JAMBA NEWS No.31 2013.2.22

日本多胎支援協会メールマガジン
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JAMBA NEWS
No.31
2013.2.22
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節分が過ぎ、暦の上では春になりましたが、まだまだ寒さ厳しい毎日ですね。いかがお過ごしでしょうか。
さて、今日は 2 月 22 日です。平成 22 年のこの日に日本多胎支援協会が発足され、3 年が経ちました。これか
らも緩やかだけど地域を広げるなど、活動の輪を広げてゆきたいと考えています。
Mail: [email protected]
<もくじ>
【1】日本双生児研究学会 第 27 回学術講演会で 日本多胎支援協会「子育て支援者向け多胎支援研修プロ
グラム」について発表しました(JAMBA)
【2】「神奈川県新生児医療連絡会」で機会をいただいて(JAMBA)
【3】「多胎育児教室」をはじめました(ぎふ多胎ネット)
【4】埼玉ホームスタート推進協議会報告会「あなたの地域で孤立を防ぐ子育て支援を」
【5】DVD 上映会を実施しました(岡山県倉敷市)
【6】全国多胎サークル紹介!~「にこにこ club」(鳥取県西部)
【7】会員紹介~理事自己紹介 田中輝子理事
【8】日本多胎支援協会からのお知らせ
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【1】日本双生児研究学会 第 27 回学術講演会で 日本多胎支援協会「子育て支援者向け多胎支援研修プロ
グラム」について発表しました
1 月 26 日(土)慶応義塾大学三田キャンパスで開かれた日本双生児研究学会で、これまで JAMBA が取り
組んできた「子育て支援者向け多胎支援研修プログラム」について、プログラムの開発に一から携わっ
て下さった十文字学園女子大学の布施晴美先生に発表していただき、その時の様子をご報告していただ
きます。布施先生ありがとうございました。
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日本多胎支援協会では、子育て支援拠点スタッフ等子育て支援者に対して、
「子育て支援者向け研修プ
ログラム」の開発に取り組んできた。学会では開発したプログラムについて報告した。
昨年 23 年度版研修プログラム(詳細は本協会 HP の「虐待防止のための連携型多胎支援事業」報告書を
参照)を開発・試行し、成果を得たが、今年度は、その 23 年度版プログラムをさらに見直し、研修時
間を短縮した 24 年度版研修プログラム(以下、24 年度版)を開発した。24 年度版は、①多胎の妊娠・
出産・育児と支援のニーズ(講話)
、②ふたごの母親の体験談(DVD 視聴)
、③当事者性の尊重(講話)、
④ワークショップ「多胎育児家庭の支援を考える」の4講座、3 時間 30 分の構成とした。
「財団法人こ
ども未来財団・小規模研修会助成」により、全国4か所で子育て支援者を対象に 24 年度版を試行した。
参加者の反応としては、多胎家庭への理解が深まり、支援する際の態度や姿勢を再認識し、支援すべき
課題を積極的に見つけて行こうという視点を見出すなど、満足度の高いものであった。これらの成果は
23 年度版と比較し大きな差はなかった。課題としては、多胎育児のノウハウを知るという目的で参加す
る受講生が多くおり、本プログラムは、単にノウハウを学ぶといったものではない点でズレが生じてい
る懸念がある。本プログラムでは、支援者が自らノウハウを得るために必要なことを学び、さらに多胎
家庭家族のエンパワメントを引き出すためにできることを探るスキルを持つことが大切と考えている。
一方で、様々な立場・領域、様々なニーズを持つ受講生に対応するプログラムメニューも必要であり、
今後検討していきたい。
(報告:布施晴美 十文字学園女子大学)
【2】「神奈川県新生児医療連絡会」で機会をいただいて
神奈川県新生児医療連絡会からの依頼で、2 月 12 日に横浜市で開催された連絡会で「多胎児とその家
族への支援」と題して、田中が短時間のお話をさせていただきました。
この会は神奈川県内の NICU をもつ病院の情報交換を目的とした会で、周産期医療に携わる医師、助産
師、看護師、臨床心理士などがさまざまな視点からの意見交換をしているそうです。当日は 18 時 30 分
開始の会でしたが、最終的に 80 名くらいの参加があり、緊張感の高い仕事を終えたあとの熱心な研修
に頭が下がる思いでした。
まず、このたびの会の当番である聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院周産期センターの正木宏先生か
