛けてきた団体。演奏を通した交流には必然性がある。 4.大学交流 この演奏会を機に、カレル大学と立命館のつながりができることを、京 都市、プラハ市、両大学ともに願っている。われわれの大学訪問を機に留学生交換協定が 相互の大学に結ばれること、大学がこの度、多大な援助してくれたことにも、その狙いが あることを共通認識としたい。立命館は、カレル大学にグリーティングカードとお土産を 準備する。我々がカレル大学の学長室でカレル大の副学長にそれを手渡す。 以上、われわれはもちろん、日本のどんな合唱団も今まで経験したことのないようなひ じょうに意味深い、プラハでの演奏会です。われわれはアマチュアですが、されどです。 演奏会が大変オフィシャルなものであることを、再度みなさん肝に銘じてください。 また一人の音楽愛好家としても、ホールといい、共演者といい、これほどの場を踏むこ とは、今後ないでしょう。この幸せを噛みしめ、しっかり準備したいものです。もう時間 が限られますが、みなさんのさらなる奮起を求めます。 以上
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