2013 年 11 月 1 日 ビーズミルによる粉砕・分散プロセスの最適化と生産コストの低減 アシザワ・ファインテック株式会社 微粒子技術研究所 主任研究員 技術コンサルタント 石井利博 ナノテクノロジーをはじめ、最新技術の発展と微粒子技術は密接な関係にある。材料の 種類や粒子の大きさはその用途により異なるが、最新技術のなかには微粉砕・分散の需要 はつねに存在している。この微粉砕・分散工程に用いられる微粉砕機や分散機には様々な 種類、特徴があるため、目的に合った装置を選定し、最適な条件で処理することが重要と なる。微粉砕が可能な粉砕機には、ジェットミル、ボールミルおよびビーズミルなどがあ り、分散機には、ロールミル、ボールミルおよびビーズミルなどがある。 ビーズミルは、粒子をミクロン~ナノメートルサイズまで微粉砕・分散でき、エネルギ ー効率、生産性に優れた微粉砕・分散機である。しかし、ビーズミルへの要求は、さらな る省エネルギー化、高粘度処理、コンタミネーションレス、低温処理など多種多様である。 そこで、弊社では「粉砕/分散」「ミクロン/ナノ」「乾式/湿式」「高粘度/低粘度」など異 なる条件下での要求に対し明確な方向性を持ってビーズミルの開発を進め、異なる対象物、 異なる条件ごとに最適な機種の提案を行っている。また、小型実験機のテスト結果を基に、 大型生産機へのスケールアップと生産全体にかかるコストの算出(FS:採算性調査)を行 うことで、生産機導入前に採算性の確認ができる。 本日は、ビーズミルの概要とスケールアップや FS の方法について説明する。 発表内容は、別紙(パワーポイントの抜粋)をご参照ください。 本日は、ご多忙の中ご来場いただきまして誠にありがとうございます。 ■問い合わせ先 アシザワ・ファインテック株式会社 企画室 佐野 恵 〒275-8572 千葉県習志野市茜浜(あかねはま)1-4-2 TEL 047-753-8111 FAX 047-853-8378 会社サイト http://www.ashizawa.com 微粉砕・分散機の総合メーカー アシザワ・ファインテック株式会社 2013年11月1日(金) 14:45~15:15 出展者 製品・技術セミナー A会場 東6ホール ■事業内容 ビーズミルをはじめとする産業用粉体機械の開発・製作・メンテナンス ビーズミルなどを使用する受託加工 微粒子の開発、生産または利用されるお客様に対する技術コンサルティング ビーズミルによる粉砕・分散プロセスの最適化 と生産コストの低減 ■取扱品目 湿式および乾式ビーズミル(微粉砕・分散機) 脱泡機、攪拌・混合機、混練機 ■所在地 アシザワ・ファインテック株式会社 微粒子技術研究所 主任研究員 技術コンサルタント 石井利博 本社、工場 千葉県習志野市茜浜 試作テスト施設、受託加工施設 大阪支店 大阪府豊中市曽根東町 微粒子技術研究所 栃木県小山市 1 2 微粉砕・分散機の総合メーカー 機種選定目安表 アシザワ・ファインテック株式会社 明治36年創業、110周年を迎えます。 より細かく、より効率よく、より地球にやさしくを使命に、 微粒子技術でお客様との新しい可能性の共創をめざして 次の100年へのチャレンジを始めています。 3 4 本日の内容 1.粉砕・分散とビーズミル 2.スケールアップと FS(フィージビリティースタディー) INCHEM TOKYO 2011 5 6 1 粉砕と分散 微粉砕機の特徴 乾式微粉砕機 粉砕とは1つの大きな粒子を砕くこと ビーズミル ジェットミル ボールミル 湿式微粉砕・分散機 分散とはもともとの微粒子の凝集体をほぐすこと ビーズミル ボールミル 高圧 ホモジナイザー ロールミル 7 超音波 ホモジナイザー 8 乾式ビーズミルと湿式ビーズミルの比較 乾式ビーズミルと湿式ビーズミル 乾式ビーズミル ○ 粒度分布がシャープ(分級機能) △ 集塵装置などの周辺機器が必要 △ ナノ領域は困難(マイクロメートルオーダーが限度) 湿式ビーズミル △ 脱水・乾燥工程が必要 ○ ナノ領域が可能 9 ビーズミルの選択方法 10 機種選定目安表 ・乾式ビーズミル or 湿式ビーズミル 前後工程により決定 ・乾式ビーズミル 開回路粉砕 閉回路粉砕 ・湿式ビーズミル パス方式 循環方式 11 12 2 湿式微粉砕と分散 ビーズミルによる微粉砕・分散技術 粉砕 • 粉砕 – 対象物の粒子径と硬度に合わせて適切なエネル ギーを与える 