ら、なぜ今回のテーマを選んだかの説明がありました。この 30 年間を見ると新生児の出産状況や社会
状況は大きく変わっており、それに伴って育児する親の心情もさまざまで、さらに多胎となるとより複
雑な状況が生まれてきていること、そしてそれをケアするのに医療現場だけではカバーしきれないと感
じていること、また多胎の妊娠を知った母親は喜びより不安を感じており、障がいや体重差のある双子
の親はもちろんだが、健常で生まれた多胎児の親も大きな不安をかかえながら育児のスタートとなるこ
とを医療者は知っておくべきであることなどを話されました。
病棟からの事例報告では、出産前から一児が重い障がいをもって生まれるとわかっていた双子の親の揺
れ動く心情をどのようにケアしていくか、体重差が大きい双子をスタッフも迷いながら同時に退院させ
たが、偏愛が起きてしまいどのように対応するのが良かったのか、といった話題提供がありました。
当然のことですが、周産期医療の現場では、子育て支援の現場で出会う親子よりもっともっと複雑で重
い課題を抱えた親子をケアしていることを、改めて実感しました。「多胎妊婦はすべての妊婦が、妊娠
期からの継続的な支援を必要とする特定妊婦」という視点は、子育て支援の現場では当然のように感じ
ますが、重い課題がある母子や消え入りそうな生命と毎日対峙している医療の現場では、元気な母子へ
の対応はやはりなかなか手が回らないのが現状なのだということを、田中なりに感じました。
田中からは、多胎支援協会が専門職と当事者の連携を大事にしていることをもとに、医療専門職と多胎
育児当事者で連携して支援していくことの意味や効果、ぎふ多胎ネット、杏林大学、大阪母子保健総合
医療センターなど、医療専門職と当事者が連携している事例をお話しさせていただきました。
このような機会をいただき、また関心をもってお聞きいただけたことはたいへん嬉しいことです。今後
も多胎支援協会がこのような機会に恵まれることで、医療と地域の連携を進めていくことができればと
思います。
(報告:田中輝子 日本多胎支援協会理事)
【3】未就園児親子対象の「多胎育児教室」をはじめました!(岐阜)
今年度、ぎふ多胎ネットでは岐阜県下の 6 地域において未就園児の親子を対象に多胎育児教室を行って
おります。これまで、妊娠中のプレパパママ教室、病院サポート、出産後の健診サポートと切れ間のな
いサポートを行ってきましたが、私たちのような先輩ママと知り合うだけでなく、その地域の多胎育児
者同士が、支え会える仲間となるような場、また家に閉じこもりがちな多胎親子が地域に一歩踏み出す
気持ちになれるような場となるよう企画しています。参加者は 1 歳児、2 歳児のママたちでずが、日常
の外出は少なく、なかなか出会えない双子ママに会いたかったという思いから参加され、「少しの時間
でも楽しく話すことができて良かった。
」
「同じ思いの人の話が聞けて良かった。」
「双子をさずかった時
の喜びや、成長を再認識できて良かった。」「みんな頑張っているから私も頑張ろうと思いました。」等
の様々な感想をいただいております。パソコン、携帯などのインターネットの普及で情報を得、繋がる
機会は多くなってきたように思われますが、多胎妊娠期から不安定な状況での出産、煩雑な乳幼児の世
話に追われ、まだまだ当事者同士が出会う機会は少なく、見逃されやすい狭間で孤立しやすい状況であ
ることを改めて強く感じさせられました。来年度は一つの地域で毎回親子遊びとテーマを持った話し合
いとを行う会を 4 週連続で行い、これを各地域で年 2 回の開催を予定しております。
(林真由美 NPO 法人ぎふ多胎ネット)
【4】埼玉ホームスタート推進協議会報告会「あなたの地域で孤立を防ぐ子育て支援を」
埼玉ホームスタート推進協議会は、2月 14 日に埼玉県さいたま市の浦和コミュニティセンターにて「あ
なたの地域で孤立を防ぐ子育て支援を」と題して、共助社会づくり支援事業の 2 年間のまとめの報告を
行いました。
支援拠点が充実してきた昨今ですが、
「拠点に来られる人はいいけれど、ここに来られない人はどうし
ているの?」という想いを募らせている支援拠点スタッフも増えています。来年度から地域子育て支援
拠点の強化型の一つとして、訪問型支援が含まれてくる可能性が高くなったことを反映し、埼玉県内の
子育て支援関係者を中心に、担当課の行政関係者、支援拠点スタッフ、支援センタースタッフ、さいた
まコープ関係者など、125 名の参加となりました。
本会では生協総合研究所の近本聡子さんから、埼玉県内で訪問活動をしている 3 エリアでさいたまコー
プの個人宅配利用者のなかの赤ちゃん割引を利用している会員 4538 人に配布したアンケートの調査結
果の発表がありました。どちらかというと引きこもりがちになる層へのアンケートでしたが、ポスト投
函による回答が 990 人、21.8%の回収率と高い関心を感じました。また子育て支援の充実からか、約
67%の人が何らかの子育て支援につながっていることが明らかになりました。しかし残りの約 33%は
どこにもつながっておらず、アンケートの自由記述からは著しく孤立している記述も散見されました。
また埼玉県立大学の市村彰英教授(臨床心理士)が、ホームスタートの仕組みが利用者との良好な関係
を保ち、利用者の強みや良さや意欲に焦点をあてる活動であることを、わかりやすく講演しました。
ホームスタートは 2012 年 12 月現在、全国で 43 団体が取り組んでいます。訪問型支援のニーズが高ま
る中、今後も各地に広がっていくことでしょう。多胎育児家庭も地域の子育ての一つとして、さまざま
な支援の対象として認識されることが望まれます。
報告書の PDF はこちらから→●
(報告:田中輝子 日本多胎支援協会理事、埼玉ホームスタート推進協議会事務局、ホームスタート・
ジャパン理事)
【5】DVD 上映会を実施しました。(岡山県倉敷市)
こんにちは!倉敷ツインズマザークラブです。私たちは、倉敷市を中心に、毎週火曜日に活動していま
す。現在、会員は 0~4 歳の 26 組。活動内容は主に交流会ですが、月に 1~2 回程度イベントを企画し開
催しています。例えば、リトミック、ヨガ、人形劇、動物園へ親子遠足、公園遊び、簡単クッキングな
どなど。企画からすべて、会員の双子ママでやっているので、子供達を見ながらの運営は大変です。
今回、ご縁あって越智祐子先生(同志社女子大学)と cherry peer(兵庫県宝塚市)さんによる『知っ
てほしいふたごの育児』の DVD 上映会を倉敷保健福祉プラザにて開催しました。
私が特に印象深かったのは、ご自身が双子の男性のお話。「かけっこのタイムなど、小さなことでも双
子の兄弟に負けることがあると、とても悔しかった」。私たち親は、比べないように努めている方も多
いと思います。でも、誰に言われるわけではなくとも、一番比べているのは双子の本人同士なのだな、
と気付きました。この感情は、年の違う兄弟よりも、もしかしたら強いのかもしれないなと。本人同士
が比較し、打ちひしがれることが出てくるかもしれない。その時に、親としてどんな言葉をかけてやれ
るか、それをいまから考えて行きたいと感じました。
当日参加された会員のみなさんからも感想をお聞きし、双子育児の大変さは皆一緒なんだな!と安堵の
声もありました。また、ツインズに参加することで、気分転換、悩み相談の場になり毎週楽しみにして
いるとの声もあり、多胎サークルの必要性も強く感じました。
今回の上映会を通じて、多くの方とお知り合いになれたこと。多胎サークルのかたち、支援の方法など、
いろいろな角度から勉強させていただき感謝しています。
私たちも cherry peer さんのような、会の運営を支える団体を作ろうと検討しています。これからも是
非、機会があればみなさんと繋がりを深めていけたらと思っております。
(報告:光本康恵 倉敷ツインズマザークラブ)
【6】全国多胎サークル紹介!(1) ~ 双子、三つ子育児サークル「にこにこ club」(鳥取県西部)
JAMBA では、今後地域を広げていきたいという思いがあります。そこで、全国の多胎サークルをご紹介
することで地域の様子をお伝えできたらと考えサークル紹介をはじめます。今回は鳥取県の「にこにこ
club」さんからご紹介いただきます。また、皆さまの近くの多胎サークルをご紹介ください。
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双子、三つ子育児サークル「にこにこ club」は平成9年に発足し鳥取県西部を中心に活動しています。
私とにこにこ club との出会いは双子用ベビーカーを譲っていただけるとのことで妊娠中に入会しまし
た。過酷な看護師の仕事をしながら 30 歳過ぎてからの初めての妊娠で、とにかく不安が付きまとって
いました。にこにこ club には入会の年齢制限がなく先輩双子ママさんたちに幅広い年齢層の双子にま
つわる参考になるお話を聞かせて頂き双子育児の不安除去材料となりました。今やネット社会。パソコ
ンや携帯を開けば簡単に知りたい情報が手に入ります。しかし実際会ってしゃべってみると不安な事へ
のストレス発散にもなりましたし、地域の双子情報や子育て支援の情報など、ネット上ではなかなか田
舎の地域の情報までは手に入りません。
長年、地域の双子たちを支えてきたにこにこ club ですが仕事を持つ母が圧倒的に多く、サークル活動
にまで手が回らず退会してしまうケースも少なくありません。スタッフも仕事をしながらですので自分