強力な 「ずり」 • 分散 分散 – 作用点を増やす – 1次粒子を破壊しない ※マイルド分散 「転がり」 13 マイルド分散と従来の分散の比較 14 機種選定目安表 15 マイルド分散対応ビーズミル 16 マイルド分散と従来の分散の比較 理想的なビーズの動き 『単段らせん層流』 17 18 3 エコ粉砕 エコ粉砕 エネルギー効率向上のポイント: 「粒子サイズに合った適切な力を与える」 乾式ビーズミルと湿式ビーズミルとの組合せで ・処理量の向上 ・エネルギー効率の向上 ・粒子径分布幅が狭くなる →製品の品質向上 ・粗大粒子は粒子欠陥を多く含むため、その欠陥を 起点に粉砕が起こる →乾式ビーズミルが有効 ・微粒子は粒子欠陥が少なく理想強度に近づくため、 表面粉砕が主な粉砕形態となる →強力なずりを利用した湿式ビーズミルが有効 19 20 機種選定目安表 エコ粉砕 のフロー図 乾式:粗粉砕 ~10μmまで 21 湿式:仕上げ粉砕 10μmをサブミクロン~ナノメートルに 22 エコ粉砕例 • • • • 省エネルギー 短時間処理 長寿命 品質向上 -動力原単位 約1/4 -運転時間 約1/3 -摩耗量 約1/10 -粒子径分布幅が狭い -コンタミネーション少ない 23 INCHEM TOKYO 2011 24 4 スケールアップ スケールアップ • 実験機のデーターをもとに実際の生産量を考慮し、 生産機の大きさを決定 • スケールアップの方法 実験機の処理量からスケールアップ係数により算出 25 26 フィージビリティ・スタディ スケールアップの例 目標生産量 : 150 ton (dry) / 年 → 500 ton (slurry) / 年 フィージビリティー・スタディー(FS) [採算性調査] スラリー濃度 : 30 wt% 新事業を計画する際、採算面からその事業が成立する可能 性を事前に調査すること 運転時間 : 24 h × 25 日 × 12ヶ月 = 7200 h 実験機 生産機 ビーズ量 5.2 kg 194 kg 処理量 5 kg / h 90.8 kg / h 動力 5.0 kW 90 kW 実動力 3.5 kW 63.6 kW 動力原単位 5.8 kWh / kg (dry) 5.8 kWh / kg (dry) 生産機での処理量:90.8 kg / h → 653.4 ton / 年 生産機は1台 27 28 FS例 FS例 イニシャルコスト 項目 台数 コスト(千円) 原価償却(千円 / 年) ビーズミル 1 20,000 4,000 ポンプ 1 2,000 400 タンク 1 5,000 1,000 27,000 5,400 計 生産量 653.4 ton(Slurry) / 年 → 196 ton(dry) / 年 原価償却 5,400 千円 / 年 [ 27.6 円 / kg(dry) ] ランニングコスト 22,661 千円 / 年 [ 115.6 円 / kg(dry) ] トータルコスト 28,061 千円 / 年 [ 143.2 円 / kg(dry) ] 原価償却:5年等率 ランニングコスト 項目 単価 コスト(千円 / 年) 備考 注意:人件費、原料代などは含まない 電力代 15 千円 / MWh 9,720 使用量 : 648 MWh 冷却水代 0.03 千円 / ton 1,181 使用量 : 39,381 ton ビーズ 16 千円 / kg 10,560 摩耗量:0.7 g / kWh 部材 6,000 千円 1,200 寿命:5 年 計 22,661 トータルコストの約80 %がランニングコスト 29 30 5 出展機種 おわりに • 対象物や目標とする粒子径にあった最適な機種の 選択と運転条件を設定することで、粉砕・分散効率、 品質(コンタミネーションの低下)が向上する。 • 精度の高いスケールアップとFSにより、生産機導入 前に採算性の確認が可能となる。 • ランニングコストの低減には、最適な機種の選択と 運転条件の設定が必要である。 • 微粒子の開発、生産または利用されるお客様に対 する「技術コンサルティング」を実施 31 32 ご来場のお礼 ご清聴ありがとうございます ご質問は弊社ブースにて個別に対応します アシザワ・ファインテック株式会社 弊社ブース:6A-07 33 6
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