の負担にならないよう、活動内容を充実させたくさんの会員さんに参加してもらえるようイベントを考
えています。
最近は米子市にある子育て情報ステーション CHUCHU さんの多大なるご協力もあって楽しいイベントを
開催させて頂いております。CHUCHU のスタッフさんも子育て真っ只中。パワフルすぎるほど活動的で、
何より私たち母の味方なのです。たくさんの方々に助けられながらにこにこ club が続く限り双子育児
の何かの手助けになればと思っています。
「にこにこ club に入ってて良かった~」と少しでも思って頂
けたら何よりです。
(山本優子 にこにこ club 副会長)
【7】会員紹介~理事自己紹介 田中輝子理事
今回は、現在日本多胎支援協会の事務局、田中輝子理事に自己紹介をお願いします。
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田中輝子です。平成元年生まれで今年の 5 月に 24 歳になる男女の双子の母親でもあります。子どもた
ちが5歳の頃に所属していた埼玉県の「ツイン・キッズ・クラブ」という多胎育児サークルで、自分達
の体験をまとめて本にすることになりました。その編集係だったのが縁で、多胎に関する本を出してい
た「ビネバル出版」という出版社でパート勤務することになりました。
出版社という立場で見ると、多胎児がどんどん増えているにも関わらず社会の理解や情報はそれに追い
ついていませんでした。各地に多胎育児サークルができましたが、情報を求めて入会する会員が急増し、
サークルのリーダーは会員のケアや会の運営に疲弊していました。厚労省(当時の厚生省)の書類に初
めて「子育て支援」という言葉が載ったのは平成元年だそうですが、
「多胎育児支援」という概念がな
んとなく理解されはじめたのは、双子のベビーカーをよく見かけるようになったという明らかな実感と
共に、双子に関する本が出版され、テレビ放映などがあって社会の関心がやっと動きだした平成6~8
年になってからだろうと思います。
その後、平成 15 年にサークルリーダーを繋げようと、「多胎育児サポートネットワーク」を立ち上げ、
その後福祉医療機構などの助成をうけて「地域の多胎支援ネットワークの構築」を現在の JAMBA の理事
メンバーと共に提案、平成 22 年 2 月 22 日に「一般社団法人日本多胎支援協会」として法人なりしまし
た。またそれと前後して訪問型子育て支援・ホームスタートにも関わり、多胎育児家庭が地域の子育て
の一つとして、さまざまな人たちに理解され応援されるよう願いながら活動しています。
こうして思い返してみるとこの 20 年間は、自分の子ども達の成長と共に多胎育児支援に関わり、社会
の動きと共にネットワークづくりを模索し、能力がない自分なりにできることをけっこう頑張ってきた
のではないかと思えます。またこのような活動を続けられてきたのも、さまざまな大切なたくさんの出
会いと共に、家族の理解と協力があってのことだったと思います。そして「私にとって双子の母親にな
ったということは、いろんな人と出会い、何かひとつでも世の中の役にたてるようにという、神様から
の贈り物だったのかもしれない」と、今さらながら思うのです。
(田中輝子 日本多胎支援協会理事)
【8】日本多胎支援協会からのお知らせ
「平成 25 年全国研修会及び総会」の日時と場所が決定しましたのでお知らせします。
みなさまどうぞご参加ください。
日
時 平成 25 年 6 月 23 日 13:30~17:00 (受付 13:00~)
場
所 石川県政記念しいのき迎賓館 セミナー室
石川県しいのき迎賓館 → http://www.shiinoki-geihinkan.jp/index.html
講
演 13:30~15:30 演題・講師については、後日お知らせします。
交流会 15:30~17:00
詳しくは、追ってお知らせいたします。
※役立つ情報のページ
JAMBA ホームページには、多胎育児の支援に役立つデータや情報を、お届けするページがあり、随時
更新しています。どうぞお役立てください。
JAMBA の役立つ情報のページはこちら → http://www.jamba.or.jp/assist.html
※みなさまの地域でのイベント情報や、活動報告などお知らせください。また、お近くの多胎サークル
をご紹介ください。お待ちしています。
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発行者 一般社団法人 日本多胎支援協会
(JAMBA :Japan Multiple Births Association)
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